2020年5月2日土曜日

第一次産業にも学生にも支援を強めて

 休業要請や「自粛」などは第一次産業へも影響が。和牛の繁殖農家では子牛販売価格が10万円減、木炭業者も「焼鳥屋さんが閉店」(苫小牧)などで出荷量減少と、多方面に打撃が表れていることを痛感です。

 一昨年の胆振東部地震から23回目となる厚真町。室内は避けて外で短時間、話ができるという状況も考えての聞き取りでした。伊藤富志夫町議が連絡をとって、準備してくださいました。

 昨年11月に訪れた「かまだ木炭」さん。窯も稼働し、原料となる原木も積まれていて、地震直後の収入ゼロという状況は解消できてきたそうです。ところが今回はコロナ禍。「飲食店などに卸せなくなっていくのではと、道内の同業者も含めて心配です」と代表の鎌田武一さん。

 1万人ほどが訪れる毎年6月におこなう「あつま田舎まつり」も今年は中止となり、炭火焼肉での消費も見込めなくなりました。「まだ飲食店が再開できる状況にないのなら、補助金などで支えてほしいです」との訴えは、あらためて切実な実態の反映だと痛感しました。

 和牛の繁殖農家である米田俊之さん宅も訪れました。海外輸出や東京五輪での消費も見込み、政府は和牛生産を推奨してきましたがコロナ禍により需要がなくなったため、和牛の在庫過剰と価格下落が進行しています。和牛枝肉(A4・去勢)平均価格は1月が2300円台/kgだったのに、4月は1704円/kgへと約25%減少となりました。

 政府主導による高級志向牛肉の生産は、裏を返せば一般食卓では国産牛肉の消費減少と、安価な輸入牛肉への依存となりました。国内和牛農家が苦しんでいても、外国からの牛肉輸入は止まっていません。「外国頼みの食料生産でなく、しっかり国内自給をする政治にしなくちゃ」と米田さん。まったく同感です。

 世界的には、人口増加と気候変動の影響により食料生産もひっ迫しています。こういう時に、日本の食料自給率は過去最低の37%のままでいいのか。今後の社会の在り方も、コロナ禍のなかで考えていく必要があります。

 札幌へ戻り、ZOOMも使って学生の現状を聞かせてもらいました。高等教育無償化プロジェクトFREEがおこなったアンケートでは1200人から回答があり、アルバイトの収入が「減少」「ゼロ」が68%、親の収入も「減少」「ゼロ」が54%に上ったそうです。まだ講義が始まらない状況とあわせて、学生生活もかつてない危機の状況です。

 インターネット上で学費軽減などを求める署名も、160以上の大学でおこなわれているそうです。一部の大学で独自の給付金なども具体化されていますが、大学の運営資金のことを考えれば国が支援策を強めるべきです。今日の聞き取りでも「丸々1ヵ月分のバイト代が消えた」「バイトをクビになった人もいる」などの話が次々。

 オンライン講義が始まる予定のなか「通信料は学生負担となれば重い」「ウェブカメラやヘッドセットは品薄状態で手に入らない」「使ったことのない学生へのサポートも必要」など、具体的な要望が出されました。上級学年の学生からは「図書館が開いてないので卒論の資料を集められない」「実習や就活のスケジュールがどうなるのか」など、来年のことも含めた心配も尽きません。

 聞いていて心に残ったのは「モチベーションの低下」でした。「休みの当初は予習や、せっかくだから料理の練習などもしてたけど、だんだんモチベーションが下がってきている」「生活リズムが崩れている。家で映画や読書も楽しんでいたけど、惰性的になって『これでいいのか』と思う」など、リアルな声を聞くことが大事だと実感です。

 こうやって交流することは、学生同士にも求められていたんだなとも感じました。早く終息をと願うばかりです。

 【今日の句】あの速報 地震でなくて 良かったが

2020年5月1日金曜日

第91回メーデー万歳

 日本では1920年に第1回集会が開かれたメーデー。例年なら集会にデモパレード、懇親会まわりなど汗だくになる1日ですが、今年は道労連もネット配信によるメーデーとなりました。残念ではあるものの、配信を通して伝わった「魂」は例年と変わりなし!

