2015年10月18日日曜日

農水委員会視察の報告(オランダ編)

 委員会視察の後半はオランダです。ミラノは車の数に驚きでしたが、アムステルダムは自転車の町!  専用車道もあり、各国の文化や制度の違いは興味深いですね。
 
 オランダの農業現況ですが、イタリア同様、国土の約45%が農地という農業大国です。
 
 そのうち何と国土の4分の1が干拓地で海面より低いのですが、まったく地震なども起きない地域であり大きな自然災害に見舞われなかったようです。
 
 視察時の気温は一ケタで肌寒さを感じる冷涼な気候だけに、主要農産物は北海道と重なり、ばれいしょ・甜菜・生乳などで、いずれも日本の産出額を上回ります。
 
 もちろんオランダは有名な「花の国」であり、花き類の輸出額は大きいのですが、ばれいしょも実は輸出額で世界第1位、全体でも米国に次ぐ世界第2位の農産物輸出大国なのです。
 
 農家も、この10数年ほどで農地の集約が進んで平均面積は25haを超えます。
 
 輸出の原動力になってきたのが施設園芸なのですが、後述するように規模も経営手法も想像を超えるようなものでした。
 
 オランダでは、①花き卸売市場の視察、②施設園芸農家の視察、③研究と産業との連携について学ぶことが中心です。
 
 朝早くホテルを出て花き卸売市場へ向かうのですが、イタリアもオランダも朝7時を過ぎても日が昇らず暗いのです。
 
 ただでさえ時差ボケなのに‥‥と思いながら市場(フローラホランド)に着くと、眠気が吹っ飛ぶ面白さ!
 
 面白いというと不謹慎かもしれなせんが、ポットに入ったきれいな花のロットが、せり にかけられた後の各地へ運ばれるシステムが非常に効率的なのです。
 
 行った時には終わっていましたが、せり自体も大学の大教室のような部屋で、巨大なスクリーンと備え付けのパソコンを見ながら、目当ての花をせり落としていくのです。
 
 ここまでネットワーク化できると、当然のごとく在宅でもせりに参加できるのだとか。

 でも花にせよ野菜や魚にせよ、現物を見ないで大丈夫なのかと思いましたが、ここに運ばれる花はAクラスで品質も保障されており、それを裏付けるのが市場内にある研究室でした。

 ここでは数日間、家庭内などで花が置かれたら何日もつのかなど、データを蓄積しているのです。

 それ以外の花情報なども合わせて、せりにかかる花の品質情報がデータとして、せりの際にも重視されているようでした。

 そもそも、この市場は花き生産者が主体となり、集積させて販路を開くという歴史があったとのこと。

 この市場への登録は、生産者はもとより流通業者や他国の生産者も会員となり、理事会のような場面では生産者も同等の権限を持って運営に参加しています。

 「生産者の収入確保と販路確保」という当初の目的が今も貫かれるなかで、6つあるオランダ花き市場のうち最大規模の市場となったのでした。

 先進的な技術や効率的なシステムに目が行きがちですが、生産者を中心に、生産者自身も中心としての役割を担っていることが印象的でした。

 生産現場にかかわる視察先は、ウェストラント市のグリーンポート(施設園芸産業の集積地)にて3.5haの温室で年間約1500トンのパプリカを生産しているフォルスターさん宅。

 ここも移動中の窓から見える風景は大牧草地で、いっけん北海道にも似ているのですが、丘陵や山々が先に見える北海道と違い地平線まで牧草地なのです。

 しかも、その面積に比して牛などの数も少なく、ひろびろ~として草を食んでいました。

 それとは異なる姿を見せたのがこのグリーンポートで、巨大ハウス(温室)が立ち並んでいる様子はあまり日本には見られないもの。

 アムステルダム空港に降りる時も、上空から巨大なハウス群が目に飛び込むほど、それはそれは大きな温室なのです。

 温室内に入ってそのスケールにビックリ! 写真でわかるでしょうか。

 耕作地はなく、宙に浮かせたパイプからパプリカの枝がニョキニョキと4~5mも伸びています。

 中心から見て左右とも確か90m、ずっと奥は300mほどだったでしょうか。

 オランダは天然ガスが産出されるのですが、大型ガスボイラーを購入した後にコジェネレーションシステムも入れて温室の暖房や照明をコントロールし、液肥によって生育や成分も調整するという生産だとか。

