2019年12月7日土曜日

なし崩しに約束を破らないで

 実行委員会による「憲法とくらし ちかほフェス」のトークカフェにお邪魔しました。話題の1つは幌延町の深地層研究センターについて。ちょうど今日の北海道新聞で、道と幌延町が研究期間の延長を認める見通しと報じたばかりでもあったのです。

 「ちかほ(=札幌地下歩行空間の愛称)フェス」は今回が3回目。市民団体などが集まり、アート展や人権ポスター展、労働相談に署名コーナー、チャリティーバザーなど盛りだくさん。イベントの1つに「国会議員とおしゃべりしよう!」トークカフェがあって、日本共産党は紙智子参議院議員だけでなく前職の私にもご案内がありました。ありがたいことです。

 立憲・国民・共産の各議員が1人40分ほどで交代しながら、円卓を囲んで話し合う形式です。どんな話が飛び出すかシナリオなしなので、少し緊張しながら私も席へ。始めた途端に「要望書も持ってきたのですが‥‥」という方がいて、聞くと原発の廃棄物処理場についてだったのです。

 「原発廃止を条件に、電力の大量消費地であった大都市で引き受けるべきではないか」との内容でしたが、その心は、先送りしてはならない課題だけに目をそらさずに議論しようということでした。お気持ちは受け止めつつも、安全性の確立や住民合意ができないもとでは難しい課題であることも私から率直に述べました。

 そこで前段の幌延町・深地層研究センターですが、そもそも研究期間は「20年程度」として約束されたものでした。その協定ができた背景は、道民から「最終処分場とされるのではないか」との疑念が強かったからでした。協定は機構・道・幌延町の3者が結んだものですが、道民との約束というのが本質と私は考えています。道として、この約束をどう守るかを基準にして考えるべきではないのか。

 研究には終わりはありません。しかし上記のような経過があったわけですから、一般論で語る問題でもありません。必ず延長9年で研究を終わらせるのかとの記者の質問に、機構側は「最大限の努力をする」と明言を避けたようです。「期限なき延長」となれば、そもそもの約束を守るつもりはなかったのかということになります。

 この問題のほかにも、風力発電の影響、気候変動対策、自治体でのハラスメント根絶など多岐に渡る質問や意見が次々と。最後に私から、フェスのテーマである憲法とのかかわりで「このように民主主義を具現化していくことこそ、憲法が示す『不断の努力』です。また話し合いましょう」と結びました。いろいろと学ばせていただきました。

 【今日の句】語り合い 民主主義って 根が張られ

2019年12月6日金曜日

わかったつもりにならない

 今日は日高管内。最後の日高町では医療・介護の現状をしっかり聞いて、現場のがんばりにこたえる政治にしなければとの思いを強くしました。様似町・鈴木隆、浦河町・荻野節子、新ひだか町・谷園子、日高町・真壁悦夫の各町議と宣伝・懇談などにとりくんだ1日でした。

 聞いた先は勤医協厚賀診療所で、実は開所して70年にもなる記念イヤー。それだけ地域に必要とされる診療所であり介護支援事業所なのですが建物の老朽化も激しく、要望でも真っ先にあげられました。経営が大変ななか、行政からの支援が必要である実態を肌で感じました。

 看護師が1人でありながら訪問看護もおこなっていて、このようながんばりに医療現場が支えられていることがリアルに伝わります。苫小牧市から看護師も来てはいるのですが、やっぱり総数が増えるようにしていく必要があります。国の姿勢が問われます。

 介護現場も少ない職員・パートで力をあわせて、利用者さんに向き合っています。「厚賀は住民同士の仲がよく、職員との距離も近いので働きやすい」との声も聞きました。それでも疲れがたまれば、がんばりたくてもがんばれない。しかも国による「介護はずし」が広がるもとで、町村では「では、誰が支えるの?」というほどの状況です。

 ケアマネは、加算方式による介護職員の処遇改善には適用されないとの話もうかがいました。「プランがなければ適切な介護はできない。同じ職場なのに、この違いはおかしい」との話も納得ですし、ケアプランが有料化されて自己判断や自己作成でサービスを受けていれば、やっぱり適切な介護はできなくなります。介護保険財政にとっても良くないこととの指摘も納得でした。

 勉強しているつもりでも、まだまだ私は社会保障分野について知らないことが多くあります。上記のように書いたことも、すでに現場では危機感を強めていたことだとも思います。ていねいに教えてくださったことに感謝ですし、大事なことは「わかったつもりにならない」ことだと、あらためて強く思いました。しっかり国政に反映できるようにしていきたい。

