2018年9月15日土曜日

台風・地震・天候不良で、今年の農作物は

 北海道は、地震の前日に台風21号が襲いました。複合災害とも言うべく状況は、特に農業に現れています。紙智子参院議員とまわりました。

 岩見沢市では村木秀雄農協組合長・山谷康雄農業委員会会長もわざわざ足を運んでいただき、党からは岩見沢市で上田久司市議、江別市では高橋典子市議と鈴木龍次地区委員長とが同行して農家に足を運びました。収穫や選果の合間をぬって、大変な状況を話してくださいました。

 強風は、さまざまな被害を生みました。▼ビニールハウスの損傷、▼ネギが曲がって段ボールに入らない規格外になったため廃棄、▼花卉も低価での引き取り、などです。写真はミニトマト農家ですが、ビニールが飛びトマトの葉が枯れてしまった状態にあります。これでは葉の光合成を受けた栄養がミニトマトに行かないため、品質が下がるといいます。ハウス被害は岩見沢農協で417棟に及ぶと、組合長さんから説明を受けました。

 しかも今年は、どの作物も「いいのがない」。低温や長雨の影響で、不稔や品質低下も心配されています。確かにコメも、垂れているのと、まだ青くまっすぐの稲が混在していました。刈り取る時期が難しいといいます。台風・地震とあわせて生育不良も加われば、今年は農家にとって三重苦です。

 江別市では、小麦やカボチャ、ブロッコリーなどをつくっている農家で話を聞きました。停電が2日続いたためブロッコリーを冷やすことができず、そのまま収穫できないと大きくなってしまい出荷できなかったといいます。お隣が酪農家で、搾乳しても廃棄せざるを得ませんでした。「こんな時にイージスアショアじゃないだろう」と、実感を込めて話されていました。そう、税金の使い方が間違っている。

 ちょうどホクホクしたカボチャも、一口いただきました。ほっこりする甘さです。「国からは国際競争ばかり押し付けられるけど、国民みんなから『食べるのに困らない』と言われるほうがいいんだけど」との話に納得です。

 共済と収入保険のことも、各地で話題になりました。ネギやミニトマトなどは共済にないので収入保険がいいかと言えば、複合経営の農家にとっては作物ごとの共済やナラシの充実がいい場合があり、いまだ現場では迷っている状況です。農家の自主選択を尊重するとともに、国が両制度を充実させることが必要です。

 紙議員とは北広島市大曲並木地域も訪れました。大曲川をはさんで札幌側から見ると、斜面が土台もろとも崩れているのが鮮明でした。専門家の早い調査と工法の検討、地歴はじめ過去の検証などは欠かせません。何より入居者の緊急の住まい確保を急ぐ必要があります。

 札幌では太田秀子市議と、東区の陥没した地域を見てまわりました。道路はほぼ復旧が進みましたが、歩道を歩くと所々で道路側へ斜めになっているのがわかります。札幌市でも専門家によるさらなる調査と、東豊線との因果関係を明らかにすることがなしに、市民の不安は取り除かれないのではないでしょうか。

 時間が経つにつれて、いろんな相談が事務所にも届いてきました。明日は相談を受けた現場にも足を運びます。

 【今日の句】目の前の ご飯に手合わせ いただきます

2018年9月14日金曜日

復旧へ向けて一歩ずつでも

 震度6弱を記録した日高町は、今も一部断水と避難が続いています。災害ゴミも集まり始め、その処理に対する心配の声が出ています。
 
 同行してくれた菊地日出夫町議の自宅も断水中で、真壁悦夫町議は土砂崩れの危険があって避難所くらしが続いています。そのなかでも住民要求に応える活動をと奮闘していることには、本当に頭が下がります。

 まずは、その真壁町議宅も対象地域となっている避難指示が出ている土砂崩れ危険地域へ。この斜面は土砂崩落対策も元々されていたのですが、写真のように浮かんできてもいます。この写真の上方に崩れる心配の斜面があり、そこを土台に野球場もあるのですがグラウンドにはひびも入っているのです。ひびが広がっているか、町は測定器もおいて専門家の判断を仰いでいる状態です。家のすぐ後ろなので大規模工事をする作業スペースもなく、いろんな策を検討中とのことです。

