2020年7月25日土曜日

大事なのはあきらめないこと

 くらし・労働・経営を守れ! 各団体による「重税反対3.13札幌東部実行委員会」の白市区の集いは、3密を避けた人数ながら熱を帯びました。コロナ禍を体験したからこそ、新しい社会と政治をつくりたい思いがあふれているのです。

 3.13実行委員会とは、民主商工会などが中心となって重税反対の行動を重ねてきた歴史があります。3月13日だけでなく日常的な活動をしようと、今回の集いになりました。ありがたいことに私へ講演の依頼をいただき、佐藤綾市議も札幌アクセス道路についての特別報告をおこないました。

 私は各地で聞いてきた新型コロナウイルスの影響に触れつつ、後手後手と迷走の安倍政権のもとでも国民の声で実現した仕組みを紹介。まだまだ苦境が続く国民生活のもとで、急いで医療機関の支援と検査体制の拡充とともに、新しい社会づくりに力を合わせようと呼びかけました。

 これまでの取り組みも、「生活保護の活用を総理が口にした。進んできた中身を後退させないようにしたい」(生活と健康を守る会)、「本当に経済をよくするなら消費税減税を。こんな時にマイナンバーではない」(東部民商)、「民間へ売却でなく、緊急避難所など公的な活用を求めていきたい」(旧白石区役所跡地利用運動の会)など、各団体から報告がありました。

 白石区平和には、ノーモアヒバクシャ会館があります。会館を建てるときには道内・全国からの支援もあり、今も被爆の被害などを継承しています。「来てくれた子どもが壁新聞をつくってくれた。新しくできた本を送ったら高校生になっていて、それでも忘れずに『友達にも配りたいので10冊ください』と連絡があった」という報告には、胸が熱くもなりました。

 若い力もすばらしいけど、その意欲を引き出したのは被爆者自身があきらめずに声をあげ、いっしょに力をあわせる大人がいることだと思うのです。目の前の事実ほど、重たいものはないと実感しました。こういう結びつきを、身のまわりからどんどん広げていきたいですね。

 その後は党のつどいに駆けまわり、どこでも「もう安倍政権は変えないと」との話が出されました。いつ解散・総選挙となるかはわかりませんが、こつこつと日本共産党を知ってもらうことに力を尽くしたいです。

 【今日の句】集まれば やっぱり元気 湧いてくる

2020年7月24日金曜日

そもそも五輪は誰のため

 今日は札幌市中央区へ。「感染が広がっているのに、どうして『旅行へ行こう』なのかねえ」「もう安倍首相も、やる気がないんじゃない」など、歩けば疑問や呆れの声が聞かれます。合わせて「共産党ががんばらないと」と、力を込めた激励もいただきました。

 もともと今日は、東京五輪の開会式に合わせた「スポーツの日」でもありました。「どうしても安倍首相は五輪をやりたいんじゃないの」という方もいましたが、世界で広がるパンデミックから、どう国民の命と健康を守るのかが政治に問われているはず。感染拡大の恐れがあるもとの五輪に、国民の支持が得られるのかもわかりません。

 選手の立場に立てば、これまでの練習で積み上げた力を発揮する場が失われるのは、本当に悔しいことと思います。IOCはじめ関係者の議論はオープンにして、どのような結果になっても、不透明で説明が果たせないようなことはないようにしてほしいと、個人的には願っています。

 これまで五輪は、商業主義の側面が強くなってもいました。東京で真夏の時期に開催するというのも、米国スポーツ界の日程に合わせたものではないかとの指摘もありました。この機会に、五輪の本来の精神に立った大会運営などを検討されてしかるべきと思います。選手にとっても望ましいことではないのでしょうか。五輪は安倍首相のレガシー(遺産)ではなく、スポーツを通した世界の平和の祭典であるはずです。

 明日は札幌市白石区へ。集会や「つどい」などにまわります。

 【今日の句】健康のためにも さらに歩こうか

2020年7月23日木曜日

警鐘を受け止めるべきは政治

 今日は札幌市手稲区をまわりましたが、東京などの急速な感染の広がりに「今年のお盆は孫も来ないことになった」「東京で仕事をしている子どものことが心配」などの話が次々と。迷いや不安が尽きません。

 「こういう時に、どうして米国の武器なんて爆買いするのかね」とは、商売をされてきたという女性。別の方は「安倍首相のやること成すことダメ。顔も見たくない」と辛らつに語りました。初めて直面する感染症だから仕方ない部分があるにしても‥‥と言いつつ、こんなに役目を果たさないものかとあきれ気味でした。

