2018年11月17日土曜日

総理は被爆者の声を受け止めよ

 子どもの学習発表会に目を細めた後は、原爆訴訟の先頭に立ってきた故・安井晃一さんを偲ぶ会に参加。遺志を受け継いでがんばることを約束しました。

 安井さんが亡くなられたのが今年の8月5日。安井さんが73年前に広島で被爆した、その日の前日でした。あらためて今日うかがった94年の人生は、重たくも力強く、そして大きく優しいものだったと学びました。核兵器廃絶への執念も、偲ぶスピーチのなかからも伝わりました。

 安井さんが被ばくしたのは21歳のとき、爆心地から1.87km地点でした。その後は北海道幕別町での教員生活を送るのですが、被爆者手帳を取得するのは退職後の1980年。それから被爆者運動に奮闘され、1999年に訴訟し、他の被爆者とともに合計9人の原告団として2003年には北海道原爆訴訟の先頭に立たれてきました。2010年に全員勝訴となりました。

 安井さんの同僚だったという方が、子どもたちの合唱劇をどうするか話し合っていたときに安井さんが被ばくした話を聞いた、と述べられていました。安井さんにとって被ばくを他者へ伝えたのは、多分この時が初めてではないかということ。それだけ語るのには勇気がいることだったと思うのです。合唱劇は最後に、子どもたちが「原爆を許すまじ」を歌詞をうたわずハミングで合唱するということになったそうです。

 その安井さんが訴訟に至って、弁護団との会議は「いつ結論が出るのかな」と弁護士さんが言うほど、過去の経験や膨大な資料にもとづく話がされたそうです。朝には新聞3紙を食い入るように読んでいたといいます。福島原発事故にも心を痛め「原爆と原発事故は車の両輪」と、その廃絶にも力を尽くしてきました。同じことをくり返すことは許さない、と。

 たくさんのスピーチを、背筋が伸びる思いで聞きました。人の人生をふみにじることは許さない。罪もない市民の命を、一瞬にして奪う非人道的な兵器はなくすべきだ。遺影から、そう語りかけられているような気がしました。合唱団の「原爆を許すまじ」が、いつも以上に重く胸に響きました。

 安井さんはじめ多くの被爆者が命がけの訴えをして、世界は核兵器を禁止する条約をつくるに至りました。しかし唯一の戦争被爆国でありながら、批准する姿勢を見せないのが日本政府。安井さんが生前、「日本はもっと世界にアピールしないとダメだ」と言っていたことが今なお続いているなんて、本当に情けないし腹立たしい。あらたな決意も湧いた偲ぶ会でした。

 夜には、泊原発の廃炉をめざす会・泊原発を再稼働させない北海道連絡会の共催でおこなった講演会に参加しました。話をされたのは弁護士の井戸謙一さん。2006年に金沢地裁で、志賀原発2号機の運転差止め判決を出した元裁判官でもあります。原発をめぐる司法の経過と情勢をリアルに話され、あらためて市民が声を大きくすることの大切さが共有されたと思います。

 国連人権理事会から「帰還基準は1ミリシーベルトのすべき」と声明があっても、正面から受け止めない日本政府。避難指示解除を急ぎ、東電の賠償打ち切りも進めている現実を前に、裁判所でも政権よりの判決が出ていることに井戸さんは懸念を述べられました。参加者も同じような思いでいたと思います。司法の独立はどこに行ったのか、と。

 井戸さんは「市民の声で裁判官魂に訴えてください」と強調されました。嘆いていても始まらない、気づいたところから行動する。政治の舞台にいる私も、市民と野党の共闘で
今の政権を何としても変える。そう考えると、やりがいもあるというものです。明日も元気にがんばろう!

 【今日の句】折鶴の 願いを総理 知ってるか

2018年11月16日金曜日

誰かの犠牲にうえに成り立つ仕組みはやめよう

 久しぶりに来れた道庁前・反原発抗議行動。間もなく訪れる厳冬も、乗り越えてきて315回。スタッフのみなさんには頭が下がる思いです。

 小室まさのり・佐々木明美の両市議予定候補も参加してスピーチ。国内すべての原発をまわってきたという男性や、ラトゥールさんの締めのスピーチなどを聞いて、本気で原発をなくしたいという思いを共有できる場があるっていいなと思いました。国は権力も使い、原子力村という固い共同体を相手にするには、道庁前の人数だけでは足りないかもしれません。しかし、続けることの大事さを私たちは知っている。あきらめてしまって事故が起きたら、とりかえしがつかなくなると学んだはずなんだから!

