2020年11月28日土曜日

はね返す力は増している

 コロナ禍のどさくさに、NUMOが寿都町・神恵内村へ現地事務所を設けます。文献調査から概要調査への地ならしを進めるなか、黙ったままではいられません。昨日から寿都町に入って懇談と、今日が寿都町・神恵内村での街頭宣伝もおこないました。寿都町では幸坂順子町議と宣伝カーの運転で菅一黒松内町義、神恵内村には大田勤町議とで取り組みました。

 風の町・寿都町らしい強く冷たい風に、雪までも時折降ってくるなか、幸坂町議はこの間の経過をあらためて報告。すると各地で家から出てきて、激励してくださる方が次々と。ある男性は「札幌で仕事をしていたが、生まれ育った寿都町で勤め直すことにしました。こんないい町に『核のゴミ』なんて、文献調査であってもダメですよ」と、思いのたけを一気に語られました。

 「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」の発行するニュースが昨日、新聞折り込みされたばかり。ニュースにある「町の声」では「いま住民投票をせずにいつするのですか」「私たちの意見は議会に反映されないのでしょうか」「国は一度噛みついたらぜったい離しません」など、悔しさや腹立たしさの言葉が続いていました。特に、町長が「肌感覚」で手前勝手に判断したことへの怒りが大きい。

 前後しますが昨日、「会」のお一人である三木さんから話をうかがいました。三木さんは住民投票条例を求めた請願で、町議会での意見陳述をおこないました。「これまで議会にも、正直に言って関心がありませんでした」という三木さんが、このまま黙っていられないとママ友や地域の方とつながり、「会」の共同代表にもなっていらっしゃいます。

 お連れ合いさんが寿都町出身で、人のあたたかさや美味しい食べ物、子育てしやすい自然環境に触れて、この町が大好きになったといいます。その大好きな町だからこその行動だったのですが、町民同士が分断されたり、逆に話しにくくなったりする現状への葛藤もあったといいます。しかし、娘さんからの励ましもあって「腹が固まった」という三木さんは、みずからの言葉で、町議会での意見陳述をおこなったのです。

 その後に幸坂さんのお宅でも短時間の小集会をおこない、党の集いへ初めて参加するような方も「町民が声をあげて、NUMOは心を入れ替えることはないのでしょうか」など、ため込んでいた思いも語られました。NUMO自体は推進のための組織なので、申し出の撤回へと町を変えていこうと私からも訴え。町民は負けていないし、NUMOや国・町が進めるほどに、はね返す町民の力が強くなっていくことは間違いありません。

 神恵内村では街頭宣伝のほかに、反対の声をあげ続けている滝本さん宅を訪れました。何と海外の報道機関からも取材を受けて、この問題は国際的な注目を浴びていることもよくわかりました。「村議会には反対と言っている議員もいます。粘り強く声をあげていきます」と、87歳とは思えぬ元気な声を張り上げました。私も元気をいただきました。

 神恵内の宣伝中にも、車から手を振る方の姿が相次ぎました。寿都町以上に表立って声をあげにくいとされる神恵内村だけに、その姿がとても心に残りました。交付金で地方へと押しつける国のやり方は許されないし、同じ国の交付金なら中小企業や地域経済を直接支援するものへ転換すべきだと、私も力を込めて訴えました。

 街頭宣伝の合間にも、コロナ禍で生活資金が底を尽きそうだという札幌のお子さんについての相談や、これまでも応援してくださった方との出会いなど、やらなければいけないことの多さを実感しながらの1日となりました。のんびりとしてる間にも、NUMOは地ならしの準備を進めています。現地と連帯して、全道へと私も発信を強めたい。

 【今日の句】この町が 好きだからこそ 声となり

2020年11月27日金曜日

見直すなら今だ

 新型コロナ対策の要望を聞いてまわりながら、新幹線トンネル工事での残土置き場(黒松内町)への調査にも足を運びました。環境基準の何と270倍というヒ素が、渡島トンネル工事から出てきたことを鉄道・運輸機構が認めたこともあり、あらためて実態をとらえる必要があると思ってのことです。岩沢史朗・菅一の両町議が同行してくださいました。

 町有地を用いた残土置き場は2ヵ所あるのですが、写真はそのうちの1ヵ所で、私たちの足元の奥の空域に置いていくことになります。その量は41万㎥。もう1ヵ所と合わせれば59万㎥となるのですが、見た目でも傾斜が急で、しかも朱太川に近いなぁというのが第一印象でした。すでに斜坑掘削土から基準値の約4倍ものヒ素が検出されているのですが、この場所には対策の必要がない土だけでなく、要対策土もいっしょに持ち込まれるといいます。

