2016年9月2日金曜日

国も道も、現場の要望をふまえて

 今日は南富良野町から新得町・清水町・芽室町へ。限られた時間ながら、台風の大きな爪痕を痛感。被害は本当に深刻‥‥。

 今日は紙智子参議・真下紀子道議・森つねと道国政相談室長と合流。

 あらためて南富良野町に入り、池部彰町長にお見舞いを兼ねて役場を訪問。

 忙しいなか対応してくださった池部町長は、わざわざ職員のみなさんにも私たちを紹介してくださいました。

 昨日から町を見てまわった感想として、人的被害が出なかったことが不思議なくらいの水害なのです。

 「水位の上がり方を見て、これは危ないと早めに避難するよう町民に呼びかけました。

 職員も夜中に、一軒一軒をまわって対応してくれました」

 町長さんも、ほぼ不眠不休の状態ですし、それでも住民の命を守る全責任を背負っている思いが、ひしひしと伝わってきました。

 あらためて町をまわると、昨日は気づかなかった被害の大きさが目に飛び込みます。

 避難場所となっていた町民センター「みなくる」の1階は土砂が流れ込み、地下の電気系統も水が流れ込んだため復旧の見通しがたっていません。

 「奥のガラスが割れたおかげで、水が抜けていきました。

 割れなければ避難していた2階まで水が来ると、屋上に上がる準備もしていました」

 職員さんの話の生々しさから、水流の強さが伝わってきます。

 住宅街をまわっていると、町職員と間違えたそうで「ちょっと、ちょっと!」と女性に声をかけられました。

 ここのお宅も床上浸水で、家のなかは泥だらけ。

 しかもガレージは土台からひっくり返り、車も隣家の電信柱まで流されて止まっていました。

 「夜中に強い雨音で目が覚めて、気がついたら水が迫っていました。

 テーブルに椅子を乗せて座ったまま、日が昇るのと水が引くのを待っていました」

 農地の被害を見に行くと、偶然、ふらの農協の組合長さんなどに会いました。

 ちょうど見ていた農地は麦・ニンジン・バレイショ(ジャガイモ)畑だったそうですが、ただの荒れ地にしか見えないほど、すべてが流失しています。

 この幾寅地区には420haもの農地があるとのことですが、かなりの被害を受けただけでなく、ポテトチップ工場も浸水して機械もダメになってしまったとのこと。

 農地の向こうを見ると、空知川の決壊場所らしきところも見えました。

 現場の被害の深刻さは、とても書ききれないほどです。

 一方でボランティアセンターが開設され、若い人が中心に泥出しなどに回っています。

 党としても、できることを急いで具体化していかねば。

 次に入った新得町は、JR新得駅近くで線路下の橋脚などが流されてしまい、線路が宙ぶらりんに。

 JR北海道は「復旧には1ヵ月以上はかかる」とのことですが、網走-札幌の石北線に、この区間の石勝線まで1ヵ月以上もJRが走れないことの経済的打撃は大きい。

 この崩落地域の少し上流からは、住宅2戸が丸々流されてしまいました。

 住んでいる方は避難していたため人的被害はありませんでしたが、避難生活が長期化することに。

 しかも、さらに1戸も土台の土砂が削れていて、このままでは住めない状況に見えます。

 断水が続いており、役場はトイレも水が流せません。

 町長室にはおにぎりなどもあって、ここでも不眠不休で町長さん先頭に職員ががんばっているのです。

 浜田正利町長とは、お忙しいなかで短時間のあいさつでしたが、心からのお見舞いと復旧へ力を合わせることを約束しました。

 清水町も断水が続いており、復旧の見通しが立っていません。

 高薄渡町長さんからは、住民への給水とともに「主力産業の畜産に必要な水を確保できていない。タンクと発電機」と具体的な要望が寄せられました。

 国の支援についても、いろいろ条件を課すようなものではないように、との要望も。

何しろ現場に行って理解しましたが、ペケレベツ川の氾濫で橋が崩落、住家(職員住宅とのこと)が川の真ん中にもあり、流木が散乱、200~300mほど岸壁がえぐられて言葉にならないほど甚大な被害なのです。

