2020年7月4日土曜日

トンネル残土受け入れ「第3の候補地」へ

 九州地方の豪雨で被害が明らかになってきました。心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。行方不明の方が早く見つかることと、救援での二次被害がないことも心から願います。

 夜中の水害は、避難も防災体制も本当に難しい。4つの台風が北海道を連続して襲った4年前、南富良野町などでの浸水も同じような時間でした。家の中への浸水に気づき寝ていたところを飛び起きて、外に出られないので机の上に椅子を置き、夜が明けるまで椅子の上で過ごしたという方がいました。とても不安だったことでしょう。

 とにかく水の流れは早いもの。気がつくと、あっという間に押し寄せるのです。それが暗い夜に重なると、ますます避難は困難になります。ともかく、まずは無事に避難された方の健康と安全を守ること。雑魚寝が当たり前という環境も、早く解消しなければなりません。北海道胆振東部地震のことも思い出し、あの手この手を早く打ってほしいと願うばかりです。

 今日は佐々木明美札幌市議と、新幹線トンネル工事から出る要対策土の「第3の受け入れ候補地」とされた手稲区山口地域へ。先月、急に名前があがり住民説明会がおこなわれ、その説明は札幌市が前面に立っていたといいます。焦りの現れです。

 山口地域は、その名のとおり山口県からの入植が多い地域。盆地のような地形のため札幌のなかでも気温が高く、数百メートル先にある「おたるドリームビーチ」は、多くの人で夏は賑わいます。砂地という条件も重なり、写真の看板のようにスイカやカボチャの名産地でもあり、スイカは「山口スイカ」として東京へも出荷されてるとのことです。

 のどかで自然豊かな山口地域に、降ってわいた残土受け入れ問題。札幌市のゴミ処理場に運ぶとのことですが、市の説明によれば「市民がゴミを出さない努力をしてきたため、受け入れに余裕が出てきた」ため、今度は残土を入れたいと。取ってつけた理由のように聞こえるのは、私だけでしょうか。

 住民説明会でも「なぜ山口なのか」「コロナ禍とはいえ地域を分けて説明されたら、住民でまとまった話ができない」など慎重や反対を訴える方が多かったそうです。当然です。新幹線には賛否ありますが、だからこそ住民合意は必要だともいえます。そのプロセスを、札幌市は形式的に済まそうとしていないか。

 「個人的には絶対反対だ」と、ある農家から話をうかがいました。ここは代々引き継いできた農地だし、代替地もあるのではとの思いもあります。ただ反対でなく解決策を見出だしたいとも話されました。いずれにしても、今月にも敷地の事前調査をするような拙速さは許されないというのが、住民の共通の思いだと感じました。

 大事なふるさとを守りたいというのは、誰もが同じ気持ちです。そこに寄り添わず札幌市と鉄道・運輸機構が工事を強行し、負の問題は地域に押しつけるようなことでいいのでしょうか。そもそも国の公共事業である新幹線工事だけに、国会とも連携して取り組みを強めたい。

 【今日の句】遠くから 無事を願うも もどかしく

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