2020年10月3日土曜日

強権は弱さの裏返し

 道革新懇の「市民と野党のリレートーク」で、日本共産党からは私がスピーチ。政治を変えたい!との本気の思いが次々‥‥このような団結を菅首相は恐れているのだと、ふと気がつきました。

 5年前に安保法制が強行成立させられた翌日、日本共産党は安保法制廃止の国民連合政府を呼びかけました。その時は野党間でも一致しなかったものの、いまは多くの政策上の合意もつくられ、大きな方向性では新自由主義からの転換という旗が立ち、市民からも政権交代をとの声があがってきています。辞任の直接的な理由は健康問題といえ、安倍首相はこのような流れに追いつめられていたのでした。

 それを継承するという菅政権の支持率が高かったのは、安倍政治の行きづまりからの転換を多くの方が感じたからゆえです。しかし、日本学術会議の任命拒否で、異論を排除しながら説明もしないという強権姿勢が明らかになった菅首相。根拠があるなら任命しない理由を言えば済むのに、それをしないのは言えば反発が起こるから。説明しないのは強さではなく、菅首相の弱さの裏返しなのです。

 「杉田水脈議員の女性蔑視発言は絶対に許されない」(新婦人・石岡さん)、「今こそ少人数学級を実現するチャンス」(高教組・尾張さん)、「大学の退学まで検討する学生を政治は救わないのか」(民青・宮内さん)、「八雲病院廃止で約70名が職に就けない。こんな政治を変えたい」(医労連・鈴木さん)など、今こそ国民の側に立つ野党の議席を大きくしようとのスピーチが続きました。

 市民の風・北海道の小林さんは「各党へ選挙区での統一候補をと要請した。同時に、比例区で各党が1議席以上を確保できるように私たちもがんばる」と表明してくださり、新社会党の木山さんは国鉄の分割・民営化にも触れて「今こそ労働者のなかで政治を変える流れをつくろう」と呼びかけました。私からは菅政権の弱さと、市民と野党の共闘こそ新しい政治をつくる道だと、実感を込めて強調しました。こういう取り組みを道内・全国各地で広げられたらいいですね。

 夜はさっぽろ自由学校「遊」の対話講座「選んだ人とざっくばらんに」で、今回は私がゲストとして参加させていただきました。HPでは「政治と自分のかかわりを見直す一歩を踏み出してみよう」との参加呼びかけとともに、「裏テーマ」として「現実の政治状況の中で自分が投票する意味まで考えるきっかけにしてみよう」とされていました。これは小選挙区での野党統一候補の実現・勝利とともに、比例区での投票をどうするかという問題なのです。

 北海道の小選挙区では、立憲民主党が1区・3区・6区・8区・11区に小選挙区勝利の現職、4区・5区・9区・10区に比例当選した現職(いずれも小選挙区にも立候補)がいます。加えて2区・7区にも公認候補を擁立する予定です。日本共産党は現在、2区・3区・5区・7区・9区で擁立する予定です。その統一のうえで、前回の総選挙で野党共闘に力を尽くしながら議席を落とした日本共産党の比例(畠山)回復はカギを握ります。

 何としても政権交代を、との思いがそれだけ強い。だからこそ「3区は現職がいるのに、なぜ擁立したのか」「5区は共闘の象徴とされてきたのでは」など、参加された方からの発言もありました。とはいえ日本共産党ばかりが譲歩するのもおかしいし、そもそもは小選挙区制度が問題との発言も。党としての考え方と、私自身の思いも交えながら話しましたが、根っこの思いとしてはしっかり受け止めたい。

 要望が相次いだのも、期待を込めてのものと感じました。「まだまだ共産党は敷居が高いと思う。町内会など地域の活動も参加を強めては」「私も『軍事より外交』の立場だが、個別の国を見たときに防衛問題を語る必要について、どう考えるか」「政権や政策の合意の必要性はわかるが、現実的にそれで進むのか」などなど。今年1月の党大会で過去の同性愛に関する考えの誤りを認めたことも出されたので、党活動や政策上もより良いものにしていきたいと述べました。

 リモート参加された方からは、寿都町などの「核のゴミ」問題や中国共産党との違いなどの質問もあり、どれだけ伝えきれたかわかりませんが、いろんな媒体も使って意見交換をしないといけないなと実感しました。合わせて、ゆきづまった自公政治を変える力は、やっぱり市民と野党の共闘だと再確認できました。強権が弱さの裏返しなら、団結は強さの反映です。