 無症状の方が多いことから病床が満杯という状況にないと、政府も都知事も警戒を口にしながら、そう述べてきました。しかし昨日、日本医師会の中川俊男会長は「連休になると気持ちが緩む。その結果、1~2週間後に感染者数が激増すると、医療提供体制の崩壊につながる確率が高い」と警鐘を鳴らしています。

 鳴らされた警鐘を重く受け止めるべきは、政治の側ではないでしょうか。多くの方が感染拡大を心配して、GoToキャンペーンの延期や中止を求めています。医療分野の支援や検査体制の拡充を急ぐならわかりますが、急ぐ順番が違うのではないか。今日も同じような話が出されました。

 子どもたちの短い夏休みをどう過ごすか、わが家でも話し合っていますが、なかなか決められない。そういう家庭も多くあるかと思います。医療にかかわるお仕事をされている家庭では、不安や心配も尽きないのではないでしょうか。ケア労働全般を、しっかり国として支えるべき。何度も書いてきたことですが、日に日にその思いが強まります。

 【今日の句】総理らの会食 どうも腑に落ちぬ

2020年7月22日水曜日

尊厳の尊重を土台に

 札幌エルプラザにて、平取町立二風谷アイヌ文化博物館の移動展「1903年夏の平取--B・ピウスツキたちの短期調査より--」が開かれています。当時の貴重な写真などもあり、交流された様子がよくわかります。

 ピウスツキは人類学者・社会学者・政治活動家であり、樺太アイヌの研究者でもあります。ロウ管蓄音機での録音や、カメラを用いた撮影と調査など当時としては珍しい形で研究資料を残しており、他の調査団との記録の一端が展示されています。ちなみに昨年、日本とポーランドは国交樹立100年を迎えるほどの歴史を重ねてきています。

 写真や記録を見て感じたのは、単なる好奇心でなく、他民族の尊厳を尊重しながらの研究だったことです。約1週間にわたり滞在した平取コタン(集落)でもピウスツキをあたたかく迎え、調査への協力だけでなく、その後は欧州の万国博覧会にも参加するなど、意外な交流があったことも移動展では学ぶことができます。

 ピウスツキは皇帝暗殺未遂事件の容疑がかけられ、サハリンへの流刑が命じられた過去がありました。その後、アムール地方での研究が高じてアイヌ研究へと進んだようですが、自分が虐げられたことによる人間への優しさが反映したと思うのは考えすぎでしょうか。

 詳しくは、26日まで開催している移動展や、現地の二風谷アイヌ文化博物館に足を運ばれてほしい。歴史を知ることは、私たちが今をどう生きるかにもつながっています。日本政府として民族共生を本気で進めるのであれば、このような歴史を学べる多面的な機会ができることも望まれます。そういう発信を、私としても進めていきたい。

 【今日の句】GoToの 見切り発車は 誰のため

2020年7月21日火曜日

ウナギの生態はいかに

 土用の丑の日とはいえ、なかなか縁がないウナギですが、先日の「しんぶん赤旗」にウナギは生態系保全のシンボルとの記事が科学欄に。ウナギは生態が明らかでない生物と以前に聞いていたので、思わず記事に目を移しました。

 天然ウナギの漁獲量は減少傾向が続き、私が衆院農水委員会にいた時も話題に上がっていたような記憶があります。記事に書いていますが、国際自然保護連合(IUCN)はウナギを絶滅危惧種の「危機」に指定しているほど。そんなウナギですが神戸大学や中央大学でつくる研究チームによれば、驚きの研究結果がまとまったといいます。

 詳しくは「しんぶん赤旗」をお読みいただきたいのですが、▼ウナギは河川内で最も広く分布する淡水生物、▼ウナギが生息する環境は、エサとなる多様な生物が広範囲に分布している必要がある、▼ウナギの個体数が多いと回遊生物の種類が多く、その数は遡上しやすい調査地点ほど多い--ということがわかってきたとのこと。なるほど、そうであればウナギは生態系保全のシンボルというのも納得です。

 では、なぜウナギは減少傾向なのか。研究チームによれば、高さ1m以下の低い堰でも、ウナギの分布に影響を与えている可能性があるといいます。河川を横断する構造物が主要因とはハッキリしないものの、海と川との接続性を改善・維持することのメリットをチームは指摘もしています。

 気になって色々と検索してみたら、46mもの滝をよじ登るウナギがいるという九州大・研究チームの記事もありました。なかなかウナギの生態は深いというか、やはり謎の生物なのかと一人で納得。いずれにしても生態系の保全に、こういう機会を通じて関心を高めていきたいものです。

