2020年2月15日土曜日

もう我慢も限界

 「いのちとくらしを守れ!北海道総決起集会」も早や9回目。人権保障に反する全世代型社会保障をやめさせよう!と、意気高い集会とデモパレードになりました。主催は消費税廃止北海道各界連絡会/北海道高齢期運動連絡会/介護に笑顔を!北海道連絡会/北海道社会保障推進協議会です。

 記念講演は「尊厳をもって地域で生きる」と題して、金沢大学名誉教授の井上英夫さん(日本高齢期運動サポートセンター理事長)がおこないました。「基本的人権に対しては『支援』ではなく『保障』なのです」「自民党の憲法改定案で97条を削除しているのは、国民のたたかいを恐れているから」など、人権としての社会保障を確立するうえでの課題を明確にされた講演でした。

 国連の原則や北欧社会の到達点なども紹介されて、あらためて日本政府の遅れを痛感させられます。国民から「生活保護が高すぎる」などと出される声も、生活保護基準が高いのでなく賃金や年金が低すぎることが問題で、曰く「劣等処遇意識の克服」も必要だと井上さんは強調されました。人権保障に向けた世論と運動を高めなければいけないですね。

 各分野からのリレートークで、いのちとくらしが脅かされている現実が浮き彫りにもなりました。消費税増税による景気後退もあり業者の廃業も出てきていたり、職場でも「最低賃金のためフルに働いても月13万円」(清掃業)や「夜勤をしても手取りで月20万円を超えない」(介護職)といった状況は改善されていません。年金や生活保護の削減で人間らしい生活にほど遠い現実や、高すぎる国民健康保険料が払えず命にかかわる実例も告発されました。

 公立・公的病院の再編統合や、介護現場での人手不足と相次ぐ施設閉鎖で、安心してくらせない地域が広がっている北海道。ケアマネさんの「給料が安くても、介護の仕事が大好きで続けている仲間がいる。支えるために介護報酬の引き上げを」との必死のスピーチにグッときました。ムダな大型開発や米国からの戦闘機爆買いよりも、くらしを守る現場にこそ最優先に税金を!

 冷たい風が強く吹く中でも、終了後のデモパレードには多くの方が集会からそのまま参加されました。シュプレヒコールの声も、ひときわ大きい。参加者一同で確認した「集会アピール」の「もう我慢できません!」との怒りが共有されていたと感じました。

 生きることで精一杯なのは、あなたの責任ではなく政治の責任。さらに苦しめる安倍政権を、市民と野党の共闘で何としても少数に追い込もう。熱い思いを確認しあった1日でした。

 【今日の句】人権が 何かを総理 知ってるか

2020年2月14日金曜日

等しき人間として

 諸々の合間に、札幌市民ギャラリーで開かれていた在日朝鮮学生美術展に足を運びました。展示は今日から16日16:00まで。北海道から九州まで全国11ヵ所を巡回する、年に一度の美術展です。

 この美術展の特徴は「自分の言いたいことや日々の出来事で感じていることを、画面からはみ出るのも気にせずのびのびと表現されているかどうか」「それを『上手さ』『巧みさ』よりも大切にして、入賞の決め手にしている」ところにあります(案内チラシより)。今回で48回を重ねる歴史ある美術展なのです。

 チラシの言葉どおり、力強さや表現力、ユニークさにアピール力ある作品が次々と! 低学年の作品は画法などよりも、その思いきりさが見ていて気持ちいいほどです。それが学年が上がるごとに緻密さが増していったり、アピールに社会性を帯びてきたりと目が奪われるほどの作品も。

 会場には朝鮮学校幼稚園にも「幼保無償化」を求める署名コーナーもありました。インターナショナルスクールなどもあわせて全国の各種学校88校が「幼保無償化」から除外されています。同じ日本社会に住む子どもたちであり、消費税だって等しく払っています。新たに差別を助長するようなことは許されません。

