2018年4月21日土曜日

「遅れた日本」と「進んだ日本」

 北朝鮮が核実験とICBM発射実験の中止を表明し、日本共産党は志位委員長名で「評価する」とのコメントを発表しました(こちら)。

 まさに急転直下ですが、このまま南北首脳会代や米朝首脳会談で前進することを願わずにいられません。日米首脳会談でもトランプ米大統領が、朝鮮半島の永続的な平和への道筋を表明したことへの意欲を表明したことが注目されます。日本としての主体的な外交戦略を持つことが、ますます求められていると思います。

 さて、今日は暑かった札幌。写真は「南区女性のつどい」で千葉なおこ市議予定候補とのものですが、さすがに私も上着を脱ぎました。まだ4月なのに珍しいですね。

 今日の話のなかでも特にうなずかれる姿が多かったのが、財務省のセクハラ問題。発言そのもの、名乗り出るよう求めたこと、麻生財務相の一連の発言と擁護の姿勢、どれもこれも腹立たしい!という参加者のみなさんの思いが伝わってきます。これでG20に行くなど恥をさらしに行っているのではないかと疑いますが、国際的には理解されない財務省の対応でしょう。まさに「遅れた日本」を象徴しているかと思います。

 それを許さない声の高まりこそ、世界の流れに合致するものです。今日は私から、欧州で性被害を許さないための法改正なども話しました。この流れに合致した「進んだ日本」こそ、新しい日本をつくる土台になると思います。人間の尊厳をふみにじることを、決して許してはならないのです。

 よくよく考えると、日本は人権や平和の面では世界のなかでも重要な役割を果たすことができたはずです。核兵器禁止条約は、日本の被爆者のみなさんが先頭にたって声をあげてきたことが、戦後70年以上も経って実を結んだものでした。これこそ「進んだ日本」だと思いますし、それだけに日本政府が核廃絶に前向きであれば早く実現できたのかもしれません。ここで今、憲法9条を変えることは「遅れた日本」を復権させることになりはしないでしょうか。

 今は「遅れた日本」と「進んだ日本」のせめぎあい。いっしょに声をあげて、新しい政治をつくりましょう--と話を終えました。自分への鼓舞も込めて。

 【今日の句】総理とて 三日見ぬ間の 桜かな

2018年4月19日木曜日

国の主権の問題として

 ロシアのサケマス流し網漁禁止などで打撃を受けている根室市で、千島問題を中心に懇談にまわる1日となりました。

 まずは朝に市役所前での宣伝。写真でわかるでしょうか、昨日の釧路と同様に霧の根室。少し肌寒く、道東地方の春はもう少し先といった感じです。

 懇談先は道根室振興局、千島歯舞居住者連盟、市役所に。根室振興局では「北方領土遺産発掘・継承事業」について、千島連盟では元島民のみなさんの今の思いなどを中心に、そして市役所では北特法の改正や四島における共同経済活動にかかわっての課題などをうかがいました。前後しますが先日夜には、加工業者さんからの話もうかがいました。内容が多岐にわたり、私も整理しきれていないので箇条書きに、私の感想も交えて記しておきます。

 ●水揚げ量の減少が、地元の関連業者を直撃している
 昨年、根室市内の総水揚げ量59000トン台と、市制施行後の最少記録となりました。主要のサンマが23%減、秋サケも前年の4割のうえ、ロシアがサケマス流し網漁を禁止してからの代替漁業も効果は得られなかったことなどが要因です。その結果、原料が入らない地元の水産加工業などが大きく打撃を受けました。2016年1月から今年3月までで、根室市では水産加工業5件・運輸業1件・製函業4件・小売業10件の計20件が廃業となっています。一般的な経済要因や後継者不足もありますが、大きくは水揚げ量の減少が引き金となっていると思われます。あらためてロシアによる領土支配の問題の根深さを痛感します。

 ●ハッキリ国の主権の問題として位置づけを
 自省の意味も込めて、あらためて国の主権の問題としての位置づけを明確にすべきと思いました。運動の中心は根室市や隣接地域、元島民や2世・3世のみなさんが必然となるものの、それが国民向けに「元島民の問題」「地域的な問題」と矮小化してとらえられることになっていないでしょうか。国の方も運動に対する支援は十分でなく、現地は持ち出しをしながら世論に訴えを続けています。北特法にもとづく財源確保も、低金利のなか運用益は下がり続けているのに抜本的対策は打たれてきていません。基金の取り崩しなども声としてあがっていますが、根本は国の対策が後手にまわったためだと思うのです。