 【今日の句】人間も つながり生きる この地球

2020年7月20日月曜日

支え合う社会を北海道から

 札幌も急に暑くなり、マスク着用もあるがゆえの熱中症が今夏は心配ですね。私も自分の健康には過信することなく、活動と休暇にメリハリつけてがんばります。

 今日は朝の宣伝後、昨日の緊急報告会の報告文書作成や、あらためて15日の党創立記念講演を読み直すなどデスクワークの1日に。YouTube でも聞けますので、ぜひ多くの方に志位委員長の記念講演をお聞きいただきたいです(こちら)。

 今日の宣伝でも、コロナ後は「ゆとりのある社会」をつくろうと私からも触れました。すでにギリギリの状態だった病院や学校、立場の弱い非正規雇用へのしわ寄せなど、自民党政治のもとで脆弱な社会となっていたことが浮き彫りになった今、「経済効率のみを最優先する政治から、人間のケア、雇用、教育、食料、エネルギー、文化・芸術など、人間が生きていくために必要不可欠なものを最優先する政治に切り替えよう」(志位委員長)と、多くの方へ呼びかけたい。

 新自由主義の影響を大きく受けてきた北海道だからこそ、新しい社会に向けての呼びかけは、思い切って進めていきたいのです。国鉄の分割・民営化からJR北海道となり道内在来線は廃線が相次ぎ、公立・公的病院の再編・統合が迫られ、郵政民営化により郵便集配が減り、地域に住むことができないと上がり続けている悲鳴を、どれだけ耳にしてきたことか。

 志位委員長は「人々の間に分断をもちこむ自己責任の押しつけでなく、人々が支え合う社会、連帯を大切にする社会をつくろう」とも呼びかけました。その口火を北海道から。国会とも連携して、さらに取り組んでいきたいです。

 【今日の句】まだ苦境 続く声ある 届けなきゃ

2020年7月19日日曜日

署名用紙の最後の1枚まで

 住民合意なく進めないで--道新幹線トンネル工事による要対策土置き場の候補地とされる、各地のみなさんもお越しいただいた緊急報告会。紙智子参議院議員・佐々木明美札幌市議から報告と、その後の意見交換は熱を帯びたものとなりました。私は司会を務めました。

 新函館北斗駅から札幌まで、約8割の区間がトンネルの予定という北海道新幹線。先日は黒松内町での工事でヒ素も混じった要対策土が掘削されていて、近く議会にも報告されるとのことです。札幌でも心配が広がるなかで、厚別区山本・手稲区金山に続き手稲区山口が置き場候補地とされたなかで、山口では事前調査がおこなわれました。

 佐々木市議は、これまでの経過を振り返りつつ、みずから住民説明会に参加しての感想も交えて報告。札幌延伸を5年間前倒ししたことで、札幌市と鉄道・運輸機構が焦りが強めているのではとも指摘しました。くりかえし心配や不安の声を聞いてきた佐々木さんだけに、強引に進めることは許されないとの熱い思いが伝わりました。

 紙参院議員は、委員会での質問でどよめきが起きた様子も交えながらの国会報告。残土の受け入れについては、地元自治体が受け入れるという特別の規則がないことも明らかになりました。国交相が住民合意の必要性に触れた答弁をしたこともあり、紙議員は鉄道・運輸機構に説明責任を果たさせることが必要だと指摘しました。

 その後の意見交換では、手稲区や厚別区の住民だけでなく小樽市からの参加者もマイクを握り、住環境を守りたいとの思いが次々と語られました。「『子や孫に説明できるでしょうか』と町内をまわって署名を集め、段々やりつくして行くあてもないが、署名用紙の最後の1枚まで集めたい」「山口で住民の理解なく事前調査された。説明会も分散したため、どのような声が出されたのかもわからないし、近隣の星置地域の声も聞いていない」「小樽でも署名を集めている。専門家を招いた学習会や、小樽ゆかりの著名人にも『いっしょに地域を守りましょう』と手紙を書いている」など、黙っていられないとの行動の広がりが交流されました。

 「札幌市や機構の職員は、いわば他人事。仕事が原点か、命が原点かで、根本から違うことになる。大事にされるべきは命だと、原点を共通認識にしてほしい」との発言もありました。候補とされた3地域のみならず、多くの市民が自分事として考えてほしい。今回の緊急報告会も、そのような主旨から開催したものでした。「今日の機会も含めて横の連携を強めましょう」との発言もあり、紙議員も「調査が始まったから仕方ない、で終わらせないように連携していきましょう」と結びました。

 3密を避けながら、このような交流の機会をつくって良かったと思いました。候補とされた地域では、自分たちの反対で札幌延伸がストップすれば、自分たちの責任にされるのではとの不安もあります。だから孤立・分断でなく、交流と連帯が大事なのです。私自身も力にならねばと、あらためて強く思いました。

 【今日の句】なし崩し させず地域を 守りたい