 続いて平賀地域へ。民家直撃は免れたものの、ここでも土砂崩れが起きています。菊地町議に教えられて思い出したのは、同じ集落で12年前に土砂崩れがあったこと。雨による土砂崩れで、私も現場に駆けつけていました。

 住民の方のお話では「地震と同時に山がずってきた」。「ずる」とは「どさっとずれる」というニュアンスですが、確かに滑り落ちたというより崩落してきたという印象です。避難のためにと車を出そうとしたら通路が埋まったため、倉庫の裏の木を切って(!)車を通る道をつくったとのこと。今は応急工事が進められていますが、余震が心配になります。お困りごとがあったら教えてくださいの、制度活用の手引きもお渡ししました。

 大鷹千秋町長も、わざわざ時間を割いてくださいました。先に書いた土砂崩れの恐れのある地域は専門家の検証も進んでいるとのことで、断水も水道管にエアが入って抜くのに苦労しているそうですが具体的な対策を進めていることもうかがいました。国への要望では、激甚災害の指定とともに「災害ゴミ」についてがあるとのこと。環境省で補助率1/2の事業があるのですが、日高町では現在だけでも可燃ごみ50トン・木くず(家具など含む)1350トン・不燃ごみ1450トンもの処理をしなければいけないのです。家電製品でリサイクル費用が発生するものは、町の負担でおこなうとのこと。冷蔵庫なら小型3600円・大型4600円でしょうか。その台数分を町で負担するということです。

 それでは早速と、災害ゴミ集積場にと足を運びました。何と木くず(多くは家具製品)や冷蔵庫の多いこと! 木くずは山のようになっています。いま1ヵ所に集約中とのことなので、かなり大きな山となるでしょう。冷蔵庫も小型100台分なら36万円となります。それだけ室内での家具損壊が大きかったことの現れでもあります。新しい家具や家電製品を買うのに、苦労される家庭が多く出てしまうのではないかと心配です。

 この集積場の隣には、自衛隊による仮設風呂があり準備中の室内も見学させてもらいました。シャワーも湯船もあり数人ずつですが快適な環境で入れるようです。余談ですが、こちらには帯広の師団が来ていて「熊乃湯」という名前もついていました。各師団ごとに名前が違うということも教えてもらいました。

 被災した商店や沙流川堤防などもまわりましたが、ある商店で「この機に店を閉めることにしました」との話を聞くと寂しい思いにもなります。地震さえなければ、これまでと同じような生活ができていたはずなのに。自然災害を止めることはできませんが、明日を前向きに迎えられるよう政治が役割を発揮できないか。今日聞いてきた中身もまとめて、しっかり反映させていきたい。

 【今日の句】オスプレイ買う分 やっぱり被災地へ

2018年9月13日木曜日

農業・水産業へも強力な支援を

 地震から1週間、あらためて亡くなられた方へご冥福をお祈り申し上げます。少しでも早く日常生活へ戻れるよう、今日は田村貴昭衆院議員・真下紀子道議といっしょに、むかわ町・厚真町へ。避難所とともに農協・漁協などでも被害の状況をうかがいました。

 田村議員は農林水産委員会と災害対策特別委員会に所属しています。基幹産業が農林漁業の両町で、今後の地域経済の土台を元気にするためには国の支援が欠かせません。今日まわりながら、その思いを強くしました。

 むかわ町では、まず渋谷政彦副町長が現状を説明してくださるとともに、わざわざ要望書まで用意してくださっていました。主な内容は、▼激甚災害の早期指定、▼グループ補助金の適用、▼被災家屋解体について補助対象の拡充、▼被災者住宅の早期対応、などです。被災地にとって計画停電は避けてほしいことやJR日高線の復旧、難視聴地域である穂別地区との防災情報システムの強化などもありました。田村議員も、しっかり国に反映させることを約束されました。
 