 戦時中に集会禁止へ追い込まれたものの、それ以外は働く仲間の連帯と団結を確認しあい、固め合い、新たなたたかいへの契機となってきたメーデー。この何年かは「市民と野党の共闘」が進むもとで、新たなうねりのなかで集会なども開かれてきました。重ね重ね残念です。

 コロナ禍のもとで、労働組合は待たれています。先日の道労働局の発表では、道内で解雇403人・休業6462人となっています。水面下では、さらに多く、深い悩みのもとで苦しまれているのではないでしょうか。

 雇用維持につながる雇用調整助成金は、北海道労働局(含むハローワーク)のもとへの相談が1万1816件にも及んでいます(4/24現在)。しかし実際に申請したのは231件にとどまっていて、これではせっかくの制度が活用されず、多くの方が路頭に迷ってしまいます。やりとりは昨日のブログに書いてますので、お読みいただければ幸いです。

 これまでの規制緩和路線により、多くの非正規労働者が生まれました。社会保障の抑制路線が続き、医療や介護の現場は少ない人数で緊張感をもって働いています。コロナ禍が浮き彫りにしたのは、社会的に矛盾が蓄積していた分野や個人に大きなしわ寄せが来ているということです。

 政治の責任で追加の補償をおこないながら、労働者・国民が主人公となる日本へ。集まることはできなくても、しっかり連帯と団結を確認したい。第91回メーデー万歳!

 【今日の句】仲間との 団結こそが 変える道

2020年4月30日木曜日

いっしょに困難を乗り越える

 各地・各分野の窮状を反映させるため、今日は国の出先機関(道労働局・道経産局・道運輸局)への要請をおこないました。北海道の感染者数も増えているなか、しっかりと受け止めてくれたと思います。

 道労働局での1つの課題は、雇用調整助成金の早期支給です。現状での支給見通しは「1ヵ月以内」とのことですが、相談するまでに順番待ちがあり、申請するまでに順番待ちがあるほど相談が殺到しているもと、支給までには時間がかかります。相談窓口の数を増やしている一方で、労働環境の3密を避けることからも苦労はあるでしょうが、迅速に対応できる体制をと重ねて要望しました。

 本来は1ヵ月前には予告しなければならない解雇も、このような状況下では突然の解雇も頻繁に起こりえます。労働局でも把握している事例はあるとのこと。私たちにも寄せられる相談もそうですが、どうしていいかわからない状況になって相談を寄せる方も多く、その点で労働局は働く人の最後の砦でもあります。その立場で力を発揮してほしいということも、私から強調しました。

 「持続化給付金の早期支給のために、特別の体制も取ります」とは道経産局。これまでも土日出勤を含めて、相談体制を敷いてきています。とはいえ道経産局も、集団感染のリスクを避けるための時差出勤やテレワークなどは避けられません。行政としての責任を果たしつつ、業務をストップさせないための勤務調整は大変かと思います。

 それでも経済や雇用の状況を見れば、やれることはやらなければいけない。ちょうど持続化給付金などの減収証明についての問い合わせが事前にあったため、その内容も紹介しながら、わかりやすい周知・広報と相談体制をも重ねて要望しました。道運輸局にも、同様の要請をおこないました。

 夜に知人の相談に乗るなかで、党としても情報を発信しながら、個別の相談活動を強めなければと痛感しました。金融機関へ融資相談に行っても想定外の条件を付けられたり、また緊急事態が延びそうだとなれば融資の判断もどうしたらいいかなど、それぞれによって状況も違うからです。

 党道委員会のホームページに、国や道の制度や現状なども紹介する「データベース」を開設しました。まだ十分とは言えませんが、まずは取っ掛かりの情報網があることを広げていきたい。ご活用ください。