 これまでも朝鮮学校に対する差別はくりかえされてきました。今回の作品にも、その問題を取り上げているものもありました。不条理や理不尽さを乗り越えて、人間としての等しさを掘り下げた作品の数々でした。冷静に考えるべきは日本社会の側であり、その大きな責任は日本政府にあります。

 札幌近郊の方ということになるでしょうが、ぜひご覧いただきたいです。草の根での交流と友好を広げていきたいですね。

 ところで北海道朝鮮小中高級学校の校長先生にあいさつしていると、近づく1人の高校生の姿が。「●●(娘の名前)のお父さんですか」と言われて顔を見て、すぐ気がつきました。娘が保育園で同じクラスだったY君のお姉ちゃん! Y君には保育園で私もよく声をかけていたこともあって、お姉ちゃんも知っていたのです。覚えていてくれたことも、元気な姿であったことも嬉しかったです。

 【今日の句】草の根の交流 きっと実を結ぶ

2020年2月13日木曜日

持続可能な社会をめざすなら

 今日は党道委員会を代表して、北海道農民連盟の定期総会へ。過剰なまでの大規模化や企業化への反省から、国連では「家族農業の10年」が始まりました。日本の農政も転換が迫られています。

 来賓あいさつ前に、総会の名で「特別決議」も確認されました。安倍政権による「食の安全に係る規制緩和や農業を犠牲にした農産品の際限のない自由化」を批判し、「我が国の食料安全保障が脅かされている」と強調しています。食糧主権を守ることと「家族農業など多様な農業の存続と持続可能な農業の実現、農村の再生を図る基本農政の確立」を求めてもいます。

 国連の資料によれば、地球上で食料の3分の1が廃棄されています。実に20億人分に匹敵します。カロリーベースで食料自給率37%しかない日本でさえ、食品ロスは646万トン=国民1人あたり約50kgです。それなのに今年1月に発効された日米貿易協定など、日本政府は農産品輸入拡大を続けてきました。チグハグどころか浪費の拡大です。この流れに歯止めをかけなければなりません。

 多くの農家は生産手段を持っています。自分が生きるためだけの生産だってやればできるわけですが、おいしいものをつくりたいという熱い思いと、国民への食料の安定供給や地域社会・地域環境を支えている誇りをもって農業を営んでいます。持続可能な日本と地域社会をつくるなら「農家が一番活躍しやすい国」こそです。どの農家も10年20年と続けてほしいと政府が本気で考えているのなら、価格保障・所得補償に力を注ぐべきです。

 しかし安倍首相がめざすは「企業が一番活躍しやすい国」。国際的な流れにも反する農政では、結局は国民が苦しむことになりはしないのか。日本共産党もいっしょに農政転換へがんばる決意も添えて、私から連帯のあいさつをおこないました。

 国会は安倍首相のヤジによって空転。「意味のない質問」などと言う前に、納得ある答弁をするのが総理の責務というものではないのでしょうか。そもそも国民の代表たる国会議員の質問を「意味がない」などと断じること自体が許されません。

 【今日の句】食卓で 農家・漁師の 顔うかび

2020年2月12日水曜日

継続した復興・復旧支援を

 胆振東部地震から1年5ヵ月が過ぎました。むかわ町・安平町に足を運んで、見通しが持てず「心のケア」が必要とされている現状などをうかがいました。まだまだ傷が深い現実を痛感しました。

 むかわ町では、竹中喜之町長が時間を割いてくださいました(なお、竹中町長さんがマスクをされているのは鼻風邪とのことです)。住宅など大型事業の発注が進むときに、土木分野はじめ人的支援が引き続き必要とされています。冒頭の「心のケア」についても「年代を問わずに必要とされているし、単年度で心が落ち着くものでもありません」と、事業の継続性を述べておられました。

