2020年12月12日土曜日

その時では遅い

 みずから「ガースー」と言うのはともかく、GoToが悪者扱いされていることが気に食わなかったようです。感染防止をしない国民が悪いと言いたいのでしょうか。ニコニコ生放送の菅首相の言いぶりは、政治の責任を果たそうという自覚が薄いと思いました。

 旭川赤十字病院では手術室の看護師に感染・濃厚接触が広がり、手術の体制が取れないといいます。菅首相は、この切迫した状況を何とも思わないのか。政治から強い支援がなければ、医師・看護師とも心が折れてしまいます。その時になってからでは遅いから、いまGoToを止めることが必要だと世論調査でも多数になっているのに。

 日本共産党国会議員団は先日、政府あての緊急要請をおこないました。医療機関への減収補てんや国庫の交付によるPCR検査拡充、資金繰り対策や生活困窮者への相談体制、そしてGoTo事業の中止と観光・飲食業等への直接支援--が柱です。北海道から反映させてきた内容も含まれます。毎日同じようなことばかり書いているのは、それが必要とされているからだし、政府が何もしようとしないからです。

 夕方には東北から北海道にかけての地震もありました。こういう時に自然災害が起きたら、病院機能は完全に果たせなくなってしまう。政府が動くまで、何度でも声にしていきましょう。北海道でも世論を広げるため、私も力を尽くしたい。

 【今日の句】親しみを 広げたいなら 誠実に

2020年12月11日金曜日

いまも原発事故は進行形

 菅首相は先日、私の生まれ故郷でもある宮城県石巻市へ視察・訪問されました。今日は東日本大震災の月命日でもある11日。地震と津波の犠牲になった多くの方を、あらためて悼みました。大規模な自然災害の恐ろしさを思い出します。

 そして福島第一原発事故。なお故郷に帰れない方がいて、事故は現在進行形です。11日に続けてきた原発問題全道連絡会の定例宣伝でも、署名に応じられる方の姿が必ずあります。子どもを連れたお母さんが署名する姿に、寿都町「住民の会」で活動している方々が重なって見えました。

 原発で事故が起きたということは、「核のゴミ」最終処分場でも事故が起きる可能性があるといえます。原発には一応の規制基準がありますが、最終処分場の規制基準はできていません。原発はともかくも電力会社の責任ですが、最終処分場はNUMO(原子力発電環境整備機構)の責任になります。そのNUMOも、天災などの場合は国が事業を引き継ぐことになっています。「事故も被害も起きないという虚構のもとでしか、核のごみ処分は進められない」(本間照光・青山学院大学名誉教授)のです。核のごみとともに、原発を推進してきた責任も捨てられる、というのは言い過ぎでしょうか。

 寿都町・神恵内村で文献調査をおこなうとするNUMOは、住民との「対話の場」を設けるともしています。次の調査につなげる「地ならしの場」だと、私は思います。処分方法は決まらないのに、同意だけは取り付けていく進め方でいいのか。事故や被害が起きたときの責任は、誰がどのようにとるのでしょうか。

 課題山積の北海道。JR北海道は来春のダイヤ改正を機に、特急列車の減便等や18無人駅の廃止を打ち出しました。今日の道議会本会議では「1年単位の変形労働時間制」条例が可決されました。コロナ感染拡大に立ち向かっている医療機関・高齢者施設などへの支援や、忘新年会や札幌雪まつりが中止となるうえでの業者への打撃軽減なども急がれます。私も力を尽くしていきたい。

 【今日の句】隠しても 心痛まぬ 国なのか

2020年12月10日木曜日

まったく現場を無視か

 定時制高校の先生が力を込めて「私は本当に怒っています」。「1年単位の変形労働時間制」導入するなと朝から抗議の宣伝に、私も駆けつけました。今日の道議会文教委員会で採決されましたが、この制度のことが議員や現場教職員に、どれだけ理解されているのでしょう。急ぐべきはコロナ対応こそ、少人数学級や教職員増員こそ!です。

 「先生の働き方は過酷そのもの。過労死した同僚もいます」「現場の意向だとごまかした調査結果まで出して採決するとは許されない」など、道高教組・道教組の先生たちからリアルな訴えが続きました。私が中学校教員をしていた20年以上前から見ても、全国学力テストへの対応が増え、教員への評価や書類が増え、免許更新のための研修が増え、授業時数も増え、今年はコロナ対応も増えました。でも教職員は増えていません。教員への業務ばかりが増してきた20年なのです。

 今回の変形労働制は、夏休みなどに休暇をまとめ取りして、平日の労働時間を伸ばそうというもの。今でさえ残業代も出ない超過勤務の不当な現実を、合法化してしまうことになります。そもそもで言えば8時間労働制を壊すもので、民間でも労働者側との合意が必要とされているのに、学校での周知や議論・納得もないまま道教委が全国に先駆けて条例提案したのです。この経過だけ見ても、本当に許されない。

