2023年10月14日土曜日

平和国家の基軸は憲法

 憲法を学び生かしていこうと、札幌市南区では実行委員会形式による「憲法フェスティバル」が開かれています。今年が第15回目で、私も一言あいさつ。佐藤博文弁護士が「自衛隊(軍隊)の本質を考える--性暴力・いじめ・自殺」と題した講演をおこない、合唱や展示も通じて学び合う機会になりました。

 書道、陶器などの作品が展示され、作品を通じて平和の願いが伝わってきます。戦中時の市民の写真もありました。ロシアのウクライナ侵略や、ハマスとイスラエルの間での戦闘をつなげて考えてしまいます。

 イスラエルはさらなる攻撃のため、ガザから24時間以内の退避を通告しましたが、無差別な市民への攻撃は正当化できるものではありません。そもそもハマスによる無差別攻撃は、どんな理由があっても、もちろん許されません。

 同時に、根本にはイスラエルによる入植拡大とガザ地区封鎖があるわけで、パレスチナ国家の実現とイスラエルの平和共存につながる解決策が必要です。そのために国連では、一連の決議も上がってきたはずでした。国際社会が問われています。

 日本国内を見れば、岸田政権の大軍拡と「戦争の準備」と呼べる一連の施策を許さない、平和外交への転換を。ASEANが経済的な発展を遂げ、国際社会でも求心力になってきているなか、ASEANの外交努力に注目が集まるのも当然です。日本も足並みをそろえ、アジアの平和構築へ積極的な役割を果たすべきです。

 話はそれましたが、平和国家の基軸となるのが憲法のはず。しかし長く続く自民党政治のもと、政府が「基軸」との言葉を使うのは日米安保条約のときばかり。結局は米国いいなりで、日本としての主権や国民の平和の願いを、どう思っているのでしょうか。

 地域で憲法や平和を考え合える今日のような集会・フェスティバルを開くことは、今日的に重い意義を持つのではないでしょうか。憲法前文には、恒久平和などの憲法の基本原則をあげて「日本国民は、‥‥全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」とあります。憲法が生きる社会を。私もがんばります。

 【今日の句】手作りの 小さな平和を 積み上げて

2023年10月13日金曜日

地域社会の維持は、時間との勝負

 今日は新婦人道本部を皮切りに、道難病連・道農民連・道バス協会へ「経済再生プラン」を持って懇談へ。バス協会では丸山はるみ道議、難病連には森英士中央区地区委員長が同席されました。どの分野でも自民党政治のゆきづまりが、くっきりと現れています。力をあわせて、解決へと進めたい。

 ゆきづまっているからこそ要求は切実だし、声をあげて変化をつくってきた地域があります。新婦人では、札幌市での子ども医療費無料化拡充は日ごろからの活動とともに「選挙のたびに情勢を変えてきた」ことが確信になっていると言います。「できる」が見えれば、力が湧いてくるものです。

 富良野市では、3ヵ月ですが学校給食費無償化が実現しました。新婦人はじめ多くの団体・個人が力をあわせ、商店1軒1軒にも署名をもってまわり、まさに全市民的な運動になったとのこと。1月からの無償化も継続をと、引き続き署名を集めているそうです。

 学校でのエアコン設置、深刻な介護分野での人員不足も話題になり、やっぱり日本共産党の議席をと私自身も痛感です。「文科省への要請では、日本共産党の議員の追及が励みになりました」との言葉も嬉しいものでした。

 道難病連は、増田靖子代表が時間を割いてくださいました。「北海道のどこに住んでいても、安心・安全ななかでくらせるように。これが一番大事なことですよね」との言葉の重みを、政治家が真剣に受け止めるべき。医師・看護師が全道的に少ないのは、社会保障を軽視してきた自民党政治の結果ではないでしょうか。

 新型コロナも消えてなくなったわけではないし、どこかで自分が感染するかもしれない状況は、難病患者にとって深刻で切実なのです。病院での検査も有料になり、自前で検査キットをそろえるにも不足だと言われているとのこと。医療・介護職場や難病を抱える方が、すぐに検査を受けられる支援が必要です。

