2020年5月16日土曜日

受話器の向こうへ心を寄せて

 道労連(北海道労働組合総連合)が取り組んだ「緊急労働相談ホットライン」会場へ足を運び、切実な実態をうかがいました。まだまだ声にならない声があると痛感です。

 私が行ったときに寄せられていた相談は「休業補償なしの自宅待機」。それでは収入なしとなるのですが、経営者の言い分は「経営が大変だから払えない」。経営上の帳面が整理されていないらしく、雇用調整助成金への申請も及び腰になっているようです。これでは働く人が報われません。

 他にも、フリーランスとされていながら実態は源泉徴収も受けている方や、先ほどの方と同じく雇用調整助成金の要請もされず、雇用保険を受けようと思っても解雇もしてくれない方など、どこへ相談したらいいかわからなかったと思われる切実な話が次々。ガマンにガマンを重ねていたのかと思うと、胸が痛みます。

 それにしても、受話器の向こうの苦難に心を寄せつつ、立ち上がることの大事さや激励も交えながら応対するみなさんの力強さよ。正面から一人一人と向き合うことの大切さを、あらためて学びました。

 道労連議長の三上友衛さんや、相談対応で来られていた北商連(北海道商工団体連合会)の井上元美事務局長とも情報交換。私のもとに寄せられている金融機関の貸し渋りなども話題になり、さらに行政の力の発揮を求めていこうと確認しあいました。

 週が明けたら国出先機関への要請をおこなう予定で、要望項目の準備なども大急ぎでおこないました。一刻も早くと思いつつ、もどかしい思いも募ります。

 【今日の句】ギリギリの思い しっかり受け止めて

2020年5月15日金曜日

あたたかい連帯の力で

 弁当で子ども・学生支援を! みずからの経営が大変なもとでも取り組む飲食店のみなさんに、胸が熱くなります。今日は取材・調査も兼ねて札幌市内を駆け回りました。

 まず訪れたのは学童クラブ「チャランケ」。実は、わが子もお世話になっています(今日は連れ合いの仕事が休みだったため来ていません)。チャランケはじめ市内7施設へ、飲食店有志による「こころの公園制作委員会」から弁当が届けられ、その様子を取材がてら訪れたということです。

 この団体は東日本大震災を機につくられ、子どもたちの応援にと様々な取り組みをしてきました。今回は「コロナ禍での子育て世帯を支えたい」と計画され、市の補助も受けて市内のクラブ34ヵ所へ週1回、順繰りに無償で昼食を提供・配達するものです。今日は、その初回でもありました。

 チャランケは学校休業が始まった当初、親の負担軽減にと指導員が昼食を準備したこともありましたが、そのための朝からの人員配置や衛生管理が必要となり、今は家庭からの弁当持参です。すでに2ヵ月以上の休業要請となったことで、指導員と保護者ともに負担が増すもとでの提供は本当にありがたいものです。

 「保護者から『とても助かる』と喜ばれ、こうやって支えてもらったことは私たちの励みにもなっています」と指導員の金子友紀さん。「弁当をお持ちしました」の声が聞こえるや、やりかけの勉強も放り出して子どもたちは玄関へ。朝から待ちわびていたんです。

 配送スタッフのお1人も「学童にお世話になった」という方でした。「コロナの影響のしわ寄せが子どもにきています。僕らには弁当をつくることしかできませんが、困っている子の助けになりたい」と、子どもたちへ弁当を手渡してくれました。こういう大人たちの気持ちが、子どもたちに伝わればいいなと思いました。

 「学生さん緊急応援!」と、生活が困難な学生へも弁当を無償提供する飲食店もあります。支援の中心になっているのはボランティア団体「自立支援プロジェクト」。こちらも東日本大震災での支援を機に発足し、北海道胆振東部地震でもボランティアや物資支援などに取り組みました。

 今度は新型コロナウイルスで、保護者や本人が減収となった学生を支援しようと呼びかけていたなかで「困ったときはお互いさま」と応じる店が増えてきました。それが今回の「学生弁当無料」の取り組みです(学生でなくても未成年者も可、事前に予約を)。今日現在、協力している札幌市・釧路市の6店については同団体ツイッターで紹介されています。

 私が足を運んだのは札幌市の居酒屋「がりや」さん。入店してすぐに「学生弁当無料!」のチラシが目につきます。同店も売り上げが大幅に減少し、アルバイトの学生に休んでもらわざるを得ませんでした。「マスターも気にかけていました。そこに学生支援の話があったんです」と、同店スタッフが教えてくれました。

