さて、政府は先週末にアイヌ政策推進会議を開き、施行から6年が経つアイヌ施策推進法について法改正しない方針を示しました。法律には5年ごとの見直し規定がありますが、見送るとのことです。
初めて法律で先住民族と明記しながら、先住権は回復されず、裁判もおこなわれています。差別や事実をねじまげる言動もあり、罰則規定なども求められてもいました。何より国による同化政策など歴史的不正義をおこなったことへの謝罪は、今もありません。
同法が審議された際に、国会では紙智子参議院議員(当時)が上記の点をくりかえし問いました。何よりアイヌ当事者の声をどれだけ反映できたのか、が鋭く問われました。だからこそ今回の見直しに向けて、多くのアイヌの方々や団体が声をあげてきたのです。
「声にならない声を、ぜひ聞いてください」と聞いたことがあります。差別を恐れて、みずからがアイヌであることを語れない方がいます。過去に受けたひどい言動が心に残り、口に出せない方もいます。だからこそ国の謝罪や先住権の規定、差別への罰則などが求められます。
黄川田担当相は、差別言動には現行法で対応するとしました。差別発言が人権侵犯と認定されながら根本的反省のない杉田水脈元衆議院議員に、今も同調は続いているといいます。実効性あるものへ、進まなければなりません。
世界では先住権の回復へ進む国がありながら、日本は遅れていると言わざるを得ません。議席を回復して国会に反映しなければと、痛感しています。
【今日の句】民族の尊厳 奪った反省は