2019年3月4日月曜日

新法で何が変わる?

 アイヌ新法(案)が今国会で審議される見通しのため、千歳・苫小牧とまわる国会調査に同行しました。じっくりと話をうかがいました。

 国会からは宮本岳志衆議院議員、紙智子参議院議員の秘書が来道。審議する委員会は現在未定ですが、国土交通委員会が濃厚とのことで国交委員の宮本議員が来られたということです。各アイヌ協会、専門家、アイヌの方々などとの懇談を重ねました。

 今度のアイヌ新法(案)には、▼前文に先住民族と明記される、▼差別の禁止規定が盛り込まれる、▼交付金措置が盛り込まれる、などの特徴とともに、長年の要望でもある生活支援・教育支援が盛り込まれないことや「観光資源としてのアイヌ」としか見ていないのではとの批判、国による謝罪がないことなどへの意見があります。法律名も「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」と、何だかまわりくどい。

 長い間、差別や偏見を受けてきた事実は消えません。いきなり違う言語を使うよう迫られ、うまく話せなければ職業でも差別されたとなれば、今の古老アイヌの生活困窮は国策が反映したものではないのか。日本共産党北海道委員会はエカシ(祖父)・フチ(祖母)の年金拡充を長年訴えてきたのは、歴史的事実にもとづいた根拠があるからなのです。

 今日も率直な思いを話していただき、なかには「正直に言えばシャモ(和人)が嫌い」という方も。学校教育のあり方に触れて、しっかり子どもたちが歴史を学べるようにしてほしいという方が多かったのも特徴でした。法案が指す「アイヌの誇り」には歴史認識の国民的共有が必要ですし、これまでの国の施策の検証も必る要ではないのでしょうか。

 それが十分にないから「来年できる象徴空間をもって、また国が知らんぷりをするかもしれない」との話が出るのも当然と思いました。「国会で(先住民族と認める)決議があがってから、何か変わったことがあったでしょうか」との意見も、重く受け止めるべきなんです。

 「国会議員枠を」「学習指導要領にアイヌを位置づけて」「古い生活館を建て直すだけで予算はなくなるのでは」などなど、本当に多くのご意見をいただきました。私は直接に国会で質問できないのですが、いろんなネットワークを生かして少しでも反映できるようにしたい。

 明日も白老町で話を聞き、国家調査団と別れてから厚真町・安平町・むかわ町をまわります。早いもので胆振東部地震から半年になるんですよね。

 【今日の句】スタートは 歴史の直視 あってこそ

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