 【今日の句】あらためて 自粛と補償は セットだと

2020年4月29日水曜日

つながることを大切に

 中止となるメーデー集会に代わる配信や、憲法共同センターのスピーチ用に撮影したものの、短時間にもかかわらず苦戦。かしこまり気味の出来となってしまいました。こういうものは何回やっても慣れないものです。

 道労連(北海道労働組合総連合)は You Tube チャンネルで、5月1日(金)12:00~13:30に「生配信」をおこないます。こちらから告知も含めておこなっていますので、ぜひご覧になってください。

 北海道憲法共同センターも「オンライン憲法集会2020」を準備しています。ツイッターやフェイスブックで「#happybirthday 憲法」「#憲法2020北の国から」「#happybirthday 憲法2020北の国から」にて、すでに投稿も始まっています。前日まで寄せられた動画を編集して、当日に配信予定とのことです。

 私が掲げたカードは動画でご覧いただきたいのですが、すべての働く仲間との連帯、そして差別と分断がなく誰もの命と健康が守られる社会をとの願いを込めました。新型コロナウイルスによって心までささくれ立つようななかで、今こそ連帯と団結、そして変革の立場でがんばらなければと思ってのことです。 

 安倍政権には言いたいことも山ほどありますが、同時に北海道に住む者として、目の前の窮状を解決するための手立てに力を尽くしたい。明日は国の出先機関へ要請しますし、今日はこつこつと党道委員会HPにて開設予定の「新型コロナウイルス・北海道データベース掲示板」(仮称)づくりに励みました。いろんな困りごとがあった時に、国や北海道の制度・情報を誰でもアクセスできるものが必要と思ってのものです。

 国会では今日、志位委員長が現場の数々の声を直接、安倍首相へとぶつけました。明日は小池書記局長が質問にも立ちます。進んだこと、引き出せたもの、1つ1つを積み重ねて命と健康、くらしと商売を守る。しっかり地に足をつけた活動に取り組もうと、あらためて今日も痛感しました。

 【今日の句】マスクなくスピーチ そういや久しぶり

2020年4月28日火曜日

文化・芸能は心の栄養

 ミュージシャン有志による Save the little sounds がおこなったライブハウス・クラブ影響調査の結果をうかがうため、宮川潤道議と足を運びました。ミュージシャンなどの声も受けて、北海道は25万円の助成金も決めました。

 この助成金は「感染拡大防止ガイドライン策定普及モデル事業」と言って、そのガイドラインの策定や実践をすれば助成するというもの。補償金という性格のものではありませんが、2回の調査による現場の声に道として応えることになったといえます。

 メンバーの戸沢淳さんは「団体や組合のない業界で、知り合いをつたってアンケートを集めました」。集計結果を見ると北海道42件のライブハウス・クラブで95%は減収となり、「運営が3ヶ月もつかわからない」64%、「1年もつかわからない」90%と瀬戸際だということがわかります。

 ライブハウスは3蜜の象徴のごとく扱われ、そうでなくても日本は文化・芸能への政治的支援が無さすぎるなかでの窮状。あらためてライブハウスの存在意義を聞くと「音楽産業の根っことしてのインフラであり、街の草の根の文化としての場所」と戸沢さん。聞いていて納得しました。

 先日は道へ、▼支援金の引き上げや給付回数・期間の拡大、▼固定経費の減免措置、▼税負担の減免--などを要請しています。「1つでも実現できれば若い人がやれるという気になるし、希望ももてる」との話に、私の方も希望をもらった感じでした。本当は、こういう危機の時こそ政治の側が「大丈夫ですよ」と、手を差し出す時なのに。

 全国・全世界で、音楽や芸能、文化などにかかわる個人・団体から支援を求める声があがりました。「アーティストは、いま生きるために必要不可欠な存在である。誰も置き去りにはしない」(ドイツ文科相モニカ・グリュッタース)、そしてベルリン独自でもフリーランス個人と従業員(フルタイム)5人までの零細企業を対象に500ユーロ(約60万円)の即時支援金も給付されました。

