今日は4私立大学(札幌学院大・北翔大・酪農学園大・天使大)を訪れ、どこでも学長・副学長さんが応対してくださいました。学生支援、大学の果たす役割など現状がよくわかりました。
どの大学も遠隔授業のため学生の姿がなく、どのような思いで自宅やアパートなどにいるのかなと、ふと思います。札幌学院大学では河西邦人学長、北翔大学では青木次郎理事長・山谷敬三郎学長、酪農学園大学では北岡光彦副学長、天使大学では田畑邦治学長が時間を割いてくださいました。共通して学生へ心を砕いて支援していることと、一方で様々なもどかしさを聞かせていただきました。ある大学では6割の学生が奨学金を受けている状況で、経済的に苦しむ学生を支えなければと具体化を進めています。政治が応えるべきと痛感しました。
学生への支援金や遠隔授業用の通信支援金、学内の衛生環境整備、学生への郵送・連絡など、これまでにない経費が生まれていますが、国からの補てんがないため現状は大学の持ち出しとなっています。どうしても必要な経費として大学が工面しているもので、すべての大学に共通することなのですから、本来は政府において支える必要があります。支出増への補てんとともに、私大に対する経常経費部分への補助を来年度も保障すると政府が明言してほしい。
就職活動・雇用についても、心配の声があふれています。企業説明会などが軒並み実施できなくなり、就職活動にかかわる相談を個別に受けている大学もありました。さかのぼれば拓銀破たんやリーマンショック時に求人数が減り、非正規雇用が増えたまま固定化して今日を迎えている現状を考えれば、同じ事態をくり返さない手立てが必要です。特に中小企業や、農林漁業・観光業に関連する業種が多い北海道だけに、大企業支援に偏らない対策をとの要望も大事だと思いました。
今日うかがった大学の特徴でもあるのですが、実習・実験・実技ができないことが、これほど学生にも大学にも苦しみを引き起こすのかと胸が痛みました。教育実習にしても、学校行事の中止や夏休み・冬休みまで短縮(その是非は別ですが)までして授業時数を確保しようとする学校のもとで、実習生を受け入れるだけの余裕ができるかどうか。国家資格の分野もあるだけに、文科省が急いで方針を示す必要があります。送り出す大学も、受け入れる学校なども、双方が後期のカリキュラム策定を具体化しなければならず、対処方針が待たれているのです。
教員とともに、看護師なども人員不足が慢性的に続いているもとで、実習を受けられないで、病院でも働けないとなれば本末転倒です。人と人とがかかわりあう仕事は実習や実技をふまえてこそ自信になるし、命や人格・人生に1年目から向き合える土台づくりにもつながります。大規模教室で学んで終わり、ともなりません。医療・介護・福祉・教育の分野に、そもそも予算と人員確保をじゅうぶんに進めてこなかったツケが、間接的に表れたのだと思いました。
当面の支えとともに、これからの社会像について話題になった大学もありました。国民の命と安全を守るところにこそ、政治の議論が進んでほしいとの話もありました。これだけの熱い思いを、しっかり国政へ届けなければ。時間と手間がかかることの大事さよりも効率化を当然視し、過度に利益を重視して国民生活にかかわる部分まで競争的に進めるシステムは見直すべき時です。
【今日の句】大学の役割 重く受け止めた
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