2020年9月12日土曜日

安心できる場所と政治を

 通算20回目となった「さっぽろレインボープライド」のパレードに参加しました。イベントなどもおこなわれて、多様性ある社会にしようとの思いがあふれました。何とか天気ももちこたえて良かったです。

 実行委員会のみなさんとは先月、懇談の機会を持たせていただきました(ブログの8/8付をご覧ください)。多様性を認め合うことは、誰にでもやさしい社会をつくること。日本共産党も1月の党大会で多様性ある社会をめざす綱領改定をおこないましたが、紹介するにとどめず実践の課題として受け止めなければと、あらためて実感したところでした。

 そして今日のパレード。コロナ禍で参加者も限定され、グループ分けもおこないながらの行進となりましたが雰囲気は明るく、町ゆく市民の反応もあたたかい。当事者の声と運動が社会を動かしてきたことを、肌身で感じました。私もレインボータオルを持って参加しましたが、それぞれがそれぞれの形でアピールしているので、歩道から見ると色とりどりに見えるのでしょうね。

 前回のブログの時にも書きましたが、LGBTの方にとっては、必ずしも家族などが安心できる場所ではないことがあります。「ここにいるみんなが仲間」と掲げられたプラカードもあって、その思いがしみじみと伝わってきました。こうやって当事者同士がつどい、自分が自分のままでいいことを確認しあい、励まし合って活動してきたことを思うと、政治の側もさらに力を尽くすべき。ところが、自助ばかりを迫る自民党総裁候補は、別姓同性婚にも「慎重」と後ろ向きのようです。

 突破する力は一人ひとりの声が集まること。当たり前の原点を、今日のパレードでも実感しました。明日は苫小牧市に足を運びます。

 【今日の句】生き方を 抑え込む国 未来なし

2020年9月11日金曜日

育種の努力に学んで

 昨日に続く調査で、紙智子参議院議員と農業生産法人「当麻グリーンライフ」へ。有機農産物の生産から加工、販売まで手がけている現状をうかがいました。

 瀬川守代表ほか十勝管内からの生産者も駆けつけてくださり、まずは昨日からのテーマである「種」について。作付けする種の全量分を買うのはお金がかかるので、自家採種している農家もあるといい、そこで心配されるのは「多国籍企業が種を握ったときの価格高騰」と瀬川さん。種苗法改定も含めて競争力重視の農政についても、「農業を根幹にした国づくりを」と大元からの転換を求めました。

 そもそも有機農業に取り組む農家には、自家採種をおこない、地域ごとに品種改良を重ねて「自家増殖」も自然におこなわれてきました。農水省も、そのような現実を前に自家増殖は禁止してきませんでした。現行法でも規制の対象になっているのは、種苗としての販売や海外への輸出入です。農水省は、法改定は「海外流出を止めるため」としていますが、現行法の強化で済むことではないのか。

 実際に自家採種をおこなっている農家からも、話をうかがいました。自家採種と一口にいっても、きちんと引き継がれる種を選別するのですから簡単ではありません。収量が上がらなかった年もあったといいます。一方で、栽培技術を高めていくことと合わせて、その地に適応したかのような作物にもなったといいます。研究機関や農業関係者が、このように進めてきた育種の努力はすごいと感じました。

 あわせて、化学肥料・農薬や遺伝子組み換え技術を使わず、有機質肥料で地力を高め、病虫害にも強い作物を育てる有機農業の底力を学びました。専門的意見は分かれるのでしょうが、残渣のすきこみもおこなうなどしてトマトの無肥料栽培も数年間、続けているといいます。病虫害もないとの話でした。周辺には昆虫なども多く生息し、「まさに生き物天国です」との笑顔に、私たちも嬉しくなりました。

 道立総合研究機構・上川農業試験場では、研究の実際についてうかがいました。ほ場では道内で栽培・開発してきた稲がズラリ。「やっかいどう米」などとも言われてきた北海道のコメが、長い歴史をかけて美味しくなった努力の一端を学びました。そのような育種も、新品種が世に出るまで9~11年かかり、その割合は「札幌市民190万人から1人を選ぶ」ほどだといいます。

