2020年10月10日土曜日

災害復旧はいの一番で

 「根室本線の災害復旧と存続を求める会」の平良則代表から話をうかがうため、今日は新得町へ。JR北海道がバス転換を迫るなか、国とJRの責任で復旧をと粘り強く声を上げ続けている会です。青柳茂行町議が同席しました。

 4年前の台風により新得-東鹿越間(41.5km)が不通区間になっている根室本線。代行バスが運転していますが、JR北海道は復旧に後ろ向きであるだけでなく新得-富良野間(81.7km)は輸送密度が200人未満だとして廃線・バス転換を主張しています。上川管内と十勝管内を結ぶ大動脈だけに、「廃線ではなく復旧こそ」と声が湧き起こってきたのです。災害時の代替輸送路線としても重要な意味を持ちます。

 同会は今年3月に札幌で集会を予定していましたが、コロナ禍で無念の中止。その後、会として根室本線対策協議会の会長を務める富良野市・北市長との意見交換などをおこない、北市長は「全線存続という意識は統一している。各地域で環境に合わせた取り組みをしながら国や道、JR北海道に引き続き協議会として路線維持を要請する」と応じました。

 「もう一度、集会ができないかと検討しています」と平代表。菅政権になってから鉄路存続がどうなるか見えないなか、声をあげねばという思いでいます。会として関係機関や知事、国会議員などにもメッセージを送ったとのこと。平さんは「国鉄の分割・民営化の際に、政府・与党はローカル線をなくさないと言っていたではないか」と指摘しました。

 JR北海道がコロナ禍で赤字であっても、公共交通を担う事業者として災害復旧はいの一番におこなうべきものです。復旧費用が10億円を超えるというものの、線路が宙づりになっている箇所などないため、平さんも「そんなに費用がかかるのか」と懐疑的。最近は公文書や数字も改ざんされるからなぁ、と苦笑まじりの話になりました。

 日高本線や留萌本線で、バス転換への話が詰められてきています。首長と住民が声を上げ続け、市民が署名を集めても、背を向け続けてきたJR北海道の姿勢は容認できません。あわせて、国はJRや地方自治体の対話まかせにして責任を負わないという、まさに分割・民営化されたことをもっての言い分に、住民からすれば納得はいきません。災害復旧と維持存続へ、日本共産党もいっしょに力をあわせることを約束しました。

 降り立った新得駅前では、ちょうど新そばの販売中でした。今年は「そば祭り」が中止になったため、土日に街頭販売や食事ができるようにしたとのこと。ある店では「本日完売」との張り紙もあり、このような町のにぎわいも鉄道が走っていればさらに‥‥との思いを強めました。

 【今日の句】鉄路には 可能性ある 意義がある

2020年10月9日金曜日

「核のゴミ」問題は全道の課題

 寿都町に続き、神恵内村も文献調査に入ることに。今日は函館市で「核のゴミ」問題とともに、大間原発ストップをと街頭から呼びかけました。多くの党員・後援会員のみなさんが駆けつけてくださり、激励もいただいてありがたい限りです。

 この間も書いてきましたが、財政難や人口減少は各自治体の共通課題だけに、寿都町や神恵内村もいっしょに国へ求めることに力を合わせてほしいと願っています。国は原発マネーや「核のゴミ」マネーで、地方自治体に受け入れさせる進め方はやめるべき。どの町でも国民が安心してくらせるように、財政的保障をするのが国の役割のはずです。

 函館市民の関心も高い。この問題で話し始めたら、車の窓がスーッと開いて拍手をしてくださる方の姿もありました。みんな心配をしているし、だからこそ「核のゴミ」を増産することになる大間原発の建設にも、新たな目が向けられているのだと街頭から実感しました。

 新型コロナウイルスの影響は、函館市でも顕著に出ています。ホテルの休館・閉館や、お土産屋さんでも商品を少なめに陳列してるなどを目にしました。自己責任では解決できないコロナ禍で、菅首相が「自助」を真っ先に掲げていたことを、あらためて思い出して腹立たしくもなります。この現実こそ総理は受け止めるべきです。

 函館では党市議団・地区委員会が繰り返し要請するなかでコンビニなどにも支援が具体化されたことを、道議候補を務めた本間勝美さんが紹介していました。やっぱり求められているのは国の姿勢。しっかり北海道の実態を反映していかなければとの思いを強くしました。

 【今日の句】地方へと 不都合ばかり 押しつけて

2020年10月8日木曜日

寿都が好きだからの思い

 寿都町・片岡春雄町長が「核のゴミ」最終処分場へつながる文献調査に応募すると表明しました。撤回は可能だし、町民もあきらめていません。神恵内村とあわせて、菊地葉子・宮川潤の両道議とでまわりました。

