2020年5月30日土曜日

顔を合わせることの喜び

 一気に夏のような気温の北海道。車の窓を開けながら、今日は札幌北区をまわりました。だんだんマスクが蒸れてくるので、これからの季節は大変ですね。

 相手の了解のもと後援会員さんなどを訪問すると、あちらこちらの庭先や玄関先でジンギスカン! この時期は道内各地で見られる光景ですが、自粛が長引いてきた分だけ、せめて自宅で楽しみたいという方も多いのかもしれませんね。

 お困りごとがないか聞いてまわると「休みが続いて、ようやく来週から仕事」「持病があり外出を控えていて、昨日、4ヶ月ぶりに散髪へ行った」「病院に行くのも心配で、薬もまとめていただいた」など、生活のご苦労が次々と語られます。「早く収まってほしいね」との言葉に、実感も込められていました。

 安倍首相への批判や、日本共産党への叱咤激励もいただきました。「検察庁の件はひどすぎる。あんなやり方は、現場は納得しない」とは元公務員の方。「困っている子どもたちのことなど、何も考えていないのではないか」とは、吹奏楽の支援をされている方。あきれているというより、もう本当に任せられないという思いが伝わってくるのです。

 今日も実感したのは、こうやって地域でコツコツと結びつきを広げてきた支部と後援会のみなさんの力です。会うことがためらわれる時期ではありますが、やっぱり顔と顔を合わせることは大事だと思いました。公明党支持という方も含めて「しんぶん赤旗」をお読みいただける方が増えたのは嬉しい限りです。

 明日も気温は高めのようですが、私も健康の過信をせずにがんばります。

 【今日の句】いつもなら 運動会の 時期なのに

2020年5月29日金曜日

政治は身近なところから

 今日は路上生活者への支援をと、夜回りなどを続けている「労働と福祉を考える会」(労福会)との懇談。先日、札幌市へ要請したという「路上生活者の住民登録」から話は始まりました。

 労福会は結成されてから20年。立ち上げ時から力を尽くされていた、今は亡くなられた北大の椎名教授にお会いしたことを思い出します。世代が変わっても、生存権が保障される国と地域づくりへの視点は変わらないまま活動されています。

 さて、その住民登録の件ですが、もちろん路上生活者も1人10万円の特別定額給付金を受けることができるのですが、その際に必要とされるのが住民登録です。しかし居住地を持たない方々ですので、自治体として特別な対応をと労福会は求めているのです。

 今回の給付金は自治事務とされています。例えば道内でも東川町では、国の決定より早く町の持ち出しで現金を手渡しで支給しました。地方自治体としての裁量でできることがあるといえます。この住民登録の件だけでなく、DV被害者などへ個別に支給することも可能なはずです(実際に、このような事例の相談中です)。

 路上生活を自己責任ととらえる風潮もありますが、突然の派遣切りなどで職と住居を同時に失ったり、生活苦を背景に転居通知を出したまま誰にも知られないように住民登録していないなど、社会的困難を背景にした方も少なからずいます。もちろん生活保護へと進む方もいますが、それをも拒まざるを得ない事情を抱える方もいたりします。

 今回のコロナ禍で、あらためて1人ひとりの生存権を政治が保障することの大切さを私は学びました。労福会には大学生もいるのですが、学生支援の話題になった際に「実は僕の先輩が、アルバイトの減収で生活と学業が続けられずに退学しました」との話が飛び出しました。政府は第2次補正予算で学生支援を盛り込んでいますが、もっと早く実現できていればと悔しい思いが湧いてきました。

 「相談しても仕方ない」と思っている方は、きっと多いはず。そういう方に日本共産党はじめ、多くの方が相談にのり力になることができるのだと伝えていかなければと痛感しています。先輩から「政治は身近なところから」と教えてもらったことを思い出しました。そうでなければ、国民の声をいかした政治など実現できません。身近なところから国民主権・民主主義です。

 道内には179市町村があり、530万人を超える方が住んでいます。北海道にいる者として、しっかり地域と道民に責任をもった活動をしなければと、今日も話を聞くなかで強く感じた次第です。

 【今日の句】道内の すみずみにまで 目を向けて

2020年5月28日木曜日

生きる権利の保障を

 「本当に10万円を受け取れるのかと、疑心暗鬼の方も多い」--いろんな心配が出るのは生活保護攻撃が続いてきたことの裏返し。北海道生活と健康を守る会(道生連)にて、宮川潤道議と話を聞いているなかで出された言葉です。

