2022年10月22日土曜日

気候危機の先に希望をつくろう

 小樽で若い世代を中心とした実行委員会による「ふわっとカフェ」にて、気候危機をテーマに語り合いました。道議予定候補の丸山はるみ市議が司会を務め、高野さくら市議や予定候補の松井まみこさん・浅野かなめさんも参加されました。これまで「カフェ」では働き方やLGBTなどの学習会をしてきたそうです。

 あらためて気候危機について学び直すと、日本政府の取り組みの遅れを痛感させられます。

 欧米では今夏、スペインで47.5℃・ポルトガル46.3℃などを記録し、イギリスでも観測史上初めて40℃を超えました。ワインで有名なフランス・ボージョレ地区は、7月から1ヶ月半も雨が降らないため、若い樹齢の木が枯れたとか。欧州は「500年で最悪の干ばつ」に襲われたといいます。

 深刻な被害があったのがパキスタン。6月中旬からの降雨量が南部を中心に、平均の5.5倍を超えました。土砂崩れや、インダス川の水位上昇と洪水など、8月の大洪水とあわせて国土の3分の1が浸水して1400人以上が亡くなり、農地も17000平方キロメートルが被害を受けました。計算したら、小樽市の70倍の面積です。

 家畜の犠牲は75万頭以上。北海道の乳牛が約82万頭ですから、北海道にあてはめれば9割以上が犠牲になった計算です。

 猛暑・干ばつの一方で、大雨などの大災害。日本も今年は「線状降水帯」との言葉を、何度耳にしたでしょう。ロシアによるウクライナ侵攻もあり、各国のエネルギー情勢や政策も転換点を迎えています。来月おこなわれるCOP27で、2030年までの実効性ある目標や取り組みが合意できるか注目です。

 問題は日本政府。石炭火力発電は維持・増設と、本気で気候危機対策を進める気があるのかと疑います。この機に原発も再稼働・新増設、期限を超えた運転を認めるなど、原発回帰もひどすぎます。省エネ・再エネの普及を中心に、私から各地の取り組みを紹介して、次の世代に地球を引き継ごうと呼びかけました。

 「再エネは必要だけど、石狩・小樽のような大型風車・大型開発となってしまう背景は」「北海道には可能性があるけど、具体的な取り組みは」などの質問とともに、高知県から小樽に来たという方は「水田には環境保護や食料供給という役割がある。ぜひ位置づけては」との意見もいただき、あっという間に予定の時間に。

 気候危機対策はガマンを強いるのではなく、新たな社会システムに切り替える展望が見えるもの。私が紹介した欧州の例に、目を見開いて聞いてくださる姿がありました。北海道だからこそ、自然や環境を中心とした持続的な経済社会は可能だし、その希望と探求を進めたいです。

 【今日の句】場当たりの首相は 地球を語れるか

2022年10月20日木曜日

外交力をASEANから学んで

 党手稲山口支部と後援会による「戦争させない・しない世界と日本をつくることを考えるつどい」で、たっぷりと語り合いました。日本の報道では、不安と不信が増していくばかり。しかし世界では、外交による地域の平和づくりが力強く進んでいます。

 今日も紹介したのが東南アジア諸国連合(ASEAN)。今年6月にASEAN国防相による会議(通称シャングリラ会合)が開かれ、米国にも中国にも付かないという姿勢を明らかにしています。そこでの各国防相の発言に、目を奪われました。

 「われわれはいかなる同盟にも加わらない」と強調したのは、インドネシアのプラボウォ国防相。ASEANが徹底的な対話で問題解決を進めてきたことに触れて、「われわれは50年間にわたる平和、友好的協力、繁栄を成し遂げたことを誇りに思う」と、相互理解と意思疎通の意義を強調しました。

 ベトナムのファン・バン・ザン国防相は、ベトナムの「4つのノー」を述べたそうです。①いかなる軍事同盟にも加わらない、②対立する国々の一方の側につかない、③自国領域内に外国軍基地を置かず、自国領域を他国への軍事攻撃に使わせない、④国際関係において武力による威嚇や武力の行使をしない、の4つです。

