「学生が学業に没頭できる環境に」(札幌大谷大学)「授業料減免への支援を」(勤医協札幌看護専門学校)--これらの声を政府が受け止めてほしい。聞き取りのため宮川潤道議と足を運びました。
札幌大谷大学は音楽・美術の実技科を抱える芸術系学部や、短大には保育科も備えます。4年制の音楽学科は、北海道では大谷のみ。実習・実技は欠かせませんが、「なるべく自宅を出ないようにして(感染を避けて)保育実習を迎えることに」「学内の音楽用施設は開放していますが、消毒などしながら一部対面授業」など、苦労と努力が重ねられています。
芸術系学部だけに学外の非常勤講師も多く、遠隔授業の準備や実施のなかでも「高音が聞こえやすい●●(通信ソフト名)がよかった」などの会話も交わされたとか。大学に来られないままの新入生にも、オンラインでつながりあうための課題やメッセージだけでなく、食堂や図書館の職員にも登場してもらうなど、創意工夫もこらして支えている現状もうかがいました。
アルバイトで授業料をまかなう学生もいる実態に話題が及び、髙橋肇学長さんは「学べるための支援があれば学生は来ます。学業を支える基礎給付をすることぐらい、あってもいいのでは」と強調されました。それが冒頭の「学業に没頭できる環境」づくりの話にもつながります。学びたいと思っている青年たちを、しっかり国が支えることが当たり前になるようにと私も思いました。
そして看護師を輩出する勤医協看護専門学校。通称「勤看」の前身は1960年開設の准看護婦学院で、今年で60年もの歴史を重ねてきたことになります。政府が病院への支援を渋ってきたなかでも、やりがいや使命感をもった学生たちが学び、患者を支える看護師を送ってきたのです。しかし今年は、休校期間が長かったことと、感染リスクもあるため実習受け入れ先の日程確保が大変であることなど、目の前の課題は山積です。
3年間で約1000時間が必要とされる(看護領域によって違いはありますが)実習は、不足する分は1・2年生は来年以降があるものの、3年生では学内実習でも認めるとの通知が厚労省から出されています。とはいえ、実習が不足のまま働くとなれば学生自身も不安になるでしょう。「勤めてからの継続的な新人教育を充実できるようにしてほしい。そのためには、お金も人も必要です」との指摘には納得です。
勤看にも、家計が苦しい学生がいます。学生への緊急支援給付金も条件を満たしているのに、国の配分が少ないため選考外になった学生もいたとのこと。2次募集で対象になると思われますが、ここでも学業を支える国の姿勢が問われていると痛感しました。そうでなくても看護師不足が全国的な課題のもと、花田未希子副校長さんの「看護師をめざす人が減らないように、働く人への保障を」との要望も、あらためて重く響きました。しっかり反映させていきたい。
【今日の句】お金など 心配せずに 学びたい
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