この間の「しんぶん赤旗」で私が注目しているスポーツ面の連載「東京五輪・パラリンピック 新たな道すじ」。今日の増田明美さんの話には、なるほどと思うことが多くありました。政治的思惑による開催論でなく、このような落ち着いた国民的議論が必要だと感じました。
プロ野球など有観客の試合も始まっているなかで、増田さんが紹介していたのは、北海道で先日ひらかれた「ホクレン・ディスタンスチャレンジ」。陸上トラック中長距離の大会ですが、感染予防・感染対策の具体的な中身とともに、それまでの枯渇感を満たすように選手たちの記録が大きく伸びたことも紹介しています。
同時に増田さんは、代表選考が進まない現実も理解し、来春までに各国で選考ができなければ開催自体が困難になると指摘。練習に身を入れる選手の立場からすれば、年内には決めてほしいとも述べています。大会の簡素化、観客数の制限など国際オリンピック委員会(IOC)の方針についても触れていて、このようなオープンな議論が必要だと実感します。
収束が見通せないなかで、世界的な移動をともなって諸国民が集まる五輪の開催自体への疑問の声も、もちろんあります。その予算を、命を救うために優先すべきという議論もあります。五輪開催の是非を問う一方で、文化や芸能、スポーツなど人生を豊かにする分野についての支援も求められてきました。選手たちも苦しい思いをしているに違いありません。
このような連載を「しんぶん赤旗」がおこなっているということも、この機会に多くの方に知ってほしい。スポーツは平和の象徴であり、戦争や軍事に連なる用語(野球の「主砲」など)は紙面で使っていません。暴力や差別をスポーツ界から一掃する点でも、紙面上で主張しています。「赤旗」日曜版では、元プロ野球選手・衣笠祥雄さんが約21年間にわたる野球コラムを寄せてくださり、選手に向けるあたたかな視線が好評でした。
選手は使い捨ての存在でなく、みずからの能力やチームワークを純粋に競い合いたいのであって、政治的思惑や国威発揚のためにプレーするわけではないはずです。五輪・パラリンピックについても行き過ぎた商業主義を排しながら、原点に立ち返った議論こそ。開催の結果がどうなろうとも、しっかり今こそ国民的議論をと思います。
【今日の句】総理への レガシーづくりは やめてくれ
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