2016年8月30日火曜日

党道議団と政府交渉(2)

 先日の政府交渉での要望は、9府省庁へ37項目。道内の要望をふまえ、党道議団が道議会で取り上げてきたものが中心です。

 いくつか、要望項目と答弁の特徴を紹介すると--

 【防衛省へ】高校生等の就活ルールから逸脱する就職勧誘はただちに中止し、民間企業と同様のルールに則っておこなうこと。
  (答弁)自衛隊法29条にもとづき適切におこなっている。少子化が進むとともに、景気が回復して民間就職が増えるなか、各地域で熱意を持って募集しているものと理解している。

 必要な募集ということを理由に、際限なく何でもやっていいという答弁だ。道教委からも意見が上がっていることを受け止めるべきだと、交渉団からは強調。

 【文科省へ】学校施設環境改善交付金について、申請している全市町村の要望に応えられるようにすること。特に、危険改築7件、不適格改築5件などを優先して予算を付けること。
  (答弁)8月5日に閣議決定された経済対策をふまえ、補正予算にも1407億円を計上したところ。子どもの命を守り、災害時は避難場所となるだけに、現状については認識している。

 計画的に改築ができるよう、本来は当初予算で措置していくべきもの。耐震化工事が進むよう、国が早く対策をと再要望。

 【国交省へ】JR日高線を早期に復旧すること。
  (答弁)持続可能な方法の協議を進めている。どのような交通機関とするか、地域の議論が進むように協力していく。

 昨年から復旧が進まず、現地から「切り捨てか」の声が上がっていることも述べつつ厳しいやりとりに。議論は平行線ですが、くり返し要請をしていくことも強調。

 【厚労省へ】地域集中暖房の公営住宅に入居している生活保護世帯のうち、病気や障がい等により常時在宅の世帯や、乳児のいる世帯に対する「特別基準」を継続すること。
  (答弁)集中暖房は切ったり点けたりをできないもので、昨年は特別基準を設けることとした。関係自治体で、方策の検討をまずは行ってほしい。

 集中暖房を点けっぱなしにすれば費用がかさむため生活保護世帯には負担増となるのに、昨年の国の運用見直しがあって起きた事態。市が何とか考えろというのでは無責任と、あらためて継続を要請。

 --このように終日、各府省庁と交渉をおこないました。

 一度の交渉では解決しない問題もあり、国会での質問や再度の交渉などで迫っていくことになります。

 私自身は候補活動を始めたころ、このような交渉にも参加して「国は、どこまで実態を受け止めて検討するのかな」「野党の要望だからと、正面からは受け止めないのかな」と感じたこともありました。

 しかし、くり返しの要望と、何より地元や全国の世論と運動が高まることで事態が動くこともあるわけです。

 今回も給付制奨学金の要望をおこないましたが、数年前までは前向きな答弁などなかった項目です。

 それが今や「有識者もふまえて具体的な検討」を進めている段階というわけですから、粘り強く訴えることが、やっぱり大事なのです。

 道議団を中心に、要望の内容はまとめられると思います(ぜひホームページも、ご覧ください)。

 台風10号が東北・北海道地方を襲っています。

 大きな被害が出ないことを祈るばかり‥‥。

 【今日の句】 まだ議席 増やして声を 届けなきゃ

2016年8月29日月曜日

党道議団と政府交渉(1)

 今日は党道議団と各省庁への要望で、紙智子・岩渕友の両参議とともに。調査をふまえて台風被害対策を重点に要望しました。

 全体の要望項目は9府省庁へ37項目ですが、詳しくは明日にまとめます。

 もともと予算要求などに合わせた日程ではありましたが、1週間に3つもの台風が押し寄せる被害に対しての支援を要望しないわけにはいきません。

 台風被害対策も主に農漁業分野に絞り、要請には塩川白良危機管理・政策評価審議官が対応されました。

 申し入れの内容(主旨)は、以下のとおりです。

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  今般の台風における北海道の農漁業被害対策に関する緊急申し入れ(案)

7号、11号、9号と、相次ぐ台風の直撃を受けた北海道では、河川の氾濫、住民の避難や床上・床下浸水、土砂崩れによる道路の寸断やJR石北線の路盤の崩落など、深刻な被害が発生している。とりわけ収穫期を目前に控えた畑の冠水等による農作物等への被害は甚大であり、被災状況の把握と農地の復旧等、迅速な対応が求められている。
よって、この間の現地調査を踏まえ、緊急に以下の点を申し入れる。


○全面的に農地が崩壊・流出するなど、被害の状況はきわめて深刻である。冬が来る前に復旧しなければ来年の作付に影響を及ぼすだけでなく、営農意欲の減退にもなりかねない。農地の復旧に当たっては、あらゆる手続きや工事などが速やかに進むよう、財政面も含めて万全の措置をとること。
○関係機関と協力し、経営支援はもとより技術指導などきめ細かい対応をおこなうこと。