 これほど大事な問題なのに、町議会も本会議ではなく非公開の全員協議会で議員の意見を聞く、ということはどういうことなのでしょう。日本共産党・幸坂順子町議や他の議員が主張しても受け入れられなかったにとどまらず、議事録さえ公開しないのでは住民の不安に応える開かれた議会運営と言えるのか疑問です。

 その全員協議会の場では幸坂町議などの反対意見が出ても、最後に議会の総意を町長に伝えるとのことで小西議長が引き取りましたが、記者会見で述べたのは「町長の執行権と政治的判断を尊重したい」との町長追認。議会全体は尊重などに同意していません。

 その片岡町長も、表明に至る理由で「住民説明会で反対の声が大きくなってきた。賛成の住民が『そろそろ声を上げなければ』と私に言ってきて、両方が声を上げると町が分断される」と責任を町民に転嫁し、反対の声が大きくなってきたと述べながら「反対の票は停滞してきた」とも言う始末。「住民投票に費やす時間はない」と、住民の意思を確認することにも背を向けました。

 市民団体「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」の吉野寿彦さん(マルトシ吉野商店社長)は「初めの報道で見た瞬間から『町長アウト』と思った」と切り出し、「知事が寿都に来たときには『知事の言うことは聞かないが、住民の言うことは聞く』と町長は言っていたじゃないか」と語気を強めました。

 「核のゴミという『落し蓋』をされたら町がダメになる。町長は人口減少などを言うが、商売で言えば時代の変化についていってないから先細りになる」との話は、これまで牡蠣とシラスを町の「売り」にまでしてきた水産関係者の共通の思いと受け止めました。町の未来を考えるなら若い人を育てなければダメ、町職員が萎縮しないように、若いうちに失敗できるようにすることも必要との話まで及びました。

 同じく会のメンバーである槌谷和幸さんは、今年3月に策定されたばかりの町総合振興計画づくりにも関わった方。これから10年先の町の未来像まで考えた計画には「核のカの字もないはずだと町長に聞いたら『計画と今回の件は別』と言われた」とあきれ気味。「補助金漬けになったらやめられないし、努力しなくなる。今のうちに止めないと」と危機感を語りました。

 ペンションを経営されていて、室内には日本海に沈む美しい夕陽をとらえた写真が飾られていました。「退職して、のんびり暮らそうと思っていたのにな」と笑う槌屋さん。それでも黙っていられないと声を上げるのは、寿都が好きだからとの思いがひしひしと伝わりました。

 応募されたから終わり、と町民はあきらめていません。幸坂町議は「まさにこれから」とも述べました。寿都町では幸坂町議を先頭に、あわせて全道でも日本共産党が「核のゴミはいらない」と、心ひとつにがんばりますと私からも応じました。団結こそカナメです。

 一方、文献調査に応じる請願を、村議会で賛成多数の採決をした神恵内村。髙橋村長は「一晩考えたい」と応募表明はしなかったものの、明日にでも経産省からの申し入れに応じる形と報じられています。

 公開質問状を出すなど説明を求めつつ、「町づくりについては何年も前から私も口にしてきた。核のゴミに頼るようなことは許されない」と訴える滝本正雄さん。村役場のすぐ近くで日本画などを展示する「銀の鈴記念館」の主宰でもありますが、記念館を兼ねた自宅の窓には「核のゴミNO!」のポスターがずらり。滝本さんは泊原発への反対にも声をあげ続けてきた方でもあります。

 その滝本さんと、いっしょにマイクを握りました。「表立って声に出せないが反対している、と電話をかけて『高齢(87歳)の滝本さんに言うのも心苦しいけど頑張って』と話された方もいる。子どもたちに核のゴミを残すようなことをしてはなりません」と、凛とした口調で訴える滝本さん。隣で聞いていて、その本気さが胸に響きました。岩内町から大田勤町議(日本共産党)らも、活動に連帯しようと駆けつけました。

 首長や議会は住民から選ばれた存在だけに、その決定は重いもの。村外の日本共産党が覆すことなどしませんが、重い決断だからこそ慎重に審議してほしいと私からも述べました。いち自治体のみならず、ことは北海道全体にもかかわることだからです。財政難や人口減少の苦しみについては、他の自治体とも手をつないで国へ声をあげていく道を選んでほしいことも加えました。

 多くの報道陣も駆けつけて、全国的なニュースとしても報じられています。道内での活動も強めるし、国会とも連携して、地方にツケをまわして住民を苦しめるなと訴えていきたい。

 【今日の句】強行に 黙るものかと ふつふつと

2020年10月7日水曜日

早く医療への支援をさらに

 今日は佐藤正市議と、士別市立病院での懇談からスタート。PCR検査や体制確保、保健所との連携などを聞き、課題は多いと痛感しました。懇談には三好信之副院長、加藤浩美事務局長が応じてくださいました。