 学校の1学期は、新しいクラスで教員も子どもたちも緊張するし、学校行事も多く、学級運営がスムーズにいくまでにエネルギーが必要になります。体調悪化や過労死となる教職員が多いのは1学期とも聞きました。まとめ取りする前に2~3ヵ月も働き続ければ、体も心も持たなくなってしまうのは当たり前のこと。そもそも夏休みや冬休みだって、部活指導や進路指導に研修と休める状況にはありません。

 札幌市教職員組合(札教組)の松尾秀一書記長との懇談でも、こんなコロナ禍で大変な時に条例提案する道教委はおかしいとの話となりました。政令市である札幌市は、道とは別に市議会での議決が必要になります。まだ市教委から提案の動きはないのですが、「そもそも前提が成り立っていないうえで導入はできないはず」と札教組では訴えてきたそうです。

 「前提」とは「客観的な勤務時間管理の徹底」などを指し、要は今でさえ長時間勤務はされていない状況のこと。長時間勤務があるもとで変形労働制となれば、超・長時間勤務になってしまうからです。だから道教委も「アクション・プラン」なる対策をおこなってきましたが、北教組アンケートの結果を見ても解消されていません。授業時数の見直しや教職員増員などに踏み込まなければ、もはや解決しないのです。「今こそ教育内容の精査が必要ですね」と、松尾書記長さんとも一致した話になりました。

 まだまだ教職員には知らされていませんが、知らせていけば現場から跳ね返す力になっていきます。くりかえし私からも発信していきたい。

 発信という点では、医療支援を国が急ぐべきことも、何度でも訴えていかねば。今日は道民医連から紙智子議員あての、赤字分の減収補てんや医療従事者等のPCR検査を国の負担で進めることなどの緊急要請をいただきました。今日の「しんぶん赤旗」や北海道新聞で報じられた、道医労連の緊急アンケート結果もいただきました。

 看護師の約7割が精神的に「つらい」状況にあるとし、自由回答の1つ1つも本当に重さが伝わってきます。「陽性患者と接した後に家族と会うのが重い」との記述には胸が痛みました。使命感をもって病院でがんばる姿勢に、政治が本気で応えているのだろうかと腹立たしくもなります。加えて「こんな時に、後期高齢者医療の2割負担を話し合ってること自体が信じられない」と批判の声も聞きました。心から同感です。

 菅首相からも、政権全体からも、医療を本気で守る姿勢もメッセージも見られません。感染拡大防止に国民への努力を求めることばかりで、政治が医療を守る努力は見えません。それがアンケートの端々から伝わってきます。まとめたメモを紙議員へ送りましたが、私自身も国会で苦境の声を反映しなければ。今こそ命を守るために本気でがんばる政治が必要です。

 【今日の句】負担だけ 増す政治など 終わらせる

2020年12月9日水曜日

早く医療支援を、減収補てんを

 旭川市では自衛隊の医療支援が始まった一方で、政府の新たな経済対策には医療機関の減収補てんやPCR検査拡充などはなし。「菅首相は国民のことなど考えていない」と、懇談では痛烈な批判も出されました。私も同感です。

 急な呼びかけだったにもかかわらず、北見民主商工会の事務所には会員さんが足を運んでくださいました。「要望としては再度の持続化給付金を。夜の町は本当に人がいないし、年末の予約もない」(スナック)、「ホームクリーニングも減少傾向。燃料代や水道代の負担が重いなか、北見市は水道料金を値上げした」(クリーニング店)など切実な実態とともに、この窮状に応えようとしない政府への不満も次々と出されたのです。

 第3次補正予算といっても、成立してから国民へ届くのは3月ころになりそうです。第2次補正予算の予備費は7兆円もあるのに、そのうち具体的にした3000億円は GoTo キャンペーンの延長分。「テレビを見ていて腹が立つことばかり」という気持ちもよくわかる。それでもあきらめずに、聞いた声は反映させていくことを私から述べました。

 オホーツク勤医協の黒澤専務からは、病院経営の大変さとともに、長引く緊張状態のもと職員のメンタルヘルスが心配だとの話も。発熱者への対応ひとつにも神経を使いますし、実際に時間もかかります。国の補助金も、発熱外来枠をもてば患者が来なくても枠の分の補助金を受けられますが、実際に患者が来た場合は通常と変わらないほどの診療報酬でしかありません。手間や準備をかけても、見合った報酬体系になっていないのです。

 いま医療機関・医療従事者を支えるために、国が思いきった財政支援をするべきです。国民誰もが望んでいることです。旭川や札幌の医療機関の現状を見れば、本当に待ったなし。それだけに新たな経済対策の中身は、根本から見直すべきです。何度でも訴えたい。

 街頭宣伝には多くの党員・後援会員さんが集まってくださいました。始まる前から「絶対に今度は国会へ行って。今のままでは日本はダメだ」と声をかけてくださる方もいて、距離は保ちつつも、熱い思いはひしひしと伝わってきました。私の訴えにも力が入ります。国民の命と健康に責任を負う政治を、何としても実現しなければと痛感する毎日です。

 【今日の句】北風を 吹かせる総理 うんざりだ

2020年12月8日火曜日

安心を共有したい

 今日は美幌町から津別町・網走市へ。「森友・加計・桜と、安倍さんは説明しなきゃダメだ」と自民党支持30年という方など、多くの方が街頭宣伝を聞いていただき本当にありがたいです。