 「朱太川の清流を守る会」のみなさんが現地視察をおこない、私と同じような感想を持ったようです。「このような場所で大丈夫なのか」「埋めたてる方法は安全なのか」との思いで受け入れ地の見直しを求める請願署名を集めたら、実に町民有権者の16%にあたる344筆にのぼったとのこと。見直しをするなら今をおいて他にない、ということなのです。

 機構側の説明では内浦トンネル掘削は始まったばかりで、水平ボーリングの解析をふまえて無対策・要対策と分けています。この間の調査では、斜坑現場(東川地区)から函館側では鉛やセレン、札幌側ではヒ素が出るだろうと見込まれています。渡島トンネルのような「条件不適土」が出た場合の対応を聞くと、町へ報告するとの回答でした。北斗市議会には2年ほど後に報告されたことを考えれば、すみやかな情報公開は必須のはずです。

 2030年度末の開業へ間に合わせるように、安全基準をふまえずに工事を進めるとなれば言語道断。開業期日を含めて、抜本的な見直しを視野に入れるべきではないのでしょうか。せっかく得た今日の情報は、全道へも広げていきたいです。

 「朱太川の清流を守る会」共同代表の高木晴光さんからも、ご意見をうかがいました。話題は寿都町・神恵内村での「核のゴミ」文献調査にも及び、「残土も核のゴミも、国策として地域に押しつけられているようです。何も言わないということにはならない」。日本共産党は町でもがんばるし、国や道へも反映させていきたいと私からも応じました。

 黒松町内唯一の医療機関である「ブナの森診療所」へ、コロナ禍での苦難や課題を聞くために足を運びました。ちなみに黒松内町は「ブナの北限」であり、ブナをもとにしたネーミングなども多くあります。さらにちなみに、町議の岩沢さんは今年4月まで診療所の職員でもありました。

 感染症病床は持っていませんが、PCR検査の結果が出るまでの受け入れについて議論を進めてきているといいます。入院患者には高齢の方・介護を必要とする方が多く、今でさえ体制はギリギリです。ここで看護師に陽性者が出れば医療体制が壊れていくことは明らかで、「これまでも緊張状態のもとにいて、すでに職員は疲弊状態です」との言葉を重く受け止めました。医療用手袋などが入手しにくくなっている、とも聞きました。

 懇談のなかでは「施設を任せきりにしないでほしい」との要望もありました。新型コロナへの対応策は蓄積もできていますし、マニュアルなど適切な形で示してほしいとの主旨です。GoToトラベルも都道府県知事の判断に丸投げした菅首相ですから、あまり多くは期待できませんが、しっかり反映していきたいです。

 夕方から寿都町に移動して、「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」のメンバーから話をうかがいました。明日も寿都町・神恵内村へとまわる予定なので、この件は明日のブログにまとめます。ぜひ明日もご覧ください。

 【今日の句】これ以上 想定外は 通らない

2020年11月26日木曜日

論評ではなく、命の問題

  保健所や医療現場への支援を全力で、総力で! 平岡だいすけ(2区)・橋本みか(5区)両予定候補とで、道厚生局へ力を込めて要請しました。現場は待ったなし、問われているのは政府の対策の速度です。

 要請した内容は、▼全額国庫負担による社会的検査、行政検査の拡充、▼医療機関への人的支援等の緊急援助、▼すべての医療機関への減収補てん、▼住居確保給付金や生活福祉資金特例の期間延長、▼市町村が国民健康保険の傷病給付を実施する場合の財政支援--ほか14項目。とりわけ札幌市や旭川市の医療状況を見れば、国が対策を急ぐべきであることはハッキリしています。

 道厚生局からは、出先機関として権限もないことから「要請は本省に伝えます」とくり返すばかり。切実で切迫した状況をふまえた要請なのですから、「道民の命と、医療従事者を守り抜くために私たちもがんばります」との決意くらいは言ってほしかった。菅政権の無為無策ぶりに合わせた対応ぶりに思えました。

 とはいえ、ガッカリしてられないし、のん気に「そうですか」と言ってもいられない。平岡さん・橋本さんとともに、私も各地で聞いた実態をもとに「本省へ反映するなら北海道の切迫した状況をふまえるべき」と迫りました。新聞や画面上の報道を他人事のように論評するような問題でなく、ことは人の命にかかわる問題なのです。

 道厚生局の後は、「GoTo」見直しの要請に道運輸局へ。一定の見直し論議が進んではいますが、これまでの実態は中小業者などへの恩恵が薄く、感染拡大が進んだ以上は抜本的に見直して、業者を直接支援する仕組みを検討するときではないのか。観光関連業者を守りたい気持ちは私達もいっしょですし、その守り方を変えようというのが要請の主旨なのです。

