白老町に民族共生象徴空間「ウポポイ」が開業しました。単なる観光施設ではなく、アイヌの歴史と文化について国民的理解が深まる拠点の1つになるよう願うばかりです。いつか時間をとって、私も足を運びたいと思っています。
2008年に衆参両議院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で可決され、昨年はアイヌ施策推進法にも先住民族であることが明記されました。一方で、この間は遺骨返還やサケ採捕などでの課題も浮き彫りになってきています。引き続きアイヌ差別が見られる現実にも、ぜひ多くの方に目を向けてほしい。
日本共産党の綱領には「20世紀中頃につくられた国際的な人権保障の基準を土台に、女性、子ども、障害者、少数者、移住労働者、先住民などへの差別をなくし、その尊厳を保障する国際規範が発展している」との一文があります。「先住民族の権利に関する国際連合宣言」では、広く先住民の権利を保障・促進することを明記しています。日本でも早く国際水準へと進めることが必要です。
国際的な宣言が出るまでに至ったのは、当事者である先住民と連帯する諸国民の声が大きくなったことにありました。北海道でもアイヌ民族のみなさんが、粘り強く声をあげてきたことが反映しています。差別を受けながらも世間に訴え続けるのに、どれだけの勇気を必要としてきたでしょう。
候補として活動を始めたときに、穏やかな口調ながら、みずから受けてきた苦難の歴史をアイヌの女性から聞いたことがありました。戦争の悲惨さも味わうなかで、平和と人権の大切さをていねいに私に説いてくださいました。その女性が選んだ生き方は日本共産党員だったということにも、深く感動したものでした。
和人による侵略で、生活や文化、言語を奪われてきた歴史を忘れてはなりません。くりかえしになりますが、「ウポポイ」は単なる観光施設でなく、アイヌの歴史と文化について国民的理解が深まる拠点の1つになるよう願うばかりです。
【今日の句】前を向く ためにも歴史 直視して
0 件のコメント:
コメントを投稿