2016年3月5日土曜日

つないだ手を離さないということ

 福島第一原発事故により避難された方々と懇談する機会がありました。具体的な課題はいくつもあるけど、避難者の「リアル」に向き合うことなんだ、と。

 何度か足を運んだ場所で、そのたび聞く体験や現実の話に、責任感だけが膨らむような重たい気持ちになって帰路についたことを覚えています。

 それほど原発事故による問題は根深い。

 県内に残る人・県外に出る人、賠償の多い人・少ない人、家族いっしょの人・母子だけで避難した人‥‥いろんなことで県民同士が分断される状況がありました。

 しかし一番の問題は、その当事者同士の責任ではなく、事故を誰が起こしたのかということ。

 分断を乗り越えて避難者同士でまとまろうとの努力の話も伺い、事故から5年が経とうとしてるけど、今こそ国が責任を果たす番!と強く感じました。

 避難されている方は展望が見えない状況にあるのだから、政治が展望を示すべきなのに、逆に支援打ち切りを次々と進めるだなんて。

 形だけ建て直すよりも、政治を立て直すこと、です。

 5区補選で池田まきさんを応援してる方もいて、この間の共産党の決断におほめの言葉もいただきました。

 5区補選の勝利へ本気を出しあって、必ずアベ政治を終わらせましょう。

 【今日の句】 福島で 総理は何を 見てきたの

2016年3月4日金曜日

調査で歩く

 TPP本体と合わせて、関連法案が11本(一括で!)提出との見込みです。対象の1つとなる農畜産業振興機構(ALIC)へ視察に行きました。

 斉藤和子衆議院議員と秘書とで行った先のALICでは、生産者の経営安定対策、需給調整・価格安定対策、緊急対策、情報収集・提供などの業務をおこなっています。

 報道などでは、牛・豚の経営安定対策事業(マルキン)を法制化することで、食肉の価格安定制度を畜安法から外すとしています。

 これは牛肉等が、一定の価格を下回ればALICや生産者団体による買い入れ・保管(補助)などをおこない、逆に一定の価格を上回れば売り渡して、価格の調整をはかるというもの。

 マルキンは粗収益が生産コストを下回った場合に、差額分の8割を補てんする仕組みです。

 改正法案は、補てん分を9割に引き上げ、豚マルキンは生産者の負担割合も下がるというもので生産者にとってプラスですが、問題がTPP発効にともなう措置であるということ。

 それでいて食肉の価格安定制度を外すのですから、どのような影響が出るのかは心配です。

 これ以外に野菜や砂糖類などの制度の概要を再確認し、海外情報も含めて、意見交換をしました。

 閣議決定が8日と言われ、まだ公式にはALICとしてもコメントはできない事情ですが、先ほど書いたように生産者が受ける問題があるのではと心配です。

 北海道へ戻り、TPPについて研究されている方とも意見交換。

 明日も調査の1日です。 

 【今日の句】 一括は 都合の悪さを 隠す術?

2016年3月3日木曜日

謝れ、償え、なくせじん肺

 参院で予算審議の一方で、衆院ではTPP審議に向けて動き始めます。必死になってTPP分析と検討を進めています。

 書きすぎると手の内を示すことになるのが歯痒いのですが、これまでの蓄積があるのが日本共産党の強いところ。

 秘書と議員の連携で、TPP批准ストップへがんばりますね。

 合間に「トンネルじん肺救済法案(仮称)実現めざす院内集会」に参加し、一言あいさつ。

 与野党を問わず519名の国会議員が賛同しているだけに、早く実現して、じん肺根絶の力にしていかなければなりません。

 自民党の議員から「個別で採決にしてほしいくらい」との表明もありましたが、与党の腹積もり一つで実現はできるのです。

 野党としては与党への働きかけや論戦を進めていくことになりますが、当事者や家族からすれば待っていられない思いでいっぱいでしょう。

 先日・今日と全国で、原告104名による第5陣訴訟が提訴されましたが、好んで提訴しているわけではない。

 安倍首相は第1次政権のときに「皆様の気持ちを無駄にせず、じん肺の起こらない日本をめざします」と約束したはず。

 国がやっていないから、当事者がやらざるを得ないわけです。

 私も「国」としての一端にいるわけで、あらためて実現に向けた決意を述べました。

 【今日の句】 ゼネコンも 国も命の 重み知れ

2016年3月2日水曜日

安倍首相のめざす改憲は

 安倍首相が改憲に前のめりとなってきました。こういう時こそ自民党憲法改正案を見ておかなければいけない。

 今日の発言では、改憲は自らの任期中にとの思いが吐露されています。

 自民案は、前文に国民主権を謳いながら、「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴(いただ)く国家」であると規定します。

