2020年11月27日金曜日

見直すなら今だ

 新型コロナ対策の要望を聞いてまわりながら、新幹線トンネル工事での残土置き場(黒松内町)への調査にも足を運びました。環境基準の何と270倍というヒ素が、渡島トンネル工事から出てきたことを鉄道・運輸機構が認めたこともあり、あらためて実態をとらえる必要があると思ってのことです。岩沢史朗・菅一の両町議が同行してくださいました。

 町有地を用いた残土置き場は2ヵ所あるのですが、写真はそのうちの1ヵ所で、私たちの足元の奥の空域に置いていくことになります。その量は41万㎥。もう1ヵ所と合わせれば59万㎥となるのですが、見た目でも傾斜が急で、しかも朱太川に近いなぁというのが第一印象でした。すでに斜坑掘削土から基準値の約4倍ものヒ素が検出されているのですが、この場所には対策の必要がない土だけでなく、要対策土もいっしょに持ち込まれるといいます。

 「朱太川の清流を守る会」のみなさんが現地視察をおこない、私と同じような感想を持ったようです。「このような場所で大丈夫なのか」「埋めたてる方法は安全なのか」との思いで受け入れ地の見直しを求める請願署名を集めたら、実に町民有権者の16%にあたる344筆にのぼったとのこと。見直しをするなら今をおいて他にない、ということなのです。

 機構側の説明では内浦トンネル掘削は始まったばかりで、水平ボーリングの解析をふまえて無対策・要対策と分けています。この間の調査では、斜坑現場(東川地区)から函館側では鉛やセレン、札幌側ではヒ素が出るだろうと見込まれています。渡島トンネルのような「条件不適土」が出た場合の対応を聞くと、町へ報告するとの回答でした。北斗市議会には2年ほど後に報告されたことを考えれば、すみやかな情報公開は必須のはずです。

 2030年度末の開業へ間に合わせるように、安全基準をふまえずに工事を進めるとなれば言語道断。開業期日を含めて、抜本的な見直しを視野に入れるべきではないのでしょうか。せっかく得た今日の情報は、全道へも広げていきたいです。

 「朱太川の清流を守る会」共同代表の高木晴光さんからも、ご意見をうかがいました。話題は寿都町・神恵内村での「核のゴミ」文献調査にも及び、「残土も核のゴミも、国策として地域に押しつけられているようです。何も言わないということにはならない」。日本共産党は町でもがんばるし、国や道へも反映させていきたいと私からも応じました。

 黒松町内唯一の医療機関である「ブナの森診療所」へ、コロナ禍での苦難や課題を聞くために足を運びました。ちなみに黒松内町は「ブナの北限」であり、ブナをもとにしたネーミングなども多くあります。さらにちなみに、町議の岩沢さんは今年4月まで診療所の職員でもありました。

 感染症病床は持っていませんが、PCR検査の結果が出るまでの受け入れについて議論を進めてきているといいます。入院患者には高齢の方・介護を必要とする方が多く、今でさえ体制はギリギリです。ここで看護師に陽性者が出れば医療体制が壊れていくことは明らかで、「これまでも緊張状態のもとにいて、すでに職員は疲弊状態です」との言葉を重く受け止めました。医療用手袋などが入手しにくくなっている、とも聞きました。

 懇談のなかでは「施設を任せきりにしないでほしい」との要望もありました。新型コロナへの対応策は蓄積もできていますし、マニュアルなど適切な形で示してほしいとの主旨です。GoToトラベルも都道府県知事の判断に丸投げした菅首相ですから、あまり多くは期待できませんが、しっかり反映していきたいです。

 夕方から寿都町に移動して、「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」のメンバーから話をうかがいました。明日も寿都町・神恵内村へとまわる予定なので、この件は明日のブログにまとめます。ぜひ明日もご覧ください。

 【今日の句】これ以上 想定外は 通らない

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