 「疑心と誤解は軍拡競争をもたらし、相互信頼を損ない、敵対する危険性を高め、紛争と戦争の引き金になる」(ザン氏)。驚いたのは、この時の会合に米国防長官と中国の国防相も出席していること。2国の防衛責任者を前に、堂々と対話の必要性を説いているのです。

 何より2国が、この会合に参加していることも驚き。アジアの平和環境においてASEANを重視している証拠です。台湾情勢が心配されるなかで、ASEANが果たしている役割は大きいといえます。

 日本は、どうしたらいいのか。日米安保条約に縛られて、政権は軍事力偏重です。外交力強化の議論も聞かれません。不安と不信を振り払い、安心と信頼を築くにはASEANの姿勢に学んだ積極的な外交こそ必要ではないのか。

 「対話のときに、一言で言えないものか」との話もありましたが、そう簡単でもないのが外交であり国際社会。時間がかかっても積み重ねることの大切さを、ASEANが証明してくれています。9条を道しるべとした外交をと、草の根での対話を私も広げていきたい。

 【今日の句】憲法は 活かしてこそに 意味があり

2022年10月19日水曜日

9条の値打ちを語ろう

 もう7年にもなる(コロナ禍や冬季など除く)毎月19日の総がかり行動。何度も書いてきたものの、やっぱり続けることが大事なんだと今日も実感。がんばろうとの意欲につながっていきます。

 建交労北海道本部・宮澤毅さんが自衛隊員も多い名寄市出身で、任務の厳しさからか、自死した隊員の父親を発見したのが小さな子どもだったという話。「子どもたちに悲しい思いをさせないように」とのスピーチは、胸に響きました。

 室工大大学院教授の清末愛砂さん、弁護士の池田賢太さんのスピーチはいつもと違う、経済との関係にも触れたもの。憲法9条のもとで経済的発展ができた面を指摘された清末さん、戦争で得る利益に歯止めをかける9条の価値を語られた池田さん。お2人のスピーチにも聞き入りました。

 政治の仕事は、どの国民の命や財産をも守ること。平和な環境をつくること。健康で文化的な生活を送ることができ、基本的人権を守ること。持続的な経済構造づくりも大事だと思います。9条を多面的にとらえ、政治の基本に生かしていくことを、さらに深めなければ。

 【今日の句】澄んできた 空気の感じが 冬近し

2022年10月18日火曜日

癒着を明らかにする気がないのか

 これまでの政権と統一協会の癒着は、解明されずに疑惑が深まった-ー予算委員会で宮本徹衆議院議員が質問。そこまで何を隠してるのかと、見ていた事務所内でも声があがりました。自民党との関係もそうだし、政府自身のかかわり方も全容解明が必要です。

 官邸に統一協会関係者が来ていても「記録がない」と言い、菅前首相に確認をと通告していたのに聞いてもいない。裁判・和解の後も宗務行政は改善されず、永岡文科大臣は質問にまったく答えられませんでした。

 岸田首相は被害者救済について何度も強調しますが、あわせて必要なのは全容解明です。名称変更はじめ行政がゆがめられた恐れがあるのですから、それを明らかにして必要があれば反省をし、同じ過ちをくりかえさない-ーこれが行政の長としての総理の責任ではないのか。

 昨日、自民党の石井準一参議院・議運委員長が「瀬戸際大臣の首を取れんのか。野党がだらしない」と発言しました。瀬戸際大臣とは統一協会との根深い関係が明らかな山際大臣のことですが、野党へ責任転嫁するとは何事でしょう。議運委員長という立場からも不適切です。

 自浄能力も説明責任も発揮されず、時間が過ぎれば国民は忘れるとでも思っているのなら許されない。どれだけ多くの家族が統一協会のもとで被害に遭い、人生や家族が壊されてきたことか。その被害にかかわってきた自覚がなく、行政がゆがめられても気にもかけなかったというなら、国民に責任をもつべく政権は任せられません。

