2018年10月5日金曜日

くりかえし声を聞き、反映させていきたい

 安平町から3町を回ろうと打ち合わせてた途端に強い余震! 早く安心できる日常を、と切に願いました。

 地震発生から1ヵ月が経ちます。大きな被害を受けた地域を定期的に回ろうと、今日は安平町・厚真町・むかわ町へ向かったのです。安平町では三浦恵美子・厚真町では伊藤富志夫・むかわ町では北村修の各町議が案内してくださり、全工程に松橋ちはる道議予定候補(苫小牧市)も足を運んでくれました。

 安平町でうかがったのは金川牧場さん。長沼町のハイジ牧場も営んでおられます。乳牛・肥育牛500頭がいますが、うち23頭は牛舎がつぶれた方から預かったものといいます。地域のつながりで支え合う大事さを強調されていたことが印象に残りました。

 真っ先に金川さんが強調されたのが「電力行政であってはならないことが2度も起きた」ということでした。1度目が福島の原発事故、2度目が今回のブラックアウト。神奈川さんの牧場でも停電と断水により搾乳が遅れ、また廃棄せざるを得ない生乳も大量に発生しました。衛生的な搾乳ができず乳房炎も発生し、ちょうど出産を迎えた母牛は水不足のために死んでしまいました。その時の様子を思うと、いたたまれない思いになります。

 その現場を支えたのは人の力でした。職員さんは風呂にも入れずに牛舎をまわり、ちょうど来ていた研修生も残って牛たちを支えました。以前に手伝いに来てくれた方の、お子さんもボランティアに来てくれたと言います。

 電力の問題だけにとどまらず、話はJRにも及びました。要は効率だけで物事を考えていいのか、という点です。地震を通じて、あらためて強く私も感じていた点です。大きな視野で、今回の震災を考えることも必要だと痛感しました。

 厚真町では町役場と森林組合をまわり、林業被害の実態を聞きました。まだ全容の把握は進んでないものの、昼のニュースで新潟県中越地震を超える被害と報じられたばかり。どこを見ても土砂崩れという現状では、どこから手を付けたらいいかという状況にもなります。

 印象的だったのは、町役場での宮久史・産業経済課主幹の言葉。「先人たちがつくってきた無数の林道がなくなった。大動脈はつくれても、毛細血管がないようなものです」と話されたのです。林道や路網だけでない、地図に乗らない道が山林の管理に使われていたことを深く学びました。そうやって山林は守られていたんですね。

 今の森林保険では、地震による補償はありません。せめて残った材木を売れるようにと思っても、現状は作業が進まず、駆け足で冬もやってきます。所有者の意欲が失われないように、政治の知恵と力が必要と思いました。

 むかわ町では主に商店をまわり、商工会で懇談させていただきました。国の支援事業も出てきて、グループ補助金は今のところ対象とされていませんが、販路開拓支援事業など小規模事業所にも適用できそうなものもあります。仮設店舗を始めた方もいて、制度の紹介もしながらまわりました。倒壊寸前の建物が近くにある、飲食店の方の不安と不満もうかがいました。

 商工会では山崎満敬会長が時間をとってくださいました。今回の地震を機に店を閉めるか考えていた方も、仮設店舗の話を聞いて意欲を取り戻したという話も聞きました。今後の町づくりへ向けて商工会で委員会を立ち上げて、若い人のアイデアや外部の意見も聞いて進めたいと言います。山﨑会長さんは「もう壊れたものは戻らない。復興に向けて話し合いたい」と力強く話されました。

 あっという間の1ヵ月。住宅も生活も、まだまだ支援が必要です。経済・産業の復興は、まさにこれからです。引き続き現場の実態をつかまなければ、と強く思いました。支援があれば、前を向ける方はいるんです。政治の力で復興をと、私も訴えていきたい。

 【今日の句】寄り添うの 意味を毎日 考える

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