○被害の全容把握を急ぐとともに、共済金の支払いを早期におこなうこと。また、共済の対象から漏れる作物等については、国として適切な措置を取ること。

○畜舎などで病気が発生しているとの報告もある。国として情報収集を急ぐとともに、万全な体制を持って対応にあたること。

○シカ防護柵の設置など急を要する対策には、既存事業の柔軟な活用も含めて迅速に対応すること。

○海が荒れたことで昆布が根から流された恐れが指摘されている。漁業被害に対する調査を急ぐこと。

○農・漁業施設、農機具等の修繕・改修など、現場の要望にこたえて支援をおこなうこと。
                                     以上

-----------------------------  塩川審議官も昨日、北見・十勝管内の調査に回っていることもあって「タマネギの腐敗したにおいに驚きました。農地の復旧は、雪が降る前までにできるよう、査定前着工の仕組みを周知するなど早急に対応したい。生産者の皆さんの来年への生産意欲がそがれないよう対策を急ぎたい」と述べました。

 他にも共済の支払い、病気などへの対応など、全般的に応える旨の回答でした。

 各議員からも、これまでブログなどに書いたような内容を伝えるとともに、引き続き全容が明らかになるなかでの対応を重ねて求めました。

 今度は台風10号の影響が心配です。

 すでに西日本では雨が強くなっているようですし、関東・東北地方に上陸となれば昨年の常総水害をどうしても思い出します。

 自然の猛威を止めることはできませんが、できる限り被害を小さくするのは人間の力でできること。

 引き続き被害の実態をつかみつつ、政府へ反映させていきます。

 【今日の句】 いるのなら カミナリ様よ もうやめて

2016年8月28日日曜日

言葉を失うほどの被害だった

 想像以上の被害に驚くばかり。北見市(常呂・留辺蘂・端野)をまわると、見渡す限りタマネギ畑のはずなのに何も残っていない!

 北見市の調査には、紙智子参議・宮川潤道議・森つねと道国政相談室長と、地元から菊池豪一・熊谷裕の両市議でおこないました。

 北見市街から常呂へ向かう道のりは、ちょうど常呂川と並行していく部分があります。

 いくつか越水したと思われる地点があり、隣接する農地には荒れ放題。

 常呂で視察したタマネギ畑は流されずに浸水したところでしたが、車から降りた途端に腐敗が進んでいるにおいが鼻に突き刺さるほど。

 「水に浸って触るとブヨブヨしますよ」と説明も受けましたが、こんな現状もにおいも初めてです。

 亡くなられた一関大さんへ献花をと足を運ぶと、ちょうどお父さんがいらしていました。

 お悔やみと「同じようなことがくり返さないよう、私たちも力を尽くします」とを述べました。

 言葉少なく頭を下げられるお父さんの姿に、本当に胸が痛む思いでした。

 現場は、川が氾濫した場所からも随分と離れていて、晴れたときなら「ここまで水が来るのか」と驚くほどの場所。

 あらためて水害の恐ろしさを実感しました。

 留辺蘂でも、無加川が氾濫してタマネギ畑に流れ込み、ちょうど市道がグルッと囲む形だったためダムのようになり、砂利や流木も運ばれてしまいました。

 排水溝では追いつかず、もう水が溜まりきれなくなったところで市道が決壊し、真っ二つになったのが写真です。

 この後ろ側には、すでに収穫済みのタマネギコンテナや、太い排水管なども流されているのです。

 畑も、ただの荒地同然で、ガードレールにタマネギがぶら下がっている状況に言葉を失います。

 ここまでなると土地をすべて入れ替える必要があるのですが、水も引かなければ作業もできず、冬が来る前に改良できなければ来年の営農に間に合いません。

 実は、常呂川に流れるいくつかの川の1つが、この無加川。

 上流部で大きな被害を出すほどの雨量が集まり、常呂川に結集したというのですから被害が甚大なのも当然です。

 それを再認識したのが、次に足を運んだ端野地域。

 見渡す限りの畑--というのが、北海道を知る人なら頭にイメージで浮かぶでしょう。

 しかし、その畑が見渡す限りないのです。

 見える範囲だけでも10数haあるでしょうか、写真を並べますが左右どこを見ても畑の痕跡はわずかです。

 実際に農家の方から話を聞くと「今の代になってからは、これほどの被害は初めて。早く水が引かないと流木も取り除けない。改修作業ができる、これから2ヶ月ほどが勝負です」と、支援の要望もいただきました。