 ししゃもで有名な町でもあり、生干シシャモや期間限定シシャモ寿司などを扱っている大野商店さんと、鵡川漁協でもお話をうかがいました。大野商店の大野秀貴代表は「冷凍前に干していたものが、地震で下に落ちるなどして廃棄しました」と当時の様子を語られ、これからシシャモ漁が最盛期を迎えるにあたり「秋には町民の倍くらい買いに町に来る。まずは店舗を片付けましたが、選別機などの検査まで手が回っていない」と苦労の実態も述べられました。グループ補助金の活用なども相談して、加工場も見学させてもらいました。

 鵡川漁協では松本稔専務が応対してくださいました。台風が前日に来たことで船をロープで固定していたことが幸いして、船への被害はなかったと言います。ただ漁港にはヒビも入り、漁師の家や倉庫にも被害があるので保険担当者にまわってもらっている苦労をうかがいました。今の水産行政についての話にも及び、「私たちのような小さい漁協でもがんばれるようにしてほしい」との言葉が重く響きました。

 鵡川農協では長門宏市組合長さんらが応対してくださいました。以前にうかがった選果場だけでなく、倉庫や乾燥施設の状況を詳しく教えていただき、その被害の状況に驚きました。倉庫で言えば、持ち倉庫の延べ3435㎡のうち1617㎡(約47%)が使用できない状況といいます。収穫の秋を迎えるのに、これでは集荷・選果もできないことになります。北農中央会には緊急に他の倉庫を使わせてもらえるよう要請しているそうですが、田村議員も問題の深刻さを前に、国へも伝えることを約束しました。

 農家の被害調査には回れていなかったのが実態で、今日から班の体制を作ってまわるなかでトマト落下などの被害を確認しているそうです。これから詳細がわかるでしょうし、引き続き生産できる環境づくりに国が力を発揮する必要があります。

 避難所では、むかわ町・厚真町ともに訪れました。両町とも役場隣の避難所での炊き出しはおこなわれていて、厚真町では他の避難所にも届ける措置を取っています。厚真町では段ボールベッドや仕切りができていましたが、むかわ町ではまだのようでした。町には届いていると町議から聞いたので、早い設置へ多くの方の協力が必要なのかもしれません。安平町も含めてボランティアも多くの方が来ていて、いろんなニーズ掌握が急がれます。不足物資の記載があったので、私も支援物資を送っている知人へすぐ連絡をとりました。さっそく動いてくれた彼に感謝!

 赤ちゃんを寝かせていたお母さんは「夜泣きしない子で助かった」と笑顔で語っていました。集団避難生活が長引いて疲れも出るなか、夜もぐっすり眠れない日もあるでしょう。まわりの様子も知っているだけに、夜泣きを心配していたお母さんも疲れていることでしょう。福祉避難所のような乳児避難体制も今後、必要かもしれません。

 厚真町では、近藤泰行副町長が応対してくださいました。さまざまな視察などが今日は重なった日なのに、わざわざ時間を割いてくださいました。復旧へ進むうえで専門家や職員の派遣が必要と述べられていました。田村議員は、熊本地震はじめ過去の災害でも専門家体制が重要だったことを強調して、国にも働きかけたいと応じました。厚真町だけではありませんが、どこでも道職員がけんめいに動いていて、真下道議からもねぎらいの声がかけられていました。

 とまこまい広域農協では、用事で途中退席となりましたが秋永徹組合長はじめ応対くださりました。水が復旧していない厚真町だけに水路の復旧への不安や、土砂に飲まれた田んぼをどうするか、その農家の生活保障をどうするかに奔走している実態をうかがいました。これも国に現状を伝えて、来年も営農できる状況にしなければ。現地の職員さんの奮闘に、本当に頭が下がる思いでした。