 道運輸局からは、「これまでも走りながらの見直しでした」と述べつつ、ホテルや旅館の感染対策の努力も理解いただきたいとし、「雇用の確保などは必要で、私たちも厚労省に雇用調整助成金の延長は働きかけている」との回答もありました。運輸局でもあるので、交通事業者への影響もふまえて対応したいとの表明も。すべては一致しないし、とはいえすべてが平行線でもないなか、あらためて要請の中心点を私から強調しました。

 悲観的にも、不安をあおるだけにもならず、地に足をつけて実態を反映していくことが大切だと痛感します。そのなかで政策の組み立てが浮かんだりもします。コロナ禍で実態を聞きに行くことへのためらいや注意点は理解しますが、踏み込まなければわからないのが社会の現実というもの。そこへの踏み込みこそ政党や政治家の真髄だと、私は思っています。もちろん感染防止や相手との了解は大前提のうえです。

 合間を縫って、道原発連の宣伝にも参加しました。寿都町・神恵内村では文献調査が開始されますが、NUMOは黙って文献を調べるだけでなく、今後の町づくりも含めた「対話の場」を設けていくとしています。つまりは、次の概要調査や、その後の最終処分場も見据えた地ならしということではないのか。多くの道民はこういう進め方も知らないだけに、さらに私からも発信していきたい。

 明日から黒松内町や寿都町へ行きます。このままズルズルと進めさせるわけにはいきません。

 【今日の句】本当に 総理は危機感 持ってるか

2020年11月25日水曜日

これほどない切迫さに応えて

 新型コロナ対策の要請に、今日は道経産局・道労働局へ。寄せられた要望を抱え、平岡だいすけ(2区)・伊藤りち子(3区・比例)両予定候補とでおこないました。

 道経産局には、▼持続化給付金の複数回支給や減収要件の緩和、▼家賃支援金の期限延長と柔軟な対応、▼年末・年度末を越せる融資などの資金繰り対策、▼各種給付金などの周知とワンストップ相談窓口の設置--など、具体的な例も紹介しながら要請しました。このままでは年を越せないという業者があふれているのです。

 給付金等の延長については本省にも伝えるとし、感染が拡大している状況での懸念は共有される旨の答弁もありました。そうであれば第2次補正予算の予備費活用や、第3次補正予算に向けた動きを急いでほしい。見通しが持てないなかでは、つなぎ融資も借りられません。そもそも融資は借金となるのですから、切迫した状況に応えてほしいと重ねて要請しました。

 道労働局には、▼雇用調整助成金の特例延長、休業支援金の期限延長、▼アルバイトなど必要とされている方への制度の周知、▼休業支援金の対象見直し、▼企業や経済団体などへ雇調金や休業支援金の活用周知--など。寄せられた昨日の相談も、具体的な対応を求めました。お金が入らなければ暮らしていけないのですから、申請には迅速・正確に、1人残らず対応すべきであることも強調しました。

 休業手当は、法律上6割以上を支給することになっています。その手当がもらえていない場合、労働者が申請できるのが休業支援金です。ところが休業手当と称して6割未満でも支払われていれば、申請できません。たった10円でも出されていれば、対象とならないのです。これでは働く人を救済することができません。柔軟な運用ができないかと強く求めました。くらしの切迫さは、これまでにないほどなのです。

 明日も道厚生局・道運輸局へ要請します。

 【今日の句】その仕事 命を救う ためにあり

2020年11月24日火曜日

橋渡しも大切

 せっかくの制度なのに「書類が不備だと何度も突き返される」など、前へ進まない事例が結構あります。今日も休業支援金が入金されないとの相談を受けました。さっそく関係機関への連絡などをおこなっています。

 相談に見えられたのは大学生。バイト先の居酒屋で休業手当が出ないため、同じバイト仲間と休業支援金の申請をおこないました。ところが1人だけ入金されず、問い合わせをしても返答が来ないまま。ひとり親家庭で生活も苦しいなかで、労働組合を通じて相談に見えられたということなのです。

 申請した書類のコピーなど見ても、不備はなさそうです。ちょうど明日、道労働局へ要請をする準備もしていたので、あわせて今日のうちからスタッフが連絡を入れました。ひとまず回答を待つことになります。このような相談や橋渡しも、事務所としての大事な活動です。