 共済の早期支払いなども要望したいと思いますが、時期だけでなく中身の検討も必要だと思います。

 農業土木関係も、早めの見積もりと国や関係機関からの支援を組み合わせて、来年の営農にまで間に合うような対策を進めなければなりません。

 今もって被害の全容は把握中ですから、そのこと自体が急がれます。

 北海道で様々な被害を見てきましたが、これだけ面的に被害を受けた現場は、私も初めて見ました。

 高橋知事が激甚災害の申請も検討と報じられていますが、当然のことと思います。

 週明けに、私たちも政府への要請をおこないますが、つかんだ情報をもとに二度三度と反映させていきたい。

 新たに発生した土砂崩れで不通区間がある羅臼町や、石北線・日高線が不通となっているJR北海道の問題もあります。

 視察後に、わずかな時間でしたが石北沿線ふるさとネットワークのみなさんとも懇談し、地域づくりと合わせたJR活性策と、国・道の果たすべき役割について意見交換しました。

 何より1ヶ月以上かかると言われる石北線も、早期復旧できなければ生活・産業・交通の面で被害が膨らんでいきます。

 この間の調査内容をまとめ、しっかり政府に訴えたいと思います。

 【今日の句】 この土地が 命を支えて きたのだと

2016年8月26日金曜日

疑問が解けない広域防災拠点計画

 いったん国会へ来て、党宮城県議団などと広域防災拠点問題での政府レク。県議会でも3会派が反対するなどの重大問題です。

 宮城県は、仙台市宮城野区宮城野原のJR貨物駅を移転させ、その跡地に災害時に物資や人員を集積する「広域防災拠点」を計画しています。

 ところが、この計画地では活断層に隣接していることや、既存公園や施設があるのに国と県が合わせて約300億円という巨費を投じること、また市町村との協議はこれからで県民合意もない――などが問題点として浮かび上がったのです。