 私からは、除染作業に外国人実習生が動員されていた問題を取り上げました。国会で入管法改定案が審議されるにあたり、野党は共同で当事者からヒアリングを続けています。パワハラ・セクハラ、最低賃金以下の労働などが次々と出され、こうも人権を無視した働かせ方をなぜさせるのかと怒りがわくような話ばかり。その発言のなかに、建設現場で働くはずが除染現場にまわされたという方もいるのです。

 除染や事故現場は、できるなら行きたくないと思うのが多くの人の心情だと思います。それをだまして、しかも手当もピンハネして除染をさせる悪質さは許せませんが、そもそも原発の過酷事故というのは、解決するまでに多くの人出を必要とするということなんです。東電社員だって、使命感から働いているという方も多いでしょう。その状態が今も続いて7年8ヵ月。誰かの犠牲のうえに成り立つシステムなら、それはやめてしまおう--これが今日のスピーチで言いたかった中心です。

 昼間は懇談などへ。国保や消費税増税ストップの政策などを持ってまわっています。写真は北商連で、石塚会長・井上事務局長と懇談しているところです。中小零細業者にとって重い負担の消費税が増税されるだけでなく、インボイス導入など二重三重に苦難が増えるだけでなく、戻し税として輸出大企業には還付されるという理不尽さ。とにかく安倍政権にまかせていたら、本当に日本は大変なことになると話になりました。

 その安倍首相、ロシアのプーチン大統領と日ソ共同宣言の立場で領土交渉を進める決意を確認しあったようです。しかし、日ソ共同宣言では国後・択捉の取り扱いは書かれていません。そのうえ歯舞群島・色丹についても、プーチン氏は「主権は協議の対象」とまで発言しました。いったい、安倍首相はプーチン氏と何を話したのか。可能な限り明らかにしないと、元島民も納得がいきません。そもそも日本の領土が不当に占領されたことを、いくら時間が経過したとはいえ不問にする態度でいいのかが問われます。主権の問題です。

 質問できるものなら私が聞きたいぐらいですが、その悔しさをバネにしてがんばるしかない。じっくり多くの方と、新しい政治をつくる道を語り合いたいです。

 【今日の句】国益と 総理が言うたび 疑わし

2018年11月15日木曜日

燃油高騰対策を急いで

 燃油高騰対策の強化を! 今後の価格について見通せないなか、国の果たす役割が大きくなっています。道経産局へ足をはこんで要請しました。

 参加者は私のほか、菊地よう子・佐野弘美の両道議、村上仁・伊藤りち子(道議予定候補)の両札幌市議、森つねと(中央区)・橋本みか(厚別区)の両道議予定候補、青山慶二党道委員長。道経産局からは、資源エネルギー環境部から清野正樹資源・燃料課長らが対応してくださいました。

 要請項目は大きく3つ。①経済産業省、道経済産業局として緊急対策を講じること(価格動向の監視、石油元売会社への指導・要請、セーフティーネット貸付の拡充など)、②関係省庁や道、市町村と連携し、冬を乗り切る対策の実施(価格や影響の調査、業種別対策、被災地支援、福祉灯油などへの助成など)、③化石燃料への依存低減施策の推進(再生可能エネルギーの推進、あらゆる分野での省エネ、送電網の整備など)。

 清野課長からは、市場における民間の取引であることを前提にしつつも、増産や輸入量の要請や価格の注視については適正な対応をすると述べられました。さまざまな事業の活用、関係部署へにも伝えることなどに加え、全域停電の対応にも話は及び「川上から川下までの問題を浮き彫りにする」うえでの検討を進めるとの回答もありました。

 参加者そろって、くらしや商売で聞いた声を代弁しました。しっかりメモも取ってもらい、あらためて清野課長からも、しっかりした対応が約束されました。私からも重ねて「道民のくらしと産業にかかわり課題だけに、積極的な対策をしてほしい」と強調しました。

 道内では、福祉灯油の支給を始めた自治体も出てきています。10年前の高騰時には、国も特別交付税を措置して全道的な福祉灯油実施の後押しとなりました。昨日の報道では道生協連などの団体も、道などへ要請をしています。このような実態を、しっかりふまえてほしい。くらしは、だんだんと厳しくなっているのだから!

 夜は札幌弁護士会が主催した「憲法改正をめぐる情勢と『国民投票法』」の講演企画に参加。講師は愛媛大学の井口秀作教授で、わかりやすく改憲情勢について話されました。安倍首相がめざす改憲は、それ自体が大問題ですが、その手続きとされる「国民投票法」=改憲手続き法も多くの問題点が指摘されてきました。最低投票の定めのないことや、スポットCMが資金力のある勢力に有利に働くのではないかということなどです。

 だからこそ法の改定や、発議を遅らせる戦略として改定を位置づけるなどの考えもありますが、憲法審査会を動かそうという政府・与党のねらいとも重なります。そもそも、いま急ぐべきは立憲主義の回復です。改憲そのものも、世論調査では国民多数が望んでいる項目でもありません。政府・与党が身勝手な土俵づくりをしようとも、それに乗るようなことをしなくていいのでは。

 臨時国会の日程も窮屈にはなっていますが、立憲政治の常識とかけ離れていても強行してきたのが安倍政権下での数年間でした。油断はできません。食い止める力は世論と共闘。しっかり学びあうことの大切さを実感した企画ともなりました。準備された札幌弁護士会には、心から感謝!