 私が現職だったときに、主要農作物種子法が廃止されました。戦後すぐに主要農作物(稲・麦・大豆)を増産するうえで、日本各地の気候や風土にあった作物ができるよう国が研究費用などを支援する、という法律でした。公的機関がもつ知見を民間に広げて、開発を促すということが廃止理由とされましたが、種への責任を公的に守るべきとの世論と運動が広がり、北海道はじめ15道県が条例を制定しています(今年2月現在)。命や食にかかわる分野は、市場任せにしてはならないのです。

 あらためて、農業の基本を学んだように思います。しっかり国会とも連携して、第一次産業こそ国の土台となるように力を尽くしたい。

 【今日の句】足早に 秋が来そうな 空気かな

2020年9月10日木曜日

種と命がつながって

 種苗法改定にかかわり、紙智子参議院議員・田村貴昭衆議院議員と北竜町調査に同行しました。種はもちろん、命・食料・環境・くらしの結びつきを学びました。

 今回の調査は、きたそらち農協・元組合長の黄倉良二さんが声をかけてくださり、黒千石事業協同組合さんと農事組合法人「ほのか」さん、自伐林に取り組む若い世代にも懇談の機会をつくってくださいました。町議会が終わった後に、佐野豊町長さんも時間を取ってくださったことが本当にありがたいことです。

 黒千石とは大豆でありながら、粒が小さくて丸い特徴があり、きな粉として道民には馴染みのある在来種。在来種でありながら生産に取り組む農家がいなかったところ、現・協同組合理事長の髙田幸男さんが手を上げたことが出発点となったのです。いろんな苦労があったことも今日はうかがいました。

 実際に豆を見てビックリ、とても小さい。日照時間の積算で見ても、一般の大豆より長い時間を必要とする黒千石。言い方を変えれば、それだけ太陽の恵みを浴びたことになります。北は士別市、南は今金町にいる農家の一軒一軒を髙田さんが400~500kmかけて車でまわり、自家採種する種も集団的に決めていくとの話に、黒千石をしっかり引き継いでいきたいとの思いが伝わります。

 つくづく感じたのは、もうけのための種なのか、多くの方に安心して口に入れてもらうべく種なのか、ということです。モンサントのような強力な除草剤とセットに種を開発したり、その権利を得るということになるとなれば、結局は農家の負担が増すことになり、最終的には消費者へまわってくる問題なのです。種は命につながっているということを、どう多くの方にわかりやすく伝えるかは今日の調査でも大きな課題の1つでした。

 農事組合法人「ほのか」さんでは、どう後継者不足に立ち向かうかの議論から法人設立に至った話をうかがいました。農家同士が切磋琢磨できるメリットはあるものの、多くの農家が直面しているように、規模拡大にともなう農機具購入の負担が重いといいます。それでも20代・30代の方が集まっているということに、問われているのは政治の側だと思いました。旧・青年就農給付金の運用についても、子どもが生まれて1年間休むとなると返さなければいけないような仕組みも見直してほしい、ということなのです。

 そして北竜町といえばヒマワリ。食用も観賞用も、町内では「ほのか」さんが請け負っています。ところが、このようなヒマワリの種というのは国内での研究も進められていないことから、外国へ頼っていかざるを得ないのです。野菜も、今は多くの種が外国産でもあるのですが、これらの種が地域に根ざす形で引き継げるにはどうしたらいいのかと考えをめぐらせました。

 自伐採で生業にしようという「自然下」上井達矢さんのお話しにも、とても考えさせられました。上井さんは「持続化という言葉が好きです」と語られ、「今だけ」にとらわれない山林管理や生業化についての考えをうかがいました。伐ったところには植樹するのでなく、笹刈りなどをすれば樹木の芽が出てきて伸びていくという話には、自然のスケールの大きさも実感しました。