 むかわ町では北村修・大松紀美子の両議員、厚真町では伊藤富志夫議員が窓口になってもらい、道や国へも伝えていく橋渡しを私も引き続き進めたい。私も運転するスタッフも正直に言えば疲れも出てきていますが、食べて寝られる環境があるのですから、しっかり体調管理もして被災者・被災地の支援にがんばりたい。明日は日高町へ向かいます。

 【今日の句】収穫を 喜ぶ秋を 見通しを 

2018年9月12日水曜日

現地の体制も作られてきた

 党苫小牧地区委員会は、むかわ町委員会事務所を拠点に救援対応の本部を設置しました。被災住宅の片づけなどをおこない、現地の情報も入り始めています。

 いまも足場がないほどモノが倒れたという家もあり、ガラス破片などは危険なので作業用グローブなども持参しての片付け活動になっています。高齢の方なら1人で家具など持ち上げることなどできません。また避難所に行ける方なら水や食料も手に入りますが、移動手段を持たない独居家庭では難しい。こういう1つ1つに応えられるような活動をしていかなければいけません。明日は私も、現地の救援対応本部に行くので実態を把握したいと思います。

 今日は党道委員会での会議で私から現地の状況を報告し、次なる調査を現場と連絡をとりながら具体化する1日となりました。明日は田村貴昭衆院議員と、むかわ町・厚真町へと向かいます。

 【今日の句】安倍首相 ロシアにいくら 出したって?

2018年9月11日火曜日

道議団と道へ要請

 今日から始まった道議会定例会にあわせて、党道議団といっしょに被災者・被災地支援に関する要請をおこないました。

 党道議団も調査などに入り個別には情報を伝えるなどもしていましたが、まとまった形で今日は要請書を手渡しました。要請項目は、▼応急・復旧・復興の各段階で必要な専門性と経験を有した担い手や、疲労が重なる自治体職員を支える人材の派遣を、▼避難所でのトイレやベッド、仕切りによるプライバシー確保をはじめ、女性・子ども・高齢者・障害者などのニーズに配慮し、被災者のストレス軽減・生活環境の改善を、▼医療や介護、福祉的な支援を必要とする被災者・在宅被災者には、保健師や訪問看護師らによる巡回やホームヘルパーの派遣など、いのちと健康を維持できるよう対応と、福祉避難所の設置または代替機能の協議・検討を、▼北電と監督官庁である経済産業省に対し「ブラックアウト」に関する検証を、など6項目です。

 道として約200人の職員をローテーションで派遣し、私たちが行った現場でも各自治体で力を発揮していました。避難所生活も1週間を迎えるなか、生活への要望も多様になっていくことが想像されます。女性職員の配置も求められます。道としても問題意識は共有されています。

 日本共産党は苫小牧地区で、むかわ町党事務所をセンターに避難者への要望を聞く活動も始めました。厚真町もカバーします。行政は行政で、民間は民間で、それぞれがつかんだ情報を共有して必要な物資や支援を進めることが必要です。道へも伝えたいし、物資支援で協力できるという方もいるので私も発信を強めるようにします。

 党道委員会での対策本部でも、私も入って事務局会議。この間の各地の様子と情報も交流し、被災者からの「御用聞き」活動を強めることを確認しました。制度利用の手引きが歓迎されているので、さらに普及もしていきたい。明後日には国会調査もあるので、私も引き続き現地に入ります。

 【今日の句】安倍首相 被災者の声 覚えてる?

2018年9月10日月曜日

なお支援と復旧を急ぐ地域がある

 北広島市・大曲(おおまがり)地域でも、驚くほどの家屋被害! 家が地盤ごと数mほど滑り流されているのです。

 写真ではわかりにくいでしょうが、岩渕友参院議員はじめ私たちが向いている先に家があるのです。足元に家があったのです。家の向こうが斜面なので、このままでは崩落してしまう寸前です。

 他にも、真ん中から折れている家、玄関や窓が閉められないほどゆがんだ家、土台が半分なくなって宙ぶらりんの家などが目に入ります。住まれていた方はショックだったでしょう。ちょうど危険度判定に職員がまわっていて「危険」と書かれた赤い紙が次々と貼られていきました。

