種苗法改定にかかわり、紙智子参議院議員・田村貴昭衆議院議員と北竜町調査に同行しました。種はもちろん、命・食料・環境・くらしの結びつきを学びました。
今回の調査は、きたそらち農協・元組合長の黄倉良二さんが声をかけてくださり、黒千石事業協同組合さんと農事組合法人「ほのか」さん、自伐林に取り組む若い世代にも懇談の機会をつくってくださいました。町議会が終わった後に、佐野豊町長さんも時間を取ってくださったことが本当にありがたいことです。
黒千石とは大豆でありながら、粒が小さくて丸い特徴があり、きな粉として道民には馴染みのある在来種。在来種でありながら生産に取り組む農家がいなかったところ、現・協同組合理事長の髙田幸男さんが手を上げたことが出発点となったのです。いろんな苦労があったことも今日はうかがいました。
実際に豆を見てビックリ、とても小さい。日照時間の積算で見ても、一般の大豆より長い時間を必要とする黒千石。言い方を変えれば、それだけ太陽の恵みを浴びたことになります。北は士別市、南は今金町にいる農家の一軒一軒を髙田さんが400~500kmかけて車でまわり、自家採種する種も集団的に決めていくとの話に、黒千石をしっかり引き継いでいきたいとの思いが伝わります。
つくづく感じたのは、もうけのための種なのか、多くの方に安心して口に入れてもらうべく種なのか、ということです。モンサントのような強力な除草剤とセットに種を開発したり、その権利を得るということになるとなれば、結局は農家の負担が増すことになり、最終的には消費者へまわってくる問題なのです。種は命につながっているということを、どう多くの方にわかりやすく伝えるかは今日の調査でも大きな課題の1つでした。
農事組合法人「ほのか」さんでは、どう後継者不足に立ち向かうかの議論から法人設立に至った話をうかがいました。農家同士が切磋琢磨できるメリットはあるものの、多くの農家が直面しているように、規模拡大にともなう農機具購入の負担が重いといいます。それでも20代・30代の方が集まっているということに、問われているのは政治の側だと思いました。旧・青年就農給付金の運用についても、子どもが生まれて1年間休むとなると返さなければいけないような仕組みも見直してほしい、ということなのです。
そして北竜町といえばヒマワリ。食用も観賞用も、町内では「ほのか」さんが請け負っています。ところが、このようなヒマワリの種というのは国内での研究も進められていないことから、外国へ頼っていかざるを得ないのです。野菜も、今は多くの種が外国産でもあるのですが、これらの種が地域に根ざす形で引き継げるにはどうしたらいいのかと考えをめぐらせました。
自伐採で生業にしようという「自然下」上井達矢さんのお話しにも、とても考えさせられました。上井さんは「持続化という言葉が好きです」と語られ、「今だけ」にとらわれない山林管理や生業化についての考えをうかがいました。伐ったところには植樹するのでなく、笹刈りなどをすれば樹木の芽が出てきて伸びていくという話には、自然のスケールの大きさも実感しました。
明日も調査にまわります。種と命はつながっているということを、多くの方に知っていただきたいです。広めるために私も力を尽くします。
【今日の句】もうかれば いいとの時代と 決別を
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