今日の参議院で、日本共産党・市田忠義参議が「自民・西川TPP対策委員長が5項目の検討と‥‥聖域でない以上、自民党公約や国会答弁からも交渉から撤退すべき」と問いました。
本会議質問を聞いていて、さて安倍首相は何と答えるか?と、私もじっと聞きました。
ちなみに市田さんが質問した柱は、次の3つ。
①総理は、2月に私(市田)の質問に「状況の進展に応じてしっかりと国民のみなさまに情報提供していく」と答弁された。
バリでのTPP交渉で、日本がアメリカに示した自由化率は92%と報道されていますが、それは事実ですか。
もし事実なら、これまで日本が関税撤廃をしたことのない929品目のうち240品目の関税撤廃を表明したことになります。
それは、どういう品目か。
なぜ、そうしたのか。
しっかりと情報提供していただきたい。
②総理は「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉には参加いたしません」とも明言された。
ところが自民・西川TPP対策委員長は農産物の重要5項目を関税撤廃の例外から抜けるか抜けないか、検討させてもらわなければならない、と述べた。
聖域とは、手を触れてはいけない分野という意味です。
それを検討の対象にするということは、すでに5項目が聖域でなくなっていることを示している。
それならば総理は、総選挙・参院選と2度に渡って国民に公約し、本会議場でも明言したとおり、TPP交渉から撤退する決断をおこなうべきではありませんか。
③総理は、まったく食料自給率の引き上げに触れないではないか。
いくら自由貿易の時代であっても、食糧主権を守ることは今や世界の流れです。
自給率向上の明確な目標を掲げること--を求めたわけです。
さて、総理の答弁は。
「交渉の具体的内容について、詳細を述べることは差し控えますが、
ご指摘の報道内容は事実ではありません。
われわれが選挙でお示しした公約は、違えてはならないと考えています。
政府としては与党の立場で、全力をあげて交渉に臨んでまいります。
交渉はこれから本格化します。
守るべきものは守り、攻めるべきものは攻め、国益を追求するという政府の方針になんら変更はありません。
これから交渉が本格化する段階において、交渉からの撤退についてお話することは国益の観点からも不適切と考えます。
食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは、国民に対する国家の基本的な責務の1つであり、国内農業生産の増大をはかり、食料自給率、自給力を向上させることは重要であると考えております。
そのためTPP交渉のいかんにかかわらず、国内の農業の活性化をはかっていくことは待ったなしの課題であり、攻めの農業政策の具体的な展開に力を入れていきたいと考えております」
‥‥さて、これを読まれたあなたは、どうお感じですか?
まず、アメリカへの条件明示を明確に否定しました。
そして西川発言には触れることなく、これまでどおり「国益を追求する立場で交渉」するのだと貫きました。
食料自給率は明確に数字化せずに、「自給力」という、聞きなれない概念を使いました。
参議院HPから画像も見れますので、ぜひ直接ご覧いただきたい。
かなり首相の答弁はつまずいたり、珍しく水も飲んでいました。
TPPだけでなく、消費税や原発、秘密保護法なども、従来の説明で強弁しぬいた、という感じを受けました。
つまりは、議論がかみあってないし、正面から答えるのを避けている。
これから予算委員会など、真正面からの議論で、さらに問題が鮮明になるでしょう。
この中継を見た後に、森つねと道国政相談室長と農業・水産業・消費者団体を訪問しました。
(写真は道農協労連での懇談です)
引き続き日本共産党はTPP阻止にがんばります、と話しました。
TPPの中身も大問題だけど、さらに情報を隠して参加をめざすという、手続き上も大問題!
宣伝や道庁前行動などなどにも、駆け回ってきました。
TPPストップへ、まだまだたたかいはこれから!
【今日の句】 もうすでに 国益損ねて いないのか
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