 くらしの制度をよくするために活動してきた道生連。「高すぎる国民健康保険料が払えない」「生活保護を使いたいが、どうしたらいいか」など、市民の相談にも応じてきました。コロナ禍で広がる道民の苦境に応えようと、24000枚のチラシを手渡したり配ったりするなかで、次々と相談が寄せられているといいます。

 この間で多かったのが、冒頭の1人10万円の定額給付金にまつわる相談でした。生活保護利用の会員からも「収入と認められるのでは」と心配が寄せられたといいます。爪に火をともすような生活をしているもとで、収入が増えたことで保護費が減ってしまえば、困窮が増してしまうからです。以前の生活給付金がそうでした。

 「収入が減った、仕事が減ったなど現役世代の相談が多いのも特徴です」と三浦誠一会長。広がる生活不安を背景に、政府も生活保護の審査を簡素化する通達を出しているため「以前よりは受けやすくなっています。これまでの要件や面接が厳しかったので、ここから後退させないようにすることが大事です」と述べられました。

 今は緊急貸付や給付金もあり、何とかしのいでいるという方も多くいると思われます。しかし、すぐに経済状況も好転しないし、国の給付が途切れるようなら、今後は生活保護に頼る方が増えます。その時に、水際で申請できないようなことがあってはなりません。国民の生きる権利を政府が保障するのかが、問われています。

 収入が7割も減ったご夫婦が求職活動などに使う2台の車を保有したまま保護が認められるといった、柔軟な対応も生まれています。生活保護が利用しやすくなり生活も安定すれば、求職活動への意欲にもなります。これまで道生連が現場の声を届けてきた反映であり、築かれた到達点です。

 他にも税や保険料、水道料金の減免拡充、DV被害者へ実態に見合った給付金支給、家に閉じこもらざるを得なかった障害者への支援など、さまざまな課題や宿題もいただきました。同時に、こういう社会的連帯の輪のなかで力をあわせて活動できることの喜びも実感しました。引き続き私も力を尽くします。

 【今日の句】生きるのが 苦しいことと ならぬよう

2020年5月27日水曜日

住まいを守れ

 寄せられている相談は、きっと氷山の一角--「家賃が払えなくなりそう」と、くらしの根本が脅かされている実態をうかがいました。札幌一時生活支援協議会「JOIN」、NPO法人自立支援事業所「サンレジデンス」に足を運びました。

 JOINさんに着くと、ちょうど舞い込んできた相談の対応中。ご本人が了解くださったので、相談が終わるまで同席して待っていると、その途中にも別の方が来室されて次々と相談が寄せられる一端を目にしました。ひと段落した後に、主任相談員の山中啓史さんから話をうかがいました。

 意外だったのは、問い合わせが多かったのは住居確保給付金だったとのこと。これは離職などで住居を失ったり、その恐れの高い方に、一定の条件のもとで家賃相当額が支給される制度です(上限あり、原則3ヵ月)。報道で紹介されることが多かったためと思われます。

 実態を聞くと、さまざまな背景があると山中さん。派遣会社から休業手当もなく待機を命じられて収入が途絶えている方、休業が要請されてすぐに「夜の業界の子たちがあぶれた」(山中さん)などの話を聞きました。誰もが生身の人間です。あたたかい食事、あたたかい室内がないまま過ごしているのかと思うと胸が痛みます。

 それでも、思ったより相談件数は多くないとも言います。情勢は改善されていないのだから、給付金で食いつないでいるのか、ぎりぎりの生活をしているのか‥‥と語りながらも心配する山中さんは、これから住居を失う方が増えないかとの心配も口にしました。

 同じように、失業や住居を失う方がこれから増えるのではと心配していたのは、サンレジデンス副所長の松下和広さん。さまざまな事情から家を借りられない方への自立支援とあわせて、住居確保をおこなっています。ここでも私たちとの懇談中に「入れる家はありませんか」との電話が入りました。

 「これまで家賃の滞納などなかったという人から『生活保護を受けたい』という相談もあるので、あわせてアドバイスもしています」と松下さん。荷物カバン1つに所持金わずかという状況で、直接に訪れた方もいたそうです。背景がさまざまなだけに「幅広い対応ができる相談窓口が必要ではないのか」と提起もされました。

 松下さんも、自分たちまで届かない「声なき声」や実態に心を痛めています。「ネットカフェで生活していた人も多いはずだが、大丈夫なのでしょうか」と述べ、1人10万円の給付金が来るまでガマンし、このお金がなくなった時が心配と言います。「困っている人への、国の施策がタイムリーでない」と強調されました。

