2019年12月6日金曜日

わかったつもりにならない

 今日は日高管内。最後の日高町では医療・介護の現状をしっかり聞いて、現場のがんばりにこたえる政治にしなければとの思いを強くしました。様似町・鈴木隆、浦河町・荻野節子、新ひだか町・谷園子、日高町・真壁悦夫の各町議と宣伝・懇談などにとりくんだ1日でした。

 聞いた先は勤医協厚賀診療所で、実は開所して70年にもなる記念イヤー。それだけ地域に必要とされる診療所であり介護支援事業所なのですが建物の老朽化も激しく、要望でも真っ先にあげられました。経営が大変ななか、行政からの支援が必要である実態を肌で感じました。

 看護師が1人でありながら訪問看護もおこなっていて、このようながんばりに医療現場が支えられていることがリアルに伝わります。苫小牧市から看護師も来てはいるのですが、やっぱり総数が増えるようにしていく必要があります。国の姿勢が問われます。

 介護現場も少ない職員・パートで力をあわせて、利用者さんに向き合っています。「厚賀は住民同士の仲がよく、職員との距離も近いので働きやすい」との声も聞きました。それでも疲れがたまれば、がんばりたくてもがんばれない。しかも国による「介護はずし」が広がるもとで、町村では「では、誰が支えるの?」というほどの状況です。

 ケアマネは、加算方式による介護職員の処遇改善には適用されないとの話もうかがいました。「プランがなければ適切な介護はできない。同じ職場なのに、この違いはおかしい」との話も納得ですし、ケアプランが有料化されて自己判断や自己作成でサービスを受けていれば、やっぱり適切な介護はできなくなります。介護保険財政にとっても良くないこととの指摘も納得でした。

 勉強しているつもりでも、まだまだ私は社会保障分野について知らないことが多くあります。上記のように書いたことも、すでに現場では危機感を強めていたことだとも思います。ていねいに教えてくださったことに感謝ですし、大事なことは「わかったつもりにならない」ことだと、あらためて強く思いました。しっかり国政に反映できるようにしていきたい。

 話は前後しますが、浦河町では日高中央漁協へ足を運びました。漁協での危機感は「魚が獲れない」こと。例えば日高東部3町での秋サケ漁獲量は、この10年で最低となりました。「日によってサケが1匹もかからない網もあった」など、すでに最盛期の3分の1にまで下がっています。サケだけでなくイカやタコでも減っているのです。

 「昔は一魚種が獲れなくても別の魚種が獲れて補っていたが、今は全部がダメ」と小松伸美専務さん。漁師とともに加工場も、原料となる魚がなければ成り立ちません。とはいえ失くしてしまえば、多く魚が獲れたときに加工する場がないことにもなってしまいます。雇用だって維持していかなければなりません。

 「例えば5年ほどの期間で漁師も加工場も支えてもらえれば、その間に魚種交代があっても対応できる時間がある」との話を、なるほどと思って聞きました。共済制度を前向きに見直すことなど、これまでも国には訴えてきましたが、さらに現状を伝えていきたい。

 様似町では宣伝に、新ひだか町では「党を語るつどい」など、それでも時間は足りないくらい。町と町との移動だけでも30分~1時間かかるのですから、本当に北海道は広い。JR日高本線も、公立・公的病院も必要だとつくづく感じます。どこに住んでいても命は平等だし、そのためにこそ税金を最優先で使ってほしい。

 「桜を見る会」への怒りも次々と出され、くりかえし「安倍政権を本当に変えないとダメだな」と語る方も。自分の後援会や「お友達」を大事にする政治から、くらしと地域を大事にする政治にこそ変えていきたいと決意も新たにする1日でした。

 【今日の句】税金は いのち支える 現場へと

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