 お父さんの代から続けた農家経営のうえに、このような技術を導入したそうです。

  フォルスターさんだけではできないことで、資金は地方銀行から借り、設備や技術についてはコンサルタントがいて今の形態にたどりついたそうです。

 天井にも届きそうなパプリカは専用の上昇機に人が乗って収穫され、選別やパッケージまで機械を導入している徹底ぶり。

 省エネ化や低コスト化もはかっていますが、価格は安めとのことで、さらに努力が必要だとの話でした。

 価格の問題は日本農業とも共通なんですね。

 とはいえ生産スタイルの違いには、見ていて複雑な気持ちになりました。

 視察最終日には、オランダ東部のワーヘニンゲン大学とフードバレー財団を訪れました。

 もともと農業大学だったワーヘニンゲン大学が、1998年に農業分野の国立研究機関などと提携し、リサーチセンターとの研究領域をすみわけるなどで実績をあげ、いまや国際的に有名な農業系大学となっています。

 その領域は「エネルギーと気候」「水と排出」「持続性」「付加価値」「生産と品質」などなど多岐に広がっていて、なかには人間の味覚の嗜好や行動様式など社会科学の分野ではないのかと思えるところまでフォローしているのです。

 例えば先ほど書いた大型施設園芸についても、どうすればエネルギーと効率を抑えられるかなどの問題は応用されてきていますし、知識や建設技術・ノウハウの輸出もおこないたいと意欲的です。

