2017年8月25日金曜日

首相はロシアに何を語る

 雇用促進住宅についてのレク、北方領土返還要求北海道・東北国民大会に参加などの1日に。けっこう(私には)暑い札幌です。

 返還要求大会は元島民はじめ、各党・各団体、政府からの参加もあり、元島民、後継者などからの発言もあります。

 「命を懸けてでも声をあげる」と述べたのは、元島民の板倉稔さん。

 色丹島で生まれ育ち、昆布やカニ漁をていた親のもとで、自分も大人になったら漁師になって「御殿を建てる」夢をもっていた--しかし、それを打ち破ったのが8月28日にやってきた旧ソ連の軍隊。

 嵐の夜に脱出して、弟子屈町に住む親せきを頼りましたが、戦後すぐの状況で余裕はまったくなく「どん底の生活」を過ごされたと話しました。

 「早期一括返還を強く願う」として、先の「命を懸けてでも」の言葉が続きました。

 何より「元島民の問題であるし、日本の国の問題」とも訴えられました。

 領土は日本の国の主権にかかわることで、その正当性の主張がぶれては交渉とはなりません。

 その危うさが安倍政権にはあるわけで、今日のキャラバン隊からの「決意表明」のなかでも、昨年12月の首脳会談には「大変残念な思い」とも触れられていました。

 私も予算委員会で問うた時に、安倍首相は「お互いに正義を振りかざしても領土は1ミリも動いてこなかった」と述べましたが、しかし首相は日本としての正当性を本当に主張しているのか。

 この間もロシアから「特区指定」との動きもあり、共同経済活動が本当に領土返還に資するのかは疑問がわいています。

 答弁では「交渉の経過はつまびらかにできない」と避けましたが、どのような主張を安倍首相はしているのか。

 問いただしたいところですが、野党の臨時国会要求にはまったく応えないままだなんて!

 【今日の句】 晴れた日は 故郷の島 よく見えて

2 件のコメント:

  1. 北方領土問題といえば、昨年11月に行われた両国の安全保障担当者の会談の中で、ロシア側から日ソ共同宣言に基づいて2島を返還した場合「島に米軍基地は置かれるのか」と質問され、日本側は「可能性はある」と回答したそうです。

    その為、昨年12月の首脳会談はゼロ回答に終わり、今年6月にも、プーチン大統領が北方領土が日本に返還された場合の米軍基地設置の可能性について指摘し、それは容認できない、と発言してたようです。加えて、(北方領土の)非軍事化は可能だが、地域全体の(米軍との軍事的な)緊張を解かねば不可能だ、とも指摘してたようです。

    また、日本政府(外務省)において、「日米地位協定の考え方」として、米国は日本国内の任意の場所に基地設置の要求ができ、それを日本政府は基本的に断れず、北方領土の交渉においても、返還された島に米軍基地を置かないという約束はできない、という原則(密約)が存在する、という指摘もあるようです。

    ロシアも北朝鮮も中国も、いずれも米国とは程度の差はあれ、軍事的に対立・緊張関係にあって、米国と軍事同盟を結び、さらに米国に追従するばかりの日本も、それらの国々との関係は芳しくない状況にあるように思います。

    さらに沖縄をはじめとする米軍基地を巡る問題や、安保法(戦争法)による自衛隊の米軍の従属部隊化の問題も、日米合同委員会や密約による、米軍(と日本の一部の高級官僚)による事実上の支配体制が転換されない限り、根本的な解決はできないだろう、との指摘もあり、米国政府関係者でも、その状況に疑問を持ったり、問題視していた方もいるようです。

    このような歪んだ日米関係と日本の統治体制の是正と改善をすること、ロシアや北朝鮮や中国と米国および日本との間の対立・緊張関係を解消していくことが、北方領土をはじめとする諸問題の解決や、日本の安全保障に繋がっていくと考えています。

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  2.  匿名さん、コメントありがとうございます。

     書かれているとおり、ロシアの関心の1つは日米安保条約と適用範囲とにあると思います。北東アジアの平和的環境づくりと、日本の主体的外交姿勢などと方程式のようになって領土交渉にもからみあい、その解は、やはり日本政府の態度にあると思います。
     そうなれば道理ある外交姿勢が問われるわけで、今の安倍政権の外交姿勢にはやはり危惧を覚えるのです。

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