 住民の方のお話を聞こうと思ったら、ちょうど同じ時間に市の説明会が急きょ開かれることになっていました。調査後に上野正三市長と懇談させていただきましたが、市長さんからも「復旧のための支援を早期に進めたいし、全壊した家への国の支援を強めてほしい」との要望もうかがいました。岩渕友参院議員と、しっかり反映させることを約束しました。

 党市議団からも要請書が手渡され、そのなかに「避難所や被害対策チームに女性職員の配置を」という項目が入っていました。女性の永井桃市議の意見とのこと。各地の避難所をまわるなかで、女性議員に女性下着がないことを伝えた方がいました。男性に言いにくいことって多くあると思うので、ぜひ各地の避難所でも進めてほしい。他にも被災者の仮住まいの確保、被害家屋の防犯パトロールなどなど、板垣恭彦・山本博巳の両市議も要請。明日の不安が1つずつでも解消できるように、地元議員とも力をあわせたい。

 その後は岩渕議員と、陥没や液状化の被害があった札幌市清田区や東区をまわり、チェーンストア協会北海道支部があるマックスバリュ㈱本社を訪れました。被災地はもとより慢性的な食料品不足が続く札幌市で、状況の把握や課題をうかがうためです。災害対応で社内もバタバタしているなか、石橋孝浩さん(経営管理本部長)らが応対してくださいました。まだ全体の把握ができてないとのことで、自社の話しかできないがとのことでした。

 食料品流通が滞っていた背景として、▼前日にも台風があり流通が滞っていたこと、▼メーカーから消費者まで、どの在庫でも停電により保冷ができない状態になったこと、▼停電下での片付けや要冷蔵商品の大量廃棄・撤去・安全確認に時間がかかったこと、などがあげられました。今はコメと牛乳がタイトとのことで、通常ルート以外の運送も含めて供給に努めたいと話されました。

 印象的だったのは、「計画停電となれば作業が大変になる」という言葉でした。生鮮品を扱うわけですから、2時間程度でも安心できません。そのシステムも構築する必要があります。今でも道民は節電の必要性を理解して実践も広がっているだけに、国や北海道電力は計画停電を回避するために全力を尽くすべきです。

 中小企業への影響については、北海道商工団体連合会(北商連)にてうかがいました。先の土日は各地でイベントが中止されていますが、関係会社の資金繰りで相談が来ているとのこと。飲食店でも、特に個人経営のところで食材確保や仕込みに時間がかかって営業再開が先になっている店もあるようです。資金面での要望を受けました。

 道庁では真下紀子道議と、厚真町の土砂崩れにかかわって土砂災害警戒区域についての現状を確認しました。すべての安否不明者が確認されて捜索が終了したこともあり、今後は防災対策に向けた検討も進めていくことになります。まだ目の前の救援・復旧を優先しつつ、頭の片隅には置いておきたい。

 走り続けて5日が経ちました。今日は国会で野党合同対策会議が開かれていて、前日夜に急いで報告用のまとめも作成して東京へ送っています。明日は道へまとまった要請とともに、対策本部で要望などを整理したい。避難所での要求も、社会状況も変わっていくだけに、地元議員などとも連絡を密にして、行動を具体的にしていきたいです。

 【今日の句】行った先 余震のたびに 心配し

2018年9月9日日曜日

倒壊多い、むかわ町

 今日は紙智子・岩渕友の両参院議員と、むかわ町・安平町へ。むかわ町は倒壊やその恐れがある家屋が多く、多くの支援が必要とされています。
 
 厚真町の山崩れや、札幌市清田区の陥没、停電の影響などが報道の多くを占めているかもしれません。むかわ町も震度6強を記録し避難者も多いのですが、詳しいことは私もつかめないままだったのです。