 加来良明・町議会議長さんからは「年単位の復旧になるでしょう」との話があり、清水町は全部で7本の橋が陥落・崩落しているのですから深刻です。

 芽室町では、宮西義憲町長さんが現場をまわってこられた後にお会いしました。

 芽室町はライフラインは回復してきたとのことですが、酪農家での水の確保という清水町と同じ課題を抱えていましたが、農協との連携でタンクなどの確保に努めているとのこと。

 浸水被害を受けた地域で、床上浸水は免れたものの「車庫が全部ダメ。車もダメだろう」という男性からお話を伺いました。

 夜に息子さんから「避難を」と呼びかけられて、息子さんの車に乗ると、すでに水が迫ってきてたと言います(ちなみに息子さんの車もダメになったとのこと)。

 避難所に行って、水が引いたころに戻ってみれば、家の周辺は泥がどっさりと積んだような状態だったそうです。

 「床下浸水とか、どうしたらいいんだい」とのことで、泥が残っていれば臭いも病気も心配になるし、畳をはいで見てもらうことをお伝えしました(町としても消毒などをする予定になっていますので、合わせてお伝えしました)。

 町としての広報もおこなわれていますが、きめ細かい情報の発信が大事とも実感です。

 ここに書いた実態は本当に一部で、被害の全容と詳細な要望は今後まとめられていくと思いますが、災害救助法が適用されましたので住民支援を自治体が先頭に進めてほしいし、北海道の果たす役割も大きい。

 国からも国交省職員などが現地に入っていましたが、財政面も含めて、さらに実態に見合った支援ができるよう私たちも反映させていきたい。

 1自治体が広い面積を持つ北海道では、今いる職員では手が回らないし、財政面での支援は不可欠です。

 岩手県での被害も深刻さを増しており、党議員団でも対策本部を立ち上げましたので、しっかりと要望としてまとめたいと思います。

 まずは人命最優先、生活最優先に!

 今日 少しでも 明日の光が 見えるよう

2016年9月1日木曜日

想像を超える台風被害

 夕方に到着した南富良野町。自動車や牧草ロールが流され、はがれたアスファルトも散らばり‥‥復旧には政治の力が必要と痛感しました。

 写真で話をしている女性は、農産物処理加工センター職員の方。

 ここは3セクで運営されていて、真空パックの「じゃがバター」など地元産を使った食品を加工しているところです。

 少し土地も低いため、まだ水も引いていません。

 今日は事務所で泥だらけになった書類やロッカーなどを片付けたそうですが、「加工済みの商品も、真空パックにする機械も、水びだしになってしまいダメだと思います」とのこと。

農業で成り立っている町ですから、そもそも農産物の被害も痛手ですが、加工・流通部分も被災していれば町の経済・雇用に打撃になることでしょう。

 先ほど紹介した牧草ロールも、川の上流側の酪農家から流れてきたものでしょう。

 見たことのない方には想像できないでしょうが、これを人力で転がすことさえできない大きさのロールが、なぜが町の中心街まで流されているのです。

 もちろん北海道にいる私も、こんなこと初めて見ました。

 酪農だけでなくタマネギやニンジン畑もある地域で、道路の端に流されたニンジンを見つけると胸が痛みます。

 話は戻りますが、このセンターを見るとポスト受けまで泥が流れ込んだ跡があります。

 「私の家は浸水を免れましたが、近くに住んでいる方は自宅の後片付けもあり大変だと思います。

 向こうの農家さんも、ほとんど畑がダメになったようです」

 ただ川の水が流れてきただけでなく、上流の流木や砂利も流れてきており、確かに農地だったとは思えないほど何もありません。

 消防団という男性にも、話を聞くことができました。

 この男性の奥さんが、避難所に置きっぱなしにしていた自動車の様子を見にきたところということです。

 しかし、見つかった車は避難所から約100mほどの地点。

 フロントガラスにひびが入り、泥まみれになっていてエンジンがかかるのかどうかもわかりません。

 写真は、その方の自動車とは別のものですが流木が車内に突き刺さり、ここに人が乗っていたらと思うとぞっとしました。

 「南富良野町に来て20数年だが、空知川は暴れ川というが、こんな水害は初めてだ。

 このまわり(※自動車が流されてきた地点)は、2m近く水が流れてきたのではないか」

 想像もできないほどの水害だったと、話を聞いて実感しました。

 確かに今は、どんな災害が起きるか想像できない時代でしょう。

 しかし、これほどまでの水害が起きるとは誰もが考えていなかったし、それは堤防の高さからしてそうなのですから住民の責任ではないと思います。

まして空知川は、台風が通過するだろう道南地方とは違うわけですが、反時計回りの台風の東側では豪雨も起きうるという現象と、これまでの大雨で山林も保水能力を超えてしまったために起きた水害だったと思われます。