 せっかくなので大学の様子をお聞きしたら、この間のコロナ感染急拡大を受けて、構内への立ち入りが再び禁止されているとのこと。「今年度になってから大学に行ったのは、健康診断など3回のみ。対面の講義は一度もありません」との話も聞きました。せっかくの学生生活なのに、ほぼ1年はオンライン講義と課題のみになってしまいます。

 せめて政府は、学生たちに「お金の心配はしないで、学ぶ環境は国が守ります」と言えないのか。今日の朝の宣伝も学生の通学が多い時間・場所なのですが、少なめだったのは構内に入れないからかもしれません。就職を控える学生も、来春の受験生も、少なからず不安を持たれているに違いない。党としても力を尽くさねば。

 【今日の句】ごまかさず 語れ真実 前夜祭

2020年11月23日月曜日

自己責任でなく政治の責任で

 今日は千葉尚子札幌市議と、以前にも足を運んだゲストハウスへ。コロナ禍で家を失った方への支援をおこなってきたのですが、その補助事業の期限も先月末まで。コロナ感染が急拡大するもとで、あらためて現状や課題をうかがいに来たのです。

 ゲストハウス「UNTAPPED HOSTEL」代表の神輝哉さんは、千葉市議の幼なじみ。7月にうかがった時に、受け入れを始めていました。ツイッター上の「死にたい」との書き込みを見た入居者が、「ここなら大丈夫」とメッセージを送ったところ、無事につながることができた--こんなエピソードを紹介した神さんは、「誰もが安心してくらせる社会を望みます」と、しっかりした口調で語りました。

 ゲストハウス自体の経営は大変で、雇用調整助成金の延長などを求めています。一方で、民間企業や支援団体などのネットワークで社会はあたたかくなるし、経済的にもまわっていく展望を神さんと語り合いました。生活困窮を乗り越えていく道は、多くの方とつながるなかで見えてくると確信しました。

 問題は、政府がそのような立場に立つかどうか。菅首相が強調する自己責任では、弱肉強食の社会が続くばかりです。当面の要求実現とともに、やっぱり根本から政治を変えねばと思いました。

 先だって青年学生後援会のキックオフ集会(オンライン)にも、一言あいさつにと参加。民青同盟が各地でとりくむフードバンクには、数十人規模で学生が食料品を受け取りにくるなど、青年学生の苦難も続いています。こういう時こそ「自己責任でなく政治の責任で解決させよう」と、青年たちが声をあげようとする姿が頼もしい。

 「若い皆さん、お金のことは心配しないで安心して学んでください」と、なぜ一国の首相が学生たちへ語ろうとしないのか。雇用やくらしを守るべく雇用調整助成金や休業支援金の活用も、なぜ青年たちへわかるように発信を続けないのか。首相や政府自身の、青年に対する基本姿勢がやっぱり問題だと痛感するのです。

 いつ解散・総選挙となるかはわかりませんが、若い世代とともに、いっしょに願いを実現しようと呼びかけたい。それだけの条件もじゅうぶんにあることも、わかりやすく伝えていきたいです。

 【今日の句】寝る家が 誰にも保障 されるよう

2020年11月22日日曜日

急いで命を守る砦を支えて

 北広島市で予定していた橋本みか5区予定候補との室内演説会。とりやめて街頭での訴えに切りかえ、はじめは小降りの雨が強くなるなかでも党員・後援会員のみなさんが足を運んでくださいました。司会として永井もも・山本博巳・人見哲哉の各市議もいっしょに、市内4ヵ所をまわってくれました。

 以前に国会議員団事務所長を務められた島垣さんが顔を出してくださったほか、橋本さんの恩師も駆けつけてくださいました。自分の教え子が社会をよくしようとがんばる姿は、教師としても嬉しいもの。橋本さんの訴えにも力が入りました。私からは、この間も訴えてきた党としてのコロナ対策の具体化や、政権交代のために日本共産党を伸ばしてほしいことを強調しました。

 札幌では渓仁会病院、旭川では厚生病院でクラスターが発生しています。感染防止に取り組んでいても、これだけ感染力が強いのかとあらためて驚きです。「自分も感染するかもしれない」「自分から広げてしまうかもしれない」と思いながら、緊張状態のなか働き続ける医師・看護師さんのことを思うと、何とも言えない気持ちになります。

 基幹病院での発生ですから、今後の救急体制についても心配になります。医師会はじめ各病院や自治体でも体制構築に懸命だと思いますが、国からの最大限の支援が必要になっているはずです。政府は今ごろ GoTo 見直しなのかという状況ですが、命を守る砦を最優先に支えてほしい。決断の遅れは医療崩壊につながるのですよ、菅首相!

 【今日の句】大粒の雨が 不安も流せれば