 過去の侵略戦争の反省が、まったく消えたのが特徴です。

 天皇は「象徴」から「元首」へ、国旗・国家の尊重義務があり、現9条の「戦争の放棄」は「安全保障」として国防軍の創設が明確とされています。

 「国民の責務」が盛り込まれ、権力を縛るという憲法の性格が、国民を縛るものへと大転換します。

 地方自治も同様に大転換し、住民の協力・地方自治体同士の協力が責務と。

 基本的人権は制限付きと言えるものが随所にあり、緊急事態条項では明確に「国その他の‥‥指示に従わなければならない」と制限を定めています。

 憲法改正の発議も3分の2から過半数としていますから、選挙で過半数を超えれば、常に憲法改正をできるということになります。

 このような全面改正ではなく「できるところから」と安倍首相は言いますが、めざすものが何かは、この改正案に見て取れるのではないでしょうか。

 大事なことは、今の憲法の平和的・民主的条項を生かした政治をおこなうこと。

 憲法と現実が乖離しているのではなく、憲法から乖離した政治を続けてきた自民党政治が問われなければいけないのです。

 今日は、超党派の子ども・被災者支援議員連盟で政府から福島の現状の説明を受け、避難者のみなさんと要請をおこないました。

 住宅支援を打ち切る理由も明確にならず、本当に冷たい安倍政権だと参加した誰もが感じたと思います。

 そんな安倍政権のもとで、こんな憲法改正(改悪!)などとんでもない。

 この夏の参院選は、本当に日本の未来がかかった選挙です。

 がんばらなければ。

 【今日の句】 どう見ても 国民主権 ないでしょう

2016年3月1日火曜日

この予算は誰がため

 北海道は今日も荒天。被害が心配です。国会では来年度予算案が衆院通過。日本共産党は本会議で私が反対討論に立ちました。

 その全文は以下のとおりです。

 私は日本共産党を代表して、2016年度一般会計予算ほか2案に反対する討論をおこないます。

 予算案の審議を前に、内閣を代表して経済演説を行った閣僚が口利き疑惑で辞任したことは極めて重大でした。いまだ疑惑は解明されていません。問題の根本にある、パーティー券を含む企業・団体からの献金を全面禁止することを求めます。

 以下、予算案に反対する理由を述べます。

 第1に、本予算案は、国民のなかに広がる貧困と格差の是正どころか大増税を押し付け、財界・大企業の利益優先へ大盤振る舞いとなっている点です。

 総務省の家計調査で、2人以上世帯のうち勤労者世帯の実質可処分所得が、30年前以下の水準に落ち込んでいることが明らかになりました。消費税率8%への引き上げで消費者物価指数が2015年に104.6まで跳ね上がり、物価上昇は過去最高の水準となりました。

 同じく総務省の労働力調査(詳細集計)では、安倍政権の3年間で正社員が23万人減った一方、非正規雇用の労働者は172万人増えています。ミニ経済白書では、パート労働者だけでなく一般労働者も実質賃金が低下していることを認めています。安倍首相が言う経済の好循環どころか、国民にとっては悪循環が続いているのではありませんか。

 消費税10%となれば、政府試算でさえ国民1人あたり年間2.7万円、1世帯あたり6.2万円もの大増税が押し付けられます。将来の引き上げも政府は否定せず、与党幹部からも「インフラ整備ができた」などの発言があり、軽減税率はさらなる増税の布石となっています。くらしと経済に、取り返しのつかない打撃を与える消費税10%はきっぱり中止するべきです。

政府はきまって「消費税増税分は社会保障の充実へまわす」と述べますが、予算案に盛り込まれているのは診療報酬の実質減、高齢者医療の窓口負担増、介護保険利用料の倍化、生活保護の加算・扶助減額見直しなど、負担増と給付減の徹底というべく全面改悪です。政府が昨年出した「改革工程表」にもとづき、社会保障自然増を半減以下にバッサリ削減したためです。どこに社会保障の充実があるのですか。

国民には負担増を求めながら、法人実効税率を2018年度まで2.37%引き下げるなど、史上最高の利益を上げている黒字大企業へ1.6兆円もの大減税をおこない、その穴埋めとして、外形標準課税の拡大で中堅企業への増税をおこなうなど言語道断です。この間の優遇税制によって、結局は、大企業の内部留保が大膨張しただけではありませんか。

いま政府が成すべきは、長時間・低賃金労働の是正など安心して働ける環境をつくることです。元請大企業と下請け企業の公正取引へ、国が監視と指導を強めることが必要です。社会保障充実の財源は消費税増税に頼らず、応能負担の原則にもとづく税制改正によってつくり出すべきです。家計に重い負担となっている教育費の軽減へ踏み出すときです。

この際、民主・維新・無所属クラブによる編成替え動議について触れておきます。貧困と格差を是正する点で部分的ではありますが、「返済不要の給付型奨学金の創設」「介護・障害福祉従事者、保育士等の給与の引き上げ」などは必要なことであり、賛成を表明するものです。

 反対理由の第2は、地方創生と口にしながら、いっそう地方の疲弊を加速させる点です。

 予算委員会の地方公聴会では、その懸念の声が相次ぎました。香川県高松会場では、地域経済の落ち込みや、TPPへの痛烈な批判が出されました。福島県郡山会場では「今の内閣は被災地に寄り添っていない」との表明もありました。