 ちなみに来年1月には自民・立憲・共産の国会議員を招いた企画も準備されているそうです。多くの方に参加していただいて、冷静な目で、暴走首相の改憲を止める力が広がればと願っています。もちろん私もがんばります!

 【今日の句】厳寒の地にも ぬくもり届くよう

2018年11月14日水曜日

寒さが本格化する前に

 高すぎる国民健康保険料(税)の引き下げを! 党として発表した政策(こちら)をもって、今日は生活と健康を守る会に足をはこびました。

 生活と健康を守る会は、人間らしく生きること=生存権の保障を求めて運動してきました。生活保護行政に対する運動だけでなく、北海道では、国民健康保険制度の改善・充実の運動も進めてきています。これも生存権保障にとっては必要なことだからです。

 全国にくらべても保険料が高く、資格証の発行も多いのが札幌の特徴です。道への一元化によって保険料は全体として引き下がりましたが、激変緩和策としての繰り入れが減らされていけば保険料があがる可能性があります。そもそも高い水準であることは違いありません。

 今回の政策の特徴は、1つに「1兆円の公費負担増」です。これは全国知事会が求めているもので、日本共産党も賛成です。そうすれば保険料は協会けんぽ並みに引き下げることができます。

 2つには、「均等割」「平等割(世帯割)」の廃止です。家族が増えれば保険料は増えるのなら、子育て支援にも逆行します。人頭税のような時代錯誤の税制はやめるときでしょう。

 これを実行すれば保険料は大幅に引き下がります。札幌市の場合で試算すれば、給与年収400万円・4人家族で約41万円→約28万円、給与年収240万円・単身者で約20万円→約14万円となります。協会けんぽ並みに近づきます。

 無慈悲な保険証取り上げや強権的な差し押さえをやめるため、根拠とされる国保法9条の改正も提案しています。低所得者が多い国保加入者にとって、保険料は「払いたくても払えない」「払ったら病院に行く金がない」という方が多いのが実態です。もっと血の通った行政にすべきなんです。

 懇談のなかでは「スッキリして、わかりやすい」「全国知事会が要求しているのだから、大きな運動ができるのでは」との話に及びました。現行の軽減制度がどうなるか、これまでの運動の振り返りなどもあって、私のほうも勉強になりました。会としても12月に道へ交渉をする予定とのことなので、制度の充実へ進むよう連携を進めたい。

 くらしの問題では、高騰する灯油代についても話題になりました。ちょうど明日、党として道経産局へ要請する予定もあるので、あらためて実態をうかがったのです。冬の訪れが遅い今年ですが、母子家庭で「毛布かぶって寝てなさい」と子どもに言ってストーブ使用をガマンしているとの話もあるとのこと。生活保護を使っていないギリギリの世帯が大変になっているという話を、切迫感をもって受け止めました。明日の交渉にも反映させます。

 いろんな課題も見つかり、国会や道議会との連携も急がなければ。旭川や稚内で初雪も降り、寒さも本格化します。せめて政治は、あたたかいものであるべきだと痛感しています。

 【今日の句】ぬくもりを 総理に感じた ことはなく

2018年11月13日火曜日

姑息すぎる

 米ペンス副大統領が「協定は物品だけでなくサービスも含めた」FTAであることを述べているのに、安倍首相はTAGと言い張る始末。これで外交として通用するのか!

 菅官房長官は「包括的なFTAとは異なる」としつつも「日米間の認識の齟齬(そご)はない」とも述べていて、それなら中身はFTAと言ってるようなもの。それを違う言い方でごまかそうだなんて、姑息すぎませんか。

 TPP以上にしないと言いつつも、多くの農家は信じていないでしょう。これまで何度もウソをつかれてきた歴史があるからです。そもそも自民党は、選挙のときに「TPP反対」というポスターを貼っていたのではなかったか。農産物を犠牲にする貿易交渉は、いい加減あらためるべきです。

 前回の参院選で、北海道や東北・北信越地方を中心とした農業を基幹産業とする県で野党候補が相次いで勝利したことを忘れたのでしょうか。食料や農業を守るためにも野党共闘を。来年も審判をくださなければなりません。