 日本の関係機関とも連携が進められているとのこと。

 基礎研究から応用まで貫かれる精神は for quality of life だと、名刺の裏にまで書かれていることは大きな強みなのかもしれません。

 大学のすぐ近くにフードバレー財団があり、ここでは企業との連携や製品開発への助言などが進められています。

 何から始めたらいいかわからない人や企業のためにワンストップで相談もできるし、研究機関との連携も。

 こうなると経済シンクタンクのようですが、競争以前の重要な問題に対しては企業の共同を勧めているといいます。

 それが何かといえば「安全」。

 食品ですから、一定の安全基準はどの企業も満たす必要があり、共通のコストになるわけです。

 そこでこのような財団が仲介の役割も担っているようで、今は健康志向も反映して減塩について取り組んでいるとの話でした。

 食の安全はEU全体で厳しめの基準があり、EUとしても企業の共同を促しているといいます。

 企業側からすれば、政府からの規制を前に自主的に対応する形になり、その前提のうえに製品化する際に競争となるとのこと。

 つまり何でも競争や抜け駆け的な経済社会ではなく、一定の共通ルールのうえの競争ということですから極めて欧州的だと私は納得。

 生産者支援というより日本でいえば経済産業省の領域でもありますが、とても興味深く説明を受けました。

 イタリア同様にオランダもまちなかの市場を視察しましたが、夕方になってきたのと雨のため店じまいも多くて残念。

 行った市場というのは、新教会とグロチウス像が立つマルクト広場という町の中心部で、塔上からの眺めはすばらしいのだとか。

 あいにく視察目的とは外れるため上りませんでしたが、きっと歴史的な街並みが一望できるんでしょうね。

 これまた余談ついでですが、アムステルダムの人だけなのか、雨でも傘を差さない人が多いのです。

 自転車の町らしく、雨合羽を愛用している人が多く見えました。

 日本でマンションの傾斜問題が騒がれていますが、実はアムステルダムの建物も少し前傾しています。

 写真でわかるでしょうか、その理由は建物上部にあるフックに家具などを引っ掛けて上の階に窓から入れるためなんだそうです。

 なるほど、地面に垂直では窓にぶつかって釣り上げられませんものね。

 最後になりますが、視察の合間にはシャロン・ダイクスマ経済副大臣との会談があり、それでも一言。

 オランダでは経済副大臣が対外的には農業大事と称することが許されていて、少しの時間でしたが両国の農業・食糧問題について意見交換しました。

 11月に来日する予定だそうで、再会の約束とエールの交換。

 海外の政治家との交流も私には初めてのことで、緊張しながらも全日程は終了。

 ブログ用に書いた報告ですが、きちんと党内で結果を共有できるように定型の報告文書はつくる予定ですが、まずは第一報として綴りました。

 国内的にはTPPが重要問題ですが、実は協議中の日欧EPAも、特に北海道の農産物と重なるだけに影響は心配になります。

 調査結果も含めて吟味が必要ですが、日欧EPAで北海道農業はさらに深刻を極めるというのが私の感想です。

 さて今日は時差ボケもなんのその、党北空知・留萌地区の「青空まつり」などに参加。

 久しぶりに子どもたちとも、ゆっくり夕食をとりました。

  【今日の句】 日本には こんなにおいしい ものがある

2015年10月17日土曜日

農水委員会視察の報告(イタリア編)

 約11時間のフライト(機中泊!)を終えて無事に帰国しました。学ぶことが多かった、1週間もの農水委員会でのイタリア・オランダ視察の感想を、2回に分けて記したいと思います。

 視察前半はイタリア。

 視察先の中心は、①ミラノ博覧会にて各国の食糧事情などを学ぶこと、②世界的に有名なチーズ生産工場の視察で、移動途中に地元スーパーや市場なども回りました。

 ミラノ博覧会は「食」がテーマで、日本はじめ各国がブースやパビリオンを持ち、自国の食糧事情や食文化の発信などをしており、短時間で多くの国の現状を学べる‥‥と思いきや、会場は平日にもかかわらず超満員!

 日本館は人気な国の1つで、雨が降る肌寒い日であるにもかかわらず館をぐるっと取り囲むように1時間も2時間も待っているのですから驚きです。

 視察ということで、現地で案内付きで時間を確保していてもらっており、見ることができたのはイタリア・日本と次回開催国のカザフスタン。

 イタリアは北部と南部で経済的にも社会的にも違いがあり、土地も違えば取れる農産物も違います。

 左写真は、イタリア各地の土や農産物を国の形に配置してある展示物。

 イタリアは国土の約45%(!)が農用地で、トウモロコシや小麦のほかコメも作付し、ワインの国らしく果樹の生産も盛ん。

 そして毎年1000万トン以上の生乳を生産する酪農大国であるのです(日本は2013年で751万トン)。

 国内GDP比でも日本が1.2%であるのに対して2.1%で、農業生産額はEU第3位です。

 説明を聞くと、イタリアとして農業の果たしている意義を広く国民にも伝えることがコンセプトにあり、震災で耕作できなかった時の映像や、イタリア全土がすっぽりない模型地図(右写真)などでその存在意義を示していました。

 なるほど、例えば北海道のない日本地図と食糧状況を並べたら、北海道農業の果たしている役割がわかるのかな(もちろんどの県もそうですが)と納得。

 土を見てあらためて感じましたが、雨量の多い北部と、地中海に面して比較的高温の南部とでは違いがはっきり。

 このような努力と歴史のうえに、どの国も農業が成り立っているんですよね。

 日本館は和食を中心にした展示や参加イベントがあり、国際的な人口増にともない食糧不足が懸念されるなか日本も解決に向けた役割を果たしたい旨が書かれていました。

 それならそういう国策になっているかをチェックするのが私の役割ですが、そもそも今回の博覧会テーマは単に「食の祭典」というものでなく、このような食をめぐる問題へのアプローチを各国が示しことにも意義があるものです。