 【今日の句】言い訳も 強行突破も 行きづまり

2020年10月2日金曜日

危険な本質が現れた

 自民・杉田水脈議員の女性蔑視発言、そして菅首相の学術会議人事への介入--抗議の声をと緊急街頭宣伝。こんなことを野放図に認めておくわけにはいきません。

 杉田議員はブログで発言があったことを認め、女性のみがウソをつくかのような印象を与えたことを詫びましたが、発言の撤回はしていません。しかも、この言いぶりでは男性も同じようなウソをつくこともあるので、女性だけに触れたのは間違いだったということになります。性被害・性暴力の苦しみを、まったく受け止めないばかりかセカンドレイプに当たる発言として看過できない。

 これまでも杉田議員は、LGBTの方々は「生産性のない」人と述べたり、国会で選択的夫婦別姓を質問した野党議員に「それなら結婚しなければいい」とのヤジを飛ばしてもきました。女性蔑視発言は単なる言い間違いでなく、杉田議員の根本的な思想の問題です。重要なことは、そのような人物を比例名簿1位にしてきた自民党の責任です。

 私も比例名簿1位候補の経験がありますが、党の公認として、その党の主張や政策を反映させていくことが基本になります。また、その党を応援して比例選挙で政党名を書いた方もいるわけですから、党として議員・候補の言動には責任を負っています。問われているのは杉田議員であり、自民党そのものです。今でいえば、総裁である菅首相の姿勢も問われているのです。

 さて、その菅首相。日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否しました。学術会議は「学者の国会」とも呼ばれ、国から独立した機関として、真理追求の立場から研究や発信をおこなってきました。人事も、研究成果などをふまえ内部で推薦した方々を、首相が形式的に任命してきたのです。ところが今回、初めて任命が拒まれました。

 それなら菅首相には説明する責任があるのに、何も示されていません。それを普通は「問答無用」というのであって、ファッショ的ともいうべき介入です。6人の方は安保法制や共謀罪法などに異議を唱えた方々とされていますが、それは学問的見地による意見表明です。菅首相は、学問は権力を支えるもの、権力に都合のいい学問しか認めないというのでしょうか。違うというなら、任命しない理由を明らかにすればいい。

 日本では戦前に、京都帝国大学で「滝川事件」が起きています。滝川幸辰(ゆきとき)教授の刑法観が「赤化思想」=アカだとして、国会議員らが大学からの追放を主張したのです。文部省(当時)が休職処分を強行し、本の発禁処分まで実施されました。まさに「赤狩り」としての滝川事件には全国の教授や学生が反対の声をあげたものの、国による学問支配のもとで日本は侵略戦争に突き進んでいったのです。

 その反省から積み上げられてきたのが憲法の「学問の自由」であり、日本学術会議の存在です。安倍首相でさえしなかった学術会議への権力的介入を、菅首相が踏み込んだ意味は大きい。危険な本質の一端が現れたということです。

 国会では野党が一致して追及することとし、マスコミの報道も相次いで、SNS上での抗議の声も広がってきました。北海道での世論を広げるために、私も力を尽くしたい。

 【今日の句】あからさま 従わぬなら 排除にと

2020年10月1日木曜日

問題は、やるかどうかだ

 くらしと経済を立て直すために消費税減税を! 消費税廃止各界連・北海道社保協のみなさんと、増税1年が経っての抗議の宣伝をおこないました。北商連・石塚会長、民医連・木幡広報部長、青年ユニオン・岩崎さん、道労連・三上議長、そして私がマイクを握りました。

 消費税は、どのように重しとなっているか--例えば病院では、設備や備品購入分の消費税を窓口負担に転嫁できませんし、診療報酬でも見合った分の補てんはできていません。中小零細企業は契約先から消費税分の値引きを強要されたり、飲食店でも客離れが起きないよう値上げ分を据え置いている店もあります。生活保護を利用している方は、まさに今日から生活扶助が削減されて、ますますくらしの負担が重くなっています。

 これだけの苦労を、苦労人と称される菅首相は、どこまでわかっているのか。消費税を上げる必要があると、つい本音を語ったことで化けの皮がはがれています。野党では消費税減税の旗印が立ちつつあるし、市民連合からは民主的な税制のあり方への要請も受けました。自民党のなかにも減税を求める声があります。「できるかどうか」ではなく、今や消費税減税は「やるかどうか」の課題ではないのでしょうか。

 消費税がない時代は、所得税や法人税などの累進課税の強まりがあって、高額所得者はふさわしい納税をしていました。ところが消費税導入後、これらの累進課税の弱まりがあり、国の予算も消費税頼みとなっています。これを元に戻していくことで、新たな財源も見通しが立ってくるはず。国には金がないから仕方ないと、消費税減税をあきらめることはありません。

 夕方には時折雨が降るなか、北の鉄路存続を求める会の宣伝と、労働争議をたたかう仲間の「いちの日行動」。宣伝では、路線の存続・維持へ、先日の政府交渉の結果を私から報告し、参加した橋本みか小選挙区5区予定候補もトンネル残土を持ち込ませない運動の様子を紹介しました。日高本線を守る会の地脇さんもマイクを握り、あいにくの天気でも多くの方が耳を傾けていることが伝わってきました。