 例えば消防力ひとつ見ても、消防は県にないため市町村との合意が必要なのですが欠けているわけで、それで実際に機能するのかなどの問題があるわけです。

 防災の専門家からも「かなり難しい対応ではある」(今村文彦・東北大学災害科学国際研究所助長)との意見が上がっています。

 国費も投じられるわけですから、国土交通省にも経過を正したのですが少なくとも今日いた説明者には、活断層についての認識はありませんでした。

 また、交付金を出す際の「面積要件」でも、県の理解(議会への答弁)と国の説明には段差があり、検証が必要です。

 いったい国と県の間で、どのようなやり取りがあったのか――資料請求などもしましたが、きちんと明らかにする必要があると思います。

 首都直下や南海トラフなど、大地震・大津波への対応が必要なのは言うまでもありません。

 しかし、限られた人的体制と財政状況のもとでの計画ですから、効果的に科学的に、国も含めての検討が必要なことも言うまでもありません。

 国の対応もハッキリしない部分があり、引き続き取り組まなければいけないと痛感しました。

 バタバタと今日のうちに北見まで来ましたが、着いたら激しい雨。

 明日の調査に天気は果たして……。

 【今日の句】 ドラえもん どこでもドアを 私にも

2016年8月25日木曜日

台風被害の深刻さ広がる

 台風被害調査で日高町の富川・厚賀、新ひだか町では町役場と真沼津川へ、途中ではJR日高線の土砂崩落現場も立ち寄りました。

まずは写真でも被害の大きさがわかるでしょうか、JR日高線。

 復旧方針も決まらないなかで新たな災害を受けたわけですが、復旧が早く進んでいたら、今よりは対応できたかもしれません。

 石北線の復旧もあるし、JR北海道の経営の厳しさから見れば、国が黙って見過ごす時ではないと思います。

 新ひだか町では副町長さんが対応してくださいましたが、煮え切らないJRの態度に怒りに似た声が広がっているとか。

 お会いできませんでしたが、JR日高線を守る会からは「86年の参議院での付帯決議(災害時の予算措置)を今回こそ履行されるべき」などの要望もいただきました。

 厚賀地域では、線路を覆った土砂が水産加工会社を直撃し、すでに泥出しなどは済んだものの大型冷蔵庫が3つダメになったとか。

 「従業員10人が片付けてくれましたが、今後の見通しが見えてこない。どのような形でもいいから支援を」との要望を伺いました。

 社長さんが、ちょうど隣家へ行った時に土砂が流れ込んだそうで「もしかしたら私の命はなかったかもしれません」と話されたのが心にずしりときました。

 前後しますが、トマトを作っている農家ではハウス30棟のうち8棟に浸水。

 まだ周りでは水も引かず、幸いトマトの実への影響が少なかったため防除に汗を流されていたときでした。

 排水路の改修など具体的な要望とともに、後継ぎの息子さんもいることから「若い人たちが安定的に経営できるようにすることが一番」と、今の農政への注文もお聞きしました。

 「避難しているうちに、こんなにえぐられていてビックリした」と話されたのは、富川での高齢の女性。

 家の中まで浸水しなかったのは幸いでしたが、また来るかもしれない大雨を心配されていました。

 新ひだか町では道営団地が浸水したため、町が公営住宅を「仮の宿」で提供するなどの対策も取られていました。

 安心して眠れる場所を――被災された方は避難や片付けなどで心身ともにクタクタとなっているので、地方自治体が支えになってほしいと思いました。

 それを財政面などから支える国の役割を求めていきたい。

 明日は、いったん私は東京での用事がありますが、紙智子参議院議員が上川管内を調査し、明後日は合流して北見管内を回ります。

 それにしても明日からも雨の予報で、もう降るのやめて!と言いたい気持ちです。

 【今日の句】 ゆっくりと 眠れる夜を 送れるよう

2016年8月24日水曜日

道内各地から被害状況が寄せられて--

 北海道へ戻り、台風被害の把握と対策を進めています。明日は日高管内へ、明後日には紙智子参議も上川管内に向かいます。

 さらに北見管内での調査も予定していますが、とにかく広い北海道だけに全体の把握には時間がかかります。

 党北海道委員会は台風被害対策本部を立ち上げ、私が本部長となり、党道議団と森つねと国政相談室長が副本部長などの体制です。

 党地区委員会や地方議員から被害状況が寄せられていますが、例えば--

 ●倉沼川が氾濫し、田んぼ及び住宅に流出。町では倉沼川の改良と橋の架け替えを要望していた(東川町)

 ●商品・修理機械・工具などが水没。保険に入っていないため営業再開ができるか見通しがたたない(歌志内市)

 ●市街を通る川が氾濫し、一部で床下浸水。西川地区でも氾濫し、牧場への浸水被害がかなりある(新ひだか町)

 ●道路の法面が崩れて、菜種播種作業に影響があると農家から連絡(滝川市)

 など一例で、被害調査が進行中のため全容把握はなお時間がかかります。

 真下紀子道議からは辺別川橋梁の崩落について詳しい報告もあり、道内の至るところで生活・交通・産業への被害が出ていることを痛感。

 午後にJR北海道が記者会見をおこない、石北線で土砂崩れなどにより旭川-遠軽間が「月単位」での復旧が見込まれると発表されました。

 日高線でも、清畠-厚賀間で土砂崩れが発生しており、これまでの不通区間の復旧にさらに時間がかかる見通しです。

 北海道新聞の取材に、新ひだか町・酒井芳秀町長は「そもそも必要な安全対策や修繕をおこなってこなかったことが、日高線不通につながった」と指摘していましたが、これまでの不十分な保線作業が被害を拡大していると私も思います。

 昨日は農水省にも話をして、十勝管内から要望されたシカ防護柵の緊急設置について、今ある交付金の残金を使える旨を確認して現地と連絡を取り合うなどしてきましたが、引き続き要望を反映させていきたい。

 JRについて言えば、石北線は貨物列車の運行にとっても重要な路線であり、どうしても国の支援を強めて復旧を急ぐ必要があると思います。

 イタリアやミャンマーでは地震被害が起きていて、自然の猛威を痛感するばかり。

 週末にかけて雨の予報といいますから、新たな災害にも気をつけなければいけません。

 各党・議員も調査に回っているようですが、支援や復旧には与野党を問わず力を合わせたいもの。

 私も明日は日高管内の要望を、しっかり受け止めてきます。

 【今日の句】 どの町も 暮らしの土台 守るため

2016年8月22日月曜日

あらためて、大きな被害がないように

 少しブログ更新に日が経ってしまいました。台風被害調査、TPP全国共同集会、札幌東区での党創立記念集会‥‥また台風被害が心配です。

 北海道庁ホームページ(こちら)など、各自治体での情報を注意されてください。

 今は東京にいるのですが、先ほども北海道東京事務所からも被害状況等まとめが届きました。

 まだ台風7号の被害状況も、農地を含めて精査中のさなかに相次ぐ台風。

 政治の力で台風を止めることはできませんが、被害を最小に、支援は最大にとできることはあります。

 各行政区の職員、消防・警察の職員なども休まず警戒中だと思いますが、お気をつけください。

 大きな被害が出ませぬよう‥‥。

 ほとんど試合を見る時間もなかったのですが、高校野球は北海高校の大健闘!

 同じくニュース程度でしか見られなかったオリンピックも、日本はもちろん、各国の選手も本当にすばらしい。

 この後パラリンピックもありますので、持てる限りの力を発揮してほしいですね。

 【今日の句】 本当は 恵みの雨だけ 望みたい