  なお日本館では数日ごとに入れ替わるステージ・ブースがあり、先週は北海道で、私たちが視察したときは福島県でした。

  震災と原発事故からの復興の現状を映像で示していたほか、兜や鎧を身につけて記念写真を撮るコーナーが人気で列もできていましたよ。

 次回開催国のカザフスタン館については知識も少ないまま行ったのですが、実はリンゴの原原種があるなど、農業でも大きな位置を占める国でもあるのです。

 イナゴの大発生で農作物が被害を受ける国でもあり、下写真のようにドローンを使ってイナゴの位置や数を把握して駆除する技術なども検討されているそうです。

 今回の視察全体を通じて言えることですが、各国ではさまざまなテクノロジーも開発・連携・融合しながら生産を進めていることがわかります。

 それは新たな品種改良や収量増加だけでなく、自然災害などとのたたかい、新たな食に対する社会的関心、また安全性の確保にもつながるものなど幅広いものでした。

 人間は食べないと生きていけないわけですから、まさしく農業は生命産業であることを確認して会場を後にしました。

 途中に立ち寄ったスーパーでは、イタリアらしくワインをコックから出して量り売りをしていましたし、広い公園を日によって転々している市場では野菜・果樹、チーズやパンなどの食料品、衣服に日用品など生活必需品も販売していて、売り手と消費者の距離が近い国なのかなと感じました。



 翌日に訪れたのは、日本でもブルーチーズで有名なイゴール(IGOR)社。

 会社があるゴルゴンゾーラ地方の名から、ゴルゴンゾーラのチーズと言っても馴染みがあるでしょうか。

 ミラノからバスで延々と移動するのですが、郊外に出ると見渡す限りの農地が見えて、こうべを垂れた稲穂もあれば、放牧されている牛の姿もちらほらと。

 イゴール社は世界的に名の知れた会社ではありますが、生産規模に比して従業員は230人と中堅企業なみです。

 そこには徹底した合理的なシステムがあることを、説明を受けて納得。

 すべてを書ききれないのですが、生産者から集められた生乳の成分分析からチーズに加工していく過程を追跡できるようにしていて、品質の安全性と安定へのこだわりから出たものとのことでした。

 技術的なことはもちろん、同時に知りたいのは生産者との関係。

 加工や販売側の力が強く、価格面で生産者が苦労する現実が日本には見受けられますが、その点には、もちろん生産者が適正な利益が得られればければいけないし、生乳の品質の安定がなければいけないと。

 そのために乳牛の健康も維持しなければいけないし、無理な搾乳はしないように生産者とも共通認識にしているようなお話でした。

 今回の視察では実際のイタリア農家から話を伺える機会はなかったのですが、見える農地の広さや牛の様子を見るとストレスは少ないのかなと確かに思えます。

 日本農業に生かせる点はしっかり生かさないといけないですね。

 ところで、このイゴール社は家族経営が出発点で、経営は息子に任せた80を過ぎたおじいちゃん・おばあちゃんも元気に工場内で働いていました。

  一般にイタリアは定年制度というものがないそうで、年金をもらえる年になって自然とリタイアしていくのですが、元気に働く方も多いのだとか。

 笑顔がすてきで、工場内で記念撮影などアットホームな雰囲気でした。

 余談ついでにミラノに来てビックリしたのは、路上駐車の多さでした。

 見事なまでの縦列駐車の技術や、歩道にまで乗り上げて(!)、それでいて整然と駐車されているのです。

 古く歴史ある街並みや、それを保全する開発規制なども関係して、アパート・マンションや会社などの駐車場が確保できないようです。

  路面電車など公共交通機関はあるのですが、ミラノも車社会なんですね。

 長文で申し訳ありませんが、ひとまず今日はイタリア編ということで、明日はオランダ視察について書きます。

  【今日の句】 前半を 終えてやっぱり コメ欲し

2015年10月11日日曜日

北海道は、もうすぐ初雪の便りかな

 福島県伊達市での演説会を終え、北海道に戻ったら寒い! また明日から視察ですが、丈夫な身体に育ててくれた両親に感謝の毎日です。

 今日は旭川・党と後援会の「紅葉まつり」からスタートでしたが、なんと講談師の神田山陽さんがゲストに!

