2015年7月2日木曜日

水産業にもっと光を

 ロシアのプーチン大統領が流し網漁禁止法案に署名。北洋サケ・マス漁と主に道東地域にて予想される打撃に、きちんと政府が対策を講じるべきです。今日行った北水研(北海道区水産試験所)で、あらためてサケ・マス資源も調査してきました。

 この水産試験場は、国立研究開発法人水産総合研究センターの、北海道の研究所で札幌・釧路・厚岸の3庁舎のほか、13のサケ・マス事業所があります。

 このセンターと水産大学校を統合する法案が準備されていて、この調査も兼ねてのものです。

 サケの回遊ルートを追跡・解明し、ウロコや耳石(じせき)から成長も明らかにするなど、基礎的研究を積み重ねてサケ資源の現状を把握しているのです。

 毎年の日ロ漁業交渉の前には、ここでの研究をもとに、資源についての科学的見解を協議します。

 ロシア側と一致する点と一致しない点ともあるそうですが、それでも両国ともサケ資源は悪くなっていないとの認識にあると言います。

 今回の流し網漁禁止法案は、一部で報道もされていますが、定置網漁と流し網漁との政治的駆け引きの結果ではないのかと推測されます。

 とはいえ道東地方を中心にした漁師と水産業界からすれば、それは「とばっちり」。

 時間を作って現地に足を運び、現状や要求をしっかり聞いて反映させなければ!

 その後は石狩市厚田区に足を運び、蜂谷三雄市議と石狩湾漁協から海獣被害の現状などを中心に聞き取りました。

 北海道日本海側はニシンを中心として栄えた漁も、資源減少に直面して資源管理と「育てる漁業」として取り組んできました。

 しかし、せっかく育てたのにトドによって捕食されていくのでは、これもたまったものじゃない。

 1970年代は太平洋側を泳いでいたトドも日本海側に集まり、この10年間は個体数も増えてきています。

 特にトドが好きなのはタコ。

 今年はタコが捕れなくて困っている、とも聞きました。

 国が絶滅危惧種としてトドを管理するのなら、資源管理や種苗への支援などなど、国としてやれるべきことがあると思いますし、そのような要望も伺いました。

 国会は戦争法案をめぐり激突ですが、くらしや生業での苦労を解決するためにも、しっかり仕事をしていきたい。

 厚労省の調査で、生活が「苦しい」と答えた方が62.4%と過去最高になったとか。

 やっぱり安倍政権の進んでいる道は違う!

 【今日の句】 報道の せいと今度は 言わせまい

2 件のコメント:

  1. 50年余のむかしには、相模湾でもブリが大漁したのを記憶しています。
    それより前の、経験の前ですが、小田原でもカツオがたくさんとれたそうで、
    小田原には籠常という鰹節専門の老舗が、今もあります。
    いまの漁獲は、北海道のニシン漁以下で、ゼロの状況です。
    水産資源も、科学的な管理をしていないと、自然の変化に振り回されちゃいますね。
    それには、しっかりした基礎研究、行政の対応が必要だということでしょうが、
    そうした状況がどうなっているか、どうなっていたか、ちっともわかりません。
    hanatachibana

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  2.  hanatachibana さん、コメントありがとうございます!

     そもそも水産試験場など、国として持っていた基礎研究の組織が独立行政法人化されて、
     しかも国からの資金も減らされて、これで国が水産業の発展に役割を果たしているのだろうかと
     いうような現状です。
     資源管理を叫ばれて久しくなりますが、全国を網羅する形でどこまで進んでいるのか、
     率直に今の私にもわからないというのが現状です。
     北海道で言えば、道立の機関も含めて連携や研究によって現場にも一定の反映があります。
     視察に行った石狩市厚田でも、そこから先に進んで、より近い場所にセンター機能があればと
     要望を伺いました。これは、人減らしや合理化への現場からの反論でもあると受け止めました。

     まだまだ水産関係で、もっと国が(特に基礎的研究で)役割を発揮してほしいと思います。

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