 この間の政府の後手後手ぶりや、対象の絞り込みなど、昨日も書いたようにもどかしい思いを、現場で相談を受けている方だからこそ痛感されているのだと思います。「非正規雇用が3分の1もいて、税金や年金を払えないという話を多く聞きます。こういう方々は将来、生活保護を受けざるを得なくなってしまいます」と、根本から日本を立て直す必要があるとの話も納得して聞きました。

 日本共産党へも多くの相談が寄せられますが、それもきっと氷山の一角。もっと地域や職場に私たちが「困っていることはありませんか」と入っていかなければと痛感しています。しっかり私も役割を果たしたい。

 【今日の句】まだ声に できない方が きっといる

2020年5月26日火曜日

求められるのは行動

 あらためて昨日の安倍首相の会見全文を読みました。自己陶酔的な表現が目につくものの、じゅうぶんな給付金さえ国民のもとに届いていないのが現実です。腹立たしくも、悲しくも、情けなくもなります。

 「本日、ここから、緊急事態宣言、全面解除後の次なるステージへ、国民の皆様とともに力強い一歩を踏み出します。‥‥ここから先は発想を変えていきましょう」と呼びかけて、社会経済活動や文化芸術イベント、観光旅行などを上げましたが、その事業者やフリーランスの方々の窮状に応えてきたと胸を張れるのでしょうか。

 持続化給付金で言えば、フリーランスなどからの申請は「雑所得」でも可能と、ようやく経産相が表明したものの、詳細にかかわっては来月になるようです。このままではもたないと、何度も何度も声があがってきました。その切迫感を、総理が受け止めていたようには思えません。「迅速に」「スピード感」と言われても、アベノマスクさえ依然として届きもしないのです。

 コツコツと北海道の現状を3ヵ月間、調査や懇談をおこなって国政へ反映させてきました。医療や介護現場では、いまだに衛生資材が足りていません。先ほど述べた給付金の支給は、持続化給付金も1人10万円の給付金も、必要としている方に届いていない実態があります。このような状況を見ると、この3ヵ月間、自分は役に立つことができたのだろうかと自責の念にも駆られます。

 それでも力をあわせて声をあげたことで特別定額給付金は実現したし、制度の運用上の見直しも進められてきました。相談にのった方から「お金が振り込まれた」「これで少しは安心」との話を聞くと、少しはホッとします。こういう状況のもとで「口だけでなく行動」が求められるのは、政府もそうですが野党の私たちも同じだと思うからです。

 第2次補正予算も(内容の是非は問いますが)とにかく早く現場へと行き渡ってほしいのに、その予算審議と抱き合わせて黒川人事問題の質疑時間を減らそうと安倍首相が考えているとしたら、こんなに姑息なことはない。この問題は集中審議で、しっかり全容の解明と総理の責任が問われるべきです。いろんな意味で、いっしょに声を上げていきたい。

 【今日の句】もう何度 大言壮語 聞かされた 

2020年5月25日月曜日

命の選別をしないで

 政府が緊急事態を解除しようが、命と健康を守るための支援はいっそう強めるべき。今日は旭川市の障害者施設・老人保健施設で切実な声をうかがいました。真下紀子道議、能登谷繁・石川厚子・真島隆英の各市議とで足を運びました。

 初めにうかがったのは、あかしあ労働福祉センター。きょうされんに加盟していることもあり、道北地域の実態も含めてうかがうと、「介護崩壊や福祉崩壊への心配があります」と理事長の北村典幸さん。利用者が休むことで減収になることは多くの施設でも聞いてきましたが、あかしあでも同様の状況があります。

 くりかえし「命の心配」が語られたことが、特に重く響きました。「当事者が『私が熱が出たときに診てもらえるだろうか』『お医者さんに、自分の状況をうまく話せるだろうか』との不安を抱えています。移動手段も含めて、安心して病院に行ける環境をつくってほしい」「欧米では、感染した障害者が救急医療から排除される例も報告されています。『トリアージ』の名目で、命の選別がないようにしてほしい」との声を、正面から受け止めなければなりません。

 そうでなくても外出自粛が呼びかけられて、生活習慣が変わることによるストレスや、健康悪化の心配もあります。「平時から職員不足など、障害者福祉の分野は課題が多くありました。制度の問題は、しっかり国に詰めてほしい」との北村さんの要請を、しっかり反映させていきたいです。

 職員不足など共通した問題を抱える介護分野。道北勤医協の老人保健施設「かたくりの郷」でも、次々と切実な要望が出されました。マスクや消毒液など衛生資材が今なお足りない、利用控えもあり減収が続いている、そもそもマンパワーが少ないのに介護職をめざす人が減ってしまわないか‥‥など、ぎりぎりの体制でふんばっている実態が、あらためてよくわかりました。

