2022年10月15日土曜日

歴史から学ぶ大切さ

 今日は帯広市で「アイヌ民族の人権を考える十勝集会」。昨年・一昨年と党道委員会で開いてきた集いの場を、今回は党十勝地区委員会との共催で開きました。会場いっぱいに参加があり、ひしひしと関心の高さが伝わってきました。

 内容は、アイヌ民族の権利回復に尽力している弁護士・市川守弘さんの講演に始まり、ラポロアイヌネイション会長・差間正樹さんとペウレ・ウタリの会阿寒支部会員である山本栄子さんのお話、最後に紙智子参議院議員の国会報告。私は閉会あいさつを務めました。

 市川さんの講演は、和人地と蝦夷地が分けられた歴史をさかのぼり、徳川家康の黒印状でも「蝦夷地のことは蝦夷次第」とされていたのは、アイヌが暮らしていたコタンは行政・司法・外交をおこなう「小さな独立国家のよう」(バチェラー)だったからと明らかにしました。なるほどと納得です。

 米国では連邦政府がインディアントライブと条約を結んでいたのに、日本政府はアイヌに同化政策を強いました。先住民族の権利が国際的に認められてきた今日でも、日本政府は権利の主体である集団(コタン)が存在しないとして、アイヌの権利回復に背を向けています。あらためて歴史をふまえることの大切さを学びました。

 差間さんは、先祖の遺骨を返還すべく苦労を重ねたことを話されました。和人のような1つの墓に埋葬するのではなく、1人ひとりを並べるように埋葬するアイヌにとって、コタンこそが管理の主体になります。差間さんは浦幌アイヌ協会として返還の道を開いたのですが、ここにも先のような日本政府の姿勢の理不尽さが見られるわけです。

 今はサケを獲る権利の回復に力を尽くしている差間さん。「私たちは何万年も前から十勝川の恩恵にあずかってきた」との言葉を、しっかり自分の腹に落としたい。経済利益のための川の利用ではなく、持続的に人類・民族が生きていくために川を利用する権利の問題です。

 本別町生まれの山本さんは、小学校入学の時からいじめに遭いました。20歳のときにペウレ・ウタリの会に出会い、アイヌとシャモ(和人)の若者が手を取り合い、アイヌ差別がない社会を築こうとの取り組みに感動したといいます。山本さんもアイヌの歴史を知ったことで、差別される筋合いはないと確信されたのでした。

 話を終えた後に「この場に呼んでくださったお礼をしたくて」と、山本さんはムックリを手にされました。その音色に、しばし聞き入りました。会場が1つになったような気がしました。

 紙議員は国会での取り組みとともに、道内各地をまわって交流・懇談した中身を詳しく報告しました。以前にブログでも書いた、御料牧場に眠っていたアイヌ強制移住の資料についても触れて、ここでも歴史の大切さを痛感。今回のようなつどいも含めて、くりかえし学びあうことが大切だと心から思います。

 いまだに差別が存在するのは、国際的な到達点に背を向けているだけでなく、歴史認識の問題があります。学校での学習の必要性も、これまで何度となく要望されてきました。国会や地方議会の論戦とともに、草の根からの発信や共通認識づくりも党として力を入れる仕事。課題と成果も明らかにしながら、私も力をあわせていきたいです。

 【今日の句】尊厳は 政府が奪う ものじゃない

2022年10月14日金曜日

鉄道はこれからこそ

 鉄道開業150年の今日、私は新得町へ。JR北海道が6年超も災害復旧をせず、廃線を迫ってきた根室本線(富良野ー新得間)。国や道も責任を負わず、沿線自治体に負担ばかりを押しつけてきました。あらためて「根室本線の災害復旧と存続を求める会」の代表・平良則さんと事務局長・佐野周二さんとの懇談。青柳茂行町議も同席しました。

 新得町では3月に住民説明会がおこなわれ、そこでは「自治体が国に働きかけて存続を求めるべきだ」などの訴えがあったそうですが、町側から「国からの支援がなく苦渋の選択」と回答されたといいます。そもそも財政力の弱い自治体に負担を押しつける、その国の姿勢こそが問題です。

 沿線首長は存続を断念しても、町民はあきらめていません。「首長は同意と言うけど、まだハンコは押していない」(佐野さん)と、会は先日、総理や道知事、道振興局への要望書も提出・郵送しました。帯広市で学習会も計画したいといいます。

 モノ言わない道の姿勢は結局、国いいなりということ。平さんの「鉄路の存続へ、知事が先頭にたっている県もあるというのに」という言葉に、私も心から納得。道内各地で、道が当事者という認識があるのかと厳しい意見を何度も聞いてきました。

 「私が勤めていたときのものです」と、国鉄当時の制服を着てくれていた佐野さん。平さんも、民営での炭鉱列車が始まりだった道内で「国は戦争の時に買い取っておいて、赤字になったら民営化で解消と格好いい事だけ言ってきた」と語られ、お2人から鉄路への熱い思いが伝わりました。

