2020年7月29日水曜日

札幌市も機構も住民に向き合っているか

 新幹線札幌延伸にともなうトンネル残土について、鉄道・運輸機構からヒアリング。受け入れ基準や説明会など「市と相談・調整のうえ進めてきた」と、札幌市の責任と言わんばかりの説明が目立ちました。公共事業とはいえ、工事実施主体である機構の責任もまた問われているはずです。

 今日のヒアリングは紙智子参議院議員、菊地葉子道議、村上仁・佐々木明美の両札幌市議とでおこないました。ちょうど今日は、手稲区山口地域に隣接する星置地域の「住民の会」が立ち上がり、宣伝行動もおこなっています。事前調査も含めて、住民合意はなされていないのです。

 そもそも、どのような基準で残土置き場として選ぶのか。明文化された基準がないなかで、▶じゅうぶんな広さ、▶できるだけ近くへの運搬、▶周辺環境に影響を及ぼさない、などをもとに、各自治体と相談してきた結果といいます。別な言い方をすれば、「自治体がダメだとなれば無理には進められない」(機構)ということです。

 事前調査が始められた手稲区山口は、札幌市のごみ処理場を使うことから、住民説明会も基本的には札幌市がおこなっています。住民から反対や慎重意見もあるなかで、事前調査にふみきったのは「札幌市も了解」(機構)したからでした。一方で、事前調査後のスケジュールは明確になっていないともいいます。

 紙議員の質問に、赤羽国交相は「地元住民の理解が得られないなかでの事前調査実施は困難」と答弁していました。事を進める条件は、自治体の理解や了解ではありません。結局は「事前調査=受け入れ地決定」と既定路線にされるのではないかと、住民から不安や心配の声が出るのは根拠のあることなのです。

 機構からは「事前調査の後も、第三者・有識者の意見を受けながら進めるので、無理やり進めるようなことはしない」との回答もありましたが、それならば、まずは説明を求めている住民に対して札幌市とともに説明会を開くなどが必要です。紙議員から「市民からの署名も重く受け止めるべきだ」と指摘し、参加者でそろって要求もしました。

 紙議員とは、先だって道漁連にも足を運びました。飲食業・業務用の需要が減っているなかで、ホタテ・カニ・ナマコなど高級魚種の価格下落が深刻です。魚価対策にと出漁制限もしていますが、それでも価格は3割減ほどといいます。給付金の申請・支給が始まっていますが、今後は共済である「つみたてプラス」からの払い戻しも予想され、国からの積み増しがないと、基金が枯渇するのではと心配されています。

 他にも、流通は年度をまたいでおこなわれるのに補助事業は単年度で終了するため、年度を継続する工夫を凝らしてほしいことや、ネット環境のない漁民をサポートしてきた漁協への支援を強めてほしいことなども要望として出されました。売上げが減っていれば漁協への手数料も減るわけですから、他の協同組合なども同じ苦労を抱えるだけに、何らかの対策が必要です。紙議員も、聞いた中身を反映させていきたいと述べました。

 今日は「戦争させない市民の風・北海道」との懇談会もおこないましたが、ボリューム多き内容だったので明日にまわします。これからの社会・政治のあり方や、市民と各党が共同していくうえでの方向など、実り多い話し合いになりました。安倍首相が国会の質疑から逃げまわるなか、私たちは逃げずに新しい社会へと進みたい。

 【今日の句】国会を 避ける総理も どこを向く

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