2019年8月26日月曜日

まったく納得できない

 日米貿易協定は基本合意に至ったと報じられていますが、国会へも国民へも十分な情報が出されていません。これで9月下旬には署名?だなんて許されません!

 国会でTPPストップの論戦に立った者として、農産物輸入はTPP水準を上限にとどめたなんて言い分は聞きたくありません。重要5品目を守るとした国会決議にも反し、農家の不安も払しょくされなかったのが論戦の結論だったと思っています。その水準に「とどめた」のではなく、すでに国内農家への大打撃を前提にしてきたのではありませんか。

 飼料用トウモロコシの輸入なんて、日本での需要なんて関係なく、中国に輸出できなくなったから日本が買い取るようなもの。米国の農家を助けるために、日本の農家にツケをまわすなんて許されないですよ。

 進め方もひどかった。米国がサービス分野・非関税障壁も含めて協議の対象だという、まさにFTAそのものなのに、日本側は対象は物品関税だけなのだからTAGなのだという造語まで持ち出して協議入りしたのでした。こんな言い分、世界的にも通用するのでしょうか。

 その非関税障壁は、TPPと並行した日米協議文書(サイドレター)にて保険・共済、食の安全など、あらゆる分野で「日本が主体的に」米国の基準に合わせるような約束をしてきたではないかと、くりかえし国会で追及してきました。報道の範囲では、この非関税障壁の部分で合意があったのか、よくわかりません。このような経過で、基本合意の全体像もとらえなければなりません。

 9月下旬に署名というのなら、国会には報告をし、しっかり閉会中審査もおこなうべきです。それを10月4日召集かと言われている臨時国会まで引き延ばして質疑もなしに署名するというのなら、まったく納得などできない。私は今回の基本合意に、本当に怒っています。

 多くの農家が価格下落にどれだけ苦しめられ、農地と地域社会を守るためにどれだけ苦労を重ねてきたか。よく安倍首相が持ち出す「農は国の基」とのスローガンなど「本気で言っているのか」と、多くの農家が疑っているのではないでしょうか。これだけ食料自給率を下げながら、なお農産物輸入を大幅に広げていくなんて! 食と農を粗末にする国に未来なし!

 非関税障壁の問題も、よくよく見ないといけません。いったん規制緩和すれば元へ戻せないラチェット条項や、欧州でも反対が強いISDS条項などの存在がTPPの質疑では大問題となりました。水や食の安全、医療や保険など国民生活に直結する課題で米国スタンダードとしたり、民営化・市場化が強められることとならないか、たださなければいけないです。国会論戦を期待しつつ、私は今いる北海道で世論を広げるために力を尽くさなければ。

 今日は毎月26日におこなう道原発連の「チェルノブイリデー」宣伝に参加。多くの方がシールアンケートにも協力してくださいました。宣伝と対話を大きく広げていきたいですね。

 【今日の句】結局は 結論だけの 押しつけか

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