 新得町は、NHK朝ドラの記念すべき100作目「なつぞら」の主要ロケ地。十勝から富良野へ、富良野から十勝への観光路線としても意味も大きく、何より北海道の中心地を走る幹線です。鉄路の活用をと、住民からさまざまなアイデアも出されていました。

 赤字だからと切り捨てれば、最大の赤字路線である新幹線も含めて、北海道では全路線がなくなってしまいます。昨日の「道新」社説では「収益性と公共性は必ずしも一致しない。上下分離が主流の欧州では国と自治体が鉄路を守る」と指摘していましたが、国鉄の分割・民営化路線も再検討し、国が公共交通を守る責任を果たすべきです。

 温室効果ガス排出削減、トラック貨物輸送の人員不足も解決が急がれるなか、その解決の一端を担える鉄道はこれからこそ、その可能性を生かす時では。道内での世論喚起や合意づくりに力をあわせていきたい。

 【今日の句】切り捨てるばかりで この国成り立つか

2022年10月11日火曜日

ツケばかり押しつけるな

 昼は道原発連、夕方は「北の鉄路の存続を求める会」の宣伝に。原発の再稼働・新増設、在来線切り捨てを進める岸田政権では、道民の苦難が続くばかり。署名に応じたり、チラシを受け取る方の姿が目立ちました。

 「核のゴミ」最終処分場に向けた、寿都町・神恵内村での文献調査も間もなく2年を迎えます。そもそも大事故などがあれば被害は一自治体にとどまらないのに、交付金を使って地域へという国のやり方が許されていいのか。責任が国でなく、地方へと押しつけられています。

 鉄路も「維持したければ金を出せ」と、責任は地方自治体へ。しかし、広大な積雪寒冷地・北海道で鉄道事業が赤字になるのは当然で、だから国鉄の分割民営化の時に、国は基金を積んだのではなかったのか。それなのに公共交通を守る国の責任は、放棄されっぱなしです。

 札幌駅では新幹線の延伸にともなう工事がおこなわれています。赤字を言うなら、いまJR北海道での最大赤字路線が新幹線。札幌延伸で黒字になるかと言えば、その需要予測はあまりに過大なのです。さらに赤字が膨らめば、北海道の鉄路は危機的になるでしょう。

 新幹線トンネル工事にともなって出てくる有害残土(要対策土)は、予想される全量分の置き場も決まっていません。基準値を大幅に超えるようなヒ素やセレンなど、すでに各地で明らかになっています。結局、その置き場も地域へと押しつけられる。利益最優先のゆがみを直視せずバラ色の北海道を描いても、ツケは次世代にまわってしまいます。

 それにしても鈴木知事は、このような国の押しつけ姿勢に追従ばかりではないのか。夕張市で鉄路は「攻めの廃線」と言っていたけど、それが市の貢献になったのでしょうか。

 原発推進からの転換を。公共交通の維持に国が責任を果たせ。知事は道民の願いを受け止めよ。草の根の声を、しっかり広げていきたい。

 【今日の句】どの町も 日本と世界の 中心地

2022年10月9日日曜日

熱戦に前のめり

 3年ぶりの開催となった「しんぶん赤旗」将棋大会(「赤旗名人戦」)。アマ強豪が集い、全国大会優勝者は新人王戦にも参加できます。今日の北海道大会では、実行委員会を代表してあいさつさせていただきました。

 私も小学生からの将棋指し。中学生の時は、昼休みに将棋好きの先生から放送で呼び出されて一局、ということもありました。とはいえ全国大会に参加するA級ほどの実力はなく、今は下手の横好き程度です。

 3年前の第56回全国大会優勝者は、北海道を勝ち抜いた横山大樹さん。アマ強豪中の強豪で、今回は全国大会推薦枠での参加です。北海道将棋界は、かくも熱い。コロナ禍により十分な規模の大会とはできませんでしたが、今回も熱戦が繰り広げられました。

 北海道から全国大会へ出場するのは、湯上真司さんと奥村尚志さん。連続して3局を勝ち抜くのは、けっこうな体力と気力が必要です。ぜひ全国大会でも力を発揮してほしい。ちなみに来週は、囲碁の北海道大会です。

 対局中に、子連れのお母さんが将棋会館に来られました。将棋を学べる日を間違えてたようなのですが、将棋連盟の山下会長さんが快く対局の相手をされていました。心があたたかくなります。

 将棋も囲碁も、相手へのリスペクトがあって成り立つもの。将棋自体の面白さとともに、こういう精神も子どもたちに広がってほしいですね。大会開催にご協力いただいた、将棋連盟さんにも心から感謝です。

 【今日の句】大局が 見える力を 政治でも