2020年8月15日土曜日

被害の歴史も、加害の歴史も

 終戦から75年の今日は、日本の侵略戦争の歴史をふりかえり、再び戦争の惨禍を起こすまいと決意を語り合う日。大事な道しるべである日本国憲法も、こういう日にこそあらためて学び合いたいものです。命が奪われたアジア2000万人、国内310万人への哀悼の意を表して街頭宣伝に臨みました。

 長屋いずみ札幌市議の司会で、紙智子参議院議員と、小選挙区2区予定候補として発表されたばかりの平岡だいすけさんとマイクを握りました。地域の党員・後援会員さんも多く駆けつけてくださり、町ゆく方からも「安倍政権を必ず終わらせよう」と声をかけられました。

 平岡さんは、子どものころに参加した原水爆禁止世界大会から戦争と平和についての関心が高まったことにも触れて、早く核兵器禁止条約に参加する日本にしようと呼びかけました。紙議員は、父親の戦争体験から切り出し、コロナ禍に苦しむ国民が多くいる今「臨時国会を開かせましょう。軍事費を、命を守るための予算に切り替えましょう」と訴えました。

 私は、アイヌ女性から聞いた釧路空襲の経験と、彼女からの「戦争につながることは、必ず反対しなければならないよ」の言葉が、政治活動の原点になっていることを述べました。そして被害の歴史だけでなく、侵略という日本が起こした加害の歴史にも目を向けてこそ、アジアの平和につながることにも触れました。

 いまだ「慰安婦」とされた苦しみを抱えている方がいるもと、大前提として日本が侵略戦争の反省を明確にするべきです。ロシアとの領土問題は、戦後処理の不公正をただす立場が必要です。オスプレイまでもが自由に日本の上空を飛ぶ、まるで植民地のような米国との関係も根本から見直すべきです。日本の「戦後」は、まだまだ続いているのです。

 戦争は自然に始まるものではない。経済的・社会的不安の高まり、領土拡張の覇権主義や帝国主義の横行、そして時の権力者による排外志向‥‥いろんな要素が重なって戦争ができる下地がつくられてきた歴史を、私たちは知っているはずです。その負の歴史から導かれた日本国憲法を、私たちは持っています。いま政治がするべきは憲法の改定ではなく、憲法をすみずみまで生かしていくことです。

 被害の歴史も、加害の歴史も、しっかりふまえてこそ。新たな政治をつくることは、アジア各国の友好関係を深めることにもつながるはずです。歴史に向き合うことの大切さを、あらためて強調していきたい。

 【今日の句】つながった 今の命は 平和こそ

2020年8月14日金曜日

町の未来を考えるなら

 寿都町へ土屋副知事が足を運び、核のゴミを受け入れがたいとした道条例の趣旨を、あらためて町長へ説明したとのこと。周辺漁協の連名の抗議書も送られたといいます。町財政の困窮を理由にしているとはいえ、文献調査だけでも受け入れとするのは後志管内・北海道全体にも大きな影響を与えるものです。

 そもそも文献調査だけで済むのだろうか、最終処分場の建設まで進むのではないのか、との心配や懸念は大きい。原発の立地や、いま進んでいる札幌での新幹線トンネル工事残土の経過を見ても、そのような思いが湧くのも当然です。財政難というのなら違う方法でも国にモノを言ったり、周辺自治体と力を合わせる道もあったはずです。

 今回の核のゴミ最終処理場も、ルスツがカジノ誘致の候補とされたことにしても、なぜ後志管内に大きな矛盾が押し寄せてくるのか。政治的な背景も想起されるほどです。しかし、住民の命や健康、豊かな自然を引き換えにするような経済発展や行政運営は、これからの時代には逆行するものと思うのです。

 道内各地をまわり、私も町の財政難や人口減少の切迫さはくり返し聞いてきました。誰もが社会保障や農林漁業の一般的大切さは理解しながらも、みずからがその仕事を選ぶのかといえば、そうではありません。そういう現実のもとで、各自治体の苦悩は本当に深い。社会保障や農林漁業とあわせた地方社会の充実を、国家目標に据えるぐらいまでするべきだと私は各地で話してきました。

 住民レベルの反対の声も、広がりつつあります。また、高レベル放射性廃棄物の処分方法は、科学者の議論も続いています。いち自治体の問題だけでなく、道はもちろん国政の根本にかかわる問題として、私もかかわっていきたい。

 【今日の句】危険物 常に地方へ まわすのか

2020年8月13日木曜日

安易な受け入れは許されない

  寿都町が高レベル放射性廃棄物(「核のゴミ」)最終処分地としての文献調査受け入れを検討していることが明らかになりました。しかし、北海道には核のゴミを受け入れがたいとする条例があるし、町民や近隣自治体との合意も今はありません。今日は情報収集に追われました。