 札幌市・茨戸アカシアハイツの集団感染は、同じ介護施設として他人事ではなく、今日も話題に。「認知症の方は不規則な動きをする。病院で受け入れられず施設に留め置くというのなら、職員への教育や資材確保が絶対に必要」「ノロウイルスへの対応はしてきたが、感染症については施設内の動線確保やゾーニングなども必要となるだけに、事前に専門家に来てもらい調査してほしい」など、具体的な話を納得しながら聞きました。

 政府は感染者について「原則入院」としていますが、それが実施できない場合どうするか、急いで詰めていく必要があります。衛生資材などが不足しているなかで、介護施設や障害者施設で感染が広がれば、食い止めるには相当の時間がかかります。まして命の心配に直結する方もいます。切迫感をもって、私も取り組みたい。

 「根本的には介護報酬を上げてもらわなければ困ります」と最後に出された言葉に、この間の苦労が凝縮されていました。社会保障分野を抑制してきたツケが、このように現場を襲っています。2021年度の介護報酬改定議論は滞っているようですが、この期に及んで出し渋るようなことがあってはなりません。保険料の値上がりという形で反映しないよう、国が責任を負うべきです。

 ところで、札幌と旭川を往復するのに乗ったJRは、減便されているにもかかわらず、特急1車両に数人しか乗っていないガラガラぶり。JR北海道の経営も厳しさを増しているなか、とりわけ広い北海道での交通事業者支援も大きな課題と痛感して戻ってきました。

 【今日の句】向き合った 現場の思い 受け止めて 

2020年5月24日日曜日

命は返ってこない

 実は少々プロレスに詳しい私にとって、女子プロレスラーの木村花さんが亡くなられたのは驚きしかありません。心から、ご冥福をお祈りいたします。

 同じくプロレスラーだった母親の木村響子さんにも帯同し、22歳ながらしっかりした試合もおこない、将来が期待されていた選手でした。事情のわからない方もいるでしょうが、木村選手が出演していたテレビ番組での行動に、くり返しネット上で誹謗中傷のコメントが寄せられたことに木村選手が心を痛めていたと言われています。

 私はこのテレビ番組を見ていないし、ネット上の誹謗中傷も知りませんでした。亡くなられた状況も今のところ明らかにされていませんし、どこまで明らかにするかは、ご家族のご意向もあると思います。状況を承知していないなかで、政党・政治家が述べるのは慎重でありたいと思っています。そのうえで報道されている中身から、一般論として、ネット上の誹謗中傷についてですが--

 どのような状況であれ、他人の存在や尊厳を傷つけるような言動・書き込みはあってはならないです。集中的・継続的に投げつけられ、それがネット上では記録として残されてもいるわけですから、くりかえし精神的に打撃を受けることになります。悪質なものには、そのネット上の管理者や、番組製作にかかわっている内容なら製作者側の対応も問われるかもしれません。

 著名人や有名選手などへの「有名税」だとして正当化する風潮も一部にありますが、そもそも人格やプライバシーにまでかかわる誹謗中傷をおこなうことまで、正当化していいものなのでしょうか。木村選手だけでなく、母親の響子さんにまで投げつけられていたといいます。どのような人が書き込んだのかわかりませんが、ネットの向こう側にいる生身の人間について思いを馳せることがなかったのでしょうか。

 すでに成人として、一定の社会経験を持ち責任を背負っている人が、他人の人格をも否定する言動などあってはなりません。社会経験が少なく、みずからの発信の影響を理解できないままネットを使い始めた若い世代や、これからネット環境に触れる子どもたちに向けた啓発や人権教育も必要だと思います。女性差別などを土台にした発信であるならば、社会的・政治的な取り組みも強めなければなりません。

 こういう時にこそ、他人の存在や人格を否定するようなことは許さないという、大人の姿勢が大事です。ヘイトスピーチやヘイトクライム、ハラスメントや女性差別などとも関連する問題ですし、根本的には人間の尊厳を守れるかどうか、です。

 くりかえしますが、まだ詳しい状況を承知していないもとでの一般論として書いたものですが、これからの未来がある若い方が亡くなったことは、本当に残念であり悔しくもあります。命は返ってこないという当たり前の事実を、重く受け止めなければ。悪罵の連鎖も止めなければ。あらためて木村選手のご冥福を、心からお祈りします。

 【今日の句】誰だって 大事な大事な 人の子だ