 美幌でも立ち止まった方が「人口減少が心配」「核のゴミは嫌だよねえ」など口々に語られました。網走では「今の政治は目に余ります」と嘆きの声も。このような声を聞けば、内閣支持率が下がってきたのも当然です。

 津別町では日本共産党が住民アンケートをおこない、約1割もの世帯から返信がありました。6割の方がPCR検査の拡充を要望し、発熱外来の開設を希望されています(※津別病院では発熱外来を開設しました)。身近な不安に応えてほしいとの思いが伝わってきます。

 巴光政町議と街頭宣伝にまわると、家から出て話を聞いてくださる方も次々。実は津別町は水道料金が高いとのことで、巴町議が基本料金の設定水量について質問で取り上げるなか、当面の減額措置も実現されています。各地をまわるたびに、このような日常の取り組みが大事だと学ばされます。

 網走では松浦敏司・村椿敏章の両市議と街頭宣伝の後、換気をしながら「語るつどい」。携帯料金が下がることとデジタル化推進の関係、大学生の困窮、学校での「1年単位の変形労働時間制」についてなど、短い時間ながら多くの意見や質問が出されました。しっかり反映していきたい。

 なかなか集まること自体に苦労もある状況ですが、松浦市議は「やっぱり顔を合わせて話すことの大事さがあるんだよなあ」とポツリ。コロナの話題は、どうしても暗くなりがちにもなるだけに、せめて安心を共有できるようにならないかと、私も話しながら常に頭を悩ませています。

 そもそもは政府の対応が後手後手だからで、繰り返し声にしていくことが大切だとの話にもなりました。明日は北見市での活動です。

 【今日の句】国会のウソは とっくに見透かされ

2020年12月7日月曜日

菅政権にモノ言いたい

 今日は紋別市へ。時折雪が降るなかの街頭宣伝には党員・後援会員のみなさんが駆けつけてくださり、野村淳一市議と一緒に訴えました。やっぱり関心は新型コロナ対策です。

 紋別市でも感染防止や業者支援などに力を入れて、新たな予算措置も検討されているようです。このような地方の取り組みを応援する臨時交付金が、あらためて求められています。先週末の世論調査を見ても、多くの国民は菅政権のコロナ対策を肯定的にはとらえていません。

 窓を開けて換気をしながらの「つどい」でも「ホタテ価格は三分の一、つまり収入は6割減」(漁師)、「休業した母親などへの支援をわかりやすく通知して」(障害者施設)など、直面している課題への支援を求める声が次々と。苦難は国民に等しく降り注いでいるのです。

 「野党共闘は、他の野党と何が合わなくて進まないのか」「武力に頼らない外交というが、実際に日本共産党は世界に働きかけているのか」などの質問もありました。来年1月には核兵器禁止条約が発効することも例に、大国が牛耳る世界ではなくなってきている、武力に頼らない外交はできると私からも強調しました。

 急な呼びかけにもかかわらず、密を避けながら足を運んでくださったことは本当にありがたい。それだけコロナ対策は無為無策、疑惑にはフタをして、学術会議への強権ぶりの菅政権にはモノ言いたいということです。本気で政治を変えたいとのうねりは、オホーツクにも広がっています。この熱い思いを、さらに私も広げていきたい。

 【今日の句】朝晩は ぐっと冷え込む 氷点下

2020年12月6日日曜日

過去に目を閉じないで

 日曜美術館(Eテレ)「アイヌ文様の秘密」が再放送されていて、文様の無限性や神々の物語などを興味深く見ました。放送の主題ではないでしょうが、あらためてアイヌ民族が受けた歴史を直視することも心に留めました。

 さて先日、自民党も含めてアイヌ施策推進法が成立したのに、道見泰憲道議(自民党)が「アイヌの人々を甘やかしているのは国であり道」と発言しました。あまりに不適切どころか無責任です。訂正の意向を示しているそうですが、歴史認識に欠けているのではないかと疑います。

 不十分がありながらもアイヌ施策推進法では、アイヌを先住民族と明記しました。しかし歴史を振り返れば、言葉や文化を奪われ同化を強いられてきたことは間違いありません。民族にとっての侮辱であり、深い悲しみを与える発言です。しっかり反省の言葉を発せられるべきです。

 平取アイヌ協会の木村二三夫副会長が書かれた手記で「過去に目を閉じる者に未来はない」と記されてあります。アイヌのなかに利権を悪用する人もいると木村氏は触れつつも、サイレント・アイヌや女性アイヌなど声に出せない声もあるという現実。それを政治の側が抑え込むような発言をするのは、やっぱり不適切そのものです。

 写真は平取町・二風谷を、今年6月に訪れたときのもの。二風谷地域はダムとして埋め立てられることに反対の声が湧き起こりましたが、国策によってアイヌの方々も翻弄(ほんろう)され続けたことが、現地に行ってあらためてわかりました。国際水準から見ても、あまりに低水準のアイヌ施策。私も力を尽くさねばと、木村さんの言葉を目にして痛切に感じました。

 【今日の句】そうやって 自己責任が 振りまかれ