 話は前後しますが、浦河町では日高中央漁協へ足を運びました。漁協での危機感は「魚が獲れない」こと。例えば日高東部3町での秋サケ漁獲量は、この10年で最低となりました。「日によってサケが1匹もかからない網もあった」など、すでに最盛期の3分の1にまで下がっています。サケだけでなくイカやタコでも減っているのです。

 「昔は一魚種が獲れなくても別の魚種が獲れて補っていたが、今は全部がダメ」と小松伸美専務さん。漁師とともに加工場も、原料となる魚がなければ成り立ちません。とはいえ失くしてしまえば、多く魚が獲れたときに加工する場がないことにもなってしまいます。雇用だって維持していかなければなりません。

 「例えば5年ほどの期間で漁師も加工場も支えてもらえれば、その間に魚種交代があっても対応できる時間がある」との話を、なるほどと思って聞きました。共済制度を前向きに見直すことなど、これまでも国には訴えてきましたが、さらに現状を伝えていきたい。

 様似町では宣伝に、新ひだか町では「党を語るつどい」など、それでも時間は足りないくらい。町と町との移動だけでも30分~1時間かかるのですから、本当に北海道は広い。JR日高本線も、公立・公的病院も必要だとつくづく感じます。どこに住んでいても命は平等だし、そのためにこそ税金を最優先で使ってほしい。

 「桜を見る会」への怒りも次々と出され、くりかえし「安倍政権を本当に変えないとダメだな」と語る方も。自分の後援会や「お友達」を大事にする政治から、くらしと地域を大事にする政治にこそ変えていきたいと決意も新たにする1日でした。

 【今日の句】税金は いのち支える 現場へと

2019年12月5日木曜日

今日のテーマは「住まいは人権」

 朝の苫小牧市は震えるほどの寒さ! それでも元気に市役所やぷらっと市場前での宣伝からスタートです。今日から定例議会が始まることもあり、党市議団(小野寺幸恵・富岡隆・原啓司)と道議候補だった松橋ちはるさん・市議候補だった森本健太さん、市場には前市議の工藤良一さんも駆けつけてくださり、にぎやかな宣伝になりました。

 ぷらっと市場や卸売市場をあいさつでまわると「共産党にはお世話になっているよ」「応援してるからがんばってね」などのほか、IR誘致見送りの話題も出されました。「実はほっとしたよ」など、やっぱり苫小牧にとっては大きな問題だったんだと再認識です。

 その後の「党を語るつどい」は、お住いの方が多かった市営住宅についてに話題が集中。5年後から建て替えが始まる予定だそうで、その間はどうしたら? 引っ越しを2回することになるの? など疑問が次々と出されました。市議が議会のため不在でも、地域の党員さんが答えられるというのが日本共産党のすごいところ! こうやって信頼を広げてくださっているんだと感激しました。

 別の地域では訪問先で、入党を決意してくださる女性も。お連れ合いさんが党員なのですが、働いていた職場の条件がひどく労働組合を立ち上げ、その後は全道の労働争議への支援にまわっていたことを初めて知りました。その活動をそばで見ていて、きっと苦労もあったと思うのですが「党に入っていたと思っていたよ」との話に、お誘いに行った私たちも思わず苦笑。しっかり心がつながっていたんですね。

 安平町早来に足を運び、仮設住宅にお住まいの方も含めての「つどい」は、やっぱり震災からの復興が話題の中心となりました。「公営住宅が空いてなくて待たなきゃいけない」「仮設店舗の期間が終われば店をやめるかもしれないとの話を聞いた」など、見通しが見えないことへの不安が次々と語られました。しっかり町へ伝えたいと、三浦恵美子町議が熱心にメモを取っていました。

 苫小牧市での市営住宅の件もそうですが、やっぱり住まいのことを誰もが心配するもの。これまでUR住宅や雇用促進住宅での要求実現に私もかかわってきたことから、最も学んだのは「住まいは人権」ということでした。ヨーロッパでは安価な住宅の提供や、若い世代や低所得者への家賃補助制度もあります。日本は民業圧迫や自治体の管理費用が大きいことを理由に、住宅政策の充実は後景になっているように思います。

 どの地域に住んでいても、くらしの安心を。「桜を見る会」のような税金の私物化よりも、くらしに税金を使え! 今日もそのような声が聞かれました。私は今夜のうちに浦河町に到着し、明日は終日、日高管内をまわります。

