2017年12月21日木曜日

卸売市場改革は誰のため?

 来年の通常国会に卸売市場法の改定が出される見込みで、紙智子・田村貴昭の両議員秘書と2日間、札幌での調査です。

 今日は札幌市中央卸売市場の開設者である札幌市から、あらためて概要や市場制度の意義について聞き取り、村上仁・札幌市議も同席してもらいました。

 意外と知られていない、この法改定。

 安倍農政改革の一環として、規制改革推進会議から公設市場の廃止まで踏み込んだ意見が出されるなかで、政府・与党の調整を経て来年に改定案が出される見込みとなっているのです。

 そもそも昔々は「闇市場」が横行するもとで、生鮮食料品を公的責任で安定的に流通させるために生まれたのが今日の市場制度です。

 生産者から集荷して、市場に運ぶ卸売業者。

 かたや消費者へ販売窓口とでもなる、卸売業者。

 生産者が再生産できる価格であり、消費者も購入できる価格であり、それが市場の果たす「価格調整」機能でもあるのです。

 ところが市場の「中抜き」をすれば、その分の手数料を減らして消費者のもとへ安く届けられるという議論があり、場外取引が増えてきたのが現実です。

 しかし、そのもとでも水産物で5割、青果物でも国産は8割以上が市場経由なのですから、その意義は大きいのです。

 価格はもちろんですが、卸と仲卸の間で「需給」「品質」も共有されている意義は、あまり多くの方の認識ではないかもしれません。

 いずれにせよ、この市場機能を廃止するのは乱暴な議論であって、さすがに与党からも意見があり、先に書いたように調整を経た段階になっているというわけです。

 札幌市からの聞き取りでも、この市場の「原則」とともに、情勢に見合った「例外」を組み合わせて成り立ってきている現実があります。

 農水省も「(法改定の)施行期日は検討中」のようですので、現場をあずかる開設者としては様子見というところでしょうか。

 何より今は、水産では水揚げ減少が大きいため集荷能力に不安があり、水産単価は上がっていますが量の減少で帳消しになる苦境が続いています。

 根本的な問題も含めて、この市場問題は取り組まなければいけないんですね。

 明日は早朝のセリ見学から、業者さんとの懇談もあります。

 そういうわけで今日は早めに、おやすみなさい!

 【今日の句】 安ければ いいってもんじゃ ないんだし

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