2020年4月23日木曜日

切迫した状況に応えないと

 まったく観光客が来なくなり、北一硝子店やオルゴール堂なども休業となった小樽市。どの方も堰を切ったように支援の重要性を話されました。切迫感がズシリと伝わりました。

 観光名所でもある堺町通り商店街。外国人のほうが多いのではないかと思うほどの観光客であふれる商店街も、緊急事態宣言を受けるなかで多くの店が休業中。歩いている方もほとんどなく、商店街の賑わいを知る者にとっては驚くべき風景です。

 先が見通せないなかでも「従業員が暮らしていけるように、経営者として問われていると思います」と前を向くのが「利尻屋みのや」代表の蓑谷和臣さん。「人件費の支援があれば解雇しないで済む。生活できれば、いずれ消費にまわる」と強調されました。

 小樽の観光は5~10月が勝負、と蓑谷さん。その繁忙期の売り上げで冬を越し、また繁忙期を迎えるというサイクルだけに、早い終息を願うばかりです。せっかくなので家へのお土産を買うと、レジには若い男性の姿。「4月に採用したばかり。働いてもらわなきゃ」と笑いながら話す蓑谷さんから、従業員を守っていく決意が伝わりました。

 三角市場や都通り商店街もまわりましたが、どこでも聞こえるのは苦境の声。「売り上げは9割減」というある鮮魚店は、お食事処も経営しています。「いっしょに店を支えてきてくれたのは、この従業員たち。解雇して失業保険で食べてもらう手もあるが、社会保険料も自己負担になるし、やっぱり守らなきゃいけないと思っている」と店主さん。このような決意に政治がしっかり応えるべきだと、胸が熱くなる思いで話をうかがいました。

 全般的な状況を、商工会議所で山﨑範夫専務からうかがいました。小樽市や商工会議所、信用保証協会への相談件数は約400件にのぼり、政策金融公庫の融資決定件数も281件にのぼっています。「公庫の少ない職員が夜遅くまで働き、これほど決定はしたものの、東京で滞っているのか実行件数が少ない」と山﨑さん。スピードが問われる状況のもとで、何とか改善していかなければなりません。

 「観光業界へストレートに影響が出ている。大手ホテルが休業したため納入業者にも打撃」など、リアルな現状をお聞きしました。大手資本も参入しているもと、これらが撤退となれば、まさに観光商店街の姿が一変してしまいます。新しい業態として増えてきた民泊業者も、休業が増えています。

 思い切った支援も必要ですが、願うは感染拡大の防止と終息。「休業するのが仕方ないのなら、集中した補償が必要ではないか」との話にもなりました。まったく同感です。菊地葉子道議・高野さくら市議(利尻屋さんでは小貫元市議も)とで、私たちも力を尽くす旨も伝えました。この切迫感は、現場を回らなければわからないと痛感です。

 先だって余市町農協にも足を運びました。有田均組合長と田口正幸参事が応対してくださり、安久荘一郎・大物翔の両町議とで新型コロナウイルスの影響をうかがいました。余市町はワイナリーも増え続けてきている、果樹栽培が盛んな町です。

 ところが飲食店の自粛が広がることによって、ワインを卸していく先でも消費が鈍っています。これからはサクランボやリンゴなど生食用も作付けとなりますが、贈答品や高級品の需要減少、果物狩りの来客減少が心配されます。せっかく実っても「安く売るか、すき込むか」のような選択になれば、いずれにしても農家にとってはつらい結論です。

 果樹だけでなく、話は農政全般にも及びました。規制改革推進会議が「もうかる農業」「既得権益の打破」などを掲げてきたことが、本当によかったのか。新型コロナウイルスの影響で、世界では食料不足の懸念も生まれてきているもと、食料自給率を向上させるという基本に立ち返るべきと私からも話しました。

 一刻も早い支援を、と心から願います。補正予算も今月末までには成立する見込みですが、感染の広がり次第では二の矢・三の矢も必要になります。引き続き、各地の状況をしっかり反映させていきたい。

 【今日の句】町の灯を 消さぬ支援を ぬくもりを

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