 明日は紙智子参議・真下紀子道議と合流して、あらためて南富良野町と十勝管内にも足を運んで実態を調査します。

 今の時点は後片付け中心なので、被害の全容が判明した時点で正式な要請はしたいと思いますが、緊急的な要望は明日もお聞きして政府に反映していきたい。

 とにかく今は、二次災害を含め、これ以上の被害が拡大しないよう祈るばかりです。

 日が暮れると片付けも終わり、避難所などへ戻られたようですが、災害救助法も適用されましたので必要な物資は道・町とも遠慮なくドンドン入れてほしいと思います。

 今日 補正予算 被災地こそ 優先を

2016年8月31日水曜日

被害の把握と支援を

 台風被害へのお悔やみとお見舞いを、心から申し上げます。日本共産党は小池晃書記局長を本部長とする、台風災害対策本部を立ち上げました。私も明日、南富良野町へ行く予定です。

 岩手県で亡くなられた方が多数出ており、心からお悔やみを申し上げます。

 行方不明となっている方が、無事であることを心から祈っています。

 被災・避難されている方に、お見舞い申し上げます。

 岩手県には高橋千鶴子衆議・岩渕友参議が、北海道には私と紙智子参議が、明日以降に足を運びます。

 遅くなりましたが災害対策本部は、本部長:小池晃書記局長、副本部長:高橋千鶴子衆議・紙智子参議・岩渕友参議、事務局長:畠山という体制です。

 岩手県でも北海道でも多くの自治体に被害が広がっており、全容の把握には時間がかかりそうです。

 今の時点では人命最優先で、避難所においても必要な食料・寝具などがきちんとあるようにすること。

 北海道では、災害救助法の第4号基準も適用されました。

 雨が上がっても、山林に溜まっている水が引き続き流れてきますので、各自治体の情報にもとづいて安全な行動を。

 高齢者や障害者などに情報が十分に行き渡らない場合がありますので、お気づきであれば該当する方にも声をおかけください。

 救助など不眠不休でがんばっているみなさんも、二次災害なども含めてお気をつけください。

 これ以上、被害が広がらないことを願うばかりです。

 【今日の句】 まず命 最優先で 行動を

2016年8月30日火曜日

党道議団と政府交渉(2)

 先日の政府交渉での要望は、9府省庁へ37項目。道内の要望をふまえ、党道議団が道議会で取り上げてきたものが中心です。

 いくつか、要望項目と答弁の特徴を紹介すると--

 【防衛省へ】高校生等の就活ルールから逸脱する就職勧誘はただちに中止し、民間企業と同様のルールに則っておこなうこと。
  (答弁)自衛隊法29条にもとづき適切におこなっている。少子化が進むとともに、景気が回復して民間就職が増えるなか、各地域で熱意を持って募集しているものと理解している。

 必要な募集ということを理由に、際限なく何でもやっていいという答弁だ。道教委からも意見が上がっていることを受け止めるべきだと、交渉団からは強調。

 【文科省へ】学校施設環境改善交付金について、申請している全市町村の要望に応えられるようにすること。特に、危険改築7件、不適格改築5件などを優先して予算を付けること。
  (答弁)8月5日に閣議決定された経済対策をふまえ、補正予算にも1407億円を計上したところ。子どもの命を守り、災害時は避難場所となるだけに、現状については認識している。

 計画的に改築ができるよう、本来は当初予算で措置していくべきもの。耐震化工事が進むよう、国が早く対策をと再要望。

 【国交省へ】JR日高線を早期に復旧すること。
  (答弁)持続可能な方法の協議を進めている。どのような交通機関とするか、地域の議論が進むように協力していく。

 昨年から復旧が進まず、現地から「切り捨てか」の声が上がっていることも述べつつ厳しいやりとりに。議論は平行線ですが、くり返し要請をしていくことも強調。

 【厚労省へ】地域集中暖房の公営住宅に入居している生活保護世帯のうち、病気や障がい等により常時在宅の世帯や、乳児のいる世帯に対する「特別基準」を継続すること。
  (答弁)集中暖房は切ったり点けたりをできないもので、昨年は特別基準を設けることとした。関係自治体で、方策の検討をまずは行ってほしい。

