2021年3月6日土曜日

前例がなくとも

 東川町へ移住して直接・間接に町づくりにかかわっている方々との懇談と、旭川市では総選挙勝利に向けての総決起集会に参加。東川町では鶴間松彦町議が案内くださり、旭川市では真下紀子道議・党市議団(能登谷繁・小松晃・石川厚子・真嶋隆英)もいっしょに参加。各地に議員がいることは本当に心強いです。

 町役場に「東川スタイル課」という部局があるように、町の歴史や文化などを大事にしつつ新しい考えも取り入れながら町づくりを進める東川町。町民の生き方をインタビューで掘り起こしてまとめた、町民向けの「東川スタイルマガジン」という冊子まで発行しているのには驚きました。「以前の冊子の失敗を活かしました。きれいにまとめることより、しっかり町民から聞き取ることを重視しました」と町職員さんの言葉から、力の入りようも伝わりました。

 地域おこし協力隊員として活動し、そのまま起業・移住した方も少なくありません。お聞きした方々は共通して「行政の親切さ・やる気」に触れていました。商工会や金融機関もいっしょに、同じ目線で話し考えてくれるというのです。そうやって根づいた方々が自分の分野で開拓し、それが連鎖して「友が友を呼ぶ」式になっていると思いました。お一人から「役所というと前例がないことには踏み込みませんが、この町は前例がないことにこそ関心を向ける」と聞いた言葉に、町づくりへの思いが象徴されています。

 東川町は旭川家具の生産地でもあり、「個人の工房も町内に10ほどあるのでは」とアートクラフト・バウ工房の大門嚴さん(写真)。木でつくられた座布団(!)などアイデアや遊び心も、確かな技術があるからこそ。東川町で始まった「君の椅子」第1回目の製作者は大門さんで、「これまでは家具も本州の人に買ってもらい、あまり町民には知られていませんでした。町が『君の椅子』を始めてから町民との結びつきも強くなり、今でも椅子の修理に来られる方がいます」との話も、行政と地域に根ざした業者の連携という点で参考になりました。

 旭川市に移動し、総選挙勝利に向けての総決起集会。間隔を取り定期的に換気もするスタイルが、だんだん当たり前になってきました。私からは情勢報告も兼ねてあいさつし、石田地区委員長の行動提起の後に、市内の活動の報告・交流がされました。亡くなられた児玉健次さんに、若いころ学習会で励まされたという方はルイ・アラゴンの「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」を引用されました。これは児玉さん自身の好きな言葉でもあるのです。思わず背筋が伸びました。あらためて議席奪還へとがんばりたい。

 【今日の句】つながりの強さが 町を照らしてる

2021年3月5日金曜日

課題を超えて

 JR根室本線の災害復旧や維持・存続にかかわる懇談、豪雪によるハウス倒壊被害の調査、コロナ禍での町づくりについて懇談など、新得町から上川管内へとまわりました。各自治体で青柳茂行・新得町議、生出栄・東神楽町議、鶴間松彦・東川町議、佐藤和三・前中富良野町議が同席しました。

 JR根室本線は2016年の連続台風で被害を受け、復旧されないまま4年半が過ぎました。十勝管内と上川管内を結び、北海道の中心を走る文字通りの「背骨」となる路線なのに、東鹿越(南富良野町)~新得(新得町)間は代行バスを走らせ、しかも3月のダイヤ改正では不便を助長するように減便もされます。南富良野町の幾寅駅は映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地で、駅舎はじめ展示も残されていますが、線路は除雪もされず雪に埋もれたまま。父親が鉄道員で数多くの思い出があるという南富良野町・池部彰町長は、この現状に「涙が出る思いだよ」と語られました。日高本線もそうでしたが、まずは復旧しなければ乗客数の増加さえも見込めないのに、廃線ありきのごとくJRは復旧しようとしないのです。「ガマンも限度」(池部町長)との思いが、痛いほどわかります。