 裁判などでたたかっている働く仲間の話も聞き、この国は働く人の権利が今だこれほど守られていないのだと実感。運動と連帯しながら、政治の役割を果たさねばと感じました。

 【今日の句】学問にまでも むき出し介入か

2020年9月30日水曜日

継承よりも検証こそが必要だ

 ロシアとの領土問題も安倍首相から「継承」--でも、その安倍首相の交渉は行きづまっていたのでは。昨日の日ロ首脳電話会談についての報道を見ても、新たな見通しは感じられないし、先だって日本政府の反応を試すようにロシア軍が軍事演習をしたことにも、菅首相からは抗議どころか話題にも出なかったようです。

 ロシアとの領土交渉は、まさに安倍首相による「やっている感外交」の象徴でした。「やっている感」だけでなく中身を見ても、共同経済活動で軟化を誘おうにも失敗し、これまでの政府の立場を投げ打って2島返還を軸として交渉に舵を切りましたが、ロシア側に変化なし。新政権として安倍外交を見直すチャンスのはずですが、北海道新聞によれば「検証すれば否定的な結果になるから、できないのだろう」(外務省OB)とのこと。

 元島民の苦しみとともに、根室市など隣接地域での水揚げにも深刻な影響が続いてきました。そうでなくてもサンマなど主要魚種の大不漁もあり、水産関係では先が見えないとの話も先月、現地で聞いてきました。菅首相が、どれだけ本気で領土問題に向き合うのか、国会でただしていかなければなりません。

 それが今の自分の立場ではできないのがもどかしいのですが、一番もどかしい思いをしているのが元島民のみなさん。安倍首相が2島返還に舵を切った直後は「四島一括返還」と口にするのを控える雰囲気もありましたが、その後には元のスローガンに戻っています。歯舞群島・色丹島は北海道の一部だし、千島諸島全体が日本の領土というのが日本共産党の立場ですが、元島民のみなさんの思いは共有しながら運動と論戦に取り組んできたし、今後もいっしょに進めていきたい。

 さらに北海道で世論を広げることと、未来を担う若い世代へ伝えていくことも大きな課題。ことは根室市や元島民の問題でなく、国の主権の問題です。こうやってくりかえし発信していくことを大切にしていきたい。

 【今日の句】進展が あったと本気で 思うのか

2020年9月29日火曜日

早期給付へ改善を

 北海道商工団体連合会(北商連)がおこなう要請に同席するため、道経産局へ。主には家賃支援給付金の申請・審査についての改善です。今月20日現在、全国での申請は約50万件に対して給付は約16万件にとどまっており、申請・審査の迅速化・簡素化は切実な願いになっているのです。

 要望事項のいくつかを紹介すると--●賃貸契約書の代替えとして作成された公正証書契約書を認めること、●賃料の支払い実績の証明として、カード払いや保証会社への支払い、家賃通帳での押印などを認めること、●賃貸契約書の全ページ添付を必要箇所に絞ること、●郵送や窓口による直接申請を可能にすること、などです。あわせて持続化給付金についても、一新されたホームページ上での申請に対する返答が遅いことなどが指摘されました。

 実際に北商連の会員さんから「角印を押した書類がはねられて、大家さんに自署してもらったものでようやく書類が通った」「7月中旬に申請して、エラーメールが来るまでも1ヵ月かかった」などのほか、「電子申請といっても、結局は大家さんに紙の書類へサインしてもらったものが一番早い」と笑えない状況も出されました。持続化給付金で一息つけても中小零細企業の実態の厳しさは続いています。改善できるところから急いで進めてほしい。

 道経産局側は産業部長さんらが応対してくださり、しっかり本省へ伝えることも確約。ただ、契約の中身を確認するのに時間がかかっているとし、事業実態の把握は不正防止の点からも理解いただきたい旨の回答も聞かれました。しかるべき時期に制度設計の総括は必要でしょうが、全国組織で会員の実態がある北商連の要望は不正を働くような得体の知れないものではないのだから、しっかり受け止めてほしいと私から述べました。

 ちなみに北海道分の申請と給付の件数を尋ねると、本省から全国一括での発表になっているとのこと。解雇・雇い止めは各県ごとに明らかになっていますので、同じようにきめ細かい対応を願いたい。業者からすれば、入金の見通し時期によって資金繰りを考えるのですから。道経産局もその点の認識は共有されていました。