 国道沿いの商店街では、まさにペシャンコとなった家、強い余震があれば確実に倒れるであろう傾いた建物‥‥私たちが話を聞いた、全壊した新聞販売店では「配達に出た後だったから助かった」との話を聞きました。時間によっては、もっと犠牲が増えていた可能性があったのです。目の前の方がいることが奇跡的です。

 今日から私たちは、党道委員会が作成した「諸制度活用の手引き(2018年版)」を持参して手渡してきました。当面の生活は心配ですし行政や民間で力をあわせて支援を強めますが、その後の復旧・復興には様々な手続きが必要となります。くらしや税、教育、住宅などの分野ごとに、いま使える制度をまとめたものです。

 各自治体では同じような問題意識があります。竹中喜之・むかわ町長からは、次のような要望が寄せられました。▼要望が少しずつ変わっていくので、持続的に対応できるよう専門家など人的支援を、▼ボランティアセンターを開設するが、経験をもった方による「さばき」と要求とのマッチング、▼後片付けできない方や災害ゴミへの対応、などです。

 避難所を聞いてまわっても、倒れた家具を一人では直せない高齢者などから「自宅を片付けられない」との声を聞きました。電気も先日、町内の多くで通じたばかりなので片づけてる家もこれからというのが実態です。まして倒壊の恐れがある家では、先が見通せない状態にあります。少しでも見通しをもてるようにするには、行政機能を充実させることが欠かせません。

 それにしても大松紀美子・北村修の両町議は、多くの町民から信頼されているのだと思いました。大松さんは避難所でも声がかけられ、農協役員でもある北村町議は選果場まで案内してくださいました。何とびっくりコンテナに入れた馬鈴薯が床一面にひっくり返り、もちろん機械は動かせないし、地震前に送った野菜も「売り先で受け入れることができない」と戻ってきたといいます。食料不足の一端を垣間見ました。送りたくても送れないのです。酪農家の生乳廃棄と同じ構造です。契約先との関係もあるので、勝手に出荷先を変えるわけにもいきません。道や国による広域的な対応ができないかと思いましたが、市場経済のもと悩ましい問題。ともかく早く物流の正常化を、とりわけ国へ求めたい。

 穂別地区では舞良喜久議員も合流し、支所で現状をうかがいました。出る時にバスから、今日から入れるようになった町営の風呂から戻ってきた住民の方がいました。みなさんスッキリされたようで「3日ぶりに入りました」との言葉もはずんでいました。聞いていて私たちも嬉しくなりました。

 安平町では、三浦恵美子町議と前町議の奥野さんとで避難所訪問や危険個所などをまわりました。避難所では、6日に私が訪れたときに会った方がいて、名刺も持っていてくれたことに感激。今回は「手引き」を渡して、「お困りごとがあったらお読みください、ご相談ください」と伝えてきました。

 何ヵ所も避難所をまわりましたが、避難所ごとの違いがハッキリわかるようになってきました。寝るときのマットの固さが違うし、まだ段ボールベッドも行き届いていません。7日に道からは準備している旨を聞いていましたが、どうなっているのでしょう。福祉的対応が必要な方がいるのにふ、適切な場所や福祉避難所が置かれない状況もあります。元気な方だって、だんだん具合が悪くなることがあります。赤十字社などが入り、保健師さんなども巡回していますが、今後さらに必要になると思います。他に気づいたことと合わせて道などへ届けたい。

 早来地域の商店街を見ていたら、片づけのために戻ってきたという女性が倒壊していた店を眺めていました。話を聞くと、この商店街は40~50年という老舗も多いとのこと。跡継ぎもいないため、やめる商店もあるとの話も聞きました。本当に痛ましい限りです。当面の支援とともに、先を見据えた町づくりは今後の大きな課題と痛感しました。

 明日は北広島市でも陥没地域があり、その調査から始めます。国会では野党合同の検討会議がおこなわれるとのことで、私もメモをこれから作ります(何時に終わることやら)。しかし命にかかわる問題を放っておくわけにはいかないのです。

 【今日の句】家失くす無念 急いで支えたい