2016年5月18日水曜日

実態を踏まえた新法と緊急策を

 委員会の合間に「アイヌ政策を推進する議員の会」総会がありました。「アイヌ新法」が検討されているなか、大事な意見交換をおこないました。

 北海道からは、山谷吉宏副知事、道アイヌ協会の加藤忠理事長、札幌アイヌ協会の多原良子副会長なども見えられました。

 政府側からは、北海道白老町に建設予定の「象徴空間」「アイヌ民族博物館」等についての概要、アイヌの生活実態調査をふまえた施策と現状、そして国民理解を促進する活動の報告がありました。

 議題として「アイヌ女性の権利について」があり、多原さんからは国連女性差別撤廃委員会の総括所見で、民族と性別による「複合差別」是正など勧告されたことにも触れ、「多くのアイヌ女性の声を反映できる仕組みを」との要望がありました。

 議員も含めた意見交換で、私からは「新法をつくるにしても実態をふまえたものが必要だが、いろいろな配慮も含めて実態調査での苦労があったのでは」と、今後に生かすうえでの勘所は何かと質問しました。

 山谷副知事は、アイヌの生活や教育における支援の重要性が重ねて述べられつつ、これまでも調査にはプライバシーに配慮をしながら進めてきた、と述べられました。

 多原さんからは、これまでの実態調査の期間も1ヵ月程度のため対象も限られ、せめて半年ほどの期間や、調査項目にも女性の立場もふまえたものを、などのお話がありました。

 まだ差別や偏見があるなかで、公的な調査とはいえ自分がアイヌであることを話すのをためらう気持ちもわかりますし、ていねいに時間をかけた調査と、その現状を汲んだ法制化の作業へと進む必要があると思います。

 同時に、まだ時期もはっきりしない新法待ちにしないで、くらしや教育での緊急支援策が必要です。

 国会で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が、全会一致であげられて8年になろうとしています。

 「明治政府以来の強制同化政策を謝罪し、国の責任を明確にするとともに、生活の安定・向上、民族的文化の保護、教育向上などの諸権利を保障する「アイヌ新法」を早期に制定するべき」(2014年総選挙・日本共産党北海道委員会の政策)です。

 私も力を尽くしたい。

 【今日の句】 共生へ 進む日本に 切りかえて

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