 【今日の句】その嘘は きっと審判 くだされる

2018年11月12日月曜日

伊達議長との思い出

 毎月11日(今月は12日)におこなっている原発問題全道連絡会の宣伝に、久しぶりに参加しました。まだ札幌の日中は、それほど寒くありません。

 宣伝が終わった後に、泊原発再稼働の反対署名を3人分集めて持ってきてくださった方がいてビックリ! 渡していたチラシのなかに署名用紙も折り込んでいたのですが、それに書いてくださったんです。原発をやめてほしいという声は、やっぱり広くあるんだと実感しました。

 今なお福島では故郷に帰れない方がいます。7年8ヵ月も経っているのに、です。使用済み核燃料の最終処分方法も決まっていません。過酷事故を二度とくり返さないなら、原発そのものを稼働させないことが一番。代替エネルギーや省エネの徹底など、やれることは山ほどあります。あとは政治決断のみ。だから署名の力が大事です。

 これまで泊原発には何億円が使われてきたのでしょう。その間、道民には二度の料金値上げが押しつけられました。経営からしても重荷になっている泊原発は、スッキリあきらめたほうが北電のためにもいいのでは。国の根本姿勢も変えなければいけません。

 今日は定例の街頭宣伝日でもありました。チラシを配っているスタッフへの激励もいただきました。予算委員会が終われば国会のテレビ中継はなくなるため、いまひとつ問題点や論戦の状況も伝わりにくいもの。こういう時に、地道に伝えていく活動の大事さを痛感します。

 さて、自民党・伊達忠一参院議員(参議院議長)が来年の参院選には出馬しないことを明らかにされました。伊達議長のことで覚えているのは、私が初出馬した2007年の参院選。選挙区候補の討論会が終わったあとに、同じく候補者だった伊達議長が「共産党はよく勉強しているなあ」と話されていたことです。たぶん、ご本人は覚えていらっしゃらないでしょう。まだ新人の私にとっては、うれしい一言でもありました。

 衆議院議員に当選してからは院が違うこともあり、ほとんど話す機会もありませんでした。党は違えど、長く政治活動を続けてこられたうえに三権の長としての大役にはご苦労もあったかもしれません(もちろん議会運営には党として多くの意見を述べています)。国会会期末に日をまたぐ本会議も多い参議院だけに、本当におつかれさまでした。

 ともかくも、来年の参院選は安倍政権をかえる大事な選挙戦になります。どのような方々が立候補しようとも、私は地に足のついた訴えを続けてがんばりたい。

 【今日の句】ずいぶんと 前に雪虫 見たけれど

2018年11月11日日曜日

青年と希望を、介護に笑顔を

 旭川市長選は日本共産党も支持した西川まさひと候補に当選確実! ご支援ありがとうございました。私は、今日は札幌市での活動でした。

 民青同盟北海道委員会の代表者会議があり、党を代表して一言あいさつ。民青は今月、全国大会を予定しています。その大会代議員を選び、この1年の活動をふりかえる大事な会議なのです。青年たちのまっすぐな視線を受けると、毎回いつも緊張しながらのあいさつです。

 私からは米国中間選挙で、女性や若者、少数者と呼ばれる立場の候補が当選したことを紹介して、民青の学びが世界の大きな流れにつながっていることを話しました。一人ひとりの尊重という価値観から、反対の道を歩む安倍政権をいっしょに変えようと呼びかけました。

 時間の関係で青年たちの話を聞けませんでしたが、きっと希望につながる交流をしたのではないかと思います。学ぶこととつながることは、未来を切りひらく力になる。青年と希望を語り合いたいと、あらためて感じました。

 今日11月11日は「いい介護の日」ということで、集会とパレードをおこなう札幌駅へも向かいました。主催は「介護に笑顔を! 北海道連絡会」。イメージカラーのオレンジを身に付けて参加をとのことなので、オレンジ色のねじり風船を持参して参加しました。

 働く立場で、利用する立場で、とそれぞれのスピーチがありました。参加者からのスピーチということで、私も一言あいさつさせていただきました。みんな共通していたのは「政府は現場の実態を知ってほしい」ということ。国の職員も政治家も視察などはしてるでしょうが、どれだけ施策に反映されているのでしょうか。橘さんが「体の半分が動かないのに、介護度が下がる見込みと言われた」とのスピーチには驚きました。こんな介護保険制度でいいのか!

 福祉保育労の岡さんが、自分の母が認知症になり「お母さん」と呼んでも理解できないのに、職員から「せつこさん」と呼ばれると返事をするんだと紹介して、「一人ひとりを尊重することの大事さがわかりました」とのスピーチは心にしみました。誰もが笑顔でくらしたい、それは介護現場であっても同じはず。血の通った行政が求められていると痛感しました。

 札幌駅前から大通公園までアピールして歩き、最後は参加者みんなで記念撮影。あたたかさがあふれる行動に、私も元気をもらいました。

 【今日の句】切り捨てて 総理は心 痛まぬか