 そもそも地方創生を言うのなら、農林漁業に大打撃を与えるTPP批准などやめるべきです。各県やJAの試算では、政府試算を超える農業被害が示され、不満と不安が広がっています。予算案には、TPPへの対応として規模拡大や輸出促進に重きが置かれていますが、農家が切実に求める価格安定対策や、39%まで下がった食料自給率の向上こそ急がれるものではありませんか。

 安倍首相は有効求人倍率が増えたと盛んに言いましたが、では、なぜ若者が都市圏へ仕事を求めてくるのでしょう。最低賃金に大きな格差があるからです。中小企業への支援強化と合わせ、全国一律時給1000円以上の最低賃金制度の確立に今こそ足を踏み出すときです。

 5年目を迎える東日本大震災の被災者が、なお17万人も避難生活を強いられているなか、くらしと生業の再建は急務です。住宅再建へ被災者生活再建支援金を500万円まで引き上げることや、被災自治体の独自支援策を応援する立場こそ求められます。福島第一原発事故の被害の実態に応じた、支援と賠償へ国が責任を果たすときにもかかわらず、福島の願いに背を向けて全国で次々と原発を再稼働するなど到底許すことはできません。

 反対理由の第3は、安保法制=戦争法を強行成立させたもとで、5兆円を超える軍事費を盛り込み、アメリカの戦争支援体制を強化している点です。

新型ステルス戦闘機F35や、新型空中給油機、イージス艦、オスプレイ等の軍備拡大は、周辺諸国との緊張関係を高め、東アジアの平和環境づくりに逆行するものです。後年度負担が膨れ上がり、中期防衛力整備計画をも大きく上回るペースです。

新たな日米合意に基づき思いやり予算を133億円も増額し、米軍への施設提供整備に、最低でも毎年206億円を積算根拠も示さないまま支出するとしています。米軍が配備をすすめるF35戦闘機についても、日本政府による財政負担で新たな重整備拠点を置くとしています。対米従属も極まれりではありませんか。

 沖縄の民意を無視して、代執行訴訟にまで踏み切り、辺野古への新基地建設を強行するなどとんでもありません。普天間基地は、移設条件なしの閉鎖・撤去こそ要求するべきです。

民意を無視した安保法制=戦争法の強行採決から間もなく半年が経つなか、国民の怒りは収まるどころか拡大し、安倍政権を変えようとのうねりが全国に広がっています。この3月に戦争法は施行されようとしていますが、日本の自衛隊が、戦後初めて外国人を殺し、戦死者を出すという現実的な危険が生まれています。

改定PKO法において、自衛隊は新たに任務が拡大し、任務遂行のための武器使用も認められました。国連PKO自身が「交戦主体」となっている現実のもと、内戦状態に陥っている南スーダンで、自衛隊が武力行使する可能性について政府は明確に否定しませんでした。また、「駆け付け警護」の一部として「狙撃・射殺」前提の作戦があることについても、政府は検討していることを認めました。重大です。戦闘の当事者になるのは避けられないではありませんか。

わが党は先月19日、他の4野党とともに安保法制を廃止する法案を提出しました。日本共産党は、国民との共同をさらに強め、憲法違反の安保法制=戦争法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、安倍政権打倒と、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すため全力をあげる決意を表明して、私の反対討論を終わります。

 いったい誰のための予算なのか、問われているのではないでしょうか。

 予算審議は明日から参議院に移りますが、引き続き国会審議を注視してほしい。

 日本共産党は、本気で安倍政権に代わる政治をつくります!

 【今日の句】 見えてるか 暮らしの現実 平和の思い

2016年2月29日月曜日

働く車のその先に

 北海道の暴風雪で帯広市では犠牲も‥‥お悔やみを申し上げます。衆院は明日に予算通過かという状況で、本会議では私が討論に立ちます。

 予算ですから国民生活と日本経済、外交にまで及ぶわけで、これまでの予算委員会での討論をふまえた原稿づくりにイソイソと。

 もちろん私一人の頭で考えるものでなく、国会の集団的検討と、何より現場の実態をふまえたものですから「全党の結晶」ともいうべき討論なのです。

 議席が増えるまでは8人の衆院議員でおこなったことを考えると、全国から選ばれた議員による反映があるのですから新たな政治的な重みがあります。

 何より野党5党による合意後の情勢もあるわけで、国民の声をもとに、明日の討論には私も堂々と臨みたい。

 冒頭に書いた暴風雪の関係で朝一番の飛行機が昼一番になるという状況でしたが、その間に展望デッキから除雪車の動きがよく見えて、「働く車」という歌を思い出しました。

 もちろん車が働くためには運転手さんがいるわけで、こうやって空の安全は守られているんですよね。

 こういう現場の声を、国会に反映させなくちゃと思ったわけです。

 明日から弥生。

 新たな気持ちでがんばりたい。

 【今日の句】 アベ政治 暴風止める 砦なる