 農民連では、今夏の猛暑による収量減や生育不良、親元就農への支援など後継者対策などが話題に。「時間との勝負」と何度も出てくるほど、このままでは生産者がいなくなるとの危機感も本当に強い。政府の本気度が問われます。

 農業で「失われた30年」と言えば、食管制度がなくなり農産物輸入拡大の30年となります。諸外国では、農業所得のうち6~7割は政府の補助が占めますが、日本はわずか30%。北海道で言う「組勘」で見ると、政府補助である「雑収入」が農家経営を左右していると、一目でわかるほどなのです。

 「今のうちにやめないと、農地を買ってくれる人もいなくなってしまう」。こんな会話があるそうです。行きづまって農家をやめるのでなく、展望が見えないため早めにやめるというのは、まさに政治の責任です。何とか打開の道をひらきたい。

 道バス協会でも、このままではバス業界の未来もない厳しい実態を聞きました。コロナ禍以前と比べ、この3年間で(乗合・貸切を合わせて)769億円の減収となり、事業再建のための支援は絶対不可欠です。利益が出なければ新規バスの購入も、新紙幣対応の改修もできません。運転手の賃金も上げられません。

 何より運転手不足が深刻で、道内でも減便・廃線や系統変更が相次いでいます。「そもそも大型2種免許を持っている人が、地域にどれだけいると思いますか」との問いかけも、切実そのもの。赤字路線の補填(これだって十分ではありませんが)にとどまらない、大元からの見直しが避けられません。

 公設民営といった、新しい仕組みづくりの議論もあるといいます。公共交通の名にふさわしく国が責任を果たすなら、そこまで踏み出す議論を急ぐべきだと思います。そのためには国の予算の組み替えも必要になります。運輸・交通も「時間との勝負」のさなかなのです。

 地域に密着した政策を積み上げて、党としても実現の道をいっしょにひらきたい。責任の重さを痛感する懇談となりました。

 【今日の句】異次元というより 身近な安心を

2023年10月12日木曜日

大元からの改革を

 昨日から党の経済再生プランを届け、懇談にとまわっています。道民医連は社会保障、北商連では経済や税、北海学園大学・川村雅則教授とは雇用問題で、「失われた30年」による困難をどう打開するか、率直な意見を交わしました。

 コロナ禍に物価高騰と、くらしも経済も打撃を受けています。そもそも新自由主義の経済政策のもとで「失われた30年」--雇用が壊され賃金は上がらず、重税のうえに貧しい社会保障・教育、下がり続けた食料・エネルギーの自給率--が続いたなかでの、コロナ禍と物価高騰でした。

 くらしも経済も「良くなる」との見通しが、まったく見えない行きづまり。北海道は人口減少のもとで地域が成り立つかと、瀬戸際の状況もあります。新自由主義の経済政策とは、大企業の利益を最優先に、規制緩和や税の優遇を進めたこと。この大元に切り込むことが、どうしても必要です。

 道民医連の小内浩事務局長は、録画していたニュース番組を紹介されました。入院時の食事療養費は医療保険から給付されるのですが、消費税の引き上げ以外は、30年近く据え置かれているのです。物価高騰などに襲われながら節約を重ねてきた、釧路協立病院の実態を報じたものでした。

 医師不足も顕著な北海道で、どう地域医療を守るのか。賃上げを進めることで地方部から人口流出となれば、さらにケア労働の担い手不足が深刻になる心配もあります。社会保障分野の位置づけを、国が思い切って高めることなしに解決できないと痛感です。介護保険も開始から23年、あらためて大元からの議論が必要と確認しました。

 北商連・岡田義輝会長からは「いまや五公五民。かつてなら自民党政権はもたなかったし、もっと怒りの声をあげないと」。「失われた30年」は、消費税導入(1989年)からの歴史に重なります。重税に加え、強引な税務調査があることや、税務相談停止命令制度も話題になりました。

