2020年3月7日土曜日

次元の違う経済対策を

 中小企業へ「実質無利子、無担保の融資」とまとめたようですが、リーマン・ショック時の緊急保証は20兆円規模。そのうえ中国・韓国への入国制限もあり、日本経済に深刻な影響が出るのは必至です。調べるにつれ、これほどの対策で本当に大丈夫なのかと政府にぶつけたくなります。

 北海道中小企業家同友会の緊急アンケートでも、「被害が甚大なものになるとの懸念がある」「資金の少ない下請け業者さんが罹患した場合、国の支援がないと倒産してしまう」など、現状は瀬戸際というような回答がいくつもありました。党道委員会にも「3月の資金繰りに必死。このままでは従業員の給料も払えなくなる」との切実な声が寄せられているのです。

 そうでなくても消費税増税の影響もあり、今年1月の商業販売額は前年比4.5%もの落ち込み。日銀は株式市場を支えるのに必死のようですが、中小・零細企業を支えなければ産業の土台から崩れかねないのでは。異次元の大不況という状況には、これまでと次元の違う経済対策をする必要があります。

 中小零細企業への減税や損失補てん策、個人事業主やフリーランスも含めた休業補償、そして今こそ消費税減税を。内部留保も多くない中小零細企業にとっては、毎月毎月が資金繰りの山場なのですから、早く政府で見通しが持てるような対策を打ち出すべきです。

 私の両親は食堂を営んでいました。ちょっとお客さんが来ない日が続いただけでも「うちの店は大丈夫かな」「ちゃんと生活できるのかな」と子ども心に思い、「自営業者は自分の責任で生きるもの」と悟ったものですが、今回の事態は業者の責任に帰すものではない。政府が緊急事態と言うのなら、それに見合った経済対策を!

 【今日の句】独断が こんなに国を 振り回し

2020年3月6日金曜日

真摯な対応を約束

 昨日までの聞き取りも含めて、今日は道労働局へ新型コロナウイルスによる雇用面での対策について申し入れをおこないました。緊急ということもあり、足らざるものは追加していくこととして、まずは8項目にて申し入れました。以下のとおりです。

 ①労働者向けの相談窓口や労働者の権利、雇用調整助成金、保護者の休暇支援等の対策などを、テレビやラジオ、ネットCM、新聞広告などを活用し広く情報発信すること。

 ②地方自治体等が指定管理や業務委託している職場の労働者の雇用が守られ休業補償がされるよう、総務省などとも連携し対策を講じること。

 ③年度末を控え、今後発生が予想される解雇・雇い止め(特に“非正規切り・派遣切り”)などの事態を生まないための対策を強力に進めること。

 ④労働者が同意しない年次有給休暇の取得とはしないこと。年休でなくても十分な休業補償となるよう対策を講じること。

 ⑤休校に伴い仕事を休まざるを得ない労働者の代替として、高校生アルバイトの労働時間が増えている事例が発生している。未成年者の労働強化には慎重であるよう周知を強めること。

 ⑥医療・介護従事者が患者との接触や罹患等により自宅待機となった場合の賃金保障を、正規・非正規を問わず適正に行われるようにすること。

 ⑦医療や介護・福祉職場での労働衛生環境に欠かせないマスクや消毒液の確保について関係部局と連携して実施すること。

 ⑧フリーランスや個人請負等の形態で働く人たちの所得補償を、経産省などとも連携し実施すること。

 道労働局でも、3月の3日間だけで(ハローワークなどへも含めて)1000件もの相談が寄せられたのこと。長(おさ)総務部長さんは「申し入れは道民の要望として真摯に対応させていただきます」と述べられ、雇用調整助成金の拡充などは明確になっていない部分もあるので「決まったら、いろんなツールを使って説明していく」と応じました。

 私からは、働く者の権利がわからずに「どこへ相談したらいいかわからない」という方に対して、相談窓口を広げていくことの重要性を強調しました。一方で道厚生局の職員もめいっぱいの仕事をしている状況もあるので、労働組合や私たちのような政党からの情報交換にも応じてほしいことを添えました。