 明日も調査にまわります。種と命はつながっているということを、多くの方に知っていただきたいです。広めるために私も力を尽くします。

 【今日の句】もうかれば いいとの時代と 決別を

2020年9月9日水曜日

市場任せの医療政策を変えよう

 インフルエンザ流行に備え医療機関はワクチンを確保していく時期ですが、今年は特別の困難が襲いかかっています。党道議団と、道勤医協から現状を聞き取りました。

 例年、10月から接種となるインフルエンザワクチン。今年はコロナ禍のもと、政府からも積極的な接種が呼びかけられていますが、それだけのワクチンが確保できるかということが課題です。

 政府はメーカーに増産を要請しましたが、これまでの実績を見ると、生産には3~4ヵ月かかるようです。要請は8月のようでしたので、それだと増産分が出回るのは冬になったころ。接種できても抗体ができるのに時間がかかるので、ワクチン接種のピークは10月~11月となります。その時に数が足りるのかが、病院には心配なところです。

 仮に、病院でワクチンを大量購入して余らせた場合、メーカーへの返品はできません。病院の負担となってしまいます。そのためにギリギリのワクチン数しか買わないことにすると、国が積極的接種を呼びかけても病院にワクチンがないということも起こり得ます。どちらにしても、減収が続く医療機関にとって厳しい判断を迫られるのです。

 難しい課題とはいえ、国が積極的接種を呼びかけている以上、在庫に残った場合の補てんや返品可能な枠組みを考えるくらいまでしないと。コロナ禍に苦しむ医療機関の負担を、さらに増やすようなことをしてはならないと思います。

 あわせてコロナ対応における医療資材の状況もうかがいましたが、国際的な奪い合いのなかでマスクもプラスチックグローブも大きく値上がりしていることに悲鳴が上がっています。欧米を中心に高値契約が進んでいるからです。世界的大流行とはいえ、医療分野を市場任せにしてきたことが、これだけ現場を苦しめているのかと痛感しました。これでは国民の命と健康を守れません。有力とされる総理候補は、それでも国民に自助を呼びかけるのかと腹立たしくなります。

 先立って、今日は道原水協や憲法共同センターなどとの「9の日」行動。若い方の署名も目立ち、これまでの社会を変えなければとの思いが広がっていることを実感。若い世代がマイクを握って呼びかけていたことも良かったです。

 夜は滝川市へ。紙智子参議院議員と合流して、農民連のみなさんとの懇談に。田村貴昭衆議院議員も明日は加わり、種苗法改定にかかわる調査がおこなわれる2日間の日程に参加します。今日の懇談は、明日にでもまとめて書くことにします。

 【今日の句】結局は 責任放棄の 自助宣言

2020年9月8日火曜日

「しんぶん赤旗」にJCJ大賞

 道議会は今日から第3回定例会。真下紀子・宮川潤・菊地葉子の各道議とそろって、北海道から政治を変える決意と政策を訴えました。道議会も新型コロナウイルスへの対応、「核のゴミ」最終処分場の問題、JR北海道在来線の維持・存続など、多くの課題が議論されていきます。国政上の課題も多いなか、日本共産党の衆議院の議席がないことがもどかしい。あらためて議席回復への思いを強くしました。

 ところで、第63回JCJ大賞に、安倍首相の「桜を見る会」私物化の実態を告発した「しんぶん赤旗」が選ばれました。JCJ大賞とは、優れたジャーナリズム活動を表彰するもので、日本ジャーナリスト会議(JCJ)が選ぶものです。「しんぶん赤旗」が大賞を受賞するのは初めてです。

 「桜を見る会」の予算が年を追うごとに膨らんでいき、各界の功労者を慰労するはずの会が、みずからの支援者を接待する場へと変えられてきたという大疑惑。飲食代の差額を総理側で負担したのではという前夜祭の疑惑も浮上し、日本共産党国会議員団は追及の先頭に立ってきました。このように「しんぶん赤旗」が評価されたのは、素直に嬉しいことです。