 この間の経過で、以下のようなことがわかりました。

 ⚫今年3月に寿都町長は、受け入れに前向きな言明あり。

 ⚫道経済産業局による学習会、NUMOによる学習会(6月)が相次いで開かれる。

 ⚫経済団体への説明の後、8月に入り町民への説明も開始。

 ⚫今月7日の議会全員協議会にて町民への説明会をしたと報告、盆明けにも町民への説明会あり、20日過ぎには町長が表明したいとの意向。

 町長は岩盤がある弁慶岬を候補にし、受け入れるのは財政難と人口減少が理由だからだといいます。調査なら20億円、受け入れたら70億円との金額は、確かに1自治体にとっては大きな金額でしょう。

 「風のまち」として有名な寿都町は、住民合意と環境配慮をふまえて道内でも珍しい公設風力発電を設置し、売電によって町財政にも繰入れてきました。養殖牡蛎も他の自治体との差別化をすすめ、これも道内でも珍しく5月の連休後の出荷をすすめてきたのです。

 それでも厳しい町の財政は自治体の自己責任ではなく、地方交付税など国の分配機能の問題なのではないのか。こういう点にこそ国へモノ言ってほしいところですが、まずは道民的・町民的議論を急ぎたい。

 仮に寿都町で受け入れたとして、全国の核のゴミを、どのルートで運ぶのでしょうか。寿都町以外の自治体も通るでしょうし、風評被害も心配されます。寿都から長万部までには「黒松内低地断層帯」があり、国の地震調査研究推進本部もM7・3以上の地震が起こる可能性を指摘しています。

 安易な核のゴミ受け入れなど、あってはなりません。条例をもつ道にも、しっかり反映させていきたい。

 【今日の句】自治体を 苦しめたのは 誰だった

2020年8月12日水曜日

自由を壊すな

  保釈されたといえ、香港での民主化運動中心の1人・周庭さんらの逮捕は人権抑圧そのもの! 一方で「リンゴ日報」を買って支えようと、多くの香港市民が立ち上がっているとの報道もありました。人権抑圧は国際問題であって、中国指導部が国際社会の声を正面から受け止めるべきです。

 中国は、香港にかかわる一連の国際的批判を「内政干渉」だと突っぱねてきました。しかし中国は、世界人権宣言を支持(1948年)、国際人権規約の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に署名(1966年)、世界人権会議が採択したウィーン宣言にも賛成(1993年)など、国際的にも約束してきた歴史を忘れたのでしょうか。

 思い出すのは昨年11月、香港での区議会議員選挙。民主派が8割以上の議席を占めて、自由と民主主義を求める香港市民の意思を示したのでした。中国政府が上から抑えつけようとも、それには決して未来はないことを示しています。まして、このような人権侵害の行動は社会主義とも無縁だし「共産党」の名にさえ値しないことを、今年1月の日本共産党大会でもハッキリと述べました。

 周庭さんはじめ当事者は、とても恐怖を覚えていることでしょう。私が香港市民として、みずから同じように立ち上がれるだろうかとも自問するほどの勇気をもって、身のまわりにも国際社会にも発信を続けてきた周庭さんらに、日本でも連帯の行動が広がっています。いま香港で何が起きているのか、中国政府の何が問題かを、私からも伝えていきたい。

 【今日の句】抑圧を 今の世界は 許さない

2020年8月11日火曜日

そろって国会へ

  北海道の小選挙区予定候補2人(2区・平岡だいすけ、5区・橋本みか)の発表に同席。苫小牧市で発表された9区・松橋千春さん含め、みんなで勝利して安倍政治を変えよう!と気勢を上げました。解散・総選挙の時期はわかりませんが、いつでも立ち向かいます!

 少し緊張気味だった平岡だいすけさんは、若い同世代の声を代弁する先頭に立つ方であるとともに、札幌市議会議員の経験をもつ即戦力。党市議団でも当時、質問回数はトップでした。多くの業者から持続化給付金の相談を受けてきたこともあり、会見では「何としても消費税減税を実現させたい」と力を込めました。

 会見に凛と臨んだ橋本みかさんは、子育て世代の代表としても、介護現場で働いた経験を生かせる点でも、支え合い・助け合いのコロナ後の社会をつくるうえで最適の方です。5区は農漁業の振興や、平和問題も鋭く問われる選挙区。「政治は身近なところで関係していると、多くの方に伝えたい」と強調しました。