 二転三転してきた学校での対応にかかわり、北海道高等学校教職員組合連合会(高教組)・全北海道教職員組合(道教組)からも実態をうかがいました。学校での感染拡大防止という大義は大事ですが、その進め方や、卒業式など今後のあり方でもコロコロと変えられるなどして困惑と混乱が現場では続いています。

 特別支援学校も休校したことには、子どもの健康を心配する親からは賛意もあるものの、日常が突然に崩れたことで不安定になる子も実際にいるようです。学童保育や児童デイサービスの受け入れ体制も含めて、きちんと段取りしないまま一律の休校措置を要請した弊害であることは間違いありません。

 政府は先日、中国・韓国からの入国制限を強化するとしましたが、この制限についても専門家からの意見を聞いていないのではないかと指摘されています。これも安倍首相の「政治判断」なのでしょうか。外交問題化しつつあるし、経済面での冷え込みも心配です。

 来週の申し入れなどの日程もバタバタしながら決まりつつあります。しっかり現状と要望を伝え、苦難を解決する立場で力を尽くしたい。

 【今日の句】経済も 雇用も早く 手を打って

2020年3月5日木曜日

困ったときの相談窓口

 新型コロナウイルスによる、中小企業や労働者への影響も顕著になってきました。北海道商工団体連合会(北商連)・北海道労働組合総連合(道労連)をまわりました。

 北商連では会員を中心にした聞き取りをおこなっています。列挙されている内容を見ただけで、影響の深刻さがひしひしと伝わってきました。井上事務局長も「思った以上の被害です」と強調していました。

 「資金繰りのための融資を申し込んだが『申し込みが殺到しているため1ヵ月半かかる』と言われ、このままでは3月分の給料も払えない」「2月末の宴会がすべてキャンセル、3月も9割キャンセル。約100万円の売り上げがなくなる」「売上減少にともない社会保険料の支払いが厳しくなり、延期を年金事務所に相談したら『こちらでは関係ない』と財産調査まで持ち出されている」など、これらはほんの一部。

 すぐ売り上げは回復しないでも、資金繰りの申請を柔軟に対応していくことや固定費の補てん、納税・保険料納付の猶予などは、その気になれば対応できることだと思います。加えて、これまでとは次元の違う対策が求められていることも間違いありません。急いでこの内容を反映させることにしました。

 道労連は、電話による「ワンストップ労働相談」を今日から始めたばかりで、テレビ放映もあったことから相談も連続しているそうです。私がいる間にも電話が数回、鳴っていました。出口事務局長から、この間の相談などの特徴をうかがいました。

 ●仕事を休まざるを得なくなったとの相談は、①休校措置にともなうもの、②業務量が減ったための勤務調整--とがあるようだ、●フリーランスからの相談もある、●そもそも、あるはずの有給制度など働く者の権利がわからないうえに、新しい制度と言われても理解が難しい、●「相談の入り口」を増やす必要があり、必要な人に情報が届くような仕組みをつくるべき--などの話に納得です。

 経済状況が厳しいもとですが、しっかり春闘はおこないつつも「終息してから、経営が厳しかったからと賃下げなどが起きないかも心配です」との懸念も。学費や生活費を稼ぐためのアルバイトをしている学生の仕事がなくなったり、逆に休校にともなう人手不足を高校生アルバイトが忙しくなるほど担っているなど、いろんな労働実態をうかがいました。

 同時に、このような電話相談を取り組めるのはこれまでの反貧困ネットなどの活動の蓄積があったからだと、よくわかりました。相談する側にとっては雇用や生活など複合的な要望を抱えている場合もあるし、本来は行政が縦割りを排してこのような相談窓口を開いてほしいのです。