 この疑惑が依然として晴れないまま、安倍首相は辞めることになります。体調は大事にされてほしいものですが、この疑惑は引き続き追及していきます。税金や公的行事の私物化にとどまらず、総理自身が公職選挙法違反に問われかねない問題も含まれている一連の疑惑です。誰も責任を取らなかったら、同じことが繰り返されかねません。

 追及する力は、真実を知りたいという国民世論の高まりです。この機会に「しんぶん赤旗」を、お読みいただけるよう呼びかけます。まわりの方へも、お広げください。

 【今日の句】真実を 求める力は 止まらない

2020年9月7日月曜日

周回遅れを取り戻そう

  台風10号の被害が明らかになってきました。行方不明の方が早く見つかるように祈るばかり。自然災害への備えや被災者への支援は、政治の重要課題とあらためて実感します。朝の宣伝でも、日本共産党として力を尽くすと述べました。

 また急激に暑くなってきた札幌市。明日の予想最高気温は33℃(!?)と、9月とは思えないほどです。全国的にも残暑が続いてますので、お体にはお気をつけください。誰もが感じる気候変動の影響であれば、環境政策の抜本的拡充にも力を入れなければなりません。

 洞爺湖サミット(2008年)のときに、党道委員会で気候変動に対しての政策提言を発表したことがあります。気候変動のインパクトは緯度が高いほど現れると言われ、北海道でも「浜の磯焼け」や「畑が凍らないために残る野良イモ」などが指摘されていました。政策スタッフの1人として提言にまとめ、環境NGOなどへも届けながら懇談してまわりました。

 欧州調査をしてきた笠井亮衆議院議員を招いたシンポジウムも当時おこない、その報告で記憶に残っているのが、欧州でのエレベーターに「閉」のボタンがないということ。乗降に時間がかかるため「開」のボタンは必要ですが、確かに急いで閉じる必要はなし。そのような身近な場所が環境を考える入口になっているのだと、笠井さんの報告から学びました。

 あれから12年。海水温の上昇でウニの活動が活発化し、エサとなる昆布を食べるため、漁への影響が心配されているとの報道がありました。自然災害の大型化は言うまでもありません。影響が確実に現れてきているなかで、当時から欧州が掲げていたCO₂削減の「野心的目標」を、今からでも日本が持つべきでは。いったい日本は何年、周回遅れを続けてきたのでしょうか。

 そして大規模開発や収奪が資本主義のもとでくり返され、地球そのものを壊すことになるのなら、新しい社会システムへと進まなければなりません。より身近な社会主義・共産主義への道を、具体的にしていきたいです。

 【今日の句】こんなとき 誰だ自助だと 言ってるの

2020年9月6日日曜日

北海道地震2年の日に

 北海道からは祈るばかり。台風10号で甚大な被害が出ないよう、どうか命を守る行動をと願っています。日本共産党は国会に対策本部も設けました。

 いろいろな家庭があるかと思います。単身で避難が困難な方、小さいお子さんを抱えている方、障害や難病を抱えている方、介護を必要としている方、自らの家庭より医療・介護などの現場で働くことを優先せざるを得ない方--自然災害などないのが一番ですが、こういう時にこそ被害を最小限ににとどめるべく政治や行政の力が必要です。

 今日は北海道胆振東部地震から2年の日。わが家でも非常時の食料を確認したり、当時のことを話題にしたり。私は洞爺湖町へ出張中、けたたましい緊急地震速報の音で目が覚めたと同時に強い揺れを感じました。その時は厚真町での大規模な山腹崩落や、全道一帯が停電(ブラックアウト)になるなど、想像もできませんでした。それから自然災害のたびに、経験していないことは起こり得るのだと感じるようになりました。

 台風による甚大な被害が出ないことを、重ね重ね願うばかりです。

 【今日の句】誰であれ ひとしく命 守られて