 いろんな課題はありつつも、若い世代が前を向いている話やカムイサウルス・ジャポニクス(むかわ竜)と全道恐竜博などの話題性も含めて、交流人口の増加と地方創生を進めたいとの話もうかがいました。住民生活から町づくりまで、きめ細かい施策を支援する必要性を学びました。

 鵡川漁協では「町の販路開拓支援事業がありがたいです」との話も聞きました。魚種や漁期が異なる北海道各地の特性をふまえた支援のあり方も、流通過程も含めて検討が急がれています。力のいる仕事です。北村修・むかわ町議と伊藤富志夫・厚真町議(鵡川漁協には浜厚真の漁師もいるのです)とで、しっかり学びました。

 安平町では、地震を機に解体する町営住宅からアスベストが見つかったことから、住民から不安の声があがっています。三浦恵美子町議が議会でも質問し、対策費用も積んで解体工事が始められています。町役場で状況を聞いた後に、住民懇談会でいろんな思いをうかがいました。

 町は解体工事中の飛散防止対策を、最も高いレベル1相当で進めるとしています。この数年、国からのアスベスト対策にかかわる通知なども出されていて、地域では住民説明会もおこなわれてきました。それでも住民から不安が出るのも当然ですし、情報の公開も必要です。同時に職員数の限りがあるなかで、道や国などのやれることを拡充していけないかとも思いました。

 安平町は小中学校の改築も控えています。人口減少が進むなかで学校はじめ公共施設の建て替えには、どの自治体でも財政面を含めて苦労しています。加えてアスベスト対策です。懇談会では「町内の他の施設は大丈夫なの」との心配も出され、調査と把握を進める体制も必要となるでしょう。

 地震を機に、国と地方自治体の関係については私も多くを学びました。町の歴史や産業構造、住民のコミュニティづくりなどをふまえた復旧・復興の道筋は自治体ごとに違うものだと、つくづく感じもしました。道や国へ反映させるうえでの宿題もいただいたので、しっかり役割を果たせるようにしたいです。

 【今日の句】復興は 五輪で終わる ものでなし

2020年2月11日火曜日

本当の民主主義国家なら

 もともとは天皇神格化の「紀元節」を復活させるべく、佐藤栄作政権時に定められた今日の「建国記念の日」。憲法改悪や軍国主義復活の意図と結びついた制定に、日本共産党は反対してきました。

 それから54年、あけすけに改憲を狙っている安倍首相。しかし世論調査では、立憲主義・平和主義・民主主義を壊してきた安倍政権の改憲には反対が多数です。強引な改憲などできないはずですが、それでも突破しようとするなら市民と野党の共闘で安倍政権そのものを終わらせるしかありません。

 安倍9条改憲NO!全国市民アクションが、安倍政権による改憲発議に反対する全国緊急署名を始めました(こちら)。日本共産党としても1000万人を目標にすることを、小池晃書記局長が会見で述べています。ご協力いただけるよう、お願いいたします。

 ところで今日は、札幌はじめ全国40都道府県でフラワーデモがおこなわれました。

 国会では先月、選択的夫婦別姓制度を求めた質問に対して自民党の議員から「だったら結婚しなければいい」とのヤジが飛びました。これがジェンダーギャップ指数で153ヵ国中121位という日本の現実なのだと、腹立たしくもなりました。政治家からの女性蔑視発言も、これまで何度、自民党を中心になされてきたことか。

 戦前の男尊女卑や、個人を国家へ従属させようとすることを当然視するような政治を変えなければ。性による差別や暴力、分断のない日本を。私も力を尽くしたい。

 【今日の句】めざすのは 自分が自分で いい社会

2020年2月10日月曜日

検察人事へも怒りの声

 宣伝などで朝・昼・夕と街頭に立ちましたが、厳しい寒さが続く北海道。街ゆく人の足取りも早いのですが、立ち止まって声をかけてくださる方も。「畠山さんでしょ。聞きたいことがあるけど、いいですか」とは、昼の原発連の宣伝のときでした。