 さらに今日は党道委員会の全道地区委員長会議があり、ここでも各地の影響が出され合いました。難病患者の健康確保や、葬儀用の棺桶が中国産材を使うために足りない(!)など幅広い問題になっていることを再確認。ちょうど党本部からの参加もあったので、この間の内容を伝えもしました。

 経営は一定の見通しをもって進めるものですが、今のままでは設備投資や人件費の計算が成り立ちません。しかも消費税増税のため、ただでさえ内需が冷え込んだままです。くらし支援と経済政策を、多面的に練り込んでいかなければと痛感しています。

 【今日の句】切実な願い 急いで反映を

2020年3月4日水曜日

医療体制の確保に、国はきめ細かい対策を

 検査・診察などを進めるためには、医療体制の安定的確保が不可欠です。今日は道医師会・道保険医会へ足を運びました。党道議団(真下紀子・宮川潤・菊地葉子)もいっしょです。

 マスクなどの医療物資、学校休校のもとでの診療体制とスタッフの維持、受診控えもあるなかで収入減への対策など、この1ヵ月あまりで医療従事者をめぐる状況も大きく変わってきました。とはいえ、どこでもPCR検査を受けられるわけでなく、党道委員会へ寄せられた今日の情報でも受診できないまま症状が悪化している方も出ています。

 病院側からすれば、どこでも感染症病床や診療体制を持っているわけではなく、それでも肺炎と思って受診に来れば診るものの、その患者さんが陽性だったらとの不安も出ます。地域の小さい診療所なら、スタッフへの感染があれば一定期間は閉院もしなければならないし、その間の地域医療も診られないとなれば医療機関としての役割を果たせなくなります。

 「患者さんにとっても検査を受けることに躊躇されることがないように」(道医師会)との思いは共通なのですから、国としてその体制確保が必要です。昨日の小池質問でも、安倍首相の「希望する人なら全員が検査を受けられる」ような発言では病院も国民も混乱しかねないので、どういう病院で、どういう状況で受診できるかを正確に知らせることが大事だと思うのです。

 4月には診療報酬の改定を迎えますが、こんな時にその準備などもできません。地方厚生局による説明会も中止されたと聞きます。こういう1つ1つを解決して、診療体制が維持できるようにしなければ。しっかり国政へも反映していきたい。

 【今日の句】緊急と言うが 大臣どこ行った

2020年3月3日火曜日

医療・介護・福祉は人権保障の根本

 医療・介護や福祉の現場は、命を守る最前線だけに必死の取り組みを進めています。国政へ反映すべく、聞き取りにまわりました。まず行った先は勤医協福祉会。太田眞智子理事長らから現状や課題をうかがいました。

 急がれているのは、不足している衛生材料(マスク、グローブ、消毒用アルコールなど)の早急な確保です。職員の伝手も探ったり市販の薬局等での購入や布マスクの作成など、あの手この手で確保しているとのこと。マスクなしでは心配する利用者・家族もいますし、何より事業所で発症したら大変との思いは切実です。

 子どもをもつ職員が預け先を見つけられず、休務しているのを少ない職員でカバーしている実態もうかがいました。そもそも介護職は職員不足が深刻だったなかで、今回の事態でさらに困難が増しています。「休務にともなう所得補償を全額で」との要望は、事業所の経営が苦しいことも背景になっています。

 太田理事長から「認知症の方は、身のまわりの状況が変わることで心身へのストレスが大きくなります」と話され、そのなかでの介護職員の果たす役割の大きさも実感しました。子どもたちの命と健康を守ることも大事だし、重症化するリスクも高い高齢者の命と健康を守ることも大事。しっかり国会とも連携して反映させていくことを約束しました。

 次にうかがったのは、児童デイサービスなどを運営している㈲ユアホームサービス。安倍首相が一斉学校休校を要請した際に、心配になったのが特殊支援学校に通う子どもたちの受け皿です。やっぱり様々な苦労がもたらされていることが、よくわかりました。