 このような即時性に比べて、日本政府の対応は遅くないのか。問題は対応そのものというより、文化などへの根本的考え方にあると思うのです。人間はただ生きているのではなく、文化や芸能に触れることで豊かな社会生活を送れます。文化や芸能は心の栄養。くりかえし支援を進めるべきです。

 夜は党道委員会「TALK LIVE」で、北商連・井上元美事務局長とで自営業者・フリーランスなどの窮状に応える内容でおこないました。寄せられた声はどれもが切実で、今の時点で使える制度は紹介しながら、引き続き要請をしなければと痛感しました。

 党道委員会のツイキャスで見ることができますので、ご覧くださいね。

 【今日の句】文化の灯 消すなの声を 受け止めて

2020年4月27日月曜日

医療関連費が1桁違う

 補正予算案の国会審議で、日本共産党は29日(水)9:10~衆院予算委で志位和夫委員長、30日(木)14:00~参院予算委で小池晃書記局長が質疑に立つ予定です。テレビ・ラジオなどで、ぜひお聞きください。

 給付金1人10万円など国民世論が反映した部分もありつつ、補正予算案の大きな問題は医療費関連の予算が少ないということ。PCR検査、医療体制、軽症者受け入れなどで1490億円ですが、昨日のNHK「日曜討論」でも「1桁違う」(田村智子政策委員長)など野党から指摘がされました。医療や業者支援など実効あるものにするため、5野党・会派は組み換え提案で一致もしています(24日)。今日の朝の宣伝でも紹介しました。

 PCR検査は、安倍首相も「1日2万件」をめざすとしたものの、24日は全国5259件にとどまっています。検査センターを設置するには医師や看護師・技術者、感染防護具が必要ですし、財政面も含めて十分な支援も必要になります。だからこそ補正予算案での裏付けが必要なのです。

 感染者を受け入れる病院では経費負担が増す一方で、他の患者を受け入れられないという事態になります。そうでない病院でも受診抑制が起きているため、どの医療機関を問わず経営が大変です。

 今日の報道では、医療従事者への偏見や中傷があることも報じられていました。これでは現場はやりきれない。献身的に奮闘している医師・看護師の肉体的・精神的負担が増すなかで、政治と社会が医療現場を支える立場に立たなければならないです。

 今こそ医療支援・検査体制づくりで抜本的拡充を!

 【今日の句】献身の現場 本気で支えなきゃ

2020年4月26日日曜日

子どもたちとともに

 どの子も運動不足でしょうが、わが家の子どもたちは縄跳びに汗をかいています。札幌市教育委員会の「なわとびチャレンジ」で、北海道地図に跳んだ回数分の色を塗るものです。

 その地図のタイトルですが、「なわとび全道制覇MAP」。各市町村や島の面積を10分の1にして、その数値分を跳んで色を塗るというものです。それでは最も回数が多い(面積が大きい)市町村または島とは、どこかわかるでしょうか。

 択捉島です。

 ちなみに最小は上砂川町で、択捉島は上砂川町の100倍以上にも及びます。子どもたちは「●●ってどこ?」と言いながら自治体を探して色を塗っているので、いっしょに北海道のことも学んでくれればと、全道をまわった経験ももとに私から一言を付け加えています。

 しばらく子どもたちは縄跳びなどしてないはずなのに、跳び始めたら体が覚えていたかのようにスムーズに跳べたのは、保育園時代の蓄積かもしれません。自分たちで縄を編み、室内外を問わず思いきり体を動かし、下の子は今日もその跳び縄を使っていました。

 昨夜は中学3年生の子の数学も教えていたのですが、比例・反比例、確率、証明など、今の子どもたちの学習内容は多いんだなぁとあらためて実感しました。子どもたちの学ぶ権利や環境を、どう保障していくか。教育現場でも模索中だと思うのですが、こういう時こそ学習内容の吟味や厳選の機会と言えるのかもしれません。

 子どもたちの心身を健康に維持するためには、大人の心身が大事だとも実感です。久しぶりに私も挑んだ縄跳びは、こんなに体力を使うものだったかと‥‥。

 【今日の句】この際だ いっしょに汗を かく日々に