2015年11月5日木曜日

誠信の外交

  日韓国交正常化50年の今年。北海道でも韓国総領事館主催のフォーラムが開かれて参加しました。参加国会議員は私だけで来賓席まで用意されて恐縮でしたが、フォーラムでは多くのことを学びました。

  フォーラムは鄭在貞(ジョン・ゼジョン)・ソウル市立大学教授、仲尾宏・京都造形芸術大学客員教授の発表・問題提起を受けて、趙世ヨン(=日へんに英)・東西大学日本研究センター所長、遠藤乾・北海道大学教授が討論に加わる形式のもの。

  鄭教授は、紀元前から今日まで「人間の移動と文化接触」「戦争の衝撃と社会変動」「物資の交易と生活の変化」という点から両国関係の密接さを説きました。

  仲尾教授は「朝鮮通信使と江戸時代の日本」と題し、両国の「誠信」の交わりについて今日に生きる形でお話しされたことが印象的でした。

  当たり前ですが隣国同士で緊張関係などない方がいいわけで、研究・民間レベルでは様々な交流がされていますよね。

  交流の時間に、ある大学の先生に声をかけられました。

  「韓国でも中国でも国民同士で話をすれば、対立はないんだよ。政治レベルの話じゃないか」

  確かにそのとおりで、特に安倍政権のもとで緊張関係が強まってきたのが事実だと思います。

  今日のフォーラムでも「私は日本人だが、日本の責任が大きい」との発言がありました。

  だって安倍首相は8月の談話で、日露戦争を肯定的に評価しましたよね。

  日露戦争の戦場の舞台は、まさしく半島だったわけです。

  「勝利」した日本は、その後に日韓併合へ進み、韓国内の抵抗運動も鎮圧しました。

 この事実1つ見ても、安倍政権の歴史観に疑問を投げかけざるを得ないのです。

  江戸時代の「誠信」の外交とは、「偽らず、争わず」とのこと。

  両国の未来にとって、歴史を直視することは欠かせないとの思いを強くしたフォーラムでした。

  【今日の句】 ちっぽけな 排除を超えて 連帯へ

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