 午前中の政治プログラムの後、午後からが神田さんの出番で‥‥途中で抜けなければいけない日程だったことに後悔。

 私は戦争法やTPPを中心に、たっぷり国会報告をしました。

 あいさつで回ると、みなさんニコニコと迎えてくれて嬉しいですね。

 なかなか各地を回れていないので、もっと足を運ばなければとも思いました。

 前後しましたが、先日は福島県伊達市の演説会へ訪れました。

 来月告示の福島県議選を前に、あべ裕美子県議の押し上げです(同日に川俣町でも町議選があります)。

 参院比例予定候補のいわぶち友さんとは、初めて並んでの演説会。

 あべさんは、平和の思いが入党の原点と語り、戦争法廃止と合わせて県議選勝利の決意を話されました。

 私からは国政と県議選を結んでの話をしたのですが、初めて福島県での演説だけにどうだったかな‥‥と不安でしたが、現地から「アンケートに『入党してもよい』など答えてくれた方もいました。勇気と確信が湧いたという感想でしたよ」と連絡が来て少しホッ。

 先月の岩手県議選でも前進しましたし、今月の宮城県議選・来月の福島県議選でも日本共産党を大きく!

 【今日の句】 雪虫を 見る間もないまま 雪を待つ

2015年10月8日木曜日

宝の海を取り戻そう

 昨日・今日と、諫早干拓事業による有明海漁業などの調査で長崎県・佐賀県へ。北海道の荒天で被害が広がっていないか心配しながら、東京へと到着しました。

 今回の調査は、斉藤和子衆院議員と私との衆院農林水産委員会コンビ、地元の九州から田村貴昭衆院議員・真島省三衆院議員(8日のみ)・仁比聡平参院議員(7日のみ)で「こんなに国会議員がたくさん来たのは初めて」とのこと。

 諫早干拓事業のため「ギロチン」とも形容された、7kmにも及ぶ潮受け堤防で諫早湾が閉め切られたのは1997年4月。

 すでに18年以上も経ち、その間にノリの歴史的不作、休漁となったタイラギ漁はじめ深刻な漁業被害、国が確定判決にも従わない異例事態など、一刻も早い解決が求められている問題です。