 ●元島民の権利擁護を、真剣に追求する
 四島には「墓参」「自由訪問」「ビザなし訪問」などの事業がありますが、数々の課題があります。列挙すると「事前に書類を提出しているのにチェックポイントで何時間も待たされる」「そのあげくに引き返させられて、今回が最後と思って来ている元島民には耐えがたい」「港についても墓までの道が整備されていない。人ひとり通る分くらいでも、事前に草刈りなどやっていてほしい」。また、着の身着のまま逃げてきたために島には生活物資や漁業資材がありました(「残地財産」)。その保障は国のもとでおこなわれる必要があります。「元島民は『引揚げ者』と言われるが、私は『緊急避難者』と言っている」との言葉を、重く受け止めたいと思いました。

 ●四島での共同経済活動が具体化されず、現地は困っている
 安倍首相みずから旗を振ったわけですが、本来なら今春までに具体化されるはずが進んでいません。外務省に聞いても「交渉は順調」と言われるそうですが、まったく中身は伝わっていません。国の今年度予算では農水省や環境省などで関連予算がありますが、こちらも具体的な動きにはなっていません。地元企業が加わらず本州などの大手資本だけの儲け口とはならないようにと、市や地元業者からは何度も声があがっています。市にとっては進展具合がわからないと関連施策も実施しにくいだけに、国が現状の見通しをまずは説明することが大事だと感じました。

 ●運動の後継者対策に本腰を入れる
 元島民の平均年齢が83歳になり、2世の方々も60代となります。会社勤めをしながら時に休んで返還運動や啓発キャラバン、全国集会などに参加してきましたが、地域経済の状況が厳しくなっているもとで休めなくなってきています。先に書いたように運動資金も十分でなく、3世・4世までが運動を担うには大きな障壁となっています。くりかえしの学習も必要ですし、現地任せにできない状況になっていると思います。道根室振興局での「北方領土遺産発掘・継承事業」は期間3年で昨年度で終了していますが、当時の映像や数々の新たな記録が見つかって展示会なども開き、市民などに好評だったようです。地域に専門職員を置く重要性があるし、そのために国なども責任を果たすべきです。

 ●侵攻の歴史や領土交渉の経過など、あらためて理論的に検証を
 サハリンとアメリカで見つかった資料から、ソ連軍の侵攻には米国の艦船が使われていたことが判明してきました。当時の米国には武器貸与法があり、ソ連に対しても対独戦争への支援として適用されていたようです。一方で、ソ連兵と米兵による訓練「プロジェクト・フラ」の存在も明らかになっています。ソ連の侵攻自体は領土不拡大の原則に反する行為ですが、同時に米国のかかわりをどう見るかは今後、国際的に訴える際の事実と理論的根拠として大事な点になるかもしれません。これは、わが党としても検討を深める課題として受け止めました。

 まだまだ課題はありますが端的にまとめれば、1つに地域経済が深刻になっているもとでの緊急対策、2つに墓参や交流事業などの確実な実施と拡大、共同経済活動については現状を国が知らせること、3つに歴史を再検証していくこと、となると思います。重い課題ではありますが、過去の歴史に正面から向き合うことこそ日本共産党の役割。その自覚をもって事に当たりたいと思いました。

 【今日の句】自民さん 本音どうなの あのゴルフ

2018年4月18日水曜日

どこでも安倍政治に疑念の目

 釧路市内での朝宣伝から、やちぼうずを横目に鶴居村・弟子屈町へ向かい「つどい」や懇談をおこない、根室市まで到着しました。

 「やちぼうず」とは、湿原に生えるスゲ類が株ごと地面から持ち上がる現象です。こちらでは春の風物詩と言えます。とはいえ朝の釧路は霧も出て肌寒く、本格的な春はこれからという状況でした。

 鶴居村には宣伝で来ることがあっても、昨日の標津町同様に住民のみなさんとじっくり話し合える場は持てていませんでしたので楽しみに来ました。お宅を貸してくださった柏木さんは、私が釧路で合唱団にいた時の「合唱団応援団長」だった方でもあります。すてきなご自宅に心が和みました。