 せっかくなのでテイクアウト弁当も購入しました。弁当に添えられたカードには「今日も明日もその先も 沢山良いことがありますように」と手書きのメッセージ。多くの学生さんたちが、心もお腹も満たしてほしいと思いました。ブログをお読みの方のなかで(あるいは知人・友人で)お困りの方がいたら、お知らせしてほしいです。

 そのさなかに、飲食店経営という方から銀行の貸し渋りにあっているという相談メールが入り、急いで返事も。「このままでは従業員含めて、働くこともできない状態です」との悲痛な文面に、胸が痛みます。こんな時に検察庁法の改正なのかと、本当に腹立たしくなります。ともかくも、いっしょに苦境を乗り越えるための活動に、引き続き力を尽くしたい。

 【今日の句】連帯の広がり 力になれるなら

2020年5月14日木曜日

何で放っているの

 北海道は緊急事態を継続とするものの、国や道は本気で医療・介護の現場を支えるのか。悲鳴が上がっているリアルな実態を道医労連からうかがいました。財政支援もこれまで以上に、そして急いで、現場の要請に応えるべきだと痛感しました。

 先だって道医労連は道への第2次要請をおこない、その内容も記者会見しました。約10社が駆けつけるほどの関心の高さだったそうです。①衛生材料が足りず、医療・介護現場で集団感染が広がっている、②医師の診断があるにもかかわらずPCR検査ができない、③市中の医療機関で患者たらいまわしが起きている、④職員の人員不足と疲労感が高まり、十分な看護などができない--などの現状があるとして、9項目の要請をおこなっています。

 「マスクも『1日1枚』『3勤務で1枚』『壊れるまで』という病院もあります」「陽性の疑いがある患者が来れば診断・検査後に消毒しなければならず、人手不足のなか過酷な勤務になる」「コロナ患者のための受け入れをしようとすれば空床にしておく必要があるし、そうでなくても受診控えもあり、衛生資材確保の支出は増えているのに病院経営は減収」など、語られる深刻な実態。

 北海道は国立がんセンターなどの医療機関、茨戸アカシアハイツなどの介護施設で大規模クラスターが発生し、そのような現場で働く方々の実態の一端もうかがいました。みずからの感染リスク、患者や家族へ広げるのではないかとの緊張感、実際に陽性となった方の自責の念、何も悪いことなどしていないのに誹謗や中傷‥‥それでも患者や利用者を支える使命感や責任感。書ききれないリアルな実態は重い、とあらためて痛感です。医療・介護の環境とともに、働く誇りを支えなければならないのです。

 こういう状況にありながら、国立八雲病院の機能移転は粛々と準備されています。筋ジス患者や重度心身障害児・者の長距離移送には、ただでさえリスクが大きいのに、感染者が多い札幌への移送とともに感染防止、そのためのスタッフ確保など本当に可能なのか。国立病院機構に、誰の立場に立つのかと大元から問いたいくらいです。

 「とにかく現場の声を受け止めてほしい。救急患者を受け入れられなくなるような、医療崩壊という状況にもなっています。医療機関や介護施設でも感染者が増えているのに、何で放っているの。患者とともに職員がPCR検査を受けられるようにして、軽症・中症・重症と分けて医療が提供できるように」と、切なる現場の声を聞きました。しっかり反映させていきたい。

 救える命を救えなかった時の喪失感は、ご家族も医療従事者も心に重くのしかかります。そのような命の大切さの自覚と現場感覚をもっているのかと、行政にも、政治にかかわる私たちにも突き付けられています。目の前の苦難を解決するために、私も私の役割を果たします。

 【今日の句】がんばれば 救える命 あるはずだ

2020年5月13日水曜日

子どもたちこそ当事者

 文科省は休校による学習の遅れを複数年で解消する方針、と報じられました。道教組(全北海道教職員組合)との懇談のなかで、学校も地域も「受け身にならない」ことの大事さが語られて、私の思いとも同じで合点がいきました。

 何より学校の中心は子どもたち。ところが、その子どもたちが学校に行けないまま2ヵ月以上が経過しています。日ごろの学習も、健康維持・体力増進も、集団のなかで成長する経験も、この間の休校によって奪われる形になりました。仮に再開するにしても、また子どもたちが置き去りになったり、受け身のままで始まっていいのだろうかと、個人的には思ってきました。

