2020年5月25日月曜日

命の選別をしないで

 政府が緊急事態を解除しようが、命と健康を守るための支援はいっそう強めるべき。今日は旭川市の障害者施設・老人保健施設で切実な声をうかがいました。真下紀子道議、能登谷繁・石川厚子・真島隆英の各市議とで足を運びました。

 初めにうかがったのは、あかしあ労働福祉センター。きょうされんに加盟していることもあり、道北地域の実態も含めてうかがうと、「介護崩壊や福祉崩壊への心配があります」と理事長の北村典幸さん。利用者が休むことで減収になることは多くの施設でも聞いてきましたが、あかしあでも同様の状況があります。

 くりかえし「命の心配」が語られたことが、特に重く響きました。「当事者が『私が熱が出たときに診てもらえるだろうか』『お医者さんに、自分の状況をうまく話せるだろうか』との不安を抱えています。移動手段も含めて、安心して病院に行ける環境をつくってほしい」「欧米では、感染した障害者が救急医療から排除される例も報告されています。『トリアージ』の名目で、命の選別がないようにしてほしい」との声を、正面から受け止めなければなりません。

 そうでなくても外出自粛が呼びかけられて、生活習慣が変わることによるストレスや、健康悪化の心配もあります。「平時から職員不足など、障害者福祉の分野は課題が多くありました。制度の問題は、しっかり国に詰めてほしい」との北村さんの要請を、しっかり反映させていきたいです。

 職員不足など共通した問題を抱える介護分野。道北勤医協の老人保健施設「かたくりの郷」でも、次々と切実な要望が出されました。マスクや消毒液など衛生資材が今なお足りない、利用控えもあり減収が続いている、そもそもマンパワーが少ないのに介護職をめざす人が減ってしまわないか‥‥など、ぎりぎりの体制でふんばっている実態が、あらためてよくわかりました。

 札幌市・茨戸アカシアハイツの集団感染は、同じ介護施設として他人事ではなく、今日も話題に。「認知症の方は不規則な動きをする。病院で受け入れられず施設に留め置くというのなら、職員への教育や資材確保が絶対に必要」「ノロウイルスへの対応はしてきたが、感染症については施設内の動線確保やゾーニングなども必要となるだけに、事前に専門家に来てもらい調査してほしい」など、具体的な話を納得しながら聞きました。

 政府は感染者について「原則入院」としていますが、それが実施できない場合どうするか、急いで詰めていく必要があります。衛生資材などが不足しているなかで、介護施設や障害者施設で感染が広がれば、食い止めるには相当の時間がかかります。まして命の心配に直結する方もいます。切迫感をもって、私も取り組みたい。

 「根本的には介護報酬を上げてもらわなければ困ります」と最後に出された言葉に、この間の苦労が凝縮されていました。社会保障分野を抑制してきたツケが、このように現場を襲っています。2021年度の介護報酬改定議論は滞っているようですが、この期に及んで出し渋るようなことがあってはなりません。保険料の値上がりという形で反映しないよう、国が責任を負うべきです。

 ところで、札幌と旭川を往復するのに乗ったJRは、減便されているにもかかわらず、特急1車両に数人しか乗っていないガラガラぶり。JR北海道の経営も厳しさを増しているなか、とりわけ広い北海道での交通事業者支援も大きな課題と痛感して戻ってきました。

 【今日の句】向き合った 現場の思い 受け止めて 

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