2020年5月15日金曜日

あたたかい連帯の力で

 弁当で子ども・学生支援を! みずからの経営が大変なもとでも取り組む飲食店のみなさんに、胸が熱くなります。今日は取材・調査も兼ねて札幌市内を駆け回りました。

 まず訪れたのは学童クラブ「チャランケ」。実は、わが子もお世話になっています(今日は連れ合いの仕事が休みだったため来ていません)。チャランケはじめ市内7施設へ、飲食店有志による「こころの公園制作委員会」から弁当が届けられ、その様子を取材がてら訪れたということです。

 この団体は東日本大震災を機につくられ、子どもたちの応援にと様々な取り組みをしてきました。今回は「コロナ禍での子育て世帯を支えたい」と計画され、市の補助も受けて市内のクラブ34ヵ所へ週1回、順繰りに無償で昼食を提供・配達するものです。今日は、その初回でもありました。

 チャランケは学校休業が始まった当初、親の負担軽減にと指導員が昼食を準備したこともありましたが、そのための朝からの人員配置や衛生管理が必要となり、今は家庭からの弁当持参です。すでに2ヵ月以上の休業要請となったことで、指導員と保護者ともに負担が増すもとでの提供は本当にありがたいものです。

 「保護者から『とても助かる』と喜ばれ、こうやって支えてもらったことは私たちの励みにもなっています」と指導員の金子友紀さん。「弁当をお持ちしました」の声が聞こえるや、やりかけの勉強も放り出して子どもたちは玄関へ。朝から待ちわびていたんです。

 配送スタッフのお1人も「学童にお世話になった」という方でした。「コロナの影響のしわ寄せが子どもにきています。僕らには弁当をつくることしかできませんが、困っている子の助けになりたい」と、子どもたちへ弁当を手渡してくれました。こういう大人たちの気持ちが、子どもたちに伝わればいいなと思いました。

 「学生さん緊急応援!」と、生活が困難な学生へも弁当を無償提供する飲食店もあります。支援の中心になっているのはボランティア団体「自立支援プロジェクト」。こちらも東日本大震災での支援を機に発足し、北海道胆振東部地震でもボランティアや物資支援などに取り組みました。

 今度は新型コロナウイルスで、保護者や本人が減収となった学生を支援しようと呼びかけていたなかで「困ったときはお互いさま」と応じる店が増えてきました。それが今回の「学生弁当無料」の取り組みです(学生でなくても未成年者も可、事前に予約を)。今日現在、協力している札幌市・釧路市の6店については同団体ツイッターで紹介されています。

 私が足を運んだのは札幌市の居酒屋「がりや」さん。入店してすぐに「学生弁当無料!」のチラシが目につきます。同店も売り上げが大幅に減少し、アルバイトの学生に休んでもらわざるを得ませんでした。「マスターも気にかけていました。そこに学生支援の話があったんです」と、同店スタッフが教えてくれました。

 せっかくなのでテイクアウト弁当も購入しました。弁当に添えられたカードには「今日も明日もその先も 沢山良いことがありますように」と手書きのメッセージ。多くの学生さんたちが、心もお腹も満たしてほしいと思いました。ブログをお読みの方のなかで(あるいは知人・友人で)お困りの方がいたら、お知らせしてほしいです。

 そのさなかに、飲食店経営という方から銀行の貸し渋りにあっているという相談メールが入り、急いで返事も。「このままでは従業員含めて、働くこともできない状態です」との悲痛な文面に、胸が痛みます。こんな時に検察庁法の改正なのかと、本当に腹立たしくなります。ともかくも、いっしょに苦境を乗り越えるための活動に、引き続き力を尽くしたい。

 【今日の句】連帯の広がり 力になれるなら

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