 「検査機器を入れても、今度は試薬が手に入りません」と三好副院長。全国・全世界で争奪戦のようになっているだけに、マスクや医療用手袋など医療資材ともども国が確保へ役割を発揮しなければなりません。国はかかりつけ医で検査をできるようにと言うものの、個人開業医などは体制的に難しいため、おのずと公立病院や総合病院に頼ることになってしまいます。

 しかし、士別市立病院でも慢性的な看護師不足に加え、医師も大学からの応援を受けて維持している状況です。「分け隔てなく患者は受け入れたいが、院内感染が起きた場合、医師が派遣されなくなるのではと心配。他の医師だけでは当直もまわりません」との切実さにも、政治の責任として応えなければなりません。

 これまでの社会保障抑制の政治による矛盾が大きいと、地域をまわるたびに実感します。看護師についても「とにかく地方は人手不足。国が言うのは東京ならできるかもしれませんが」との現実を、しっかり反映していきたい。

 市民のみなさんと語る「つどい」でも、「病気持ちの家族がいると感染が心配。結局どこに連絡したらいいのか」「孫が通っている大学で、学費が払えず休学する同級生と退学する先輩がいると聞いた」など、不安や影響が次々。元教員だという方は「現場の先生は多忙。共産党として教育環境について、さらに取り組んで」との要望もいただきました。

 名寄市では、川村幸栄市議と街頭宣伝や「語る会」をおこないました。宣伝には他会派の市議さんも顔を見せてくださり、通りすぎる車から手を振る方の姿も目立ちました。名寄市では今月から小学生全学年での通院・入院ともに無料化が始まることも川村市議から報告があり、あらためて地方議員の果たしている役割の大きさを実感。

 「語る会」では、少人数学級、補聴器購入への補助、人口減少への対策、消費税減税などの質問や意見が相次ぎました。「また名寄に来てください」と声もかけていただき、広い北海道ですが語り合う機会をたくさん持ちたいなと、心から感じました。

 明日は両自治体の首長さんが文献調査の応募を表明するかもしれない、寿都町と神恵内村に足を運びます。

 【今日の句】ぎりぎりの 医療を総理 知ってるか

2020年10月6日火曜日

今日から上川管内へ

 今日・明日と上川管内をまわります。富良野市での街頭宣伝からスタートして、東川町での「語るつどい」まで、たくさんの激励もいただいて必ず議席回復を!との思いが強まります。


 新型コロナウイルスの影響もあって、昨年の参院選以来の富良野市。農業とともに観光が重要産業の富良野市で、やっぱり大きな打撃があるといいます。「前年に比べて売り上げは8割減収。年明けまでコロナが続けば、多くの業者はもたなくなる」「地元に残りたい高校生の就職先がなくなっている。自衛隊にでも入ろうか、との話を聞いた」など、リアルな実態もうかがいました。

 当面の補てんや給付は絶対に必要です。同時に未来へ向けて、地域の産業や雇用をどう作り上げるかは重要課題です。学術会議への人事介入をしている時間があるのなら、地域に住み続けられるような支援こそ国として考えるべきです。

 東川町の「語るつどい」でも、同じような話がありました。寿都町と神恵内村での「核のゴミ」文献調査に対する関心も高く、道の条例にもとづいて鈴木知事が貫いてほしい旨の話とともに、原発マネーに頼らない町づくりをどうするかも議論が必要です。

 東川町で言えば、道内でのコメ作り発祥の地であり、「写真甲子園」のように独自の町おこしにも力を尽くしています。北海道は多くが農村・漁村だけに、このような地域の財産を活かす方向にこそ税金を使ってほしい。要は、もうかる先ばかりを見ているか、すべての国民の生きる権利を保障するかという根本の問題なのです。

 夏の暑さはとっくに過ぎて、間もなく冬なのだなと空気が教えてくれます。明日も元気に上川管内をまわります。

 【今日の句】排除より 政治の光を 連帯へ

2020年10月5日月曜日

現場負担ばかりを増やしはしないか

 札幌市の1日あたりでは過去最高となる、35人の感染確認数と発表されました。検査・医療体制の拡充も必要ですが課題は多い。2日に政府へ要請した日本共産党の「新型コロナ危機から、命とくらしを守り、経済を立て直すための緊急申し入れ」を持って、各界からの要望をうかがいました。

 厚生労働省は9月4日付で、「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備」との事務連絡を発出しています。その特徴は、発熱患者等が帰国者・接触者相談センター(保健所)を介することなく、かかりつけ医など身近な医療機関などで相談・受診や必要に応じて検査を受けられるようにするとし、その整備を10月中におこなうよう都道府県に求めています。