 【今日の句】寒さにも 安倍政権にも 負けはしない

2019年12月4日水曜日

カジノ断念は市民の力


苫小牧市は晴れているものの風が冷たい! 表敬訪問や「党を語るつどい」などにまわると、やっぱり話題は「桜を見る会」です。

 「年金も減らされて困っているのにさ」と、庶民のくらしよりも自分の支援者や「お友達」に便宜をはかっていることに加えて、ジャパンライフの荒稼ぎを後押ししたのではないかとの疑惑も前に、不満や怒りの声が次々と出されました。安倍昭恵さんのことも話題に「もう顔も見たくないよ」という方も。

 苫小牧市はIR誘致を進めようとしてきたものの、市民の強い「カジノ反対」世論を前に、鈴木道知事が断念したことを受けてホッとしたばかり。小野寺幸恵市議から「市民が声を上げれば政治を動かせる。今度は安倍政権を変えましょう」と呼びかけると、そうだそうだとの話にもなりました。

 署名に集会、議会では質問・論戦と、カジノに反対する市民のみなさんと力を合わせてきた日本共産党。こういう力が大きくなれば必ず世の中は変わりますと、私も力を込めました。もうウソとごまかしの政治はいらない!

 夜はむかわ町にも足を運んで、党のことも政治・社会のことも語り合いました。訪問したお宅では写真のような猫の編み物があったのですが、触ってビックリ中身は洗濯ばさみ! 確かに足のところで挟めるようになっています。

 「タイ焼き屋さんにも置いているんですよ」との話。タイ焼き屋というのは、昨年の胆振東部地震で店舗が全壊した方のことで、今は仮設商店街で営業をされているのです。心ひとつに、こうやって町の再生に力を合わせようとの思いが広がっているんですね。

 こんな時に安倍政権といえば、自己保身も甚だしいくらい。国会では会期を延長してでも真相究明をと、野党はまとまっています。この力を後押ししていく世論を、北海道でも広げなければ。明日も朝から宣伝です。

 【今日の句】逃げ切ると 思うな国民 忘れない

2019年12月3日火曜日

白昼堂々の自己保身か

 今日は休みをいただきました‥‥が、ニュースを見るたび怒りがふつふつ。安倍首相は「逃げ切った」(自民党幹部)とは、疑惑を解明する気なし! こういう政治が続けば、本当に民主主義が壊れていってしまう。

 浮上してきたジャパンライフ社の元会長と安倍首相の関係も「知らない」で済ませず、マルチ商法で多くの被害者を出した会社なのだから、しっかり調べてこそ行政の信頼となるはずなのに。どんどん政治不信を広げて、国民があきらめるように促しているとしか思えません。それだけ、ほとんど答えていない。

 それを「逃げ切った」と被害者に心を寄せず、他人事のように述べるとは何事か。これで誰も責任を取らなければ、同じようなことが将来に起きても「前例に従って」問題なしとなってしまいます。「逃げるが勝ち」というのは、堂々と自己保身をしていますということではないのでしょうか。

 菅官房長官の会見もひどい。大門実紀史議員が昨日に示した、ジャパンライフ社への立ち入り検査が「政治的背景」で配慮されていたという消費者庁の文書について「承知していない」と確認を避けました。重ね重ねですが、百万円単位の被害を受けた国民が多くいる問題で「政治的背景」で検査が遅れたのなら、政治的大問題のはずです。隠すようなら、政府がマルチ商法を後押ししているのと同様です。

 安保法制の時や森友・加計学園問題のときは国会にいて悔しい思いもしましたが、今は輪をかけて安倍政権の疑惑隠しが腹立たしい。国会では野党で力を合わせていますし、北海道はじめ全国各地の世論を広がることに力を尽くしたい。明日から苫小牧・日高地方をまわります。

 【今日の句】詐欺行為 政府は知って いたはずだ

2019年12月2日月曜日

世論は見過ごさない

 参議院本会議での安倍首相。根拠が薄いか示さないまま「関係はない」などと答弁しても納得できない。一問一答の予算委員会での質疑に応じるべきです。

 例えばジャパンライフ元会長が「桜を見る会」に招待されていた件についても「個人的関係は一切ない」と言うのみで、それならなぜ招待されたのかという疑問は消えません。名簿を破棄したことも「資料要求とは無関係と聞いている」、電子データも「復元は不可能と報告を受けている」と答えるのみでは、疑惑をみずから解明しようという立場にも立っていません。今日の質疑を見た(聞いた)方は、安倍首相の答弁にどれだけ納得できたのでしょうか。

 今朝の宣伝でも、傘を差しながら手を挙げて応えてくださる方が何人も。都合が悪いと責任転嫁や証拠隠滅では、多くの方が怒るのも当然です。来週9日に国会を終わらせて逃げ切ろうという考えなら、こちらもくりかえし世論に訴えていくのみ。絶対に見過ごすわけにはいきません。

 今日は会議が相次いだ日。いろんな課題はありますが、ともかくも日本共産党が元気に活動しなければ!