 管内をまたぐわけですから、広域自治体である道の積極的役割が求められます。「背骨」としての位置づけをもつ路線の維持か廃線かを、人口が数千人の町に、その決断や責任を求めるのは厳しい。連続台風以前に自分でも乗車した新得町・浜田正利町長は、乗員の多くは観光客だったといいます。新得町と南富良野町は隣町とはいえ峠を挟み、生活上では両町民が利用することは多くありません。しかし「背骨」であるゆえに、線路がつながっていること自体に意味があるのです。新得町ではJAでも、北海道と本州を結ぶ物流網についての意見もうかがいました。維持・存続の意義を、くりかえし私としても訴えていきたいです。

 一昨日の大雪で、富良野市・上富良野町・中富良野町では約300棟もの農業用ハウスが倒壊しました。写真は中富良野町にてメロン・イチゴ農家の100mハウスですが、映っている先に行くほど雪の重みでハウスがつぶれています。この農家では12棟のうち5棟が倒壊して、今の時期はメロンの種を植えるのですが、さすがに断念したといいます。「長く住んできたが、この時期の大雪は初めて」とのこと。ハウスへの雪害は何度も見てきましたが、これを機に離農しようかとの思いが湧く農家もいるもとで、国や関係機関が支えてきた歴史があります。共済には加入しているそうので、私から「早く支払われるように求めていきます」と話しました。

 町づくりの点では、東神楽町・山本進町長と東川町・松岡市郎町長からご苦労や努力の一端をうかがいました。東神楽町では人口が自然減の局面になってきたとのことですがペースは緩やかですし、東川町は「友が友を呼ぶ」ように移住されている方がいると聞きます。懇談させていただくなかで共通して感じたのは、子育て支援への手厚さでした。広く知られるようになった「君の椅子」プロジェクトに、両町とも参加していることに示されているように思います。子育て支援は全国的問題として国が責任を果たすべきですが、そのうえで各自治体が上乗せする形で「安心して子育てできる」「楽しく子育てできる」町づくりを進めているのです。

 東川町には全国初となる公立日本語学校もあり、正式な開学から5年が経ちました。鶴間町議が、その卒業生などとも交流があることから話を聞く機会もあり、思わぬ文化交流など盛りだくさんの1日となりました。まだまだ続くコロナ禍ですが、克服できた後は、これまでと違う国際交流のステージに上がるような気がします。「Think Globally , Act Locally」を実感しています。

 【今日の句】まわるたび 見える変化と 可能性

2021年3月4日木曜日

原点に触れて

 亡くなられた児玉健次さんの追悼寄稿の依頼があり、国会の会議録や晩年に書かれた文章などに目を通しています。自分の不勉強を恥じるばかりですが、総選挙で遺志を継ぐ議席を必ず奪還しなければとの決意を新たにしています。

 治安維持法犠牲者国会賠償要求同盟が刊行する「治安維持法と現代」2019秋季号への寄稿が、児玉さんが最後に書いた、まとまった文章かもしれません。ナチスに抗った軍人などの名誉が回復されたドイツと比較し、治安維持法の犠牲者に謝罪も賠償もない日本の現状を告発している文章です。

 戦争を体験し、仲間を失い、戦後の絶望のなかから日本国憲法を手にした感激が、児玉さんの政治活動の原点だったと思います。少しばかりの私の思いも込めて「ほっかい新報」に載せていただくので、ご機会あればお読みください。

 今日は全道の地区委員長会議にも参加。明日は新得町から上川管内へ、根室本線の維持・存続や地域づくりでの懇談にまわります。大雪によるハウス倒壊もあったことから、その調査もおこなう予定です。

 【今日の句】存在と 議席の重み ひしひしと

2021年3月3日水曜日

公共交通を守る責任は

 今日は高橋千鶴子衆議院議員・武田良介参議院議員と、JR北海道本社をはじめ聞き取りにまわりました。国鉄債務処理法改定案が今国会で審議されることへの調査に同行しました。真下紀子道議はじめ道議団もいっしょです。