 文科省は、再開するにあたっても子どもたち同士の距離をとる環境づくりや、学年をしぼった少人数対応、分散登校などを提示しています。そうなると1学級は20人以下とする必要があるので、文科省のQ&Aでも事実上、容認しています。それでは教員だって増やす必要があり、道教組は北海道での増員分を14,160人と概算しています。感染防止の支援とあわせて、教育関連予算を大幅に増やす必要があります。

 ところが文科省分の補正予算を見ると、最も多いのは「1人1台端末」を実現するGIGAスクール構想への2,292億円で、学習指導員等の配置には8億円しかありません。地方臨時交付金も使えそうですが、それでも少なすぎます。いろんな対策をとって加配・増員して、子どもたちの学びなどを支えるところが薄いのです。

 道教育委員会も、先生たちが子どもたちに向き合える状況を保障すべきなのに、当初通りの研修会(リポート付)を実施したり、教員免許更新も(大元は文科省の問題ですが)延期措置を取らないため、更新のため受けることになっている講義探しも先生自身がしています。

 仕組みをわからない方も多いでしょうが、免許更新に必要な講義・講習は、道教委では準備しません。期限を迎える先生が、全道・全国の大学などでおこなわれる講義を探して申し込むのです。ところが今は講義も少人数形式となっていて予約できず、空きを探し続けているという状況。これでは子どもに向き合う時間が取れません。

 子どもたちと会えない日々が続いて、状況把握や今後の学習内容の検討もしなければなりません。学校ごとに対応方針は異なりますが、くりかえし子どもたちへ連絡をとっている先生もいます。全道的には学校の再開が見通せてきた地域もあるもとで、その再開を受け身で迎えるのでなく、学校や地域、子どもたちも交えて話し合うなかで今年1年を始めようとの取り組みも、道教組では進めています。

 小学生は、今年から学習指導要領が新しくなり、英語の授業も盛り込まれました。しかし、これだけ休校が続いたのですから、この学習指導要領の内容を弾力的に見直すべきだと思うのです。夏休み・冬休み抜きで詰め込んでいくことで、本当に子どもたちの力となるのでしょうか。再開をどう迎えるかに現場は全力をあげているもとで、9月入学の議論が先行されるようなことには違和感があります。

 急いで、政府は何をするべきか。この大事な点がずれている・ぼやけていると痛感する毎日です。雇用を守っている旅行店からも現状をうかがいましたが、雇用調整助成金を早く出してほしいし、そもそも概算払いですぐに対応できるようにするべきです。とにかく現金を早く手元へ届けることなのです。私たちも、しっかりと反映させていきたい。

 【今日の句】学校は 誰のものかと 問い直し

2020年5月12日火曜日

連帯で活路を

 「早く現金が手元へ届くように」。道中小企業家同友会から状況を聞き、突き詰めるなら、この言葉に尽きます。雇用調整助成金にしても持続化給付金にしても、とにかく急いでほしいとの切迫さは強まっています。

 最新号の「中小企業家しんぶん」北海道版では、道同友会による景況調査における業況判断DI(前年同期比)が大幅な悪化を示したことを報じました。見出しには大きく「『新型コロナ大不況』突入」。小見出しにも「まだ入り口、次期も大幅悪化見通し」と、状況の厳しさを率直に示しています。

 あわせて、見出しには「同友会の連帯で活路を」。今日の懇談でも開口一番「雇用を守ることが大事です」と佐藤事務局長さんは述べられ、経営者も社員も力をあわせて生き抜こうとの熱い思いが伝わってきます。この思いに応えなければと、私も身が引き締まりました。

 まず課題となっているのが雇用調整助成金。声をあげるたびに条件緩和などおこなわれてきましたが、相談の順番待ち、申請受付も順番待ち、申請から支給までも1ヵ月かかるとなれば、休業手当を払える体力があっても持ちこたえられません。手持ち資金が枯渇していくなかでは「概算払いで処理するぐらいやってほしい」との要望も当然です。

 持続化給付金も初日からサーバーがダウンするほど、ネット上での確認・申請が殺到しました。関係団体や自治体、金融機関の力も借りるなどしていち早く届けることを、今からでも進める必要があります。ネット環境がなかったり不得手という方も多くいます。

 いったん融資で借りられても今後の返済への不安や、新たに借りることになった時に条件が厳しくならないかなどの心配も尽きません。金融庁から金融機関への要請や、事業者へも「借りても大丈夫」というアナウンスも必要です。こういう1つ1つに迅速に、政府・行政としてこたえてほしい。返済不要の「永久劣後ローン」の実施と、政府による買取機構をつくることをセットにするなど、新たな政策提言もいただきました。