 集中暖房を点けっぱなしにすれば費用がかさむため生活保護世帯には負担増となるのに、昨年の国の運用見直しがあって起きた事態。市が何とか考えろというのでは無責任と、あらためて継続を要請。

 --このように終日、各府省庁と交渉をおこないました。

 一度の交渉では解決しない問題もあり、国会での質問や再度の交渉などで迫っていくことになります。

 私自身は候補活動を始めたころ、このような交渉にも参加して「国は、どこまで実態を受け止めて検討するのかな」「野党の要望だからと、正面からは受け止めないのかな」と感じたこともありました。

 しかし、くり返しの要望と、何より地元や全国の世論と運動が高まることで事態が動くこともあるわけです。

 今回も給付制奨学金の要望をおこないましたが、数年前までは前向きな答弁などなかった項目です。

 それが今や「有識者もふまえて具体的な検討」を進めている段階というわけですから、粘り強く訴えることが、やっぱり大事なのです。

 道議団を中心に、要望の内容はまとめられると思います(ぜひホームページも、ご覧ください)。

 台風10号が東北・北海道地方を襲っています。

 大きな被害が出ないことを祈るばかり‥‥。

 【今日の句】 まだ議席 増やして声を 届けなきゃ

2016年8月29日月曜日

党道議団と政府交渉(1)

 今日は党道議団と各省庁への要望で、紙智子・岩渕友の両参議とともに。調査をふまえて台風被害対策を重点に要望しました。

 全体の要望項目は9府省庁へ37項目ですが、詳しくは明日にまとめます。

 もともと予算要求などに合わせた日程ではありましたが、1週間に3つもの台風が押し寄せる被害に対しての支援を要望しないわけにはいきません。

 台風被害対策も主に農漁業分野に絞り、要請には塩川白良危機管理・政策評価審議官が対応されました。

 申し入れの内容(主旨)は、以下のとおりです。

-----------------------------
  今般の台風における北海道の農漁業被害対策に関する緊急申し入れ(案)

7号、11号、9号と、相次ぐ台風の直撃を受けた北海道では、河川の氾濫、住民の避難や床上・床下浸水、土砂崩れによる道路の寸断やJR石北線の路盤の崩落など、深刻な被害が発生している。とりわけ収穫期を目前に控えた畑の冠水等による農作物等への被害は甚大であり、被災状況の把握と農地の復旧等、迅速な対応が求められている。
よって、この間の現地調査を踏まえ、緊急に以下の点を申し入れる。


○全面的に農地が崩壊・流出するなど、被害の状況はきわめて深刻である。冬が来る前に復旧しなければ来年の作付に影響を及ぼすだけでなく、営農意欲の減退にもなりかねない。農地の復旧に当たっては、あらゆる手続きや工事などが速やかに進むよう、財政面も含めて万全の措置をとること。
○関係機関と協力し、経営支援はもとより技術指導などきめ細かい対応をおこなうこと。

○被害の全容把握を急ぐとともに、共済金の支払いを早期におこなうこと。また、共済の対象から漏れる作物等については、国として適切な措置を取ること。

○畜舎などで病気が発生しているとの報告もある。国として情報収集を急ぐとともに、万全な体制を持って対応にあたること。

○シカ防護柵の設置など急を要する対策には、既存事業の柔軟な活用も含めて迅速に対応すること。

○海が荒れたことで昆布が根から流された恐れが指摘されている。漁業被害に対する調査を急ぐこと。

○農・漁業施設、農機具等の修繕・改修など、現場の要望にこたえて支援をおこなうこと。
                                     以上

-----------------------------  塩川審議官も昨日、北見・十勝管内の調査に回っていることもあって「タマネギの腐敗したにおいに驚きました。農地の復旧は、雪が降る前までにできるよう、査定前着工の仕組みを周知するなど早急に対応したい。生産者の皆さんの来年への生産意欲がそがれないよう対策を急ぎたい」と述べました。

 他にも共済の支払い、病気などへの対応など、全般的に応える旨の回答でした。

 各議員からも、これまでブログなどに書いたような内容を伝えるとともに、引き続き全容が明らかになるなかでの対応を重ねて求めました。

 今度は台風10号の影響が心配です。

 すでに西日本では雨が強くなっているようですし、関東・東北地方に上陸となれば昨年の常総水害をどうしても思い出します。

 自然の猛威を止めることはできませんが、できる限り被害を小さくするのは人間の力でできること。

 引き続き被害の実態をつかみつつ、政府へ反映させていきます。

 【今日の句】 いるのなら カミナリ様よ もうやめて

2016年8月28日日曜日

言葉を失うほどの被害だった

 想像以上の被害に驚くばかり。北見市(常呂・留辺蘂・端野)をまわると、見渡す限りタマネギ畑のはずなのに何も残っていない!