 調査の目的は、①干拓事業や漁業の現状把握、②農漁共存の可能性を探る、③深刻な被害を受けている漁業者からの聞き取りと交流、などです。

 ちょうど今月5日に福岡高裁が、国と有明訴訟団との和解協議を書面で勧告したばかり。

 TPPやノーベル賞などの影に隠れていますが、事態を動かす大きな情勢の変化なのです。

 確定判決上は、国が開門の義務を負っています。

 しかし開門禁止仮処分もあり、2つの相反する義務を負っているので最高裁の統一的な判断を求めたい、というのが国の言い分。

 しかし、開門確定判決が出たのは2010年。

 じゅうぶんな期間はあったはずです。

 相反する判決が出るのは裁判でもあり得ることで、そうなれば和解協議という道に進むのは当然のことではないのでしょうか。

 この間も、裁判所は国に対して話し合いを促してきましたが「地元の開門反対の声が強く、こういう方が参加しない話し合いには応じられない」と繰り返すばかり。

 そこで業を煮やした裁判所が、これまた異例と言える書面での勧告ということです。

 このようなタイミングで行った調査だけに、その意味がスッと理解できる調査となったと思います。

 現地に行くことで、地図や写真でしかわからなかった位置関係、五感を通じて得られる情報は、自分の頭のなかでも最大の説得力となりました。

昨年、仁比参院議員が質問した農漁共存に向けた中央用水機場を軸にした、農業用水の確保についても理解が深まりましたし、現実的な案として肉付けして考えていきたい。

 何より漁業者のみなさんとの懇談で、解決の緊急性を実感しました。

 写真にある油絵は、泊まった宿での「夫婦船」の1枚。

 タイラギ漁は、船に乗った妻が空気を送りながら潜水漁をするものです。

 命綱ならぬ命をつなぐ空気を送って漁をする、夫婦や家族の信頼があって成り立っていたのでした。

 遊漁船に乗って、湾内から周囲を見回すと長崎・佐賀の山々から水が流れ込み、栄養豊富な海だったことがわかります。

 それが潮受け堤防の影響を受けて、貧酸素化などによる影響が漁にあらわれはじめます。

 瑞穂漁協では、20年前に120トン水揚げしたアサリは、昨年はわずか3.4トンに。

 始めたカキ養殖も実際に見せてもらいましたが、ホヤが付いたり苦労続き。

 国による特別対策事業で、ナルトビエイ調査などをやりながら経営も生活の成り立たせている状況なのです。

 いや正確には「成り立たせている」という状況でもない。

 生活費もそうですが、「宝の海」と言われるほど豊かな有明海で漁ができなくなる状況が、漁師としても悲しいし悔しいのだと、お話を聞いて痛感しました。

 歴史もあり、代々引き継がれてきた漁法もあるし、次の代にも引き継げればと思っていたのに、それが自分たちの代でダメになるかもしれない。

 やむにやまれぬ思いから訴訟に立ちあがった意味こそ、国は受け止めてほしい。

 干拓農家の方に開門して大丈夫かとの不安もあるので、仁比質問のような中身で農漁共存の道も提案はされてきています。

 国が腹を固められるかどうか、そして森山・新農水大臣はどのような決断をするのか。

 まずは勧告に従い、話し合いを開始するかが大きな焦点です。

 参加した国会議員、地元地方議員などとも話し合い、それぞれの持ち場でやるべきことを確認しあいました。

 TPPは予算委員会の閉会中審査となるそうですが、そもそも半数の閣僚を交代して所信も聞いいて審議する必要があるのですから、早期に臨時国会を開くべき!

 【今日の句】 活躍を 言うなら開け 国会を

2015年10月6日火曜日

まだ「最終合意」ではないTPP

 今日は党国会議員団の会議があり、TPP「大筋合意」には皆で断固糾弾の意思を示そう!ということで、夕方の官邸前アクションにはズラッと参加しました。

 参加された方みなさん、昨夜から怒りが収まらないとコールの声も大きい!

 私たちも含めて確認しあったのは、今回は「大筋合意」であって「最終合意」ではないということ。

 内閣官房や農林水産省の資料を見ても、まだ詰め切られていない部分も残っています。

 今後の手続きにしても、協定文書の作成、調印、各国の批准、国会承認とあるわけで、今回ですべてが決まったのではない。

 そもそも今まで「交渉中は秘密」と答弁していたものを、「合意」したら国内対策を含めて早く実行をだなんて、あまりに国会論議を軽視しすぎですよ。

 日本共産党からは紙智子参議・小池晃参議があいさつし、社民党の福島瑞穂参議も参加されました。

 昨日に帰国されたPARCの内田聖子さんからは、生々しい現地報告もあり、とりわけ日本政府が交渉というより、何が何でもまとめ上げるために各国を急かさせたという話には、内田さんの怒りが込められていました。

 いったい、何のための、誰のためのTPP。

 いっせいに各紙が日本経済のプラスになると書き、農産物の輸入量が増える農業分野は、生き残るために「攻めの農業」をと、食料の国内安定供給とはかけ離れた号令がかけられています。

 安倍首相も、自由と民主主義を反映した貿易圏のような会見をしましたが、戦争法の採決過程を思うと、何が自由と民主主義なのか。

 閉会中とはいえ、予算委員会はじめ農林水産委員会も審査を求めたい。

 まず「大筋合意」とはいうけど、何が合意されて、何が合意されていないのか。

 日本が合意したというものと、11ヵ国同士で残された課題はないのかどうか。

 譲歩の中心となった農産物輸入で、衆参農林水産委員会の決議が守られているのか。

 しっかりと安倍首相と甘利担当相には、まず説明をしてもらいましょう。

 これまで「秘密」とされてきたものを、しっかりと示してもらいましょう。

 国会論戦で追及もしますが、カギは国民世論の高まり。

 このまま安倍政権の暴走を、野放しにはできません!

 【今日の句】 自給率 向上どうして できるのか

こんなTPPを批准させていいのか

 TPPで「国のかたち」が大きく変わる--農業だけでなく医療、雇用、公共調達、ISDSなど、懸念は何も払拭されていません。政権復帰の際の自民党の公約はどうなった?