 国際的には納税者権利憲章が制定されているのに、日本は「税はお上が決めるもの」という徴税姿勢がありありです。一方で大企業には税の優遇措置が続けられ、富の偏在が著しくなりました。財界の利益最優先で、庶民や業者には搾り取るように厳しい政治を変えようと、私からも話しました。

 北海学園大学・川村教授からは非正規雇用について、「有期雇用と待遇改善はそれぞれ法整備などがされてきましたが、このプランのようにまとめていく方向は良いのでは」。なるほど、このような位置づけで考えればいいのかと私のほうが学ばされました。

 雇用や賃金でのジェンダー平等、過労死や長時間労働の根絶にも話が及び、「この30年は、雇用の岩盤規制が壊されてきた30年でした。ここからの転換が必要ではないでしょうか」との話に、私も心から同意。川村教授からは、会計年度職員問題について日本共産党地方議員のネットワークをいかしてもらえれば、との要望もいただきました。

 どの分野も30年分の歴史を振り返っての話ですので、とても内容が深い。明日も各団体をまわります。

 【今日の句】これ以上 搾り取るなと 声にして

2023年10月11日水曜日

今こそ公共・公的分野の再構築を

 終日の会議に参加しながら、道原発連や「北の鉄路存続を求める会」の街頭宣伝、労働争議解決をめざす「いちの日」行動にと駆けまわった1日。安心してくらせる北海道にするため、やるべきことは多いと痛感です。

 秋元札幌市長が2030年冬季オリパラ招致を断念したことにあわせ、新幹線の札幌延伸も2030年度開業は延期になると報じられています。そもそも難工事のうえ資材高騰・人員不足も重なって、延期は不可避と誰もが思っていたはずです。

 それなら、なぜ札幌駅隣の商業施設 ESTA やバスターミナルの閉鎖を急いだのか。函館本線(山線)も、なぜ沿線自治体にバス転換を急いで迫ったのか。結論や期限ありきで負担は道民に押しつけられたことを、鈴木知事はどう思うのでしょうか。

 そもそも新幹線と並行する在来線をJRの経営から分けるという、その根拠は閣議決定です。法律で決まっているわけではありません。しかも、函館本線・海線の維持には国も責任を持つ議論がある一方で、山線は沿線自治体に責任を持てという不合理さ。おかしくないでしょうか。

 国鉄の分割・民営化から始まる構造改革の目的は、公共・公的分野の解体でした。民営化されれば利益が最優先されるのは当然で、雇用は臨時や非正規に置き換えられ、低賃金は常態化しました。赤字分野は容赦なく切り捨てられ、各地で地域社会自体が成り立たなくなりつつあります。

 一方で大型開発は続けられ、その膨らんだ矛盾が顕在化したのが、今回の開業延期なのでは。推進側にはピンチでしょうが、今こそ公共・公的分野の再構築や地域社会の再生へ、舵を切り替えるときです。そういえば「ピンチをチャンスに」と言っていた知事がいたような。

 鉄路維持を求める署名には多くの方が応じていただき、横断幕をじっと見てから手を振って応える方の姿も。どうにかしたいと多くの方が思っています。しっかり政策としてまとめ、知ってもらえる取り組みも強めねば。

 党の経済再生プランを届けての懇談も始めました。明日のブログにて紹介します。

 【今日の句】責任を 投げた政府を 代えないと

2023年10月10日火曜日

北海道の「沖縄の沢川」

  だんだん空気が冷えてきているのを、肌で感じる朝の定例宣伝。秋が短く冬が長い北海道と言われるとおり、ストーブの出番となりそうです。宣伝では手を振っての激励もあり、私からは党の経済再生プランの中心点などを紹介し、訴えました。

 今日は一斉の新聞休刊日でしたが、週間や隔週の新聞が届きます。その1つである農業共済新聞を読んでいたら、「北海道を流れる『沖縄の沢川』」との記事(写真)。場所は枝幸町歌登から中頓別町への道道美深中頓別線を進んだ、オムロシベツ地区とのこと。