 コロナ禍による経営悪化は業者の誰の責任でもないし、せっかくできた給付金なのですから速やかに、多くの業者に届くよう改善をはかるのは当然のこと。関係職員さんも長丁場の対応に疲れもあるでしょうが、地域経済を守るうえでは力を発揮して支えてほしい。多くの町は中小企業・小規模事業所や自営業者によって成り立っているのです。

 要請に同席して、私もあらためて業者の現状や課題を学ぶことができました。しっかり役割を果たしていかなければ。

 【今日の句】商売の 灯を消さぬよに 受け止めて

2020年9月28日月曜日

足を運ぶことの大切さ

 定例の朝宣伝の後、今日は札幌市西区へ。あいさつや「しんぶん赤旗」のお勧めにまわるなかで、「今度はがんばってもらわないと」などの激励もいただきました。「そのうち菅さんの化けの皮もはがれてくるよ」という方も。行き詰まった安倍政治を継承するというのですから、任せておくわけにはいきません。

 電化用品を扱う商店では「持続化給付金も受けたが、なくなりつつある。共産党は、こうやって話を聞きに来てくれるものね」と話してくださいました。足を運ぶこと自体に感謝の声を寄せていただくのはありがたいのですが、なかなか願いを実現できないことに、もどかしさも感じます。ちょうどストーブを修理中で、量販店だけでない、地域に根ざした商店の大事さも実感しました。

 除雪を請け負う業者さんは、今冬の予約が入ってきているなかで「人手不足で大変」といいます。「どの業界も技術を持った人が減ってきている。建築関係でも、工事単価の高い東京に引っ張られて、塗装や左官などが足りないんですよ」とのこと。地に足をつけた経済政策や産業政策に切り替えないと、北海道はそれこそ土台から成り立たなくなる危機感。課題は山積です。

 「年金暮らしでは新聞を取るのも大変だけど、赤旗は面白いから年内いっぱいはいいよ」と、今月で購読中止の予定だった方から嬉しい返事も。今の政治の問題点にズバリ切り込みながら、解決の展望や世界の動きなどを報じることに編集局も努力しています。ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

 足を運んで声を聞くことが、やっぱり活動の基本だと再認識。明日は道経産局への要請に同席するので、聞いてきた今日の声も反映していきたい。

 【今日の句】玄関の話 政治に直結し

2020年9月27日日曜日

支持する政党がないと言わせないで

 今日は札幌東区で女性後援会の連続「つどい」に、昼は札幌中心街で市民と野党の共同街頭宣伝へ。いろんな出会いがありました。

 「父は終戦直前、戦闘機に乗るところでした。戦場に行っていたら今の私はいない」という女性は、平和の大切さをしみじみと語られました。保健所に勤めていたという別の女性は「今は所長が医師でない保健所もありますが、昔は数人の医師がいたんですよ」と、自公政権のもとで保健所減らしが進められてきたことをリアルに教えてくださいました。

 「保険料が引かれているのに、サービスが使えない介護保険っておかしい」「(杉田水脈議員の)発言は、本当に女性をバカにしている」「どのマスコミも菅首相を持ち上げてばかりで気味が悪い」など、各地の「つどい」は時間が足りないほどに疑問や意見が出されました。「前の総選挙で畠山さんを落とした時は本当にがっかりした。今度はがんばるから」との激励もいただき、本当にありがたい。

 今日の連続「つどい」は平岡だいすけ小選挙区2区予定候補といっしょの予定でしたが、各地で次々と組まれたために仕方なく分かれてまわることに。地域でつながっていることの大切さや、草の根での活動の力強さをあらためて実感しました。

 市民と野党の共同街頭宣伝は、中央区実行委員会が定期的に取り組んでいるもの。今日は立憲民主・道下大樹衆議院議員、社民・福島みずほ参議院議員らの国会議員が駆けつけて、日本共産党は小形かおり市議・森つねと党中央区委員会委員長、そして私がマイクを握りました。新社会党、立憲民主・森ゆうこ参議院議員のメッセージを紹介するYMF経済研究会、市民の風・北海道の山口たか共同代表も熱く訴えました。

 「つどい」でも野党共闘の状況について質問がありましたが、このような共同行動を積み上げてきたなかで、政権交代への機運もつくられてきたわけです。とはいえ札幌中心街だけでは全道民のわずかにしか届かないし、全道で同じような動きが広がってこそ、政権交代は本格的な流れになります。全道をまわる予定候補として、各地での共闘にも力を尽くさねば。

 今日、党中央委員会へ「しんぶん赤旗」を申し込んだ道内の方のメッセージが、移動中に情報として届きました。「この日本を変えていかなければなりません。そのためには野党の力の結集が必要です。間違いを正してくださるあなた方が必要なのです。国民に、他に支持する政党がないなどと言わせないでください」。この熱い思いに応えたい。

 【今日の句】急ぐなら デジタルよりも 給付金