 とはいえ国政の現状は心が和むどころか荒むような毎日で、今日も財務次官が辞任するなど、目まぐるしく毎日の状況が変わっています。その後の弟子屈町の「つどい」でも「テレビで同じような報道ばかりで、いいかげん何で明らかにならないのかと腹が立つ」と話があって、国民の目から見てあきれるというか、通り越してあきらめもあるという話も出されました。

 確かに私も話していてイヤになります。とはいえ、ここであきらめたら安倍政権は逃げ切ってしまう。民主主義が壊れていきます。「安倍首相の後に誰がいる、との話になるよ」との質問には、今は暴走運転をしている安倍首相を変えることが最優先で、同時に野党共闘で新しい政治の姿が見えるようにしていきたいと私は話しています。

 とにかく閉塞感は、これまで以上に強まっているように思います。その打開の方向を話し合える場にしていきたいな、と今日はつくづく感じました。

 弟子屈町では町役場で徳永哲雄町長さん、JA摩周湖では川口覚組合長さんなどとも懇談させていただきました。徳永町長さんは「福祉のことなど(日本共産党の)小川町議の意見を受け止めてきました。いい意見は、すべて取り入れなければ町は良くなりません」と話されたことが印象的でした。川口組合長さんからは、大規模だけでなく中小の家族農協も成り立つような農政の重要性が話されました。

 そう考えると、今の国政の現状が本当に「何をしてるのか!」と思えます。首相や昭恵夫人、他の関係者が真相を述べれば解決していくことなのに隠し続けるのは、やましいことがあるからに違いないでしょう。多くの国民が疑念を持って安倍政権を見ていることを、政府・与党はよく知るべきです。

 根室市に着いてからは加工・運輸など地域の現状をお聞きしました。明日は市役所や千島連盟のみなさんとの懇談もありますので、明日にまとめて書きたいと思います。

 【今日の句】教育に 悪い方々 テレビ出て

2018年4月17日火曜日

若い漁師の支えに

 札幌駅7:00発の特急に乗り、標津町に着いたのはピッタリ13:00。つどいではたくさんの意見が出されました。

 釧路駅に11:00に着き、昨年の総選挙で小選挙区候補だった石川明美さんの運転で足を運びました。石川さんには終わった後の移動まで運転いただき、本当に感謝の一言です。

 標津町は宣伝などで来ていますが、じっくり町民のみなさんと懇談する機会は初めてです。広い北海道では、まだまだ十分に足を運べていない自治体もあります。どのようなつどいになるか、ワクワク半分で足を運びました。

 標津町はサケの放流事業で有名な町。私から話をした後に、口を開かれたのは漁師さん。「アキアジが獲れなくなってきている」との話でした。獲れる量が減っても単価が上がれば漁師さんは収入を得られる計算ですが総量が減るもとでは追いつかず、かつ地元の加工場や流通関係業者には原材料が来ないために会社を閉めるなどの事態が起きているとのことでした。

 サケは稚魚を放流してから4~5年かかるだけに、しっかり国が研究体制と漁師の所得補償策を充実させる必要があります。標津漁協として共済的に助け合う仕組みを始めたそうですが、本来は国が基幹産業を守る一環として取り組むべきもの。安定的な収入の見通しがなければ、若い人も定着できません。

 次々と出される意見は、標津町を何とか暮らしやすい町にしたいという思いから。国と地方自治体とで、風通しのいい関係にしなければなりません。ところが今は国の顔色をうかがわなければいけない状況になっているのではないでしょうか。

 標津羊羹をモグモグしながら、日本共産党が大きくなる意義を話させていただきました。また標津町に来たいですね。

 明日は朝の宣伝のあと鶴居村→弟子屈町とまわり、夜のうちに根室市まで向かいます。

 【今日の句】気がつけば 疑惑の方々 海の向こう

2018年4月16日月曜日

そこまで墜ちたか

 風がまだ冷たい4月の札幌。それでも宣伝をすれば「がんばって」などの反応が寄せられるほど、今日もひどかった安倍政権。

 朝は定例の札幌駅前で、昼には道原発連といっしょの宣伝でした。泊原発の再稼働反対を知事へ求める署名には、30分間のうちに27名の方がサインされました。北海道新聞の世論調査では泊原発の再稼働を「認めるべきでない」は63%と、これまでの調査でも最多となりました。