 「統一教会の宗教法人解散を求める」ネット署名も始まりました(こちら)。明日からは参院予算委員会の質疑で、日本共産党は20日(木)午後3時から山添拓参議院議員の予定だったようですが、石井委員長の発言があり国会日程はどうなるか。明日の謝罪を受けてから正常化すると思われます。

 【今日の句】うやむやは 許されないと 声にしよう

2022年10月17日月曜日

急いで酪農家の危機を救って

 一昨日に十勝へ行った際に、紙智子参議院議員と農家の実態も聞いてまわりました。酪農は異常なほどの肥料高騰で、見通しがたたない深刻さが広がっています。畑作でも今年は長雨や日照不足の影響があるそうで、自然相手の農業の大変さを肌で感じました。

 うかがった先は士幌町の宇佐見牧場さん。親から継いだ2代目ですが、今までで最も厳しい状態といいます。粗飼料・濃厚飼料の価格が1.5倍に跳ね上がり、設備のリース料支払いなどの負担が重くなっています。「このダメージが何年続くのか」というほどです。

 国が進めてきた「畜産クラスター」事業(設備投資の2分の1を国が補助)は申請しなかったそうですが、「コスト高で厳しいところに、クラスターの償還が始まる農家がギブアップになっている」との切実な状況もうかがいました。雄子牛も売れる価格が9割減で、値がつかない場合もあるといいます。

 「今は緊急事態。これまでの枠にとらわれない対策を」との言葉も重く、とりわけ経営の土台となる乳価や加工原料乳補給金の引き上げをとくり返されました。昨年に引き続き乳量の抑制が要請されていますが、搾らないわけにはいきません。乳牛は機械でなく、生きた命。農家も乳牛も守るために、異次元の乳価・補給金対策が必要です。

 農家でもある清水秀雄町議の後を継いだ、お子さん・お孫さんがジャガイモを収穫している畑にも足を運びました。出面さんが3人も乗って収穫したジャガイモを選別する、大きなハーベスタの迫力は十勝ならでは。GPSも付いていて、無人運転も可能です。

 隣にはビート畑もありましたが、今年は病気や根腐れなどもあり収穫まで気が抜けません。この輪作体系ができてこそ農地も安定し、十勝の農業を支えてきました。「子どもたちが誇りを持って引き継げるようにお願いしたいです」との思いを、しっかり反映していきたい。出面さんや酪農・畜産のヘルパー、技能実習生への支援についてもうかがいました。

 国会では予算委員会が始まりました。統一協会、「国葬」、くらしと産業を直撃している物価高騰など、問いたださなければなりません。日本共産党は明日15:44ころから、宮本徹議員が質問の予定です。NHK放送があるので、テレビ・ラジオなどでお聞きください。

 【今日の句】異次元の支援 今こそ地域へと

2022年10月16日日曜日

世代を超えた囲碁の魅力

 先週の将棋に続き、今日は「しんぶん赤旗」囲碁大会。北海道からの代表は2人。新人王戦を主催する「しんぶん赤旗」で、全国大会優勝者は新人王との記念対局が特典になります。熱戦続きの大会でした。

 3年ぶりの開催で、地区大会も十分におこなえなかったイレギュラーな第57回大会ですが、日本棋院北海道本部さんのご協力もあり実施することができました。心から感謝を申し上げます。

 ちなみに北海道代表が全国大会で優勝したのは、第21回(1983年)の阿部正利さんと第34回(1996年)の田中鉄也さん。阿部さんは翌年も招待選手枠の参加で、優勝されています。

 囲碁界では先月、大阪の小学3年生・藤田怜央さんが史上最年少の9歳4ヵ月でプロ棋士になるという話題に包まれたばかり。今回も20代から80代までの参加があり、世代を超えて対局できるのは囲碁の魅力ですよね。

 私の主催者あいさつでも「ぜひ負けじと熱戦を」と触れました。代表となったのは大沼亮介(浦河町)さんと横川悠太(洞爺湖町)さん。全国大会でも実力を発揮されてほしいです。

 碁石を置く音も、将棋で駒を指す音も、何だか心が落ち着く音。囲碁・将棋は伝統文化という意味も、あらためて実感しました。

 【今日の句】白黒が つかない時も あるけれど