 松橋千春さんは、みずからの苦学生時代やブラック企業に勤めていた経験から、まともな社会をつくりたいと政治の世界に飛び込みました。2017年の総選挙でも9区候補となり、9区での日本共産党候補の最高得票をいただいています。震災やJR、カジノなど多くの課題を抱える9区に、日本共産党の議員が必要です。

 3人が国会でそろって質問に立つ姿を想像するだけで、わくわくします。市民と野党の共闘を強めるためにも、日本共産党の議席が増やさなければ。会見では私も比例名簿登載予定者として紹介され、あらためて決意を述べました。もうからないものは切り捨てるという政治のもとで、大きな矛盾を負わされてきたのが北海道。行き詰まった安倍政権へ、北海道から引導を渡して新しい政治をつくる先頭に立っていきたい。

 記者からは今後の野党共闘について質問が集中しましたが、道委員会・千葉書記長は、誠実に各野党とも話し合っていきたいと表明。前回2017総選挙は突如の民進党解党・分裂となりましたが、今回は共闘の積み重ねのうえで迎える選挙になります。共通の旗印をはっきりさせて、必ず全12区での野党統一候補の実現と勝利へと進めたい。

 11日の今日は東日本大震災・福島第一原発事故を忘れない道原発連の宣伝と、毎月1日におこなっている「いちの日」行動にも参加しました。札幌も猛暑でしたが、泊原発再稼働についてのシール投票などに多くの方が協力されました。「いちの日」行動も、鉄路を守る宣伝の後に労働争議の報告を聞き、各地で働く仲間と自分の尊厳をかけて奮闘されている姿に胸を熱くしました。こういう実態を国政へ反映させていかなければと、あらためて実感しました。

 【今日の句】たくさんの 思い背負って 国会へ

2020年8月10日月曜日

いつでも全力で

  札幌北区での行動を終えて事務所に戻ると、ちょうど甲子園2試合目・9回裏! しびれるような逆転サヨナラ劇に、両校に心から拍手も送りました(ちなみに1試合目も逆転サヨナラだったとは *間違えていました。訂正します)。

 野球少年だった私にとって、甲子園での試合というだけで沸き起こる特別の思い。新型コロナウイルスで春の大会が中止となって、代わりの交流試合1試合だけでも高校球児の全力プレーは変わりませんでした。その向き合う姿勢に胸が熱くなります。交流試合であっても「甲子園には魔物がいる」と言われるような結果でした。

 北海道からは、帯広農業高校が16日・第2試合目、白樺高校が17日・第3試合目です。一方で、夏季大会も昨日は南北海道で札幌第一が優勝、北北海道は11日が決勝の予定になっています。特別な夏になってしまいましたが、悔いなく全力でがんばってほしい。

 そんな爽やかな高校球児の試合と比べて、政治の舞台は全力を出しているのかと思わず自問。北区でまわっていた時も「安倍首相の顔からやる気が見えない」「さらに給付金を出してもらうくらいでないと生活が苦しい」などの声を聞きました。「共産党も力をつけてがんばらないと」との叱咤もいただきました。応えられる力をつけなければ、です。

 しんぶん赤旗をお読みいただく方も増えました。ぜひブログをお読みの方でも、ご購読やまわりへのお薦めをお願いいたします。

 【今日の句】白球を追った あの日が懐かしく

2020年8月9日日曜日

署名は連帯をあらわす力

 長崎への原爆投下時刻である11時2分の黙祷の後、「さっぽろ平和行動」では、若い人はじめ多くの方から署名をいただきました。あらためて核兵器をなくそうとの思いを強めた1日です。

 嬉しいことに今日、セントクリストファー・ネイビスが核兵器禁止条約44番目の批准国となりました。あと6ヵ国で発効になります。批准にあたり発せられた、同国外相からの以下のメッセージも重みがひしひしと伝わってきます(訳文は ICAN Japanese によるもの)。

 「長崎への原爆投下は、人間の残虐性と非人道性の極地であった。世界の平和に携わる小さな一国として、セントクリストファー・ネイビスは、今日の世界において核武装の有効な目的を見出せない」

 世界諸国が長崎や広島、被爆者へ思いを馳せて核兵器の禁止を求めているのに、安倍首相は今日も核兵器禁止条約には触れませんでした。このような政治を動かすうえで署名は大きな力になるし、いっしょに声をあげていることを示す被爆者への連帯にもなるものです。6日も書きましたが、平和をつくる力は時の権力者ではなく、国民の力です。

 あわせて思うのは、核廃絶や平和の運動は8月だけでなく日常的にしなければならないということ。しっかり私も訴えていきたいです。

 【今日の句】核兵器 なくす扉は 開きつつ