2015年8月23日日曜日

くり返し明らかにすべきことは

 ロシア・メドベージェフ首相の択捉島訪問は「元島民の心 損なう行為」(北海道新聞・社説)。こういう時こそ歴史的事実と国際的道理を確認しなければ、と思います。

 今回でメドベージェフ首相は、大統領時代も含めて3度目の「北方領土」訪問となりました。

 2010年11月の最初の訪問時、日本共産党は「歴代自民党政権の日ロ領土交渉方針の根本的再検討を」を発表し、メドベージェフ大統領(当時)の訪問を「絶対に容認できない」と抗議しました。

 今回の訪問も、当時と同様、ロシアが千島列島と歯舞、色丹の不当な領有を将来にわたって固定化しようとする強硬姿勢の表れではないのでしょうか。

 そうであるなら容認できないし、日本政府として明確な意思表示をすべきです。

 これまで日本政府は訪問中止要請を再三おこなってきましたし、今回の訪問を受けて強い抗議を示し、岸田外相の訪ロを延期する方針のようです。

 厳しい抗議は当然ですが、日本の領土である歴史的事実や国際的道理を、こういう時にこそ繰り返し対外的に明らかにすることが大事だと思うのです。

 歴史的事実で言えば、千島列島は1875年の「樺太・千島交換条約」を経て、全千島が日本の領土と確定しました。

 しかしヤルタ会談で、「領土不拡大」という戦後処理の大原則をふみにじり、旧ソ連は対日参戦の条件に千島列島の「引き渡し」を要求し、米英両国もそれを認めたのでした。

 国際的道理もない秘密の取り決めを根拠に、旧ソ連は千島列島を併合したばかりか、北海道の一部である歯舞群島と色丹島まで占領しました。

 「勝てば官軍」ではなく、戦後処理の不公正を正すことこそ、本来は出発点です。

 ただ日本政府が、サンフランシスコ条約で①千島を放棄し、②その後に国後、択捉は千島に属さないから返せ、というのでは道理が成り立っていません。

 そこで日本共産党は、これらの歴史的事実や国際的道理を再検討し、ロシアとの交渉に臨むべきだと表明してきました。

 なにより北海道の一部である歯舞群島と色丹島は、優先して返還されるべきです。

 そして四島返還で運動されている元島民や団体のみなさんとも共同し、交渉が前に進むように求めてもきました。

 初めて根室に訪れた方は、決まって「こんなに近いんですか」と貝殻島を目にして話されます。

 根室市から標津・羅臼と向かうなかで、国後島もハッキリ見えます。

 しかし、日本人が足を踏み入れようとすれば、あるいは漁船がラインを超えようとすればロシア側に拿捕されて、今も拿捕されている方がいらっしゃいます。

 北海道民、とりわけ根室市民は大きな矛盾にさらされ続けてきました。

 野党とはいえ国政の場で働くことになった以上、私も領土問題の解決には重い責任があります。

 しっかり役割を果たせるようにしていきたいと思っています。

 今日は妹背牛町での演説会などにまわり、近づく秋も実感しました‥‥。

 【今日の句】 食欲の 秋が今年も 待っている

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