 言い方を変えると、保健所の業務を医療機関でおこなうこととなります。「患者療養先の決定」「自宅・宿泊療養者の健康管理」「偽陰性疑いへの対応」「家庭内感染対策の指導」などがそうですが、かかりつけ医がそれだけできるのかが問題です。すでに経営的困難を抱えている医療機関は多く、国は財源を投入するとしますが、手を挙げにくい状況となっているのです。

 すでに自治体や医師会を通じたアンケートなどがおこなわれ、そのように受け入れたいとする医療機関は2割にも届きませんでした。院内での動線分離、担当医地震の感染不安なども背景にあります。できる病院と、できない病院とで「医療界で分断が起きないかと心配です」と道民医連の小内浩事務局長。ちょうど懇談前に、全日本民医連としての見解が発表されたばかりで、私が先に書いた点も、その見解からの内容がほとんどです。

 国が保健所の体制を保障していないから、かかりつけ医の負担を増やすことになった格好です。まさに「公助」としての公衆衛生に、政治が責任を負ってほしいと小内さん。こういう時の公立・公的病院の重要性についての意見も交わしました。

 この点は先月の政府交渉で、私からも厚労省へ要請しています。広い北海道では十分な医療機関や保健所体制が各地に求められますが、PCR検査一つとっても検体採取の機関は限られていて、これから吹雪くような季節になれば1時間・2時間もかけて移動などできません。でも発熱の場合に、近くの医療機関等での受診や検査ができるとも限りません。かかりつけ医に、すべてを任せることは体制上できないのです。

 コロナ禍での教訓は、体制の効率化や縮小化をしてはならないことに尽きます。行政や保健所、医師会が力を合わせて体制をつくることに、国としていっそうの財政保障などを進める必要があります。しかし、このままでは現場に負担ばかりを増やす結果になりはしないのか。聞いた内容を国会へ反映させることを約束しました。

 先日の道経産局への交渉に同席した北海道商工団体連合会(北商連)では、各種給付金の事務作業の遅れや消費税・国民健康保険料(税)の減免が話題に。民青同盟北海道委員会では、大学での学費半減を求める声の高まりやアルバイトの休業補償申請へ「講座」を開くことなど、若い世代の実態をうかがいました。

 あらためて臨時国会を早く開いて、予備費の活用を含めたコロナ対策の具体化を急ぐべきと痛感しました。早く冬が訪れる北海道だけに、上記のような困難を抱える医療機関を支えることは急務です。年末を迎えるにあたり、中小企業や飲食店など自営業者の資金繰りも心配になります。あわせて、お互いの感染防止にも気をつけていきたいものです。

 【今日の句】政治から 寒さ追い打ち かけないで

2020年10月4日日曜日

地方への財政保障を

 私は行けませんでしたが、札幌中心街に「核のゴミはいらない」と長蛇の列の市民スタンディング! いち自治体が手を上げれば文献調査へ進めるのが今の仕組みですが、近隣住民や道民すべてにかかわる重大問題です。あらためて寿都町長・神恵内村長さんには、文献調査へ応募しないよう求めるばかりです。

 2007年、全国で初めて文献調査に応募した高知県東洋町。一方的な町長の応募に、7割近くの町民が反対署名に応じ、町議会でも町長勧告決議が可決されました。リコール直前に辞任した後の町長選挙で応募反対の沢山氏が当選し、応募が取り下げられたのでした。町民のみならず近隣住民や県民の声も広がりました。

 松延宏幸・現東洋町長は、北海道新聞のインタビューにこう答えました。「この町には自然しかありません。町と経済団体などは今、アユの生息環境の再生や自然体験事業の充実、名物のポンカン加工などに力を入れています」。「町民の多くは覚悟を決めました」との言葉も重い。

 それから13年が経ち、人口減少は加速度的に進んでいます。何とか町の未来をと願う住民の思いは当然です。その思いを原発マネーに紐づけするのでなく、地域を支えるための財政保障こそ国が責任を負うべきではないのでしょうか。地震大国の日本における地層処分については専門家でも見解が分かれているだけに、今は国や電力会社で厳重な管理をしていくしかないと思います。

 ハッキリしているのは、核のゴミの総量を確定しなければならないということ。再稼働し続ければ総量が増えるだけに、原発ゼロの政治決断を急がなければ。今日のスタンディングに参加されたなかで、同じ思いの方もいたのではないでしょうか。原発の安全性が吹聴され、時には大事な情報が隠されたり自然災害への備えも不十分ななかで福島第一原発事故が起き、先日は仙台高裁で国の責任も認められたもと、同じようなことをくりかえしてはなりません。最終処分場についても、同じようなリスクを背負うことになるのです。

 地方にこそ政治の光を。私も力を尽くしたい。

 【今日の句】菅首相 それであなたは 満足か