 懇談の最後には、ポストコロナの社会像についても話題になりました。「多くの業者はV字回復になると思っていないのではないでしょうか」と佐藤さん。「新しい生活様式」など、国にすべてをゆだねるような状況では「人間として弱まっていくような感じがします」との言葉にハッとしました。

 「連帯で活路を」と呼びかけられた大元には、みずから切り拓く、中小企業家の魂ともいうべき精神があります。あらためて窮状と実態に聞き耳をたてて、しっかり反映させなければと痛感しました。

 【今日の句】これまでの 経験則を 超えないと

2020年5月11日月曜日

前進面も、もどかしさも

 今日の国会中継を見た方は、どのような感想を持たれたでしょうか。国民の声で前進してる面と、どれだけ実態を受け止めているのかという面とがありました。日本共産党は宮本徹衆議院議員と倉林明子参議院議員が質問に立ちました。

 国会への反映とともに、地方議員を通じて要請や問い合わせていること、私自身も関わってきたことなどがあります。どの相談も切実で、急がれているものばかり。そういう状況からすれば、現場の官僚は懸命ではあるものの、全体として政府の対策が非常にもどかしくもあります。

 定例宣伝でも「医師会などの協力でPCR検査センターを各地に開設できるように」「道の休業支援金には理美容店など対象業種も増やしてほしい」など、寄せられた声を紹介しました。道でPCR検査センターを広げるには人手や機器が必要ですが、どれだけ北海道の大学や研究機関に能力としてあるのか、道などへも確認していく必要があります。

 党道委員会がHPなどを通じて、医療・介護従事者と家族へのアンケートもおこなってきました。寄せられた実態を読むと、引き続きマスクや防護具などは不足していますし、本人と家族への感染の心配とあわせて精神的な面も含めたストレスの増加が、不安なこととして多くあげられています。

 「病院という一番危険な現場でマスクがなく、何日も洗って使いまわしてます‥‥日々、死の恐怖と向かい合わせの精神状態です。政府には医療受け入れ体制の補強と病院赤字の補填を望みます」「子育て世代の医療従事者に援助を‥‥誇りある仕事なんだ、と自分に言い聞かせ、奮い立てて毎日、仕事に向かいます」(いずれも原文ママ)など、当事者からは切実な声。

 ご家族からも「娘が看護師をしています。自己免疫疾患で治療中、3歳の子どもがいます。毎日感染しないよう祈ることしかできません」「妻の勤務先クリニックでも感染リスク、子どもが休校でも休みを取れないこと(が困っている)」(同)など、ひしひしと文面から伝わってきます。

 私たち自身の調査・懇談や寄せられた声は随時、行政に反映させています。お困りごとは日本共産党の地方議員や各地の事務所へ、遠慮なくご相談ください。

 【今日の句】月またぎ 何度言ったか 急いでと

2020年5月10日日曜日

黙ってられない

 ガマンできないほど、おかしい。「#検察庁法改正案に抗議します」の投稿がツイッター上で止まらない。今やるべきは新型コロナウイルスへの対策と国民への支援だろう!が、多くの方の願いではないでしょうか。

 著名人などのツイートも目立ちます。そもそも、どのような仕事であれ意思表明できることこそ民主主義が成熟した社会というもの。ご本人たちも、こういう発言が特別なことと受け止められてほしくはないかもしれません。数百万規模にまで出された声は、まさに国民1人1人としての叫びです。

 昨日も書きましたが、つまりは安倍首相がみずからを守りたいがための改正案です。都合よく政治も法律もねじ曲げるような保身の政治には、声をあげなければいけないと広がった危機感。新型コロナウイルスへの対策も後手後手どころか、まじめにやる気があるのかと、私も各地で耳にしてきました。

 森友問題も加計問題も、「桜を見る会」疑惑も、河井夫妻の公選法違反疑惑も、ひたすら隠し続け、時には犠牲となった方も出ました。忖度と追従をした人たちは、昇進などの優遇も受けました。私も現職時代に、政権側による強引な国会運営を何度となく味わってきました。蓄積してきた不満のうえに、今回の事態です。黙ってなどいられない。

 今は命と健康、商売と雇用を守るために全力を、そのための政治を。北海道からも引き続き声をあげていきます。

 明日は衆参の予算委員会が、NHKにて中継されます。衆議院は宮本徹議員が11:30~、参議院は倉林明子議員が15:36~の予定です。テレビやラジオで、ぜひお聞きください。

 【今日の句】保身しか 見えぬ総理よ 聞こえるか