 【今日の句】早口の答弁 きっとごまかしだ

2019年12月1日日曜日

わが事として受け止めて

 現場を知ること、当事者の声を聞くことの大事さを痛感した「障害者医療の充実を」シンポジウム。国立八雲病院の現状を、ぜひ多くの方に知ってもらいたいのです。

 私のブログでも何度か書いてきた、この問題。国立八雲病院には筋ジストロフィー120ベッド・重症心身障害120ベッドがあり、その長年の蓄積から「チーム八雲」と呼ばれるほどの医療体制がつくられてきました。この病院を頼って移り住む患者・家族や職員も少なくありません。ところが札幌・北海道医療センターと国立函館病院へ機能移転すると、国立病院機構が発表。来年8月に患者などの移送をおこなうと、先月に計画案も発表されたという経緯です。

 広い北海道で病院機能が広がることは喜ばしいことですが、それが八雲病院をなくす理由とはなりません。移転の進め方も、この4年間ほどで患者・家族への説明会は3回に過ぎず、八雲に残りたいという要望は事実上、機構は聞き入れてきませんでした。職員に対しても同様で、八雲に家を持つ方などは移ることもできず、労働組合の調査では3分の1の職員が退職せざるを得ないと答えています。

 そもそも筋ジスや重心の方の長距離移送は前例がないとのこと。それは命の心配がつきまとうからです。光や振動、到着しても初めての環境へのパニック、受け入れる職員も筋ジスや重心患者への経験を持っていないなど、本当に大丈夫かとの不安は素人の私でもわかるほど。福祉車両や救急車を使って移送するとの計画ですが、そんなに医師も看護師もいないし、まして退職者が3分の1も出て、どうやって医療体制を組めるというのでしょうか。

 このような問題点について、筋ジス患者家族・重心障害患者家族から、聞いていて胸がつぶれるような不安が語られました。「病院は生活そのもの。国は障害者への思いのかけらもないのかと、悲しみが湧いてくる」「今の病棟は明るく開放的で災害時もベッドで移動できるのに、新しい病棟の図面を見て衝撃を受けた。再検討してもらえるよう意見を述べたのに『このままです』と検討さえもされなかった」「移送後も同じ医療を受けられるか心配。障害者に対して無関心なほど、不幸なことはありません」‥‥。

 八雲病院の職員としてマイクを握った小松さんは「家族の話を聞きながら涙が出そうになった。多くの方に、おかしいと声にして広げてほしい」と呼びかけました。フロアーからも「患者は移送した瞬間から生活が始まるのに、本当にできるのか。機構には意見を聞いてほしいと、憤りの思いでいっぱい」「呼吸器が必要な患者を福祉車両で移送できるのか。心臓の薬が必要な人だっている」など八雲病院の職員が声をあげ、受け入れる側のセンター職員からも「何ヵ月かの研修で筋ジスや重心がわかるのか不安だ。時間をかけて『ある程度わかる』という状況にしてからでないと」と発言されました。

 全医労本部・香月委員長があらためて問題の全体像を整理され、道医労連・鈴木緑委員長は自分の経験も例に「障害を持ちながらも、その人らしく生きられるのはいつもそばにいる看護師がいるから」と強調されて、「自分や家族が患者だったら、と想像力を持ってほしい。移送するにしても慣れるまで時間をかける必要があるし、だから八雲に後医療も必要です」との話は、私も含め参加者の誰もが納得したのではないでしょうか。

 先だって立憲民主党・池田真紀衆議院議員と、日本共産党からは私が一言あいさつ。11月6日に機構へ要請した内容も紹介し、出されている要望をいっしょに実現する立場で日本共産党も力を尽くすと表明しました。なお、紙智子参議院議員は先月21日の委員会で「移転計画を既定路線として、強引に進めるようなことはするな」と質問しています(今日付の「しんぶん赤旗」日刊紙に掲載されています)。

 命こそ尊重されるべき病院で、命の心配につながるような移送を進めていいのか。生活環境や医療体制を唐突に大きく変えることが、本当に患者や家族にとって適切なことなのか。多くの職員が、やりがいや技術を捨てざるを得ないようなことになっていいのか。来年8月に決まったこととして、合意なく進めるようなことは許されません。世論と運動が広がれば、今からでも見直すことはできるはずです。

 八雲病院で起きていることは遠い世界のことでなく、身近な命の問題。今日の内容を国会へ反映させるべく、私も力を尽くしたい。

 【今日の句】机上では 命の重み わかるまい