 この法律はJR北海道・JR四国・JR貨物(前回はJR九州も)へ国が支援するために設けられているもの。10年ごとの改定です。来年度以降の支援を延長するための改定ですが、問題はその支援の中身について。国による改正理由を見ると「経営自立に向けた取組を推進するため」とあり、支援はJR北海道等の「経営自立」=株式上場のためなのです。

 しかし、どう見ても経営自立など見通せないのが今のJR北海道。だからこそ今回の改定案には過去にないほどの支援が盛り込まれているといえます。でも、そうであるなら何のための分割民営化だったのか。これまでも鉄路の維持・存続へ国が公共交通を守る責任を果たせと訴えてきましたが、調査に同行して、その思いを新たにしました。

 他にも減便の影響について道高教組からの聞き取りや、専門家からのご意見もうかがいました。今後の国会質問にもかかわるので詳細は控えますので、ぜひ両議員の質問をお聞きください。今月中の衆参国土交通委員会にて審議されます。

 その後は札幌市豊平区に足を運び、伊藤りち子3区予定候補(比例重複)との街頭宣伝。「がんばってください」と、肘タッチしながら激励の声もかかりました。うちの子が保育園に通っていた時の保育士さんも来てくださっていて、「もう受験生なんだもんね。がんばってと伝えて」と差し入れまでいただきました。本当にありがたいです。

 【今日の句】最優先すべきは 利益か公共か

2021年3月2日火曜日

雪国とはいえ

 道内各地での大雪、大変です。すでに豪雪となっている岩見沢市や、断水が続いている美唄市などは、さらに大変なことと思います。自治体職員なども懸命ななか、せめて雪が止んでほしいもの。雪崩や落雪なども起きていますので、ぜひお気をつけください。

 明日の道立高校の入試も延期に。初めてのことだそうです。受験会場へJRを使って行く生徒もいるでしょうし(今日も運休が多数)、自動車を運転できないご家庭もあるなか、できる限り安心できる環境で受験を迎えられることを願うばかりです。

 今日は札幌市北区で平岡だいすけ2区予定候補と街頭宣伝にまわる予定でしたが、この大雪で宣伝場所を確保できないため、車を流しながら交代でマイクを握りました。2区補欠選挙の告示日は来月13日。野党統一候補については中央段階もまじえて引き続き協議中ですが、必ず勝利して菅政治からの転換をめざす点では一致しています。

 札幌市議の経験があり、行動力も抜群の平岡だいすけさん。あいにくの天気でも、雪かきをしている方や排雪作業員から応援の手があがり、バイクを(雪のなか!)運転していた方からも激励が。党北区地区の事務所に戻ると、市民の方から「平岡さんの演説を聞きたいのですが」と問い合わせの電話もあったそうです。期待の声が高まっているのを実感しました。

 補選のきっかけとなったのは、吉川貴盛・元農水省が大臣室で現金を受け取るなどが発覚したから。この間は総務省の接待問題もあり、カネや利権がらみの政治にウンザリという方も増えているはずです。企業・団体献金を受け取らない日本共産党だからこそ、きれいな政治を実現する力になれます。いつも言ってることとはいえ、この値打ちが今こそ大事。私もしっかり訴えたい。

 【今日の句】平均に 降ってほしいと 願うけど

2021年3月1日月曜日

医療現場を孤立させずに

 朝の宣伝を終えたら、山田内閣広報官が辞職との速報が。これで幕引きとしないで、政治の責任で真相究明を進めるべきです。山田氏本人も含めて納得できる説明はされていないと、多くの方が感じているのではないでしょうか。総務省の幹部全体で、なぜ東北新社ばかりが多いのか、本当に行政をゆがめなかったのか、わからないことが多すぎます。

 山田氏は菅首相にとって、信頼できる人物だったとされます。記者会見を途中で打ち切れる人物だから重宝したのでしょうが、それは国民の知る権利を遮ったことになります。安倍前首相の時から、こうやって自分に都合のいい人事を進めてきたことで矛盾に矛盾が重なってきました。北海道では来月に小選挙区2区補欠選挙もあるし、利権がらみの政治を変えようと街頭でも訴えました。