 児童デイなども「原則開所」とされていますが、衛生環境保持や職員確保は現場に丸投げという状況です。生活リズムが変わると様々な面での変調が出る子どもたちですし、そのリアルな現状も聞かせていただきました。働いている親もいるなかで、児童デイサービスを最後の砦のように頼っている現実もあります。

 一方で、感染を心配しての利用キャンセルもあります。利用料が日単位なので、その分の減収が見込まれます。基本の報酬が少ないために経営が大変ななか、今後の減収が見込まれては職員も確保できません。まさに緊急事態というのなら、国が経営面での保障を急ぐ必要があります。そうでなければ、新型コロナウイルスが終息したけど事業所もなくなっていたということになりかねません。

 「障害者福祉は人権保障の根本です」と鈴木さん。これまでの社会保障抑制・削減路線のためにギリギリの経営・活動だった医療・介護・福祉の現場に、いっそう無理がかかっていると痛感しました。「社会保障の現場には、人の手が必要なんです」という言葉も、しっかり重く受け止めたい。

 党のネットワークから寄せられた情報も整理しながら道や国へと反映させてきましたが、引き続き力を尽くします。

 【今日の句】あの議員 それで説明 いつするの

2020年3月2日月曜日

答弁が迷走と危うさと

 今日は休みをいただき、家で私が子どもを見ている番。札幌は土日も含めて4日目の休みで、小学2年生の子は時間を持て余し気味です。命と健康を守ることを最優先にしつつも、安定的な社会生活とするには様々な手立てが必要だと痛感です。

 そういうわけで家で国会中継を見ていると、一斉学校休校は専門家の意見も聞かないで安倍首相の独断であることも明らかになり、来年度予算に新型コロナウイルス対策経費は1円も入れないままなのに緊急事態条項は必要だと言い始めたり、安倍首相の勝手すぎる答弁が本当に腹立たしい。

 仕事を休めない親が多くいます。緊急を言うのなら、休業補償こそ早く具体化すべき。医療体制・検査体制の確保も急ぐべきだと、国会でも何度も指摘されてきたではないか。答弁を聞いていて、安倍首相の迷走と危うさが垣間見えた感じです。

 スーパーに行くと、マスクや消毒液はもちろんトイレットペーパーやティッシュペーパー、お米まで棚にない状態でした。不安が先立つのは、総理が会見で言っても信用されていないことの反映かもしれません。

 党道委員会でも対策本部を立ち上げ、これまでより密に国会とも連携していきます。明日も調査にまわります。

 【今日の句】何のため 専門家から 聞いてきた

2020年3月1日日曜日

総理は聞きたいことに答えていない

 それなりに歩いている方はいるものの、いつもより少なめな感じがする札幌市の中心街。命と健康を守りつつも、今後の雇用や経済への影響も心配になります。お困りごとがあれば、日本共産党へと遠慮なくご相談ください。

 今日は入党の呼びかけなどにまわりましたが、やっぱり話題は新型コロナウイルス。子どもにかかわる職場の方々だったので、「感染防止だからと学校は休校にして、保育園や学童保育は開いてもいいってどういうこと」など不満・不安の声も聞かれました。そういう点を昨日の記者会見でも聞かれなかっただけに、いっそう不満は高まっています。国民が聞きたいと思っていることに、総理は答えていない!

 安倍首相は「この1~2週間が山場」というものの、具体的な対策は10日ほどかけて実施へというのもずれているように思います。休業補償など事前に想定できたことだし、国会でも問われていたのですから、もっと早く具体的な検討はできたはずです。野党は予算の組み換え要求もしていたのですから。

 「安倍首相は本当にひどい」との話が止まりません。これまでもウソやごまかしを続けていただけに、さすがに今回の姿勢には腹立たしさが収まらない。私も同じ気持ちです。まずは現状をしっかりとらえて、国や道へと反映することに力を尽くしたい。重ねてですが、お困りごとがあれば遠慮なく日本共産党へご相談ください。

 【今日の句】質問にこたえず 何が責任か