 北見市の調査には、紙智子参議・宮川潤道議・森つねと道国政相談室長と、地元から菊池豪一・熊谷裕の両市議でおこないました。

 北見市街から常呂へ向かう道のりは、ちょうど常呂川と並行していく部分があります。

 いくつか越水したと思われる地点があり、隣接する農地には荒れ放題。

 常呂で視察したタマネギ畑は流されずに浸水したところでしたが、車から降りた途端に腐敗が進んでいるにおいが鼻に突き刺さるほど。

 「水に浸って触るとブヨブヨしますよ」と説明も受けましたが、こんな現状もにおいも初めてです。

 亡くなられた一関大さんへ献花をと足を運ぶと、ちょうどお父さんがいらしていました。

 お悔やみと「同じようなことがくり返さないよう、私たちも力を尽くします」とを述べました。

 言葉少なく頭を下げられるお父さんの姿に、本当に胸が痛む思いでした。

 現場は、川が氾濫した場所からも随分と離れていて、晴れたときなら「ここまで水が来るのか」と驚くほどの場所。

 あらためて水害の恐ろしさを実感しました。

 留辺蘂でも、無加川が氾濫してタマネギ畑に流れ込み、ちょうど市道がグルッと囲む形だったためダムのようになり、砂利や流木も運ばれてしまいました。

 排水溝では追いつかず、もう水が溜まりきれなくなったところで市道が決壊し、真っ二つになったのが写真です。

 この後ろ側には、すでに収穫済みのタマネギコンテナや、太い排水管なども流されているのです。

 畑も、ただの荒地同然で、ガードレールにタマネギがぶら下がっている状況に言葉を失います。

 ここまでなると土地をすべて入れ替える必要があるのですが、水も引かなければ作業もできず、冬が来る前に改良できなければ来年の営農に間に合いません。

 実は、常呂川に流れるいくつかの川の1つが、この無加川。

 上流部で大きな被害を出すほどの雨量が集まり、常呂川に結集したというのですから被害が甚大なのも当然です。

 それを再認識したのが、次に足を運んだ端野地域。

 見渡す限りの畑--というのが、北海道を知る人なら頭にイメージで浮かぶでしょう。

 しかし、その畑が見渡す限りないのです。

 見える範囲だけでも10数haあるでしょうか、写真を並べますが左右どこを見ても畑の痕跡はわずかです。

 実際に農家の方から話を聞くと「今の代になってからは、これほどの被害は初めて。早く水が引かないと流木も取り除けない。改修作業ができる、これから2ヶ月ほどが勝負です」と、支援の要望もいただきました。

 共済の早期支払いなども要望したいと思いますが、時期だけでなく中身の検討も必要だと思います。

 農業土木関係も、早めの見積もりと国や関係機関からの支援を組み合わせて、来年の営農にまで間に合うような対策を進めなければなりません。

 今もって被害の全容は把握中ですから、そのこと自体が急がれます。

 北海道で様々な被害を見てきましたが、これだけ面的に被害を受けた現場は、私も初めて見ました。

 高橋知事が激甚災害の申請も検討と報じられていますが、当然のことと思います。

 週明けに、私たちも政府への要請をおこないますが、つかんだ情報をもとに二度三度と反映させていきたい。

 新たに発生した土砂崩れで不通区間がある羅臼町や、石北線・日高線が不通となっているJR北海道の問題もあります。

 視察後に、わずかな時間でしたが石北沿線ふるさとネットワークのみなさんとも懇談し、地域づくりと合わせたJR活性策と、国・道の果たすべき役割について意見交換しました。

 何より1ヶ月以上かかると言われる石北線も、早期復旧できなければ生活・産業・交通の面で被害が膨らんでいきます。

 この間の調査内容をまとめ、しっかり政府に訴えたいと思います。

 【今日の句】 この土地が 命を支えて きたのだと