2013年10月27日日曜日

緊急の安全対策と、総合的な抜本対策を

 今日の「緊急シンポジウム JR北海道 何が問題で、何を解決したらいいのか」には、約150人の方がご参加いただきました。ありがとうございました!

 道教育大札幌校准教授で地方交通政策を研究されている武田泉さんは、分割民営化後のJR北海道の問題点と、国の予算配分の問題を指摘しました。

 JR北海道の経営は「ケチケチ体質」であるとともに、労働環境でも極端な合理化・効率化が進められたとの指摘には納得しました。

 また、北見道路の例をあげて、道路予算は余しながら、鉄道予算は北海道開発予算にもない実体にあることを告発されました。

 元国労札幌闘争団団長の牧田智雄さんは、JR北海道発足時からの経常損益と社員数削減の経過を検証しました。

 完全民営化をめざしたJR北海道でしたが、鉄道事業が赤字になることは当初からの見込みであり、基金の運用益なども含めて、黒字に持ち込もうとしてきたわけでした。

 その結果、目標どおりに人員削減は達成しましたが、それが昨今の事態を生んできたわけであり、抜本的見直しの必要性を定期しました。

 紙智子参議院議員は、JR北海道の社会的責任が欠如してることに加え、国の監督責任が問われている問題を提起しました。

 そもそも2002年の規制緩和で「事故が起きてからチェック」となったのに加え、福知山線脱線事故を契機に置かれた安全統括官も、JR北海道には7年間、一度も監査に入っていない可能性(!)があることを告発。

 安全を事業者まかせにせずに具体策を講じ、分割民営化の総括と公共交通機関のあり方を考えるときだと述べました。

 真下紀子道議も特別発言をおこない、JR北海道本社や国交省への要請を通じて感じた問題や、一昨日に調査に行った増毛町でも情報共有がなされていない問題があったことを指摘し、道もJR問題で責任を果たしていくべきと発言しました。

 フロアーからは元国鉄労働者という方が、涙ながらに「JR北海道の現状が恥ずかしい」との発言から始まりました。

 「新得保線区は200人いた社員が、いまや13人。中堅社員がいなくて、トロッコで巡回しても何が問題か若い社員では見抜けないことがある」

 「保線区で23年働いてきた。問題は、更新や人員確保に本社が予算を投下しなかったこと。技術者の育成も必要だ」

 「中堅層がいないため、6000人が減ったという以上に技術的には問題になっている。JR問題を考える学者・弁護士の会で、フォーラムをおこなう」

 など活発な意見が交わされました。

 感想文も24人の方が出され、元国鉄労働者、20歳の女子学生、公務員の方など幅広く、しかも熱心な感想が多いことに驚きました。

 強い問題意識を持たれて参加いただき、主催者としては嬉しい限りです。

 でもシンポジウムを開くこと自体が目的でなく、問題の所在と解決策を明らかにし、道民世論も広げていって公共輸送の安全を確保することが、一番の目的です。

 まずは第一歩。

 報告集をつくって各界とも話し合い、党としても国会でも要請項目を準備中と言います。

 党道委員会でも、提言をまとめる作業に入ります。

 公共交通は、北海道の町づくりに直結する重大問題だけに、将来ビジョンも合わせて考えていきたいと思っています!

 【今日の句】 どこまでも 続く線路は 未来にも

0 件のコメント:

コメントを投稿