 この方いわく「あの定年延長って、法律違反じゃないの?」。2月8日に定年年齢となる黒川弘務・東京高検検事長の定年を延長すると、政府が閣議決定したことへの疑問と怒りでした。報道によれば、次の検事総長に黒川氏をと官邸が希望しているとのことです。

 なぜ黒川氏か--官房長や法務事務次官として内閣を支えたことへの論功行賞や、検事総長人事にも聖域なく介入するという強い政治姿勢の表れなどと推測も流れています。いずれにしても異例のことで、定年を定めている検察庁法に反するのではないのか、という疑問なのです。

 これまでも政界の汚職や腐敗に厳しく切り込んできた検察は、政治から独立した存在であるべき。このような人事は、安倍政権による政治の私物化そのものです。今日の国会では立民・山尾議員が質問したようですが、法律に反するようなことを平気でおこなう政権など本当に許されない。

 森法相は定年延長の理由を「重大かつ複雑、困難な事件の捜査、公判に対応するため」で、国家公務員法にもとづく措置としていますが、複雑で困難な事件とは何かを示しもしませんでした。違法・脱法の疑いが強い定年延長なのです。

 「本当に今の政治はひどい。応援しているから今度はがんばって」と激励までいただきました。原発の話は一言も交わしませんでしたが、ともあれ安倍政権へのでたらめさに怒りが強まっていることを肌で感じました。期待に応えられるよう、私もがんばらねば。

 夕方は「北の鉄路存続を求める会」の宣伝と「いちの日」行動。あいにくの雪でしたが、10年ほど前の「いちの日」行動ではこれ以上の降り方だったことを私が話すと、国鉄闘争を経験してきたSさんからは「今年で『いちの日』行動も30年目となりました」とも。これほどの雪には負けられないんですね。あらためて「いちの日」行動の歴史の重みをも実感しました。

 【今日の句】もうガマンしないと 声があふれだし

2020年2月9日日曜日

元気が出た音更赤旗まつり

 今年で45回目の「音更赤旗まつり」は、手品や帯広民商の志子田会長オンステージなど大いに盛り上がりました。手作りの煮しめやカレーなども毎年いただくのですが、しっかり今年も胃の中に収まりましたよ。

 どこも昨夜から寒い北海道。例外なく音更町でも「うちは-26℃だった」とか「車の温度計では-30℃だった」(これは芽室町の方)など、私も体験したことがないような冷え込みだったそうです。昨夜のうちに帯広市に着いた時でさえ、寒いというより凍った空気に包まれたという感じでした。

 それでも会場には100人を超える方が足を運んでくださり、後援会長さんによる歌のあいさつから始まって私も一言あいさつ。終わった後に握手へまわると、やっぱり「桜」疑惑に誰もが怒っていて「今度は必ず国会へ送るからね」など、あたたかい激励もいただきました。

 志子田会長のオンステージですが、谷村新司→井上陽水→玉置浩二→沢田研二と衣装やかつらを取り換えながらの熱唱に会場も大盛り上がり。志子田会長が歌ったCDは聞いたことがあったものの、ステージはそういえば初めてだったかも。最後は会場が一体となって「上を向いて歩こう」が歌われました。

 閉会あいさつで道農民連代表も務める山川秀正町議が、町内のブロイラー農家が離農してしまったことを述べられました。食料品の消費税は8%据え置きでも肥料はじめ生産資材は10%で、その分は農家が払うために経営が大変になってきているのではないかとの話でした。

 消費税増税が、こうやって地域経済や地域産業の体力を奪っているのだと痛感しました。加えて新型コロナウイルスの影響もあって、十勝川温泉でもキャンセルが相次いでいるそうです。

 北海道の各地で、安倍政権のもとで生活の基盤が壊れてきていることを感じます。あらためて早く変えたいと思った1日でもありました。

 【今日の句】この時期は 冷蔵庫でも あたたかい