農協法以来、しばらくぶりに衆議院農林水産委員会での質問。独立行政法人改革にかかわる難しめの法案ですが、つまりは研究分野をないがしろにしてはダメだと批判的に取り上げました。
統合の対象となるのは、農業関連4法人(農業・食品産業技術総合研究機構、種苗管理センター、農業生物資源研究所、農業環境技術研究所)と水産関連2法人(水産総合研究センター、水産大学校)です。
インターネット中継のビデオライブラリ(こちら)から見ることができますよ。
問題は、何のための統合なのかと、その統合は何をもたらすか、です。
今回の統合の理由には、研究結果が共有できるなどのシナジー効果が期待されるとしています。
もちろん限度はありますが、それなら統合を進めるほどシナジー効果が生まれるということにもなってしまう。
これまででさえ農業・食品産業技術総合研究機構は、独立行政法人制度の発足以降、16もの試験研究機関などと統合されてきています。
報告シートには、研究分野の融合が進んで新たな成果が見られる一方で、多様な分野の業務が加わることで組織管理が困難になりつつあるとの指摘も見られます。
さらに種苗管理センターは、2007年・2012年・今回と、統合相手が二転三転します。
これらの経過や実態を見るに、統合する正当な理由を私は見出せません。
そして統合によって、①職員や研究者の身分と労働環境・研究環境がどうなるか、②運営交付金の削減はあるのか、が懸念されます。
運営交付金では、発足当初から農業関係の法人で約25%、水産関係の法人で約16%の削減になっています。
節約とともに、北海道のバレイショ原原種配布価格は約1.5倍となりました。
「生産者のもとに届くときには10円ほどになる」と答弁がありましたが、問題は金額でなく、交付金の削減によって受益者負担の方向が強まらないか、なのです。
そもそも研究分野における、行政改革推進本部での議論がひどすぎる。
委員会でも指摘しましたが、分科会WGでは、平気で受益者負担や“もっと成果を早く”のような意見が出されています。
現場の苦労や努力を理解していない意見で、とんでもないものですよ。
特Aランクをもらうようになった北海道のコメだって、コシホマレからきらら397まで19年、そこからゆめぴりかまで15年かかっているんです。
それが研究の世界でしょう。
北海道では先日、国内初のジャガイモシロシストセンチュウが見つかり、その抵抗種の開発が求められるわけですが、それだって簡単にできるものではない。
生産者と研究者の苦労と努力があってこそ、今の農林漁業が成り立っている--この事実をふまえた支援こそ強めるべきだと思うのです。
法案は可決されましたが、実は可決時の拍手が与党席から起きませんでした。
今国会の農林水産委員会では初めてのことです。
それが反対討論の効き目によるものなのかはわかりませんが、問題の所在が伝わった結果なら幸いです。
久しぶりの委員会のため長々と書いてしまいましたが、しっかりした質疑をやってこそ国会議員。
きちんと役割を果たしていきたいと、あらためて思いました。
【今日の句】 政党の 統合効果 あるのかな
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