 今も福島では故郷に帰れず、北海道へ避難されている方も多くいます。福島の原発事故はまさに現在進行形。原因や収束方法が明らかでないまま再稼働していいのでしょうか。核燃料を燃やした後の「核のゴミ」処理方法も決まっていないし、泊原発は規制委員会から指摘されている活断層問題などに新たな資料を出せていません。原発の是非を脇に置いたにしても、とても再稼働などできる状況にはないでしょう。安全に責任を負える状態とは、とても言えないと思います。

 宣伝から終わってニュースを見ていたら、福田淳一・財務事務次官のセクハラ発言について何と女性記者に対して「不利益が生じないようにする」としつつも名乗り出るように要請するとは、ここまで国の機構が墜ちているのかと愕然としました。まさに国あげてセカンドレイプを実践しているようで、もはや恫喝まがいではないのでしょうか。考えられない。

 イラク日報も明らかになり、宿営地サマワでは「戦闘拡大」とまでの記述があるようです。自衛隊が送られるのは「非戦闘地域」と何度も説明されていたことが、完全に覆っているのではないでしょうか。戦闘地域であれば自衛隊は日本に戻さなければいけなかったはずです。これでは自衛隊員の命に責任を持つ対応とは言えません。

 次から次へと圧力や隠ぺい、改ざんが明るみになってきました。それでいながら誰も責任を取ろうとしないなんて、何が「美しい国」なのでしょうか。真相を明らかにして、早く退陣し新しい政権を!

 【今日の句】記者じゃなく 呼ぶなら真っ先 昭恵氏だ

2018年4月15日日曜日

思わぬ出会い

 今日は恵庭市から赤平市へと渡り歩きました。とはいえ車の運転はスタッフOさん、いつも本当にありがとうございます。

 恵庭市は「未来を語る集い」だったのですが、やっぱり話題の中心は目の前の安倍政権。「秘密保護法で、どこまで秘密にされているんですか」「京都府知事選挙の結果をふまえて、今後の野党共闘をどう考えたらいいか」「安倍政権を応援するようなマスコミに対して党の考えは」「どうして日本は米国に、こんなにモノを言えないのか」‥‥などなど質問がありました。始めは手も上がらなかったので藤田しゅんすけ市議が「今晩のおかずを何にしたらいいか、でもいいですよ」と笑いを取っていたのが功を奏しました(?)。ちなみにわが家の夕食は鍋でしたよ。

 その後は赤平市へ、党北空知留萌地区の「女性のつどい」。オープニングは滝川市在住の高橋江海子さんの独唱で3曲。何とピアノ演奏は舘内孝夫市議がかっこよく務め、苦々しい政局の毎日のなか、すがすがしい思いで演奏を聞きました。余談ですが高橋さんは何と、私が勤めていた苫小牧市明倫中学校の出身であることが判明。私が勤務していた時より10年後に入学されていたようですが、こんな思わぬ出会いもあるんですね。

 私からは安倍政権の重大疑惑、市民と野党の共闘の現状、日本共産党の持っている力とともに平塚らいてうの「元始、女性は太陽であった」の言葉もひいて、誰もが人間らしく暮らせる日本をつくりましょうと呼びかけました。財務省事務次官のセクハラ発言のように、国家中枢にまで女性蔑視や性の商品化を正当化するような認識が根底にあるのはとんでもないこと。もはや論外どころか、先進国の政府と呼べない恥ずかしい限りです。大臣や本人に、そのような自覚がないのなら絶望的です。

 安倍政権を終らせた後は、憲法が生きる日本こそ進むべき道だと思います。立憲主義、平和主義、基本的人権、地方自治‥‥どれもこれも安倍政権で壊され続けてきました。税金の集め方・使い方を変えて、くらし優先へ。財界・大企業の優遇や「働かせ方改悪」をやめて、労働者の権利と生活が守られる日本を。米国いいなりではなく、自主独立の外交力を発揮できるように。もう、こんな自民党政治を早く変えましょう。

 【今日の句】安倍首相 往生際が 悪すぎる