2021年6月1日火曜日

乗組員の健康確保を、事実と道理にもとづく対応を

 ロシア側にだ捕された漁船・乗組員は船内に留められているようです。だ捕されて4日目となり、持病のある方は10日分の薬を持参していたとはいえ、ご家族にとっても心配でしょう。今日は稚内市長や漁協組合長らが、ロシア総領事館に早期解放を要請もしました。

 稚内機船漁協の風無組合長は、漁船は日ロ中間ラインを超えておらず「操業に問題がなかったことが自信を持って言える」と、昨日の会見でも語っています。LINEにて乗組員と連絡が取れた北海道新聞によれば、だ捕直前に船体へ強い衝撃があり、立て続けに船体後部へ実弾2発が撃ち込まれたといいます。この乗組員は取材に「違法操業はしていない」と答えています。

 これらが事実ならロシア側に正当性はなく、事実誤認であったのなら早急に解放すべきです。事実誤認でなく政治的な理由であるならば、とんでもない。不当に道民が連行された可能性があるのですから、鈴木知事も早く発信・行動を。外務省も話し合っている経過はすべて出せずとも、人道的な対応をするよう強く求めているのでしょうか。

 稚内や根室へ行くと、交通掲示板などにもロシア語が明記されています。釧路に住んだことのある私にとっても、「隣国」とは中国や韓国よりロシアという感覚があります。漁業・水産業はじめ多くの民間交流もあります。問題は領土が未確定ということであって、それゆえに苦しめられてきた歴史や現実に直面する矛盾を、くりかえし私も聞いてきました。「また今回もか」との思いが強くあるのです。

 貝殻島付近でロシア側から銃撃を受け、私とほぼ同じ年だった30代の乗組員が亡くなった事件は、わずか15年前のこと。国政候補の活動を始めたばかりの私は、領土問題の未解決が命に直結する問題なのかと衝撃を受けたのでした。当時の根室での悲痛な雰囲気は忘れません。外交とは遠い世界のことでなく、まさに隣国との関係づくりなのです。

 こういう事態が生まれるたびに、軍事力の強化を訴える政治家などがいます。外交を放棄する議員など論外だと思うのですが、元島民へ「戦争で取り返すのに賛成か」とまで言い放った元維新・丸山穂高議員の例もあります。だからこそ北海道から、くりかえし領土問題の歴史や道理は発信していかなければいけない。

 まずは、連行された乗組員の健康確保を。日本政府は主権を譲らず、事実と道理にもとづく対応を。

 【今日の句】外相は 何か発信 してるのか

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