 今日は医療分野で働く方の後援会「つどい」。私とは距離も取りつつ定期的に換気もし、時間も区切りながら中身が濃い議論や交流ができました。「医療従事者は昼食も黙って食べて、仕事が終わった後の交流もできないから孤独が深まっているんです」。終わった後からポロリと聞いた一言が、病院の現実を示していると痛感しました。

 医療や介護・福祉・保育などは(どの職場でも同じでしょうが)言葉と言葉で支え合う分野だと思うのです。患者ひとり見るにしても集団的な対応が必要だし、命に直結するだけに緊張感も大きい。しかもコロナ感染という難題と向き合った1年間で、ためにためこんだ負担があるはずです。職場だけでなく家庭内感染対策でも相当の神経を使ってきたことだって、なかなか言えないことではないのでしょうか。

 「前回の選挙で畠山さんを落としたことが今でも悔しい。音が出せるうちに、しっかり宣伝しないと」「職場にも若い人がたくさんいる。どう働きかけようか」「みんな分断されてつながりにくくなっているけど、大学の友人や、子どもの友達の親には選挙のたびに支持をお願いしてきた」など、何かしようという話し合いにもなりました。命を守ることに冷たい政治を変えたいと、それだけの思いが充満してきています。いっしょに力をあわせていきたい。

 【今日の句】何度目か トカゲのしっぽ また切られ

2021年2月28日日曜日

前回の轍を踏まないために

 今日は札幌市西区・手稲区へ。地域をまわっていつも実感するのは、党員・後援会員のみなさんが日ごろの結びつきを大事にしていることです。今日も多くの状況をうかがいました。

 「保育士で働く娘は、幸い陰性だったけどPCR検査を2回受けました。エッセンシャルワーカーには定期的に検査があると安心します」。病院や高齢者施設で働く方に、札幌市独自の検査が3月から始まることを紹介する「しんぶん赤旗」日曜版を広げたなかで、出された話です。ワクチン接種が始まっても、検査を縮小することなく広げてこそ感染拡大防止にもなりますよね。

 私の親と同じくらいの年齢かと思える方は、うつ病を抱えるお子さんの状況を語られました。というのも、同行してくれた党員さんが聞き上手で、お子さんが安心して話してくださるのだといいます。厚労省の調査では躁うつ病を含む気分(感情)障害を持つ方は127.6万人(2017年)で、今は誰でも起こりうるとは言え、支える家族のご苦労の一端をうかがいました。

 「どうして大企業の内部留保について、何も言わないのかね」と、一般報道について意見を述べた方も。株価が3万円代にまで上がったのですから、超富裕層にも適切な負担を求めるべきですねと私が応じると、「そうそう、こんなに国民が苦しんでいるんだから」。どこでも総務省の接待問題も話題になり、あまりにも国民をバカにした話だと憤りの声も。あきらめ気分の方もいましたが、日本共産党はあきらめません。市民と野党で力をあわせて政権交代へ、そのなかでも日本共産党を大きくしてほしいと、くり返しくり返し私も話しながらまわりました。

 あと数か月以内には必ず衆議院選挙がおこなわれます。前回は突然の民進党解体→希望の党へ合流という大激動があり、市民と野党の共闘を守り抜くため日本共産党は身を削るようなこともおこないました。今度の総選挙は当時よりも野党統一候補への機運も高まっているし必ず成功させたいものの、一方で日本共産党そのものを大きくすることを独自に追求していかないと、前回と同じ結果になりかねません。どういう状況になったとしても必ず日本共産党を応援するよという方を、こつこつ広げていかなければならないのです。

 ありがたいことに、今日は「しんぶん赤旗」をお読みいただく方もだいぶ増えました。ぜひブログをお読みの方でも、お広げいただけると嬉しいです。

 【今日の句】草の根の 力の意味が ひしひしと