 医療分野で、混合診療の拡大=公的保険でカバーする範囲の縮小とならないか心配の声が医療界からもありました。

 公的保険でカバーできないとなれば、民間医療保険などが入り込めることになります。

 公共調達・公共事業は、どこまでかの範囲はあるといえ、海外資本も参入できる道が広がるのではないか。

 安い労働力の参入となれば、日本の雇用条件は悪化する恐れもあります。

 自由貿易なのだから国内企業の保護はダメだと、ISDS条項にて訴えが起き賠償を迫られるようなことはないのか。

 何より安い農産物輸入により、日本農業が苦境に陥れば「地方創生」どころではないでしょう。

 食の安全でも、日本の基準が緩和されることはないのでしょうか。

 これらの不安が出されていたのに、交渉経過は秘密とされて、国会も国民も置いてけぼりだったTPP交渉。

 まずは中身を政府から、しっかり説明してもらわなければなりません。

 合意の中身は日本にどのような影響を与えるのか、これまで以上に検証もしなければなりません。

 農家に対する「国内対策」が早くも焦点のように報じられていますが、委員会決議に反する内容に対策も何もないはずです。

 そもそも自民党がポスターで「TPP断固反対」と示したことや、「重要品目の『聖域』を守る」と約束してきたことは、どう説明するのか。

 日本農業新聞では、9割を超える農業者が反対と答えているのに!

 どれだけの方が不安を感じていることでしょう。

 北海道の酪農分野では、すでに年間200戸もの離農・離脱が相次ぎ、その理由の1つがTPPによる「先行きが見えない」ことでした。

 収穫の秋は、来年の作付を考える始まりの時期でもあります。

 このまま日本農業と地域社会を壊させるわけにはいかない!

 自由貿易というけれど、各国の事情や食料主権をないがしろにしていいはずがありません。

 志位委員長は「日本の国民の利益と経済主権をアメリカや多国籍企業に売り渡すものであり、断じて容認できない」との談話を発表しました。

 論戦で先頭に立っていきたい。

 戦争法案反対と同様に、どれだけ反対世論が高まるかは大きなカギとなるだけに、そのためにも役割を果たします!

 【今日の句】 国益は 安倍政権の 打倒こそ

2015年10月4日日曜日

TPP断固反対と言っていたのは、どの党だ

 懇談や演説会・国政報告会のため、暖房が必要な北海道と、冷房が必要な東京を行ったりきたり! TPP閣僚会合も緊迫‥‥このまま合意など許されません。

 紙智子参議院議員と、北海道の農林漁業団体をまわっても出される話題の1つは、やっぱりTPP。

 医薬品データをめぐる米豪や、乳製品をめぐる米NZ間の問題が残されていて、米国からも一定の譲歩が示されているようです。

 根本は、最大の利益をめざす多国籍大企業と、くらしの安心を願う諸国民の願いとのぶつかり合い。

 会合会場の周辺でも抗議行動がおこなわれていますし、カナダでは国会前でトラクターと乳牛を連れたデモも!

 もちろん日本での反対や慎重を求める声も多い。

 しかし、甘利担当相の口から出るのは、農産物の関税引き下げ・輸入枠拡大‥‥これで国会決議を守れていると言えるのか!

 そもそも自民党がポスターで「ウソつかない。TPP断固反対」と訴えていたのは、ウソだとでも言うのでしょうか。

 今日は、来年4月におこなわれる衆院5区補選へ立候補を表明している橋本みかさんを先頭に、村上ひとし札幌市議と私とでの、厚別区演説会もおこないました。

 江差追分優勝経験者でもある橋本さんは、オープニングでも「ソイ~ソイ!」と美声を聞かせてくれました。

 子育て真っ最中だけに、戦争法も、くらしを追い詰める悪政も絶対に許せないと、心のこもった演説も。

 先日、紙智子参議院議員との国政懇談会でも、次々と要求も出されていました。

 「介護報酬の削減で、事業所が撤退していく。高齢者の生活はどうなる」

 「マイナンバーの導入で、プライバシーもなくなるような社会でいいのか」

 「高い大学入学料を払えず、辞退する高校生がいる。給与制の奨学金導入も必要だ」

 などなど、これだけ深刻な実態があるのに応えようとしない安倍政権の政策に、もっと私も役割を果たさなければと痛感しました。

 TPP交渉の結果次第では、明日からさらに大忙しとなるかもしれません。

 【今日の句】 収穫の 希望を不安に 変えないで