 太平洋戦争時、宗谷岬に配置された日本軍の一部が、歌登へ援農として派遣されていたそうです。部隊には沖縄県の出身者も多く、終戦後に故郷へ戻ろうとしたら、沖縄は米国の統治下に。地元住民が手を尽くして、約30人の出身者のうち6人が入植したのが、この地域でした。

 ここを流れる支流に名前はなく、いつしか呼ばれたのが「沖縄の沢川」。でんぷん用ジャガイモの栽培や造材の仕事で生計を立てていた住民は、地域の農業が酪農へと転換するにともないこの地を離れましたが、沢の名前だけは残ったということです。

 沖縄から遠く離れた北海道に派遣され、戦争が終わっても故郷に帰れないという悲痛の歴史。北海道新聞や琉球新報にも掲載されていたようですが、まったく私は知りませんでした。戦争で(大小を問わず)犠牲となるのは国民だと再確認です。

 ハマスとイスラエルの武力衝突で、多くの犠牲が出ていることに胸が痛みます。ハマスによる国際法違反の攻撃は容認できませんが、根源にあるイスラエルによる長年の迫害や国際法違反の占領を見過ごすわけにはいきません。

 日本共産党は、志位委員長名での声明を発表しました(こちら)。双方が自制し、国際機関や国際社会が和平プロセスにかかわっていく時ではないでしょうか。日本政府としての役割も求めたい。

 【今日の句】戦争が 過去の言葉と なるように

2023年10月9日月曜日

原発のない世界を次世代に

 STOP再稼働! さようなら原発北海道集会は秋晴れのもと、気持ちよく集会とデモパレードに。「しんぶん赤旗」将棋大会のあいさつ後に駆けつけると、まだ集会での熱いスピーチが続いていました。せたな町の藤谷容子町議も参加して、デモでは先頭をいっしょに歩きました。

 東京電力・福島第一原発事故から12年半が過ぎました。わが子もそうですが、当時の記憶がない世代が増えていきます。必死に避難し、いろんな分断も経験し、今も故郷へ帰れない(帰らない)方々がいます。絶対に忘れてはいけない。

 今もデブリは取り出せず、廃炉の道筋は見えません。原発で過酷事故が起きれば、その時だけでなく未来にまで悪影響が続きます。そのうえ汚染水(アルプス処理水)は、漁業者との合意なく海洋放出。根本的な問題は「原発事故があったから」ではないのか。

 原発は動かした後の「核のゴミ」は、どう最終処分するのか。その科学的な答えもないまま、寿都町と神恵内村では文献調査がおこなわれました。住民同士の分断が起き、今日のスピーチでも具体的な話をもとに「これは人権侵害だ」との怒りの声も。国がカネの力で地方を振りまわし、住民を分断することをやめさせなければ。

 そんな重い雰囲気を和らげたのは、子どもたちによるデモのコール。そうだ、私たちは次の世代に原発のない世界を引き継ぐために、ここにいる--多くの参加者が、そう実感したのではないでしょうか。いつも以上に「再稼働反対」と返す声が大きかったのは、そんな思いの表れだったと思います。

 ところで冒頭に書いた「しんぶん赤旗」将棋大会は、4年ぶりに全道的な地区大会を開いての北海道大会。優勝者・準優勝者の2人が全国大会に出場できるのですが、一昨年に全国大会で優勝した横山さんもいるなど、北海道は激戦県の1つ。始まる前は和やかな雰囲気でしたが、いざ対局が始まると空気がピリッと引き締まりました。

 私も将棋指しの端くれで、子どものころから学校教諭の時までも、将棋を指す仲間に巡り合えました。先日、苫小牧市での演説会終了後に「将棋で負けた時のことは忘れないよ」と声をかけられ、見ると同じ学校に勤めていた先生でした。思わずびっくり。

 将棋は勝ったときより負けたときのほうが(私はですが)記憶に残るもの。対局後の感想戦で、お互いの手を話し合う楽しさが自分を強くもしたと思います。コンピューターとの対局も手軽でいいけれど、面と向き合う対局の良さと将棋文化を広げたいものです。

 【今日の句】さようなら 事故の辛さも 悲しさも